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仮想サーキット管理パラメータ (チェックサム,圧縮, ECS 遅延しきい値,送信ウィンドウ・サイズ,受信ウィンドウ・サイズ) の値を設定します。
SET VC ノード名
ノード名[,...]
特定のノードへの VC を含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。/EXCLUDE 修飾子を使用すると,特定のノードへの VC を除外できます。
SHOW CHANNEL コマンドまたは SHOW VC コマンドを使用すると, VC 名を表示できます。 VC 名は単なるリモート・ノードの名前になります。
/CHECKSUMMING
/NOCHECKSUMMING
特定のノードへの選択した VC に対するチェックサム検証を許可または禁止します。このコマンドは単独で,またはシステム・パラメータ NISCS_PORT_SERV と組み合わせて使用できます (詳細については NISCS_PORT_SERV のオンライン・ヘルプを参照してください)。
SET VC/CHECKSUMMING の設定は,システムがシャットダウンされると有効ではなくなります。したがって,常に有効にするには,スタートアップ・ファイルに SET VC/CHECKSUMMING コマンドを含めるか,このコマンドを次回のブート時に再発行します。
/COMPRESSION
/NOCOMPRESSION
指定した VC による圧縮データの送信の有効/無効を切り替えます。デフォルトは /NOCOMPRESSION です。使用上の注意
- 圧縮は,パートナ・ノードで動作している PEdriver のバージョンが圧縮をサポートしている場合にだけ使用されます。
- システム・パラメータ NISCS_PORT_SERV でも圧縮の使用を有効にすることができます。 NISCS_PORT_SERV についての詳細は,本書の付録にあるシステム・パラメータの説明を参照してください。
- NISCS_PORT_SERV のビット 2 をオンにすることで圧縮が有効になっている場合は, /NOCOMPRESSION 修飾子を指定しても圧縮は無効になりません。
/ECS_MAX_DELAY=n
/NOECS_MAX_DELAY
ECS のメンバ・チャネルがとることのできる,管理者の指定による最大遅延の最低値を設定します (マイクロ秒単位)。 n には 0 〜 3000000 の任意の値を指定できます。 /NOECS_MAX_DELAY は,それ以前の管理遅延設定を無効にします。このコマンドを使用して,PEdriver が自動的に計算した遅延しきい値を無効にし,n で指定した値より遅延が小さいすべてのチャネルを VC の ECS に含めることができます。
このコマンドは次のように動作します。管理者が指定した値より遅延が小さいタイト・ピア・チャネルが 1 つでもあるときは,管理者が指定した値よりも遅延が小さいすべてのタイト・ピア・チャネルが,自動的に ECS に追加されます。すべてのタイト・ピア・チャネルの遅延が,管理設定に等しいかそれよりも大きい場合は,ECS メンバとする遅延しきい値が自動的に計算されて使用されます。 /NOECS_MAX_DELAY 修飾子では,管理遅延の値をゼロとすることで,管理者の制御が無効になります。
個々の構成で適切な値については,経験から決定してください。初期値としては,2000 (2 ms) 〜 5000 (5 ms) をお勧めします。
重要
自動的な遅延の計算を無効にすることで,最も高速なチャネルに比べて,平均して 1.5 〜 2 倍大きな遅延を持つチャネルを ECS に含めることができます。その場合,VC 全体のスループットは,最も遅い ECS メンバ・チャネルの速度になります。極端な例として,管理遅延で 10 Mb/s のイーサネット・チャネルと,複数の 1 Gb/s チャネルを含めたとします。その結果,VC のスループットは,10 Mb/s に落ちてしまいます。
SET VC/ECS_MAX_DELAY の設定は,システムがシャットダウンされると有効ではなくなります。したがって,常に有効にするには,スタートアップ・ファイルに SET VC/ECS_MAX_DELAY コマンドを含めるか,このコマンドを次回のブート時に再発行します。
/EXCLUDE=(ノード名[,...])
