HP OpenVMS Systems Documentation |
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PC上やUNIX上で動くVTターミナル・エミュレータを使用して,日本語OpenVMSにログインすることができます。使用できるVTの機能やプロトコルなどは,各エミュレータのソフトウェアに依存します。漢字コードは,通常ホスト側 (日本語OpenVMS側を「DEC漢字」または「日本語EUC」と設定してください。
2.2.2.1 Reflection for UNIX and OpenVMS
WRQ社のVTエミュレータ Reflection® for UNIX and OpenVMS は日本語OpenVMSのユーザ定義文字に対応しており,フォントのロードおよび表示機能があります。この機能を使用する場合には, Reflectionの端末設定の「ホストの文字セット」を「DEC漢字1983」に設定してください。
® WRQ,WRQ ロゴ, Reflection および Verastream は,米国内外で登録されている WRQ, Inc. の登録商標です。 |
日本語 OpenVMS では,漢字プリンタで日本語を取り扱うために,日本語機能を拡張した漢字プリント・シンビオントを提供します (Alpha / VAX のみサポート)。
また,ESC/P J84 の制御コードに準拠した ESC/P プリンタで印刷を行うための日本語ESCP トランスレータを提供しています。日本語ESCP トランスレータについては,
第 3 章 を参照してください。
2.3.1 漢字プリント・シンビオント (Alpha/VAX のみ)
2.3.1.1 漢字プリント・シンビオントの機能
漢字プリント・シンビオントでは,標準版のプリント・シンビオントに加えて以下の機能を追加しています。
以下に各機能について説明します。
自動起動の設定がされているキューの論理名の設定では,論理名 JSY$PRTSMB_HWTYPE_queue-name は, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM で定義してください。 旧論理名は使用できますがサポートされませんので,新論理名をできるだけご使用ください。新旧両論理名を使用した場合は,新論理名が優先されます。 |
| 漢字コード | プリンタのROM第1水準 | プリンタのROM第2水準 |
|---|---|---|
| JISX0208-1978 | 2 | 1 |
| JISX0208-1983 | 設定できません | 0 1 |
※どの設定値でも拡張漢字のダイナミック・プリローディングと行間罫線のサポートは行います。
2.3.1.2 漢字プリント・シンビオントの種類
漢字プリント・シンビオントは,プリンタの接続方法によって,以下の 2 種類があります。
これらのシンビオントを使用することにより,拡張漢字や第 2 水準漢字 ( ハードウェアにない場合 ) を印字することができます。
2.3.2 LA86,LA88,LA90,LA280,LA380 (Alpha/VAX のみ)
専用プリント・シンビオントを使用するには,以下の例のように,プリント・キューの初期化の際に指定する必要があります。
専用プリント・シンビオントを使う場合は,対応するターミナル・ラインに対する KANJIGEN での設定は必要ありません。また,プリンタの設定は " オンデマンド・ローディングなし " になっていなければなりません。 |
$ INIT/QUEUE/START/PROC=JSY$PRTSMB/ON=_TTA0: SYS$PRINT
この例では,ホストに直結されたプリンタ (TTA0) 上のプリント・キュー SYS$PRINT で,漢字プリントシンビオントを使用するように初期化しています。
専用シンビオントは,起動時に論理名 JSY$PRTSMB_HWTYPE_queue-name を参照し,ハードウェアの漢字コードの版と第 2 水準漢字の有無を調べます。各プリント・キューの起動前 (INIT/QUEUE/START または START/QUEUE の前 ) に,システム論理名テーブルを必ず定義してください。定義する値は 表 2-1 を参照してください。以下にターミナル,フォーム,プリント・キューの一連の設定例を示します。
$ SET TERMINAL _TTA0:/DEVICE=LA90/HOSTSYNCH/NOWRAP - /WIDTH=511/PAGE=0/PERMANENT $ SET DEVICE/SPOOLED=(JSY$PRINT,SYS$SYSDEVICE:) _TTA0: $ DEFINE/FORM LA90_FORM 80/MARGIN=(TOP=0,BOTTOM=0,LEFT=0) - /NOTRUNCATE/NOWRAP/STOCK=DEFAULT/WIDTH=132/LENGTH=66 $ DEFINE/SYSTEM JSY$PRTSMB_HWTYPE_JSY$PRINT 2 ! 第 1 水準のみ,DEC 漢字 1978 版 $ INITIALIZE/QUEUE/START/PROC=JSY$PRTSMB/FORM=LA90_FORM - /ON=_TTA0:/DEFAULT=(FORM=LA90_FORM) JSY$PRINT
この場合,以下の点に注意してください。
2.3.2.1 ホストのシリアルデバイスポートへの接続
ホスト直結のプリンタ(ホストのシリアルデバイスポート)への接続は,次のように行います。
$ SET TERMINAL _TTA3:/PERMANENT/NOBROADCAST/NOTYPEAHEAD/NOWRAP -
/SPEED=(9600)/WIDTH=(511)/PAGE=(66)/DEVICE=LA84
|
LA86,LA88,LA90,LA280,LA380 のデバイス・タイプにはすべて LA84 を指定してください。 |
$ SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT, SYS$SYSDEVICE:) _TTA3:
|
$ DEFINE/FORM LA84_FORM 80/MARGIN=(TOP=0,BOTTOM=0,LEFT=0) -
/NOTRUNCATE/NOWRAP/STOCK=DEFAULT/WIDTH=132/LENGTH=66
|
フォーム名,フォーム番号は他のフォームと重複しないよう割り当ててください。フォームを定義する場合は,以下の修飾子を必ずつけてください。
|
$ DEFINE/SYSTEM JSY$PRTSMB_HWTYPE_JSY$PRINT 2
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装置名 : TTA3:
プリント・シンビオント : SYS$SYSTEM:JSY$PRTSMB
フォーム名 : LA84_FORM
