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HP OpenVMS Systems
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HP OpenVMS

HP OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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SHOW UTILITY

使用している PCSI のバージョンを表示します。

形式

PRODUCT SHOW UTILITY


パラメータ

なし。

修飾子

なし。


 $ PRODUCT SHOW UTILITY 
 POLYCENTER Software Installation utility version: V8.3-032 
 
 Product Configuration File (PCF) support level: 1 
 Product Description File (PDF) support level: 10 
 Product Text File (PTF) support level: 2 
 Image Name: DISK$V83SYS:[SYS0.][SYSEXE]PCSI$MAIN.EXE;1 
                                                                       

この例のコマンドは,PCSI ユーティリティのバージョン,コンポーネント・サポート・レベル,コマンドを実行している PCSI イメージの完全なファイル指定を表示します。

UNDO PATCH

パッチまたは必須アップデートをシステムからアンインストールします。このコマンドは,これらのパッチのインストール時に PRODUCT INSTALL コマンドによって作成された回復データ・セットを使用します。関連する回復データ・セットは,処理の最後に削除されます。

形式

PRODUCT UNDO PATCH [/修飾子]


説明

パッチは,回復データ・セットの作成日付と時系列的に逆の順序でのみ取り消すことができます。そのため,パッチ A,B,C を個別の PRODUCT INSTALL コマンドでインストールした場合,バッチ B を取り消す場合は,PRODUCT UNDO PATCH コマンドでパッチ B とともにパッチ C も削除する必要があります。適用済みのパッチや必須アップデートを含めた製品全体を削除するには, PRODUCT REMOVE コマンドを使用します。

回復データ・セットには,PRODUCT INSTALL コマンドを実行することで変更または削除されたディレクトリ,ファイル,およびライブラリのコピーが格納されます。また,製品データベースのスナップショット,ソフトウェア環境を回復するために必要なその他の情報も格納されます。それぞれの回復データ・セットは,システム・デバイス上のディレクトリ構造 [PCSI$UNDO_nnn] に格納されます。ここで,nnn は 001 〜 999 までの番号です。最新のデータ・セットの番号は 001 です。新しいデータ・セットをスタックに追加したり削除すると,すべてのデータ・セットの番号が付け替えられます。

PRODUCT INSTALL コマンドは,パッチ (修正キット,ECO とも呼ばれます) をインストールする際に回復データ・セットを作成します。ただし,/NOSAVE_RECOVERY_DATA 修飾子を指定した場合は,この機能が無効になります。回復データ・セットには,同時にインストールされているすべてのパッチに関する情報が格納されています。 PRODUCT UNDO コマンドは,選択した回復データ・セット内のすべてのパッチを削除します。そのため,一度の操作で複数のパッチをインストールした場合は,そのまとまりでのみ削除できます。

PRODUCT SHOW RECOVERY_DATA コマンドを使用すると,すべての回復データ・セットの一覧が表示され,どのパッチを削除できるかが分かります。不要な回復データ・セットを削除するには, DELETE RECOVERY_DATA コマンドを使用します。


修飾子

/ALL

回復データが保存されたすべてのパッチと必須アップデートをアンインストールします。処理が完了すると,回復データ・セットはすべて削除されるので,再使用はできません。 /ALL,/NEWEST,/SINCE のいずれの修飾子も指定しない場合,作成された回復データ・セットのうち最新のもののみがパッチおよび必須アップデートの削除の選択用に使用されます。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

アクセスされたファイルのファイル指定を表示します。また,ファイルの動作に関連する他の情報も提供します。たとえば,ログ指定が有効になっている場合,製品ファイル,ライブラリ,ディレクトリ,および製品データベース・ファイルが,作成,削除,または変更されたときにメッセージで通知されます。

/NEWEST=数

作成されたパッチ回復データ・セットのうち最も新しいものを選択します。たとえば,/NEWEST=3 と指定すると,PRODUCT UNDO PATCH コマンドは,最も新しい回復データ・セット 3 つのデータを使用してパッチをアンインストールします。この修飾子に数を指定しないと,省略時の値は 1 になります。

/OPTIONS=キーワード

/NOOPTIONS (省略時の設定)

PRODUCT コマンド・オプションを指定します。キーワードは次のとおりです。

NOCONFIRM 処理用に選択されている製品を検証するかどうかをユーザに尋ねる確認ダイアログを省略する。

/REMOTE

/NOREMOTE (省略時の設定)

プライベートにマウントされたシステム・ディスク上にある回復データ・セットを選択し,このディスクに製品データベースを回復します。省略時には,PCSI は,現在ブートされているシステム・ディスクで回復データ・セットを検索します。