特定のノードへの VC を除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。/WINDOW=RECEIVE=n
/WINDOW=NORECEIVE
管理者指定の受信ウィンドウ・サイズの上限を設定します。これは,次の正しい順序のパケットを待つ間に VC がシーケンス再構成キャッシュ内に保持する out-of-order パケットの数です。この修飾子を使用して,自動的に計算される受信ウィンドウ・サイズを置き換えることができます。これにより,予想される最大数の out-of-order パケットを受信するのに十分なバッファが確保されます。
使用上の注意
- ウィンドウ・サイズ値 n には,必ず 2 のべき乗を指定します。
VC の受信ウィンドウは,パートナ・ノードの送信ウィンドウよりも小さくできません。小さな値を設定すると,パケットが失われた場合に,キャッシュできない数のパケットをパートナが送信する可能性があります。その結果,無駄な再送が発生し,チャネルの損失が大きくなって使用できなくなるおそれがあります。したがって,以下の制限事項に従ってください。- VC の受信ウィンドウ・サイズを小さくする前に,必ず VC のパートナ・ノードの送信ウィンドウ・サイズを小さくしてください。
ローカルおよびリモートの受信ウィンドウ・サイズを小さくする前に, SYSMAN を使用して,ローカおよびリモートの送信ウィンドウ・サイズを小さくすることをお勧めします (例を示します)。- VC の送信ウィンドウ・サイズを大きくする前に,必ず VC のパートナ・ノードの受信ウィンドウ・サイズを大きくしてください。
ローカルおよびリモートの送信ウィンドウ・サイズを大きくする前に, SYSMAN を使用して,ローカルおよびリモートの VC の受信ウィンドウ・サイズを大きくすることをお勧めします。- SET VC/WINDOW=RECEIVE コマンドを実行すると,以下の処理が実行されます。
- VC の現在のシーケンス再構成キャッシュが空にされます。
- VC パートナ・ノードは,破棄されたパケットを自動的に再送します。
- 2 の結果,VC およびチャネルの再送カウントが増加します。
- 次のようなメッセージが表示される場合があります。これは,1 つ以上のチャネルで一時的に損失が大きくなっていることを示します。
%PEA0, Excessive packet losses on LAN Path from EWA to EWC on REMOTE NODE STAR
- パートナ・ノードは,数秒以内に自動的に復旧します。
- SCACP> CALCULATE WINDOW_SIZE コマンドを使用すると,送信ウィンドウと受信ウィンドウのサイズを選択するのに役立ちます。
/WINDOW=TRANSMIT=n
/WINDOW=NOTRANSMIT
管理者指定の送信ウィンドウ・サイズの上限を n に設定します。これは,送信済みのパケットに対する肯定応答を待つ間に VC が送信する out-of-order パケットの数です。 /WINDOW=NOTRANSMIT 修飾子を指定すると,ウィンドウ・サイズの自動的な制御が行われ,管理者指定の送信ウィンドウ・サイズは 0 に変更されます。/WINDOW=TRANSMIT 修飾子を使用して,自動的に計算される送信ウィンドウ・サイズを置き換えることができます。これにより,予想される最大数の out-of-order パケットを受信するのに十分なバッファが確保されます。
使用上の注意
- ウィンドウ・サイズ値 n には,必ず 2 のべき乗を指定します。
VC の受信ウィンドウは,パートナ・ノードの送信ウィンドウよりも小さくできません。小さな値を設定すると,パケットが失われた場合に,キャッシュできない数のパケットをパートナが送信する可能性があります。その結果無駄な再送が発生し,チャネルの損失が大きくなって使用できなくなるおそれがあります。したがって,以下の制限事項に従ってください。- VC の受信ウィンドウ・サイズを小さくする前に,必ず VC のパートナ・ノードの送信ウィンドウ・サイズを小さくしてください。
ローカルおよびリモートの受信ウィンドウ・サイズを小さくする前に, SYSMAN を使用して,ローカルとリモートの VC 送信ウィンドウ・サイズを小さくすることをお勧めします。- VC の送信ウィンドウ・サイズを大きくする前に,必ず VC のパートナ・ノードの受信ウィンドウ・サイズを大きくしてください。
ローカルおよびリモートの送信ウィンドウ・サイズを大きくする前に, SYSMAN を使用して,ローカルおよびリモートの VC 受信ウィンドウ・サイズを大きくすることをお勧めします (例を示します)。- SCACP CALCULATE WINDOW_SIZE コマンドを使用すると,送信ウィンドウと受信ウィンドウのサイズを選択するのに役立ちます。
| #1 |
|---|
$RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENV/NODE=LARRY DO MC SCACP SET VC LARRY/WINDOW=TRANSMIT=16 SET ENV/NODE=CURLY DO MC SCACP SET VC CURLY/WINDOW=TRANSMIT=16 SET ENV/NODE=LARRY DO MC SCACP SET VC LARRY/WINDOW=RECEIVE=16 SET ENV/NODE=CURLY DO MC SCACP SET VC CURLY/WINDOW=RECEIVE=16 EXIT |
