JMAIL ユーティリティを使用して情報を扱う際の情報の最小の単位を, メール・メッセージといいます。
受け取ったメール・メッセージには,そのメール・メッセージの 発信人の名前が付けられています。発信人の名前の形式は,次のとおりです。
ノード名::ユーザ名 "個人名"
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ユーザが個人名を設定していると,ユーザ名の後に個人名が付きます。
ヘッダには次の項目があります。
メール・メッセージを送るときは,相手の宛先を指定します。宛先には,ノード名とユーザ名を指定します。
ただし,相手が同じノードを使用している場合は,ユーザ名だけを指定します。
CC は,カーボン・コピー(Carbon Copy)の略です。「参考までに」送信する相手を指定します。
メール・メッセージを送る場合は,表題を付けて送ることができます。表題を付けて送ると,メール・メッセージの識別が容易になります。
メール・メッセージを整理して保存しておく入れ物を, フォルダといいます。以下のフォルダは,あらかじめ用意されています。
まだ読んでいないメール・メッセージが入っているフォルダ
すでに読んだメール・メッセージが入っているフォルダ
削除したメール・メッセージが入っているフォルダ
これらのフォルダの他に,ユーザが任意にフォルダを作成することもできます。フォルダの中のメール・メッセージがすべてなくなると,フォルダも自動的になくなります。
メール・メッセージとフォルダを管理するファイルを, メール・ファイルといいます。
メール・メッセージは,通常,MAIL$xxxxxxxxxx.MAI というようなファイル名 (MAIL$ で始まるファイル名 ) とファイル・タイプ (MAI) で取り扱われます。このファイルが置かれているディレクトリを, メール・ディレクトリといいます。メール・ディレクトリを特に指定しない場合,ログイン・ディレクトリがメール・ディレクトリになります。
JMAIL ユーティリティを起動するには,JMAIL コマンドを使用します。次のように入力します。
$ JMAIL
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JMAIL ユーティリティを起動すると,次のように表示されます。
$ JMAIL
JMAIL>
(1) (2)
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JMAIL ユーティリティを使用する際の条件を,使用環境といいます。使用環境を調べるには次のようにします。
JMAIL>SHOW ALL
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使用環境のうちメール・ディレクトリ,CC プロンプト,エディタは, JMAIL ユーティリティを初めて使用するときに設定したほうがよいでしょう。
メール・ディレクトリを設定する -- SET MAIL_DIRECTORY
メール・メッセージのファイルやメール・ファイルは,メール・ディレクトリに置かれます。
メール・ディレクトリを設定しておかないと,ログイン・ディレクトリがメール・ディレクトリになってしまうため,他のファイルやディレクトリと混在してしまいます。これを防ぐため,メール・ディレクトリは,専用のディレクトリにしたほうがよいでしょう。
メール・ディレクトリを設定するには,SET MAIL_DIRECTORY サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> SET MAIL_DIRECTORY ディレクトリ
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ディレクトリは,メール・ディレクトリにするディレクトリの名前です。必ず [.ディレクトリ] の形式で指定します。
JMAIL> SET MAIL_DIRECTORY [.MAILBOX]
%MAIL-I-EXISTS, USER$:[YAMADA.MAILBOX] はすでに存在します。
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JMAIL> SET MAIL_DIRECTORY [.MAILBOX]
%MAIL-I-CREATED, USER$:[YAMADA.MAILBOX] が作られました。
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SHOW MAIL_DIRECTORY サブコマンドを使用して,メール・ディレクトリを確認することができます。次のように入力します。
JMAIL> SHOW MAIL_DIRECTORY
あなたのメール・ファイル・ディレクトリは USER$:[YAMADA.MAILBOX] です。
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CC プロンプトを使用する -- SET CC_PROMPT
CC は,カーボン・コピー(Carbon Copy)の略です。CC プロンプトに対してユーザ名を入力すると,そのユーザに対して,「参考までに」メール・メッセージを送ることができます。また,何の設定もしていないと,メール・メッセージは手元に残りません。確認のために,自分自身を CC に入れて,メールを保存してもよいでしょう。
CC プロンプトを使用するには,SET CC_PROMPT サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> SET CC_PROMPT
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自分自身へのコピーの設定をしておかないと,送ったメール・メッセージは手元に残りません。自分自身へのコピーを手元に残すように設定するには, SET COPY_SELF サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> SET COPY_SELF サブコマンド[,...]
