HP OpenVMS Systems Documentation |
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New Desktop のフロントパネルの時計は,アナログ時計表示でシステムの現時刻を表示するアイコンです。このアイコンにはその他の機能はなく,このアイコンをクリックまたはダブル・クリックしても何も起こりません。
2.3.17 ToolTalkアクションの未サポート
『共通デスクトップ環境: 上級ユーザー及びシステム管理者ガイド』の説明にある,アクション定義ファイル(*.dt)へのToolTalk アクションの定義は,サポートされていません。本バージョンでインストールされているアクション定義ファイルには, ToolTalkアクションの一部が入っていますが,これらのアクションの変更はサポートされていません。このため,変更した場合には New Desktop の一部の機能が動作しなくなる可能性があります。
2.3.18 セッション・マネージャの保存および復元の制約
New Desktop で提供するセッション・マネージャでは,ブックリーダ,漢字端末エミュレータ,カレンダに対して WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートします。
このプロトコルを活用するよう作成されたアプリケーションでは,次の処理が可能です。
New Desktop の各アプリケーションは保存および復元機能をサポートしていますが,既存の DECwindows Motif アプリケーションの多くは, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートするように変更されていません。
既存のアプリケーションと新しいアプリケーションの違いは,次のようなログインおよびログアウト時に見られます。
保存および復元機能をサポートをサポートする既存の DECwindows Motif アプリケーションの例としては, DECwindows メールがあります。
このセッション・マネージャ・アプリケーションと DECwindows X11 ディスプレイ・サーバの一部である X Session Management プロトコルとを混同しないでください。 |
ファイル・マネージャ・アプリケーションには, New Desktop 環境でのサーチ・リストについて,次のような制約があります。
2.3.20 [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールドの制限
V1.2--4
以降の各項では, [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールドについて説明します。
2.3.20.1 ユーザ名入力時に認識されない制御文字
New Desktop は,ログイン・ユーザ名のテキスト・フィールドでの制御文字の入力を受け付けません。制御文字を入力しても破棄されます。これに対して,DECwindowsのログイン・ユーザ名テキスト・フィールドは,次のキー・シーケンスをサポートしています。
New Desktop は,Ctrl/Uをサポートしています。ログインでのパスワード入力時または画面の一時停止の解除時にCtrl/Uを入力すると,その位置までの入力文字がすべて消去されます。
2.3.20.2 RETURNキーを使用した[ログイン]テキスト・フィールド間の移動
New Desktop では,[ユーザ名]テキスト・フィールドと [パスワード]テキスト・フィールドは異なるダイアログ・ボックスであるため, [ユーザ名]から[パスワード] のテキスト・フィールドに移動する場合は, RETURNキーを使用します。 Tabキーでは,次のテキスト・フィールドにカーソルが移動しません。 Tabキーでは,[確認]ボタンが強調表示されるだけです。
2.3.20.3 [一時停止]画面でのパスワード入力時の最初の文字の無視
ワークステーションが一時停止しており, [パスワード]ダイアログ・ボックスが表示されていない場合,入力した最初の文字は無視されます。これに対して,DECwindowsの[一時停止]画面では,入力した文字はすべて受け付けられます。
New Desktop の使用時には,実際の文字を入力しない Shift などのキーを使用するか,あるいはマウスを使用して [一時停止]ダイアログ・ボックスを再表示させてから,パスワードを入力してください。入力した文字が不明な場合には, Ctrl/Uを使用して[パスワード]テキスト・フィールドに入力した文字を消去することができます。
2.3.20.4 最初の画面に文字が表示されない
Xサーバのフォント・パスに100 dpiフォントが入っていない場合,ログイン直後の青い最初の画面に「ようこそ」の文字が表示されません。リモートのXサーバにセッションを表示している場合にも,この問題が発生する可能性があります。
2.3.21 フォント選択の制約
New Desktop では,フォント・サイズを選択するダイアログ・ボックスを表示する機能が備わっています。これで設定した新しいフォント・サイズは New Desktop のアプリケーションにのみ適用され,既存の DECwindows Motif のアプリケーションには適用されません。
2.3.22 省略時のワークスペースの制約
New Desktopでは省略時の4枚のワークスペースに対して省略時の背景が設定されています。ワークスペースの背景は,スタイル・マネージャの [背景] 機能で変更したり, [背景なし] を選択することができます。
[背景なし] を選択すると,デスクトップの背景にアイコンをドラッグしてドロップすることができなくなります。アイコンをドラッグしてボタンを放しても,そのアイコンはファイル・マネージャあるいはアプリケーション・マネージャに戻ってしまいます。
