HP OpenVMS Systems Documentation |
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/INTERFACE[ =keyword ]
/INTERFACE=CHARACTER_CELL ( 省略時設定 )
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修飾子 /INTERFACE は,インタフェースすなわち画面表示のタイプを指定します(修飾子 /DISPLAY と同様)。省略時の設定は CHARACTER_CELL です。
たとえば,日本語 EVE を DECwindows インタフェースで起動するには,次のコマンドを使用します。
$ EDIT/XTPU/INTERFACE=DECWINDOWS |
このとき,DECwindows が利用可能であれば,XTPU はワークステーション画面に別のウィンドウを作成して編集セッションを開始します。この場合,日本語 EVE の画面レイアウトに含まれているメニュー・バーやスクロール・バーなどの DECwindows 機能が利用できます。DECwindows が利用できなければ,XTPU は文字セル端末インタフェースを使用します。
5.5.8 /JOURNAL
/JOURNAL=input_file.TJL
/NOJOURNAL ( 省略時設定 )
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割り込まれたセッションから回復できるように,DEC XTPU が編集セッションのジャーナル・ファイルを保存するかどうかを指定します。DEC XTPU は2種類のジャーナリングをサポートします。
この修飾子の処理は DEC XTPU 上に作られたアプリケーションの責任です。
アプリケーションは,次のようにしてユーザが DCL コマンド・ラインで /JOURNAL を指定したかどうかを調べます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "journal"); |
この値が1のときは,/JOURNAL が指定されていたことを, 0のときには,指定されていなかったことを示します。
あるバッファにたいしてバッファ・ジャーナリングが起動されているかどうかを知るためには次のようにします。
status := GET_INFO (buffer_name, "journaling"); |
コマンド・ラインで指定されたキー・ジャーナリングのファイル名を知るためには次のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "journal_file"); |
詳しくは,『Guide to the DEC Text Processing Utility』を参照してください。
日本語 EVE では,/JOURNAL 修飾子を指定しないか,ジャーナル・ファイル名を付けずに /JOURNAL を指定したときには,バッファ・ジャーナリングが使用されます。バッファ・ジャーナリングの,ジャーナル・ファイルの省略時のファイル・タイプは .XTPU$JOURNAL です。
/JOURNAL=filespec というようにジャーナル・ファイル名を指定すると,キー・ジャーナリングも同時に使用されます。キー・ジャーナリングの,ジャーナル・ファイルの省略時のファイル・タイプは .TJL です。
日本語 EVE で,キー・ジャーナリング,バッファ・ジャーナリングの両方を使わないときには,修飾子に /NOJOURNAL を指定してください。たとえば,以下のコマンドは日本語 EVE に対してジャーナリングをしないで MEMO.TXT をいうファイルを編集することを指示します。
$ EDIT/XTPU/NOJOURNAL memo.txt |
DEC XTPU 上にアプリケーションを作る時には, JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャを使用して編集セッションのキー・ジャーナル・ファイルを作成します。 JOURNAL_OPEN によって DEC XTPU はキーをジャーナリングするために 500 バイトのバッファを確保します。通常 DEC XTPU はそのバッファがいっぱいになったときにバッファの内容をジャーナル・ファイルに書き出します。
/NOJOURNAL を指定してバッファ・ジャーナリングを起動させていないときでも, SET (JOURNALING) 組込みプロシージャを使用して起動できます。 SET (JOURNALING) はジャーナリングの頻度を設定する際にも使用されます。 JOURNAL_OPEN および SET (JOURNALING) について詳しくは『Guide to the DEC Text Processing Utility』を参照してください。
キー・ジャーナリングでジャーナル・ファイルを作成した後,DEC XTPU がジャーナル・ファイルに含まれるコマンドを処理するようにするには,/RECOVER 修飾子を使用します。下記のコマンドを実行すると,DEC XTPU は MEMO.TXT という名前の入力ファイルを編集した編集セッションをジャーナル・ファイル MEMO.TJL を使用して回復します。キー・ジャーナリングのジャーナル・ファイルを用いて回復を行う場合には,コマンド行に, /JOURNAL=filespec と /RECOVER 修飾子の両方を指定しなければなりません。
