本書は,HP OpenVMS Alpha オペレーティング・システムまたは HP OpenVMS for Integrity Servers オペレーティング・システム (OpenVMS I64) のインストールやアップグレードを担当されるユーザや,OpenVMS が動作している Alpha システムまたは Integrity サーバで,起動,シャットダウン,およびバックアップを行うすべてのユーザを対象としています。
本書の用途
本書は,読者自身が OpenVMS オペレーティング・システムをインストールまたはアップグレードする必要がある場合や,起動,シャットダウン,またはバックアップを行う必要がある場合に使用します。
納品された Alpha システムや Integrity サーバに出荷時インストールずみソフトウェア (FIS) がインストールされている場合は,そのソフトウェアにリリース・ノートが付属しています。
本書は,そのリリース・ノートに記載されていない情報を調べるときに使用してください。
本書の構成
本書は,以下の各章から構成されています。
第 1 章 : 重要な用語の意味を示すとともに,ハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントに関する情報が示してあります。 インストールやアップグレードを行う前に,この章をよく読んでください。
第 2 章 : インストールの準備に関する情報が示してあります。
第 3 章 : OpenVMS Alpha オペレーティング・システムと OpenVMS I64 オペレーティング・システムのインストール方法を説明しています。
第 4 章 : システムをアップグレードする際の準備について説明しています。
第 5 章 : 第 4 章の補足として,OpenVMS Cluster システムのアップグレードで必要な事前作業を説明しています。
第 6 章 : オペレーティング・システムのアップグレード方法を説明しています。
第 7 章 : オペレーティング・システムをインストールまたはアップグレードした後に必要な作業を説明しています。
付録 A : OpenVMS Alpha システムのブート,停止,およびシャットダウンの方法を説明しています。 また,ブート・オプションの構成方法も説明しています。
付録 B : HP Integrity サーバで利用可能な各種ユーティリティの概要を示すとともに,システム・コンソールの構成方法,ブート・オプションの構成方法,および OpenVMS オペレーティング・システムのブート方法を説明しています。
付録 C : OpenVMS Alpha システムと OpenVMS I64 システムで利用可能なソフトウェア・アプリケーションである,InfoServer ユーティリティを使用してアップグレードする場合の,ネットワーク・ブートのセットアップ方法と実行方法を説明しています。
付録 D : Fibre Channel ストレージ・デバイスからブートする方法を説明しています。
付録 E : システム・ディスクのバックアップ方法とリストア方法を説明しています。
付録 F : OpenVMS の国際化データ・キット (VMSI18N) と,そのインストール方法を説明しています。
付録 G : OpenVMS システムと PC で OpenVMS Management Station サーバ・ソフトウェアと OpenVMS Management Station クライアント・ソフトウェアをそれぞれ実行するための準備方法を説明しています。
付録 H : システムから OpenVMS オペレーティング・システムを削除する方法を説明しています。
付録 I : OpenVMS Alpha と OpenVMS I64 のシステム・ディスクを初期化する方法を何通りか説明しています。 また,OpenVMS I64 システム・ディスクの診断パーティションに関する情報も記載しています。
用語集 : 本書で使用している重要な用語とその意味を記載しています。
使用しているコンピュータで OpenVMS オペレーティング・システムをインストール,アップグレード,または使用する場合は,その前に以下のドキュメントを入手して,いつでも利用できるようにしておいてください。 以下のドキュメントの一部は,OpenVMS V8.2 のドキュメント・セットにも含まれていたものです。 それらのドキュメントは改訂されていませんが,その内容は OpenVMS V8.3 でも有効です。
『Cover Letter for HP OpenVMS V8.3』,『日本語 OpenVMS V8.3 をご使用のお客様へ』, およびキットに含まれているその他のカバー・レター。
『HP OpenVMS V8.3 新機能説明書』
OpenVMS Alpha オペレーティング・システムと OpenVMS I64 オペレーティング・システムの今回のリリースで拡張された機能および新機能とともに,OpenVMS のサポート・ドキュメントの概要が記載されています。
『HP OpenVMS V8.3 リリース・ノート[翻訳版]』
OpenVMS Alpha オペレーティング・システムと OpenVMS I64 オペレーティング・システムに関する重要な補足情報が記載されています。
『HP OpenVMS Cluster システム』および『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』