[背景なし] を選択する前に背景にドロップされたアイコンはそのまま残り,正常に機能します。
2.4 アプリケーション
この節は,個々の DECwindows Motif アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.1 ブックリーダ
この項は,ブックリーダ・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.1.1 Display PostScriptのサポートの終了
V1.2--6
DECwindows Motif で Display PostScript がサポートされなくなったため,ブックリーダでは,オンライン・マニュアルの PostScript の図の表示がサポートされていません。ブックリーダが PostScript の図を検出すると,フルサイズの図のウィンドウに大きな "X" を表示するとともに,エラー・メッセージ・ボックスに次のメッセージを表示します。
Unable to display PostScript(R) graphic. This feature is no longer available. |
これに対する回避策はありません。
2.4.2 CDA
この節は, DECwindows Motif の CDA (Compound Document Architecture) ランタイム・サービスおよび CDA ビューア構成要素に関するリリース・ノートです。
2.4.2.1 eXcursion V7.1 による色付きの大きな DDIF ファイルの表示
V1.3
eXcursion X サーバ・セッションから CDA ビューアを実行しているときに,色付きの大きな DDIF ファイルを表示できない場合は,次の手順のいずれかを実行することをお勧めします。
2.4.2.2 Display PostScript のサポートの終了
V1.2--6
DECwindows Motif から Display PostScript のサポート機能が削除されたため,CDA は PostScript ソースの表示をサポートしていません。 PostScript オプションは CDA ビューアから削除されています。文字セル・インタフェースの CDA ビューアから PostScript ファイルを表示しようとすると,ビューアは次のようなメッセージを表示します。
%CDA-E-UNSUPFMT, unsupported document format. |
これに対する回避策はありません。
2.4.3 時計
この節は,時計アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.3.1 システム時刻リセット後の時計の正しいアップデート (Alpha のみ)
V1.5
システム時刻の日付や時間を以前の時刻に戻した場合に,時計アプリケーションが正しくアップデートされないという問題が解決されました。これまでは,アナログ,デジタル,および日付表示は,マウスを時計ウィンドウ上に動かした場合のみアップデート情報が渡されていました。
2.4.4 漢字端末エミュレータ
この項は,漢字端末エミュレータ (DECterm) に関するリリース・ノートです。
2.4.4.1 ReGIS を使用するグラフィックス・アプリケーションが原因で DECterm がクラッシュする問題の解決 (Alpha のみ)
V1.5
DECwindows Motif Version 1.3 以降のシステムで, ReGIS を使用するクライアント・グラフィックス・アプリケーションがスレッド・スタック・オーバフローのために DECterm をクラッシュさせるという問題がありました。
この問題は, DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.5 で解決されています。
2.4.4.2 DECterm ウィンドウの位置に関する問題の解決 (Alpha のみ)
V1.5
DECterm ウィンドウは DECW$TERMINAL.x および DECW$TERMINAL.y リソースで指定した位置に正しく表示されるようになり, WM_NORMAL_HINTS が正しく設定されるようになりました。
ウィンドウの正しい配置のために
Mwm*clientAutoPlace( 従来の DECwindows Desktop ) あるいは
Dtwm*clientAutoPlace( New Desktop ) のリソースを FALSE にリセットする必要はなくなりました。
2.4.4.3 CREATE/TERMINAL/DETACH によるブロードキャスト・メッセージの表示
V1.5
デフォルトでは,DECterm ウィンドウはサブプロセスとして作成されます。プロセスの設定には関係なく,それらのサブプロセスはブロードキャスト・メッセージを受けとることはできません。これは,OpenVMS が,それらのサブプロセスが端末デバイスとして接続されていると認識しないためです。
DECterm ウィンドウにブロードキャスト・メッセージを表示させるためには, CREATE/TERMINAL/DETACH コマンドを使用して, DECterm ウィンドウを切り離されたプロセス (detached process) として手動で生成します。
2.4.4.4 CREATE/TERMINAL による IPv6 サポートの有効化
V1.5
プロセス・テーブル (あるいはジョブ・テーブル)で DECW$IPV6_SUPPORT 論理名が TCP_IS_IPV6 と定義されている一方で,システム・テーブル (あるいはグループ・テーブル) ではそのように定義されていない場合, CREATE/TERMINAL コマンドがフェールする場合があります。この問題は,指定した表示がTCP/IP トランスポートを使用し,ノード名が IPv6 形式のアドレスの場合 (あるいはIPv6 サポート・トランスポートでのみアクセス可能な場合)に発生します。