$ EDIT/XTPU/RECOVER/JOURNAL=memo.tjl memo.txt |
バッファ・ジャーナリングでバッファの変更を回復するには RECOVER_BUFFER 組込みプロシージャを使用してください。RECOVER_BUFFER について詳しくは『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。
中断された日本語 EVE セッションを回復する方法について詳しくは『日本語EVE ユーザーズ・ガイド』の "システム割り込みからの回復"を参照してください。
5.5.9 /KANJI_DICTIONARY
/KANJI_DICTIONARY[=kanji_dictionary_filename]
/NOKANJI_DICTIONARY
/KANJI_DICTIONARY=SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO ( 省略時設定 )
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DEC XTPU がかな漢字変換用の個人辞書を使用するかどうかを指定します。指定されないときには,DEC XTPU の省略時の値によって JSY$KOJIN という論理名で示されるファイルを個人辞書として使用しようとします。このときに,JSY$KOJIN の論理名にファイルが割り当てられていないと, SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO が個人辞書として使用されます。個人辞書として使用されるファイルは,日本語OpenVMS の個人辞書ファイルでなければなりません。
/KANJI_DICTIONARY=filespec 修飾子に対する値を指定すれば,個人辞書として使用されるファイルの名前を指定することができます。この結果,省略時の個人辞書である SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO は無効になります。
下記のコマンドを実行すると,DEC XTPU は personal.jisho というファイルを個人辞書として使用します。
$ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=personal.jisho |
個人辞書として指定されたファイルが存在しないときには,DEC XTPU は個人辞書を指定されたファイル名で作成して使用します。
/NOKANJI_DICTIONARY を指定したときには,DEC XTPU は個人辞書を使用しません。したがって CONVERT_KANA,ENTER_TANGO,DELETE_TANGO などの組込みプロシージャを実行することはできません。これらの組込みプロシージャを実行するには個人辞書が必要で,エラー・メッセージが表示されます。
DEC XTPU をバッチ・モードで使用するときのように,かな漢字変換を必要としないときには /NOKANJI_DICTIONARY 修飾子を指定すると良いでしょう。
$ EDIT/XTPU/NODISPLAY/NOKANJI_DICTIONARY/NOSECTION/COMMAND=format.tpu |
個人辞書の利用方法は,論理名 JSY$KOJIN_MODE によって指定することができます。
JSY$KOJIN_MODE が論理名として定義されていないときの省略値は,"1." の個人辞書共有モードです。
5.5.10 /MODIFY
/MODIFY ( 省略時設定 )
/NOMODIFY
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編集セッションの最初のユーザ・バッファが変更可能かどうかを指定します。 DEC XTPU を使用して書かれたアプリケーションが,/MODIFY 修飾子を処理します。
/MODIFY 修飾子がどのように使用されたかを知るためには次のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "modify") x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "nomodify") |
最初のステートメントの値が1のときには /MODIFY が明示的に指定されたことを示します。 2番目のステートメントの値が1のときには /NOMODIFY が明示的に指定されたことを示します。両方のステートメントの値が0のときには,アプリケーションは省略時の動作をしなければなりません(省略時の動作はアプリケーションによって異なります)。
日本語 EVE を使うときに,/MODIFY,/NOMODIFY,/READ_ONLY,/NOWRITE のいづれも指定しなければ,日本語 EVE は編集セッションのすべてのバッファを変更可能にします。/NOMODIFY を指定すれば,すべてのユーザ・バッファは変更できなくなります。
日本語 EVE で,/MODIFY も /NOMODIFY も指定しなかったときには, /READ_ONLY あるいは,/WRITE 修飾子が指定されていたかどうかが調べられます。 /READ_ONLY と /MODIFY,あるいは /NOWRITE と /MODIFY を同時に指定するとバッファは変更可能になります。同様に,/WRITE と /NOMODIFY,あるいは /NOREAD_ONLY と /NOMODIFY を同時に指定するとバッファは変更不可能になります。
5.5.11 /OUTPUT