この例は,ウィンドウ・サイズを小さくする方法を示します。送信ウィンドウ・サイズと受信ウィンドウ・サイズは,どちらのノードでも 32 です。コマンドを実行することで,LARRY と CURLY の間の VC のウィンドウ・サイズが小さくなります (コマンドはどちらのノードで実行してもかまいません)。
| #2 |
|---|
$RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENV/NODE=LARRY DO MC SCACP SET VC LARRY/WINDOW=RECEIVE=64 SET ENV/NODE=CURLY DO MC SCACP SET VC CURLY/WINDOW=RECEIVE=64 SET ENV/NODE=LARRY DO MC SCACP SET VC LARRY/WINDOW=TRANSMIT=64 SET ENV/NODE=CURLY DO MC SCACP SET VC CURLY/WINDOW=TRANSMIT=64 EXIT |
この例は,ウィンドウ・サイズを大きくする方法を示します。送信ウィンドウ・サイズと受信ウィンドウ・サイズは,どちらのノードでも 32 です。コマンドを実行することで,LARRY と CURLY の間の VC のウィンドウ・サイズが大きくなります (コマンドはどちらのノードで実行してもかまいません)。
特定のノードの PEdriver チャネル情報を表示します。それぞれのチャネルは,ローカル・システムの LAN デバイスとリモート・システムの LAN デバイスの間にある単一の NISCA 通信パスです。SHOW CHANNEL コマンドを使用すると,ノード名および,ローカルとリモートのデバイス名を表示できます。
SHOW CHANNEL ノード名
ノード名[,...]
特定のノードへのチャネルを含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。各ノード名には,オプションの修飾子を使ってローカルやリモートのデバイス名を追加することができます。ローカルとリモートのデバイス名が何も指定されない場合,指定されたノードに関連するすべてのチャネルが含められます。
/ALL
全チャネル・データを含めます。/COUNTERS
チャネル・カウンタ・データを含めます。/ECS
/NOECS
ECS のメンバである (またはメンバではない) チャネルのみを含めます。/EXCLUDE=(ノード名[,...])
特定のノードへのチャネルを除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。各ノード名には,オプションの修飾子を使ってローカルやリモートのデバイス名を追加することができます。ローカルとリモートのデバイス名が何も指定されない場合,指定されたノードに関連するすべてのチャネルが含められます。/INTERVAL
/COUNTERS の表示に対して,最後に SHOW コマンドを実行した後で変化したカウンタを表示します。/LOCAL_DEVICE=(LAN デバイス名[,...])
チャネルのローカル終端を識別する特定の LAN デバイスを含めます。 LAN デバイスの指定にはワイルドカードを使用できます。SHOW LAN_DEVICE コマンドを使用すると,デバイス名を表示できます。
/n
n 番目のページを表示します。複数ページ表示で特定のページを選択するには,表示するページの番号を指定します。/OUTPUT=ファイル指定
指定したファイルを作成し,そこに出力します。/REMOTE_DEVICE=(LAN デバイス名[,...])
チャネルのリモート終端を識別する特定の LAN デバイスを含めます。 LAN デバイスの指定にはワイルドカードを使用できます。SHOW LAN_DEVICE コマンドを使用すると,デバイス名を表示できます。
/SDA
1 つのチャネルに対して 1 つの表示ですべてのデータを収集する, SDA 形式で表示されたチャネル・データを含めます。/SUMMARY
チャネル要約データを含めます。これは,/ALL,/COUNTERS,/SDA の修飾子が指定されていない場合の省略時の設定です。
| #1 |
|---|
SCACP> SHOW CHANNEL NODE20/LOCAL=EWA |
ローカル・デバイス EWA で定義されたすべてのノードと, NODE20 で始まる任意のリモート・デバイスとリモート・ノード名のチャネル定義データを表示します。
| #2 |
|---|
SCACP> SHOW CHANNEL/COUNTERS/INTERVAL SCACP> SPAWN WAIT 0:0:10 SCACP> SHOW CHANNEL/COUNTERS/INTERVAL |
最初のコマンドは,最後の SHOW コマンド以降に変わったチャネル・カウンタを表示します。 SPAWN コマンドは DCL WAIT コマンドに対して 10 秒の遅延を挿入するように命令します。 2 番目の SHOW CHANNEL コマンドは,10 秒後のカウンタを表示します。
| #3 |
|---|
SCACP> SHOW CHANNEL/1/3 |
全チャネルのデータのうち,1 ページ目と 3 ページ目を表示します。 1 ページ目には Channel Summary データがあり,3 ページ目には Channel Equivalent Channel Set (ECS) データがあります。
SCA サーキット情報を表示します。各ノード名は,単一のサーキットを一意に識別するために追加のパラメータを指定して,さらに修飾することができます。
SHOW CIRCUIT ノード名
ノード名[,...]