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$ INITIALIZE/QUEUE/START/PROCESSOR=JSY$PRTSMB/ON=_TTA3: -
/FORM_MOUNTED=LA84_FORM/DEFAULT=(FORM=LA84_FORM) -
JSY$PRINT
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ターミナル・サーバへの接続は,次のように行います。
$ MCR LATCP CREATE PORT LTA2:/NOLOG
$ MCR LATCP SET PORT LTA2:/APPLICATION/NODE=VMSDEV2/PORT=PORT_2
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$ SET TERMINAL _LTA3:/PERMANENT/NOBROADCAST/NOTYPEAHEAD/NOWRAP -
/SPEED=(9600)/WIDTH=(511)/PAGE=(66)/DEVICE=LA84
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LA86,LA88,LA90,LA280,LA380 のデバイス・タイプにはすべて LA84 を指定してください |
$ SET DEVICE/SPOOLED=(LAT$PRINT, SYS$SYSDEVICE:) _LTA2:
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$ DEFINE/FORM LA84_FORM 80/MARGIN=(TOP=0,BOTTOM=0,LEFT=0) -
/NOTRUNCATE/NOWRAP/STOCK=DEFAULT/WIDTH=132/LENGTH=66
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フォーム名,フォーム番号は他のフォームと重複しないよう割り当ててください。フォームを定義する場合は,以下の修飾子を必ずつけてください。
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$ DEFINE/SYSTEM JSY$PRTSMB_HWTYPE_JSY$PRINT 2
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装置名: LTA2:
プリント・シンビオント: SYS$SYSTEM:JSY$LATSYM
フォーム名: LA84_FORM
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$ INITIALIZE/QUEUE/START/PROCESSOR=JSY$LATSYM/ON=_LTA2: -
/FORM_MOUNTED=LA84_FORM/DEFAULT=(FORM=LA84_FORM) -
LAT$PRINT
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2.3.3 LN03,DEClaser 2300,DEClaser 2400 (Alpha/VAX のみ)
DEC 漢字 1983 年版の漢字 ROM を持つ LN03, DEClaser 2300 および DEClaser 2400 は KANJIGEN ユーティリティによる設定を行う必 要はありません。 DEC 漢字 1978 年版の漢字 ROM を持つ LN03 に対しては KANJIGEN ユーティリティで使用する漢字コードの設定が必要です。詳しくは,後述の「DEC 漢字 1978 年版漢字ターミナルの追加設定」の項をご覧ください。
プリンタの設定は”オンデマンド・ローディングなし”になっていなければなりません。 |
以下の例を参考にして設定してください。
$ SET TERMINAL TTA0:/DEVICE=LN03 - /HOSTSYNCH/NOWRAP/WIDTH=511/PAGE=0/PERMANENT $ RUN JSY$SYSTEM:KANJIGEN ! DEC 漢字 1978 年版 KANJIGEN> SET TTA0:/NOFONT/KCODE_TYPE=DEC78 ! LN03 以外の KANJIGEN> EXIT ! プリンタでは不要 $ SET DEVICE TTA0:/SPOOLED $ DEFINE/FORM LN03_FORM 03 /MARGIN=(TOP=0,BOTTOM=0,LEFT=0) - /NOTRUNCATE/NOWRAP/STOCK=DEFAULT/WIDTH=80/LENGTH=66 $ INITIALIZE/QUEUE/START/TERMINAL/FORM=LN03_FORM - /ON=TTA0:/DEFAULT=(FORM=LN03_FORM) JSY$PRINT
この場合,以下の点に注意してください。
2.4 DEC 漢字 1978 年版漢字ターミナルの追加設定
1978 年版漢字ターミナルは,日本語ユーティリティが使用する 8 区の罫線コードを出力できません。 8 区の罫線を出力するには, KANJIGEN ユーティリティで以下の例のように設定してください。
$ RUN JSY$SYSTEM:KANJIGEN
KANJIGEN> SET ターミナル名/KCODE_TYPE=DEC78
KANJIGEN> EXIT
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このように設定すると,出力時に 8 区の罫線コードは, DEC 漢字 1978 年版の拡張 94 区の罫線コードに変換されますから,これまでどおり罫線を使用できます。漢字ターミナル以外の場合,および漢字ターミナルをカナ・モードで使用する場合には, "/KCODE_TYPE=DEC78" には
設定しないで ください。
2.5 KANJITERM.COM
JSY$SYSTEM:KANJITERM.COM は SYLOGIN.COM,LOGIN.COM などから使用できるコマンド・プロシージャです。 このコマンド・プロシージャはログインしたビデオ・ターミナルが以下のことをターミナルに問合せ,ビデオ・ターミナルの場合のみ KANJIGEN ユーティリティの SET コマンドを実行します。
したがって,ターミナルを持たないバッチ・ジョブでは KANJITERM.COM は使用できません。
SET コマンドで必ず指定したい修飾子 ( たとえば /PRELOAD など)がある場合はパラメータ (P1) で指定します。
LOGIN.COM などで $ $ @JSY$SYSTEM:KANJITERM $ とします。 拡張漢字 94 区の罫線をプリロードする場合は, パラメータに"/PRELOAD"をつけて $ $ @JSY$SYSTEM:KANJITERM "/PRELOAD" $ とします。
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