I    別方法によるシステム・ディスクの初期化

新しい OpenVMS システム・ディスクを作成する場合は,INITIALIZE オプションを指定して OpenVMS をインストールするのが普通です。 この操作を行うと,インストール・プロシージャによって次の処理が実行されます。

I.1    別方法による初期化

ここで説明する手順に従って初期化すれば,/LIMIT 修飾子の使用と,診断パーティションの作成 (OpenVMS I64 の場合) を回避することができます。

注意

以下の手順でターゲット・ディスクを初期化した場合は,OpenVMS をインストールする際に必ず PRESERVE オプションを指定してください。 INITIALIZE オプションを指定すると,ディスクがデフォルトの方法で再度初期化されてしまいます。

  1. オペレーティング・システムのメディアをブートしたら,オペレーティング・システムをインストールする前に,メイン・メニューからオプション 8 ("Execute DCL commands and procedures") を選択します。

  2. 次のコマンドを実行して,ターゲット・ディスクを初期化します。

     $ INITIALIZE /SYSTEM /HEADERS=150000 /STRUCTURE=ods-level target-disk target-label
     
    

    説明

    ODS-5 形式を指定して,さらにハード・リンクのサポートも有効にする場合は,INITIALIZE コマンドに /VOLUME_CHARACTERISTICS=HARDLINKS 修飾子を追加します。

    診断パーティションの作成が必要でなく,しかも V7.2 より前の OpenVMS でディスクをマウントすることもなければ,INITIALIZE コマンドに /LIMIT 修飾子を追加します。 /LIMIT 修飾子を指定して初期化しないとディスクの最小割り当てサイズが比較的大きくなるため,小さなファイルでディスクのスペースが必要以上に消費される可能性があります。

  3. log off コマンドで DCL を終了し,メイン・メニューからオプション 1 ("Upgrade, install or reconfigure OpenVMS") を選択します。

  4. ターゲット・ディスクを初期化するか内容を維持するかを尋ねるプロンプトが表示されるので,PRESERVE (デフォルト) を選択します。

  5. インストールを続けます。

I.2    診断パーティション・ファイルの削除 (OpenVMS I64 のみ)

OpenVMS I64 システム・ディスクの診断パーティションを削除して,占有されていたスペースを解放するには,SYS$MAINTENANCE:SYS$DIAGNOSTICS.SYS ファイルを削除してブート・ブロックをリセットします。 このファイルにはハードウェア診断のメッセージが含まれていますが,OpenVMS の運用に必ずしも必要ではありません。 SYS$MAINTENANCE:SYS$DIAGNOSTICS.SYS ファイルを削除するには,次のコマンドを実行します。

   $ DELETE SYS$MAINTENANCE:SYS$DIAGNOSTICS.SYS
 

DCL プロンプトに対して次の例のように SET BOOTBLOCK コマンドを実行して,ブート・ブロックをリセットします。target-disk には,ターゲット・システム・ディスクをマウントしているデバイスを指定します。

   $ SET BOOTBLOCK /PRESERVE=SIGNATURE target-disk:[VMS$COMMON.SYS$LDR]SYS$EFI.SYS