/OUTPUT=input_file.type ( 省略時設定 )
/NOOUTPUT
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DEC XTPU セッションの出力がファイルに書き込まれるかどうかを指定します。 DEC XTPU の上にレイヤ構造となっているインタフェースは,この修飾子を処理しなければなりません。インタフェースは以下に示す GET_INFO 組込みプロシージャを使用して,DEC XTPU の起動時にこの修飾子が指定されていたかどうかを知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "output") |
日本語 EVE インタフェースでは,/OUTPUT を使用することにより,DEC XTPU を終了するときにメイン・バッファから作成されるファイルの名前を指定することができます。
インタフェースとして日本語 EVE を使用しているときに以下のコマンドを実行すると,DEC XTPU を終了するときに,DEC XTPU はメイン・バッファの内容を newlet.rno というファイルに出力します。
$ EDIT/XTPU/OUTPUT=newlet.rno letter.rno |
出力ファイルの省略時の名前は入力ファイルの名前と同じで,バージョン番号は入力ファイルの既存のバージョンより1だけ大きな値になります。 /OUTPUT 修飾子に対してファイル指定をすれば,出力ファイルに別の名前を付けることができます。
/NOOUTPUT 修飾子は,DEC XTPU 上に,ファイルに出力を書き込まないようなインタフェースを作成するときに使用することができます。たとえば,コマンド・ラインに /NOOUTPUT を指定すると,DEC XTPU がメイン・バッファに対して NO_WRITE 属性を設定し,そのバッファに対する出力ファイルは作成しないというようなアプリケーションを作ることができます。
5.5.12 /READ_ONLY
/READ_ONLY
/NOREAD_ONLY ( 省略時設定 )
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DEC XTPU がジャーナル・ファイルを保存し,メイン・バッファを変更したときに,メイン・バッファの内容から出力ファイルを作成するかどうかを指定します。
/READ_ONLY 修飾子の処理は,/WRITE 修飾子と関係があります。 /READ_ONLY は /NOWRITE を同じです。また /NOREAD_ONLY は,/WRITE と同じです。 DCL コマンドで次のように修飾子が組み合せられたときには,DEC XTPU は,エラーを出して終了します。
DEC XTPU 上に作られたアプリケーションは,この修飾子を処理しなければなりません。
DCL コマンド・ライン上で修飾子 /READ_ONLY ないし /NOWRITE が指定されたかどうかを判断するには,次の文を使用します。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "read_only"); |
この文は,/READ_ONLY または /NOWRITE が明示的に指定されていれば値 1 を返します。
DCL コマンド・ライン上で修飾子 /NOREAD_ONLY ないし /WRITE が指定されたかどうかを判断するには,次の文を使用します。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "write"); |
この文は,/NOREAD_ONLY または /WRITE が明示的に指定されていれば値 1 を返します。
日本語 EVE では,/READ_ONLY 修飾子は,/NOMODIFY 修飾子,および /NOOUTPUT 修飾子のすべてを使用した場合と同じ結果になります。/READ_ONLY を指定すると, DEC XTPU はすべてのユーザ・バッファに対して NO_WRITE 属性と NO_MODIFY 属性をセットします。バッファが NO_WRITE にセットされている場合には,DEC XTPU を終了するときに,バッファの内容がファイルに書き込まれません。EXIT 組込みプロシージャと QUIT 組込みプロシージャはどちらも,メイン・バッファの内容から新しいファイルを作成せずに編集セッションを終了します。
たとえば,次のコマンドを実行すると,DEC XTPU はエディタを終了するときに新しいファイルを作成しません。
$ EDIT/XTPU/READ_ONLY meeting.mem |
/NOREAD_ONLY は,EXIT コマンドが実行されるときにメイン・バッファの内容が変更されていれば,メイン・バッファをファイルに書き込むようにDEC XTPU に指示を与えます。これは省略時の処理です。
5.5.13 /RECOVER
/RECOVER
/NORECOVER ( 省略時設定 )
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DEC XTPU が起動時にジャーナル・ファイルを読み込んで,前に中断された編集セッションを回復するかどうかを指定します。たとえば,次のコマンドを実行すると,DEC XTPU は notes.txt というファイルに対する前の編集セッションを回復します。
$ EDIT/XTPU/RECOVER notes.txt |
