HP OpenVMS Systems Documentation |
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図 8-5 の CI OpenVMS Cluster 構成には,以下の構成要素があります。
| パート | 説明 |
|---|---|
| 1 | 2 本の LAN インターコネクト
解説: DECnet--Plus 通信には LAN インターコネクトを追加する必要があります。2 本の LAN インターコネクト---Ethernet または FDDI---により,冗長性を強化しています。ネットワーク・キャパシティを上げるには,Ethernet ではなく FDDI を使用します。 |
| 2 | 2 個から 16 個の CI 対応 OpenVMS ノード
解説: 定足数を満たすには,最低 3 個のノードを推奨します。 1 本の CI インターコネクトで,最大 16 個の OpenVMS ノードをサポートできます。 関連項目: CIPCA の全般的な説明については, 付録 C を参照してください。 代替法: ノードに障害が発生したときに定足数を満たすには, 2 ノード構成の場合,クォーラム・ディスクが必要です。 |
| 3 | 2 つのスター・カプラを備えた 2 本の CI インターコネクト
解説: 各ノードとの冗長接続を実現するには,2 つのスター・カプラを使用します。 |
| 4 | 重要なディスクは,CI ストレージ領域コントローラ間でデュアル・ポート化します。
解説:各ディスクを 2 つのコントローラに接続して冗長性を実現します。システム・ディスクは,CI ストレージ領域コントローラ間でシャドウ化し,デュアル・ポート化します。デュアル・ポート化ディスクのプライマリ・パスは定期的に切り替えてハードウェアをテストします。 |
| 5 | データ・ディスク
解説: デュアル・ポーティングによる冗長化が不要な重要度の低いデータ・ディスクはシングル・ポートにします。 |
| 6 | 重要なデータ・ディスクは,コントローラ間でシャドウ化します。
解説: 重要なディスクはシャドウ化し,シャドウ・セット・メンバは異なる HSC に配置して,単一点障害の要因を排除します。 |
この構成には,以下のような長所があります。
この構成には,以下のような短所があります。
図 8-5 の構成では,以下の手法で可用性を強化しています。
8.9 MEMORY CHANNEL OpenVMS Cluster における可用性
図 8-6 は,高い可用性を備えた MEMORY CHANNEL (MC) クラスタ構成です。 図 8-6 の後の項で,以下の構成を検討します。
図 8-6 MEMORY CHANNEL クラスタ
図 8-6 に示す MEMORY CHANNEL 構成には,以下の構成要素があります。
| パート | 説明 |
|---|---|
| 1 | 2 個の MEMORY CHANNEL ハブ
解説: 2 個のハブとノードとの複数の接続により,単一点障害の要因を排除しています。 |
| 2 | 3 個から 8 個の MEMORY CHANNEL ノード
解説: 定足数を満たすには,3 ノードを推奨します。1 本の MEMORY CHANNEL インターコネクトで,最高 8 個の OpenVMS Alpha ノードをサポートします。 代替法: 2 ノード構成では,ノードに障害が発生したときの定足数を満たすために,クォーラム・ディスクが必要です。 |
| 3 | FWD (Fast-wide differential) SCSI バス
解説: データ転送速度を強化し (20 百万/秒),2 つの HSZ コントローラをサポートするため FWD SCSI バスを使用します。 |
| 4 | 2 つの HSZ コントローラ
解説: 2 つの HSZ コントローラでコントローラ障害時の冗長性を確保しています。2 つのコントローラにより,2 本のシングル・エンド SCSI バスの接続が実装され,さらに多くのストレージ領域を利用できます。 |
| 5 | 重要なシステム・ディスクとデータ・ディスク
解説: 重要なディスクはシャドウ化し,シャドウ・セット・メンバは異なる SCSI バスに配置して,単一点障害の要因を排除します。 |
この構成には,以下のような長所があります。
この構成には,以下のような短所があります。
図 8-6 の構成では,以下の手法により可用性を強化しています。
8.10 サテライトを持つ OpenVMS Clusterにおける可用性
サテライトとは,システム・ディスクや他の OpenVMS Cluster ストレージ領域に直接アクセスできないシステムです。サテライトは通常,ワークステーションですが,クラスタ内の他のノードによっては,ストレージ領域のサービスを受ける OpenVMS Cluster ノードもサテライトとして使用できます。
サテライト・ノードの可用性はサーバ・ノードによって大きく異なるので,この章の始めに紹介した構成例ではサテライト・ノードを使用していません。ただし,サテライト/サーバ構成には大きな長所があり,サテライト・ノードを構成に組み込むことで多少の可用性を犠牲にする場合もあります。