/REMOTE を使用する場合は,次の論理名が定義されていなければなりません。

/SINCE=時刻

指定された日付と時刻以降に作成された回復データ・セットを選択します。時刻は,絶対時刻,絶対時刻とデルタ時刻の組み合わせ,または次のキーワードのいずれかで指定できます。
TODAY (省略時の設定)
YESTERDAY

時刻値を指定する方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/TRACE

/NOTRACE (省略時の設定)

サブプロセスの作成および削除と,PRODUCT コマンドの処理の実行中にこのサブプロセスで発行する DCL コマンドやコマンド・プロシージャを示します。また,PCSI ユーティリティがサブプロセス環境に提供するスクラッチ・ディレクトリと一時ファイルの作成と削除も表示します。 DCL が生成する出力もすべて表示されます。

この修飾子は,製品キット内に含まれているコマンド・プロシージャの実行をトレースする製品開発者のために主にデバッグ支援を行います。詳細については,『POLYCENTER Software Installation Utility Developer's Guide』を参照してください。



$ PRODUCT UNDO PATCH
 

この例のコマンドは, /SAVE_RECOVERY_DATA 修飾子を指定して実行された最新の INSTALL 処理でインストールされたすべてのパッチ・キットと必須アップデート・キットをアンインストールします。この処理で使用された回復データ・セットは,処理の最後で削除されるので,再使用することはできません。


第 20 章
SAS コントローラ

20.1 SAS とは

SAS (Serial Attached SCSI) は,マス・ストレージ・デバイス用の T10 標準シリアル・インタコネクトです。 SAS では,パラレル SCSI トランスポートよりも高速な通信,長いケーブル,単純なケーブル,より互換性のあるコネクタが利用できます。

SAS インタコネクトには,3 つのトランスポート・レベル・プロトコルが含まれています。

注意

OpenVMS Version 8.3 では,内蔵の (直付けの) SAS ドライブだけがサポートされています。

20.2 IR (Integrated RAID)

RAID は,高い性能,記憶容量,または RAID 構成による冗長性のいずれかまたはすべてが必要な場合に使用されます。 OpenVMS Version 8.3 は,RAID 1 とそれに関連するグローバル・ホット・スペア機能だけをサポートします。

I64 システムでは,SAS ユーティリティ (SAS$UTIL) は, OpenVMS のシステム管理と診断を行うツールです。このユーティリティを使用して, HP 8 Internal Port Serial Attached SCSI Host Bus Adapter (SAS コントローラ) の IR (Integrated RAID) 機能を構成することが可能です。

SAS コントローラの RAID 1 は,IM (Integrated Mirroring) と呼ばれています。以降の項では,IM (Integrated Mirroring) 機能とグローバル・ホット・スペア機能について説明します。

20.2.1 IM (Integrated Mirroring)

IM (Integrated Mirroring) は,ドライブ間でのセクタ同士の単純で物理的なミラーです。各 SAS コントローラは,ミラーされたボリュームを同時に 2 つまでサポートします。 IM ボリュームの両方のディスクは,同じ SAS コントローラに接続されている必要があります。

IM は,サーバや高性能ワークステーション上のオペレーティング・システムなどの重要な情報に対し,耐故障性を備えた保護を提供します。通常は,IM ボリュームの 1 つがブート・ボリュームとなります。 IM ボリュームのいずれかのディスクで障害が発生した場合には,ホット・スペア機能とホット・スワップ機能によって,ディスクを交換することで容易かつ簡単にボリュームを復元することができます。交換したディスクは,ファームウェアによって自動的に再度ミラー化されます。

IM の利点は,データのミラー・コピーが常に使用できる点と,読み込みの性能が向上する点です。欠点は,書き込み時の性能が低下する点です。

IM ボリュームに書き込むデータは,両方のディスクに同時に書き込まれます。両方のディスク書き込みが完了するまでは全体の書き込み操作が完了しません。そのため,この操作は,単一のディスクへの書き込よりもいくらか遅くなります。 IM ボリュームからの読み込みでは,プライマリ・ディスクとセカンダリ・ディスクの間で負荷分散されるため,性能が向上します。

20.2.2 グローバル・ホット・スペア機能

SAS コントローラでは,両方の IM ボリュームに対して, 1 台のグローバル・ホット・スペア・ディスクを使用できます。これにより,耐故障性がさらに高まります。このディスクは,故障した IM ディスクに自動的に置き換わります。故障したディスクを物理的に同じ位置で交換すると,新しいディスクが自動的に新しいホット・スペアになります。

