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HP OpenVMS Systems
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HP OpenVMS

HP OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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H.4.2.19 TRANSACTION クラス・レコード

TRANSACTION クラス・レコードは,DECdtm トランザクション・マネージャの動作を示すデータです。 TRANSACTION クラス・レコードのレコード・タイプは 22,サイズは 72 バイトです。

次の図にTRANSACTION クラス・レコードの形式を示します。

図 H-31 TRANSACTION クラス・レコードの形式


次の表にTRANSACTIONクラス・レコード・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Starts MNR_TRA$L_STARTS 始動したトランザクション動作の数。システム・サービス $START_TRANS が正常終了した回数 (ロングワード,C)
Prepares MNR_TRA$L_PREPARES 作成されたトランザクションの数 (ロングワード,C)
One Phase Commits MNR_TRA$L_ONE_PHASE 1 フェーズのコミット・イベントを呼び出した回数 (ロングワード,C)
Commits MNR_TRA$L_COMMITS コミットしたトランザクションの数。1 フェーズ・コミットと 2 フェーズ・コミットの合計 (ロングワード,C)
Aborts MNR_TRA$L_ABORTS アボートしたトランザクションの数。計画アボートと非計画アボートの合計 (ロングワード,C)
Ends MNR_TRA$L_ENDS 終了したトランザクションの数。 $END_TRANS が正常終了した回数 (ロングワード,C)
Branches MNR_TRA$L_BRANCHS リモートの親に対するリモート始動ブランチ動作の数 (ロングワード,C)
Adds MNR_TRA$L_ADDS リモートの下位の親に対するリモート追加ブランチ動作の数 (ロングワード,C)
0-1 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS1 1 秒未満のトランザクションの数 (ロングワード,C)
1-2 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS2 1 〜 2 (1.99) 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
2-3 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS3 2 〜 3 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
3-4 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS4 3 〜 4 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
4-5 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS5 4 〜 5 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
5+ Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS6 5 秒を超えるトランザクションの数 (ロングワード,C)

H.4.2.20 VBS クラス・レコード - VAX のみ

VAXシステムにおいて,VBSクラス・レコードには仮想バランス・スロット(VBS)機構の操作に関する統計情報が格納されます。 VBSクラス・レコードは,レコード・タイプが24で,サイズは21バイトです。

次の図はVBSクラス・レコードの形式を示しています。

図 H-32 VBSクラス・レコードの形式 - VAX のみ


次の表はVBSクラス・レコードのデータ・ブロックのフィールドを示しています。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
VBS Faults MNR_VBS$L_VRBS_TRAN 仮想バランス・スロットから実バランス・スロットへのフォルトの数(ロングワード,C)
VBS Clock Ticks MNR_VBS$L_VCPUTICKS 仮想バランス・スロット・クロック・ティックの数 (10ミリ秒単位) (ロングワード,C)

H.4.2.21 VECTOR クラス・レコード (VAX のみ)

VECTOR クラス・レコードは,ベクタ機能付きプロセッサにベクタ使用プロセスがスケジューリングされた時間を示すデータです。 VECTOR クラス・レコードのレコード・タイプは 23 であり,サイズは,システム内のアクティブ・プロセッサの数によって異なります。すべてのプロセッサがアクティブであると仮定した場合,レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞およびデータ・ブロックを次の式で加算してサイズを求めます。


        13 + (5 * MNR_SYI$B_VPCPUS) 

次の図にVECTOR クラス・レコードの形式を示しています。

図 H-33 VECTOR クラス・レコードの形式 (VAX のみ)


次の表にVECTORクラス・レコード・フィールドの説明を示します。 \VECTOR_FIELD_TAB)

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU ID MNR_VEC$B_CPUID データの収集元であるプロセッサの ID (1 バイト)
Ticks MNR_VEC$L_TICKS ベクタ使用プロセスがプロセッサにスケジューリングされた 10 ミリ秒単位のクロック・ティック数 (1 ロングワード)

VECTOR クラスをサポートするため,システム情報レコードの MNR_SYI$B_VPCPUS と MNR_SYI$L_VPCONF が使用されます。これらの項目の詳細については, 付録 H.3.2 項 の表を参照してください。


付録 I
Integrity サーバ向けの HP OpenVMS I64 シリアル・マルチプレクサ (MUX) のサポート

RS232 シリアル回線とマルチプレクサは,従来の端末接続から,低速のシステム間通信,さらには遠隔機器との通信まで,さまざまな作業で使用されます。 OpenVMS では,従来からシリアル回線の追加と,オプション・カードのマルチプレクサをサポートしてきました。このソリューションでは,専用の入出力スロットが必要で,使用できるオプション・カードの選択肢が限られています。