個別のノードへの特定のサーキットを含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。
/EXCLUDE=(ノード名[/PORT=ポート名[/RSTATION=n]][,...])
あるノードへの特定のサーキットを除外できます。同一のノードに対して複数のサーキットが存在する場合, /PORT および /RSTATION 修飾子を使用すると一意にサーキットを識別できます。/PORT=ポート名[/RSTATION=n]
同一のノードに対して複数のサーキットが存在する場合, /PORT および /RSTATION 修飾子を使用すると一意にサーキットを識別できます。 /RSTATION 修飾子は,/PORT 修飾子とともにのみ使用できます。
SCACP>SHOW CIRCUIT |
ポート PEA0 を経由するノードへのすべてのサーキットを表示します。
Circuit data for CLUIO2 at 07-DEC 11:55:31.80 Node Port Priority Load Remote Remote Name Name Cur Mgt Class State Station Type -------- -------- ---- ---- -------- -------- ------- -------- LYNX03 PEA0 0 0 10 Open dc NI CLUIO1 PEA0 0 0 10 Open dd NI PRMMC2 PEA0 0 0 10 Open de NI RXBOT1 PIB0 5 0 48 Open 4 RF72 RXTOP1 PIB0 5 0 48 Open 1 RF73 RXTOP0 PIB0 5 0 48 Open 0 RF73 CLUIO1 PIB0 5 0 48 Open 7 N710 R4JC3I PIC0 5 0 48 Open 7 RF73 R4HLEK PIC0 5 0 48 Open 5 RF73 R4XEWM PIC0 5 0 48 Open 3 RF73 R4A1FN PIC0 5 0 48 Open 2 RF73 R4XSVE PIC0 5 0 48 Open 4 RF73 R4VLNI PIC0 5 0 48 Open 1 RF73
SCACP>SHOW CIRCUIT* /PORT=PEA0 |
この SHOW CIRCUIT コマンドは,すべてのノードへのすべてのサーキットを表示します。
Circuit data for CLUIO2 at 07-DEC 12:42:23.03 Node Port Priority Load Remote_Port Name Name State Cur Mgt Class Number Type -------- -------- -------- ---- ---- -------- ------- -------- LYNX03 PEA0 Open 0 0 100 dc NI CLUIO1 PEA0 Open 0 0 10 dd NI PRMMC2 PEA0 Open 0 0 10 de NI
PEdriver デバイス・データを表示します。それぞれのデバイスは,システム上にあるローカル LAN デバイスであり,NISCA 通信に使用できます。
SHOW LAN_DEVICE LAN デバイス名
LAN デバイス名[,...]
特定の LAN デバイスを含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。/EXCLUDE 修飾子を使用すると,LAN デバイスを除外できます。
SHOW LAN_DEVICE コマンドを使用すると,デバイス名を表示できます。
/ALL
全デバイス・データを含めます。/COUNTERS
PEdriver で保守されるデバイス・カウンタ・データと, LAN ドライバで保守されるカウンタ・データを含めます。/EXCLUDE=(LAN デバイス名[,...])
特定の LAN デバイスを除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。/INTERVAL
/COUNTERS の表示に対して,最後に SHOW コマンドを実行した後で変化したカウンタを表示します。/n
n 番目のページを表示します。複数ページ表示で特定のページを選択するには,表示するページの番号を指定します。/OUTPUT=ファイル指定
指定したファイルを作成し,そこに出力します。/SDA
1 つの LAN デバイスに対して 1 つの表示ですべてのデータを収集する, SDA 形式で表示された LAN デバイス・データを含めます。/SUMMARY
デバイス要約データを含めます。これは,/ALL,/COUNTERS,/SDA の修飾子が指定されていない場合の省略時の設定です。
| #1 |
|---|
SCACP> SHOW LAN_DEVICE/COUNTERS |
デバイス・カウンタを表示します。
| #2 |
|---|
SCACP> SHOW LAN_DEVICE/COUNTERS/INTERVAL SCACP> SPAWN WAIT 0:0:10 SCACP> SHOW LAN_DEVICE/COUNTERS/INTERVAL |
最初のコマンドは,最後の SHOW コマンド以降に変わったデバイス・カウンタを表示します。 SPAWN コマンドは DCL WAIT コマンドに対して 10 秒の遅延を挿入するように命令します。 2 番目の SHOW コマンドは,10 秒後のカウンタを表示します。
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