使用するシステムを OpenVMS Cluster 環境へインストールする場合に役立つ情報が記載されています。
『DECwindows Motif for OpenVMS インストレーション・ガイド』および『DECwindows Motif for OpenVMS 管理ガイド』の最新版
DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアをインストールしてカスタマイズする場合に役立つ情報が記載されています。
『HP Open Source Security for OpenVMS, Volume 1: Common Data Security Architecture』
CDSA ソフトウェアに関する情報が記載されています。
『HP Open Source Security for OpenVMS, Volume 2: HP SSL for OpenVMS』
HP SSL ソフトウェアに関する情報が記載されています。
『HP Open Source Security for OpenVMS, Volume 3: Kerberos』
Kerberos ソフトウェアに関する情報が記載されています。
『HP Availability Manager Installation Instructions』
Availability Manager (AM) ソフトウェアに関する情報が記載されています。 このドキュメントは,次の Web サイトから入手できます。
http://www.hp.com/products/openvms/availabilitymanager
Performance Data Collector (TDC) 関連のドキュメントは,次の Web サイトから入手できます。
http://www.hp.com/products/openvms/tdc/
DECnet-Plus for OpenVMS ソフトウェア,DECnet Phase IV for OpenVMS ソフトウェア,または TCP/IP Services for OpenVMS ソフトウェアをインストールして構成する場合は,以下のネットワーク・ソフトウェア・ドキュメントが役立ちます。
『TCP/IP Services for OpenVMS インストレーション/コンフィグレーション・ガイド』
『DECnet-Plus for OpenVMS Installation and Basic Configuration』
これらのネットワーク製品ドキュメントは,OpenVMS Online Documentation CD に含まれています。 マニュアルの印刷物が必要な場合は,別途,購入してください。
Instant Capacity (iCAP) と Pay Per Use (PPU) に関連する情報については,『HP Instant Capacity (iCAP) ユーザーガイド』および『HP Pay Per Use (PPU) ユーザーガイド』を参照してください。
これらのマニュアルは,次の Web サイトから入手できます。
http://docs.hp.com/ja/hpuxos11iv2.html
AlphaServer システムや Integrity サーバに付属しているハードウェア・ドキュメントには,システム・ユニット,ドライブ,およびモニタの操作など,システム・ハードウェアに関する詳しい情報が記載されています。
使用しているコンピュータで OpenVMS オペレーティング・システムのインストール,アップグレード,および使用を行う際には,以下のマニュアルも役に立ちます。
『HP OpenVMS License Management Utility Manual』
ソフトウェア・ライセンスの登録方法に関して,詳しい情報が記載されています。
『HP OpenVMS システム管理者マニュアル』と『HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』
OpenVMS システムのインストール,アップグレード,カスタマイズ,および保守で使用する可能性のあるシステム管理操作とユーティリティの情報が記載されています。
『HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻)』
PCSI ユーティリティの PRODUCT コマンドでファイルの追加/削除,他ソフトウェアのインストール,およびその関連操作を行う方法が詳細に記載されています。
『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』
OpenVMS オペレーティング・システムをシャドウ・システム・ディスクにインストールする場合や,シャドウ・システム・ディスクにインストールされている OpenVMS オペレーティング・システムをアップグレードするときに役立ちます。
『HP OpenVMS Management Station Installation Guide』
OpenVMS Management Station の基礎知識,セットアップ,および使用方法に関する情報が記載されています。
HP OpenVMS の製品とサービスに関するその他の情報については,次の Web サイトをご覧ください。
http://www.hp.com/jp/openvms
(日本語)