20.3 SAS ユーティリティの使用法の要約

SAS ユーティリティを実行するには,SYSPRIV 特権が必要です。

SAS ユーティリティを起動するには,DCL コマンド・プロンプト ($) で次のコマンドを入力します。


$ RUN SYS$SYSTEM:SAS$UTIL 

SAS ユーティリティから次のプロンプトが表示されます。


SAS> 

SAS プロンプトで,以降の項で説明する任意の SAS ユーティリティ・コマンドを入力することができます。

20.4 制限事項

SAS ユーティリティを使用する上では,以下の制限があります。

注意

OpenVMS Version 8.3 では,内蔵の (直付けの) SAS ドライブと RAID 1 だけがサポートされます。

20.5 詳細な情報

詳細は,以下のドキュメントを参照してください。

20.6 SAS ユーティリティのコマンド

以降の項では,SAS ユーティリティのコマンドについて説明し,その使用例を示します。

ADD UNIT

新しい IR (Integrated RAID) ボリュームを作成します。

IR ボリューム ID は,IR ボリュームを作成するたびに作成されます。


形式

ADD UNIT /DISK=sas_id (,...) /RAID=1


修飾子

/CACHE

/NOCACHE (省略時の設定)

物理ディスクへのライト・キャッシュの有効/無効を切り替えます。物理ディスクに対するライト・キャッシュは,デフォルトではオフになっています。

/DISK=sas_id(,...)

この修飾子は必須です。 IR ボリューム・セットに追加する物理ディスクの SAS ID を指定します。 (SAS ID は,SAS コマンド SHOW DISK を入力したときに表示される ID です。) 複数の SAS ID を指定するときには括弧で囲みます。

RAID ボリュームの有効なサイズは自動的に決定され,使用可能な最大サイズが設定されます。ファームウェアは,さまざまなサイズのディスクをサポートしています。ただし,容量の大きなディスクの余った領域は使用されません。ボリュームの拡張はサポートされておらず,いったんボリュームを作成すると,そのサイズを拡大することはできません。

物理ディスクは,IR ボリューム・セットに追加する前に, OpenVMS 上でディスマウントする必要があります。

/RAID=(0 | 1 | 10)

この修飾子は必須です。 IR ボリューム・セットの RAID レベルを指定します。

RAID レベルは以下のとおりです。

RAID レベル 説明
RAID 0 ストライピング
RAID 1 ミラーリング
RAID 10 拡張ミラーリング

注意

OpenVMS Version 8.3 では, RAID 1 (Integrated Mirroring) がサポートされています。

/SPARE=sas_id

グローバル・ホット・スペア・ディスクとして追加する物理ディスクの SAS ID を指定します。

RAID 1 構成のグローバル・ホット・スペア・ディスクを指定する場合には,この修飾子が必要です。

コントローラあたり 1 基のグローバル・ホット・スペア・ディスクを構成できます。スペア・ドライブは,コントローラあたり 2 つの RAID 1 IR ボリューム・セットで共用できます。 /SPARE で指定するディスクのサイズは,IR ボリュームの少なくともどちらかの物理ディスクのサイズ以上である必要があります。

/SYNCH

/NOSYNCH (省略時の設定)

この修飾子は,RAID 1 IR ボリュームだけに適用されます。高優先度または低優先度の再同期の使用を指定します。高優先度の再同期は,デフォルトでオフになっています。

/UNSAFE

OpenVMS のサポートを RAID 1 だけに限定している制限を無効にします。

#1

SAS> SHOW DISK 
 
Port _PKA0: 
---- --- --- --- -------- ------- -------- ------------------ ----------------- 
 ID  Enc PHY Slt  Device   Type   Size(MB)    SAS Address       Product Name 
---- --- --- --- -------- ------- -------- ------------------ ----------------- 
 01  DA  04  01   DKA100  SAS       34732  5000C500-00334CCD  HP  DG036.. HPD43 
 02  DA  05  02   DKA200  SAS       70007  5000C500-00208185  HP  DG072.. HPD43 
 03  DA  06  03   DKA300  SAS       34732  5000C500-0033D76D  HP  DG036.. HPD43 
 04  DA  07  04   DKA400  SAS       34732  5000C500-0030B02D  HP  DG036.. HPD43 
 
SAS> ADD UNIT /RAID=1 /DISK=(2,3) /SPARE=4 
IR Volume 4 created. 
   .
   .
   .
SAS> SHOW DISK 
 
Port _PKA0: 
---- --- --- --- -------- ------- -------- ------------------ ----------------- 
 ID  Enc PHY Slt  Device   Type   Size(MB)    SAS Address       Product Name 
---- --- --- --- -------- ------- -------- ------------------ ----------------- 
 01  DA  04  01   DKA100  SAS       34732  5000C500-00334CCD  HP  DG036..HPD43 
 04   -   -   -     DKA4  RAID 1    34332  9378ACB0-072A3D4E  LSIL Logic..3000L 

この例では,RAID 1 ボリュームを作成しています。このボリュームは,SAS ID が 2 と 3 の物理ディスクと, SAS ID が 4 のグローバル・ホット・スペア・ディスクで構成されます。 IR ボリュームには,IR ボリューム ID 4 が割り当てられています。


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