図 8-7 は,サテライトを持つ OpenVMS Cluster システムの最適な構成です。 図 8-7 の後の項で,以下の構成を検討します。
図 8-4 と 図 8-5 に示すベース構成は, 図 8-7 に示すベース構成に代えることができます。言い換えると, 図 8-7 に示す FDDI セグメントとサテライト・セグメントは, 図 8-4 と 図 8-5 に示す構成に容易に関連付けることができます。
図 8-7 サテライトを持つ OpenVMS Cluster
図 8-7 に示すこのサテライト/サーバ構成には,以下の構成要素があります。
| パート | 説明 |
|---|---|
| 1 | ベース構成
ベース構成は,サテライトのサーバ機能を実行します。 |
| 2 | 3 個から 16 個の OpenVMS サーバ・ノード
解説: 定足数を満たすには,少なくとも 3 ノードを推奨します。 16 ノードを超えると管理がたいへん煩雑になります。 |
| 3 | ベース・サーバ・ノードとサテライト間の FDDI リング
解説: FDDI リングは,Ethernet を使用すればネットワーク・キャパシティが向上しますが,速度は低下します。 代替法: FDDI リングの代わりに 2 本の Ethernet セグメントを使用する。 |
| 4 | 重要な各サテライトを 2 つの Ethernet アダプタに接続している,FDDI リングから伸びた 2 本の Ethernet セグメント。これら重要なサテライトには,それぞれ専用のシステム・ディスクがあります。
解説: 専用のブート・ディスクを備えることで,重要なサテライトの可用性を強化しています。 |
| 5 | 重要度の低いサテライトの場合,ブート・サーバは Ethernet セグメントに配置します。
解説: 重要度の低いサテライトに,専用のブート・ディスクは不要です。 |
| 6 | サテライト数は 1 セグメント当たり 15 に制限。
解説: 1 セグメント上のサテライト数が 15 を超えると I/O の輻輳が発生することがあります。 |
この構成には,以下のような長所があります。
この構成には,以下のような短所があります。
図 8-7 の構成では,以下の手法により可用性を強化しています。
8.11 マルチサイト OpenVMS Cluster システム
マルチサイト OpenVMS Cluster 構成では,遠距離を隔てているサイトのノードに対応します。使用するテクノロジにもよりますが,サイト間の距離は,最大で約 240 km になります。サイト間は,FDDI,非同期転送モード (ATM),DS3 で結合され,大きな 1 つのクラスタを形成します。ほとんどの電話会社のサービス網から利用できる DS3 サービスと ATM サービスでは,マルチサイト・クラスタ用の長距離ポイント間通信が可能です。
図 8-8 は,マルチサイト OpenVMS Cluster システムの代表的な構成例です。 図 8-8 の後に,以下の構成を検討します。
図 8-8 WAN リンクで結合されたマルチサイト OpenVMS Cluster 構成
図 8-8 で,可能な構成の組み合わせをすべて表しているわけではありませんが,マルチサイト OpenVMS Cluster には次の構成要素を組み込むことができます。
マルチサイト OpenVMS Cluster システムには,以下の利点があります。
関連項目: マルチサイト・クラスタのその他の説明については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。
8.12 ディザスタ・トレラントな OpenVMS Cluster 構成
ディザスタ・トレラントな OpenVMS Cluster 構成では,Volume Shadowing for OpenVMS,高速ネットワーク,特別管理ソフトウェアを使用します。
ディザスタ・トレラントな OpenVMS Cluster 構成では,2 地点のサイトにあるシステムを 1 つの管理可能な OpenVMS Cluster システムに結合できます。前項で説明したマルチサイト・クラスタと同じく,これらの物理的に離れているデータ・センターは, FDDI で結合するか,ATM,T3,E3 のうちどれか1つと FDDI の組み合わせにより結合します。
OpenVMS ディザスタ・トレラントな製品を,従来は BRS (Business Recovery Server) と称していましたが,BRS は,システム管理とソフトウェア・サービスのパッケージである Disaster Tolerant Cluster Services に包含されることになりました。Disaster Tolerant Cluster Services の詳細については,弊社のサービス担当者にお問い合わせください。
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