http://www.hp.com/go/openvms
(英語)
ミッドレンジ・サーバや Superdome サーバで nPartitions を管理する方法については,『HP システム パーティション ガイド: nPartitions の管理作業』を参照してください。
HP Integrity サーバの最新ハードウェア・マニュアルは,次の Web サイトから入手できます。
http://docs.hp.com/en/hw.html
Alpha システムの最新のハードウェア・マニュアルは,次の Web サイトから入手できます。
http://www.hp.com/go/alphadocs
表記法
| 表記法 | 意味 |
| [Ctrl]/[X] | [Ctrl]/[x] という表記は,Ctrl キーを押したままで別のキーまたはポインティング・デバイスのボタンを押すことを示します。 |
| [PF1] [X] | [PF1] [X] という表記は,最初に PF1 キーを押してから,別のキー ([x]) またはポインティング・デバイスのボタンを押すことを示します。 |
| [Enter] | 例の中でキー名が太字表記されている場合は,そのキーを押すことを示します。 |
| ... | 例の中でこの水平方向の反復記号が使用されている場合は,次のいずれかを示します。 - 文中のその他のオプション引数が省略されている。 - 先行する 1 つまたは複数の項目を繰り返すことができる。 - パラメータや値などの情報をさらに入力できる。 |
| ... | 垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中で項目が省略されていることを示します。 この反復記号で項目が省略されている場合は,その部分が説明の内容にとって重要ではないことを意味しています。 |
| ( ) | コマンド形式の記述でこの記号が使用されている場合は,選択オプションを複数個指定するときにそれらの選択オプションを括弧で囲む必要があることを示します。
インストールやアップグレードの表示例では,次に示すように,プロンプトに対する回答の候補を示します。
Is this correct? (Y/N) [Y] |
| [ ] | コマンド形式の記述で項目が大括弧で囲まれている場合は,その項目が選択オプションであることを示します。
項目を 1 つ以上選択することも,すべて省略することもできます。
コマンド行には,項目を囲んでいるこの大括弧を入力しないでください。
ただし,OpenVMS のディレクトリ指定構文や,代入文の部分文字列指定構文に含まれる大括弧は,省略できません。
インストールやアップグレードの表示例で項目が大括弧によって囲まれている場合は,プロンプトに対するデフォルトの回答を示します。
値を入力しないで
[Enter]
を押すと,デフォルトの回答が入力されたものとして処理されます。
次に,その例を示します。
Is this correct? (Y/N) [Y] |
| | | コマンド形式の記述で大括弧または中括弧内の複数の項目が垂直の棒線で区切られている場合は,それらの項目が選択オプションであることを示します。 項目が大括弧で囲まれている場合は,すべての項目を省略することができます。 項目が中括弧で囲まれている場合は,少なくとも 1 つの項目を指定しなければなりません。 コマンド行には,この垂直の棒線を入力しないでください。 |
| { } | コマンド形式の記述で項目が中括弧で囲まれている場合は,その項目が必須の選択オプションであることを示します。 少なくとも 1 つの項目を指定する必要があります。 コマンド行には,この中括弧を入力しないでください。 |
| bold type | 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,理由を示します。 コマンドとスクリプトの例で太字が使われている場合は,その部分をユーザが入力することを示します。 |
| italic type | イタリック体のテキストは,重要な情報,ドキュメントの正式なタイトル,または変数を示します。 変数は,システムからの出力 (たとえば「Internal error number」),コマンド行 (たとえば「/PRODUCER=name」),または本文中のコマンド・パラメータ (たとえば「dd はデバイスの種類を表すコードです」) というように,一定でない情報を表します。 |
| UPPERCASE TYPE | 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,またはシステム特権の短縮形を示します。 |
Example |
この (等幅) フォントは,コード例,コマンド例,または会話操作中の画面出力を示します。 本文中では,URL,UNIX のコマンドやパス名,PC のコマンドやフォルダ名,または C プログラミング言語の特定要素を示すこともあります。 |
| - | コマンド形式の記述,コマンド行,またはコード行の末尾にあるハイフンは,コマンドや文が次の行まで続いていることを示します。 |
| 数字 | 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて 10 進数です。 10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) の場合は,その旨が明記してあります。 |