ユニバーサル・シリアル・バス (USB) が業界標準のプラットフォームで広く採用されるに従い,さまざまな USB ベースのシリアル回線のドングルやマルチプレクサが利用可能になりました。 (ドングルとは,1 つのコネクタを持つ単機能のデバイスです。) OpenVMS では,HP Integrity サーバにシリアル回線を追加するにあたり,オプション・カードのシリアル・マルチプレクサから USB へ実現方法を移行しました。

USB ベースのシリアル・デバイスにはさまざまな構成があります。 1 回線のドングルから,ラック・マウントの 16 回線 (またはそれ以上) のマルチプレクサまであります。すべての構成に対して 8 回線または 16 回線が収容できるオプション・カードを 1 枚または 2 枚使用して対処する方法とは違い,要件に最も適合するように USB を構成できるようになりました。

テストの結果,USB ベースのシリアル・マルチプレクサは,オプション・カードと同等 (またはそれ以上) の性能を発揮し,システムのオーバヘッドも少ないことが分かりました。実際に,オプション・カードのマルチプレクサよりもオーバヘッドが小さいという結果が出ています。

I.1 準拠しているデバイス

OpenVMS では,市場で最も普及している,以下の 3 つの RS232 チップセット用の USB インタフェース・ドライバが開発されています。

これらのチップを採用しているベンダや供給元は多数あります。 OpenVMS では,一般の市場で代表的な製品をいくつか購入し,その動作を検証しました。 OpenVMS でテスト済みのデバイスの一覧と,その機能および制限事項の概要については,「テスト済みのデバイス」の項を参照してください。 (将来,この一覧は定期的に更新され,Web サイトに掲載される予定です。)

民生品は寿命が短いことが多いため,弊社では定期的に市場から製品を選んでテストする予定です。特定の製品の検証を希望する場合は,次の Web サイトから弊社に直接ご連絡ください。


     http://h20219.www2.hp.com/services/cache/77481-0-0-225-121.html 

「テスト済みのデバイス」に記載されているデバイスに対しては,弊社はユーザからのバグ・レポートを受け付けており,必要に応じてドライバの ECO の修正を作成しています。これらのデバイスに対するドライバのサポートは,基本オペレーティング・システムに含まれており,個別のレイヤード・プロダクト・キットやライセンスは必要ありません。

テスト済みのデバイス

OpenVMS でテスト済みのデバイスは以下のとおりです。

I.2 デバイスの取り付け

ローレンジとミッドレンジの Integrity サーバでは,組み込みの USB コントローラと少なくとも 2 つのポートがシステムに搭載されています。ハイエンドのセル・ベース・システムでは, USB コントローラが組み込まれていないことが多いため,オプションのカード (HP の部品番号は A6869A) で USB ポートを追加する必要があります。

システムでキーボードとマウスを使用しない場合は, USB シリアル・デバイスを直接システムの USB ポートのいずれかに接続することができます。 USB の設計では,階層的にハブを接続して利用可能なポートを拡張することができます。通常ハブは,1 個の USB ポートを 4 個の USB ポートに拡張するため,追加のハブ・デバイスを使用することで,ほとんどのシステムに搭載されている 2 個のポートは,最大 128 個に拡張することができます。デフォルトでは,OpenVMS は USB デバイスを認識し,ユーザの介入なしに自動的にデバイスを設定します。

UCM は,検出された USB デバイスに対してデバイス名を割り当てます。同じデバイスを複数使用した場合は,検出の順番によって名前が決まります。システムがブートしてデバイスが見つかるたびに,パーマネント (永続的な名前)・データベースから,同じ OpenVMS デバイス名が取得されます。

固有のシリアル番号を持つデバイスは,いったんパーマネント・データベースに登録されると,常に同じ名前が割り当てられます。シリアル番号を持たないデバイスは,USB バスの階層構造中で,名前が永続的になったときと同じ場所に差し込まれた場合にだけ同じ名前が割り当てられます。デバイスを別の USB ポートに移動すると, UCM はそれを新しいデバイスとして認識し,別の固有の名前を割り当てます。

USB デバイスの構成を制御する方法についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

シリアル・マルチプレクサを設定するために必要な作業は以下のとおりです。

回線が使用可能な状態になり, OpenVMS のブート時またはデバイスの接続時に同じ名前が割り当てられます。 (ただし,シリアル番号を持たないデバイスでは,異なるポートに接続すると別のデバイスと見なされます。)


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