この場合,切り離されたプロセスのターミナル・コントローラは DECW$IPV6_SUPPORT 論理名の値がわからず,デフォルトの TCP/IP トランスポート値 INET を割り当てます。
矛盾が発生した場合は,表示デバイスのネットワーク・トランスポートの値を INET あるいは INET6 に変更し,CREATE/TERMINAL コマンドを繰り返してください。利用できるトランスポート値の一覧は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』を参照してください。
2.4.4.5 eXcursion またはマルチヘッド XINERAMA システムで漢字端末エミュレータを表示する場合の ignoreVisibility リソースの使用
V1.3--1
eXcursion を使用して漢字端末エミュレータを表示する場合あるいは XINERAMA マルチスレッド・システムで漢字端末エミュレータを表示する場合にスクロールの問題が発生するのを防止するために,新しいリソースである ignoreVisibilityが追加されました。これらの問題の発生を防止するには,次の行を漢字端末エミュレータのオプション・ファイルに挿入します。
*.ignoreVisibility: True |
設定を保存して有効にするには,[オプションの保存] を選択し,ディスプレイ上ですべての漢字端末エミュレータをいったん閉じた後,再起動してください。
2.4.4.6 Kerberos が有効な場合に漢字端末エミュレータの起動が失敗する問題
V1.3
Kerberos 認証を使用している場合, DECterm コントローラを起動できないことがあります。この問題を回避するには,SYLOGIN.COM の MODE_OTHER セクション内で Kerberos が初期化 (@SYS$MANAGER:KRB$SYMBOLS.COM) されるように SYLOGIN.COM を変更します。
2.4.4.7 eXcursion 使用時にユーロ通貨記号が正しく表示されない問題
V1.3
eXcursion と DECwindows Motif でのユーロ記号のサポート方法の違いにより,eXcursion 経由で起動された漢字端末エミュレータ・ウィンドウにはユーロ記号が正しく表示されないことがあります。漢字端末エミュレータは Latin-9 フォントを,同等の Latin-1 フォントに置き換えます。これにより,ユーロ記号の表示で問題が発生します。
フォントの置き換えが起こらないようにするには,eXcursion のフォント・エイリアス・ファイルを,eXcursion のリリース・ノートで説明されているように変更します。このリリース・ノートには,エイリアス・ファイルの編集方法の他,ユーロ通貨記号のサポートに関連するその他の制限事項が説明されています。
2.4.4.8 Powerstorm 4d02 グラフィックス・カードを使用した XINERAMA マルチヘッド・システムでテキストが正しく表示されない問題 (Alphaのみ)
V1.3
XINERAMA 拡張と Powerstorm 4d20 グラフィック・カードを使用するマルチヘッド構成では,漢字端末エミュレータ・ウィンドウにテキストが正しく表示されないことがあります。ただしそれでも,キーボード入力は処理されます。
この問題を解決するためには,各ウィンドウから xrefresh ユーティリティを実行して,影響する DECterm ウィンドウのテキストをリフレッシュしてください。
$ RUN DECW$UTILS:XREFRESH |
V1.2--5
XUI ウィンドウ・マネージャの使用時に, [端末の自動サイズ変更] をオンにしているときに,マウスを使用して漢字端末エミュレータ・ウィンドウをサイズ変更すると,漢字端末エミュレータ・ウィンドウが縮んでしまいます。この問題を回避するには,漢字端末エミュレータのリソース・ファイル DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT あるいは DECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DAT ファイルに次の行を追加します。
DECW$TERMINAL.main.terminal.useWMHints: false |
この変更を行うと,ウィンドウ・マネージャが文字数でなくピクセル値で漢字端末エミュレータ・ウィンドウのサイズを表示するようになることに注意してください。また,漢字端末エミュレータ・ウィンドウを最大化すると,正常に元のサイズに戻らない場合があるかもしれませんが,縮んでしまうことはなくなります。
2.4.4.10 漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名
現在は,ディスプレイのロケールを使用して,漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名を作成します。たとえば,ロケールが「ja_JP」に設定されている場合は,デフォルトのリソース・ファイル名はDECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DATになります。
ただし,ユーザが特定のロケールで1回以上「保存」オプションを選択するまで,漢字端末エミュレータでは古いリソース・ファイル名を使用します。漢字端末エミュレータのデフォルトのリソース・ファイル名はロケールが次のいずれかに該当する場合,継続して DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT となります。
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