DCL コマンド・ラインで /RECOVER が指定されたかどうかは,以下のようにして知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "recover") |
1という値は,/RECOVER が指定されたことを示します。
JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャが実行されると,通常は,DEC XTPU は出力のためにジャーナル・ファイルをオープンします。 /RECOVER を指定し,JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャを実行すると,ジャーナル・ファイルは入力と出力のためにオープンされます。 DEC XTPU は,入力ファイルに含まれるすべてのコマンドを復元するために入力ファイルをオープンします。その後, DEC XTPU は編集セッションの残りの部分に関して,または JOURNAL_CLOSE が実行されるまで,キーストロークをジャーナル・ファイルに保存します。DEC XTPU の上にレイヤ構造となっているインタフェースは, JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャが実行されるかどうかを制御しなければなりません。
セッションを回復する場合,個人辞書の内容を含むファイルはすべて,回復する編集セッションを開始したときと同じ状態でなければなりません。また端末装置特性はすべて,回復する編集セッションを開始したときと同じ状態でなければなりません。端末装置の幅や1ページの長さを変更した場合には,回復する編集セッションを開始したときの値に戻しておかなければりません。特に次の値には注意してください。
ジャーナル・ファイルの名前が入力ファイルの名前と異なる場合には,DCL コマンド・ラインに /JOURNAL=filespec 修飾子と /RECOVER 修飾子の両方を指定しなければなりません。
$ EDIT/XTPU/RECOVER/JOURNAL=save.dat letter.dat |
/NORECOVER はDEC XTPU の省略時の値です。
5.5.14 /SECTION
/SECTION[=filespec]
/NOSECTION
/SECTION=XTPU$SECTION ( 省略時設定 )
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DEC XTPU が,セクション・ファイルを読み取るかどうかを指定します。セクション・ファイルとは,キー定義やコンパイルされたプロシージャをバイナリ形式で持っているファイルのことです。
省略時のセクション・ファイルは XTPU$SECTION です。セクション・ファイルを検索するときには省略時のディレクトリに SYS$SHARE,省略時のファイル・タイプに .XTPU$SECTION を使用します。XTPU$SECTION という論理名には,デフォルトで JEVE$SECTION_V3 が定義されているので,省略時には SYS$SHARE:JEVE$SECTION_V3.XTPU$SECTION を読み込みます。これは日本語 EVE インタフェースです。初期化のために別のファイルを指定することもできます。このときには,省略時のファイル以外のセクション・ファイルを指定するために, XTPU$SECTION という論理名を再定義してください。また /SECTION 修飾子にセクション・ファイルの完全なファイル仕様を指定することもできます。
次のコマンドを実行すると,DEC XTPU は vt282ini.XTPU$SECTION というセクション・ファイルを読み取ります。
$ EDIT/XTPU/SECTION=disk$user:[smith]vt282ini |
ファイル指定のときに,装置とディレクトリを指定しないと,DEC XTPU は SYS$SHARE にあるファイルをさがします。セクション・ファイルは,DEC XTPU を起動するノードと同じノードに存在しなければなりません。
DCL コマンド・ラインで /SECTION が指定されたかどうかを知るには,アプリケーションの中で以下のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "section"); |
/SECTION が指定されたときには1が,指定されなかったときには0が戻されます。コマンド・ラインで指定されたファイル名を得るには以下のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "section_file"); |
/SECTION=filespec に対する値として使用されるファイルは, DEC XTPUでファイルのソース・コードのバージョンを実行してコンパイルし, SAVE 組込みプロシージャを使用して保存しておかなければなりません。この処理を実行すると,ファイルは正しいバイナリ形式に変換されます。
/NOSECTION を指定した場合には,DEC XTPU はセクション・ファイルを読み取りません。 /COMMAND 修飾子も使用しなかった場合には,DEC XTPU はユーザ・インタフェースを持たず,どのキーも定義されない状態となります。この状態では,[Ctrl/Y] を押さなければDEC XTPU を終了することはできません。/NOSECTION は,日本語 EVE をベースにしないで独自のDEC XTPU アプリケーションを作るときに使用されます。
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