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サブコマンドは,コピーを残すサブコマンドを指定します。指定できるサブコマンドは,SEND,REPLY,FORWARD です。
JMAIL> SET COPY_SELF SEND,REPLY,FORWARD
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メール・メッセージを送る場合,エディタを使用してメール・メッセージを作成,編集してから送ることができます。エディタを設定するには,SET EDITOR サブコマンドを使用し,次のように入力します。
JMAIL> SET EDITOR エディタ名
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エディタが設定されたことを確認するには,SHOW EDITOR サブコマンドを使用します。次のように入力します。(この例では XTPU を指定。)
JMAIL> SHOW EDITOR
あなたのエディタは XTPU です。
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個人名を設定することもできます。個人名を設定するには, SET PERSONAL_NAME サブコマンドを使用し,次のように入力します。
JMAIL> SET PERSONAL_NAME "個人名"
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個人名は,ユーザ名の後に付ける個人名です。任意の文字列を指定できます。必ず,二重引用符 (") で囲みます。
JMAIL> SET PERSONAL_NAME "山田太郎/開発1課/東京"
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JMAIL ユーティリティを終了するには,次のいずれかの方法を使用します。
JMAIL ユーティリティを終了すると,DCL コマンドが入力できる状態に戻り, $ プロンプトが表示されます。
JMAIL> EXIT
$
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まだ読んでいないメール・メッセージを読むには,READ サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> READ
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ただし,JMAIL ユーティリティの使用中に,新たにメール・メッセージが届いた場合は,次のように入力します。
JMAIL> READ/NEW
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すでに読んだメール・メッセージを再度読む場合は,READ サブコマンドを使用します。ただし,そのときに新たにメール・メッセージが届いているかどうかによって方法が異なります。
JMAIL> READ
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JMAIL> READ MAIL [メール・メッセージ番号]
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メール・メッセージ番号は,これから読むメール・メッセージの番号です。メール・メッセージ番号は省略できます。省略した場合,1 を指定したものとみなされます。
JMAIL> READ フォルダ名 [メール・メッセージ番号]
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フォルダ名は,メール・メッセージの入っているフォルダの名前です。
メール・メッセージ番号は,これから読むメール・メッセージの番号です。メール・メッセージ番号は省略できます。省略した場合は,1 を指定したものとみなされます。
フォルダについては, 「メール・メッセージをフォルダに入れる -- MOVE」 以降を参照してください。
メール・メッセージを続けて読む場合は,単に [Return] キー ( または [Enter] キー ) を押すだけで,次のメール・メッセージを読むことができます。
JMAIL>
|
メール・メッセージの一覧を表示するには,次のようにします。
JMAIL> DIRECTORY [フォルダ名]
|
フォルダ名は,一覧を表示するフォルダの名前です。
フォルダ名は省略できます。省略した場合,現在選択しているフォルダを指定したものとみなされます。フォルダを選択していない場合, NEWMAIL フォルダを指定したものとみなされます。ただし,まだ読んでいないメール・メッセージがない場合は,MAIL フォルダを指定したものとみなされます。
メール・メッセージを送るには,SEND サブコマンドを使用します。 SEND サブコマンドを使用してメール・メッセージを送る場合,次の方法があります。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| その場で簡単に作成して送る | JMAIL> SEND |
| エディタを使用して編集してから送る | JMAIL> SEND/EDIT |
| 既存のファイルをそのまま送る | JMAIL> SEND ファイル |
メール・メッセージに返事を送るには,REPLY サブコマンドを使用します。 REPLY サブコマンドを使用してメール・メッセージに返事を送る場合,次のような方法があります。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| その場で簡単に作成して送る | JMAIL> REPLY |
| エディタを使用して編集してから送る | JMAIL> REPLY/EDIT |
| 受け取ったメール・メッセージを引用して送る | JMAIL> REPLY/EXTRACT |
| 既存のファイルをそのまま送る | JMAIL> REPLY ファイル |
受け取ったメール・メッセージを他の人に送る -- FORWARD
受け取ったメール・メッセージを他の人に送るには,FORWARD サブコマンドを使用します。FORWARD サブコマンドを使用して,受け取ったメール・メッセージを他の人に送る場合,次のような方法があります。
| 方法 | 操作 |
|---|---|
| 受け取ったメール・メッセージをそのまま送る | JMAIL> FORWARD |
| 受け取ったメール・メッセージを編集して送る | JMAIL> FORWARD/EDIT |
メール・メッセージをフォルダに入れるには,MOVE サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> MOVE フォルダ名
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フォルダ名は,直前に読んだメール・メッセージを入れるフォルダの名前です。フォルダが存在しない場合は,次のような問い合わせメッセージが表示されます。
JMAIL> MOVE OSAKA_GIJIROKU
フォルダ OSAKA_GIJIROKU は存在しません。
このフォルダを作成しますか (Y/N,省略時は N です)?
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ここで,フォルダを新たに作成するかどうかを答えます。
%MAIL-I-NEWFOLDER, フォルダ OSAKA_GIJIROKU が作成されました。
|
フォルダの一覧を表示する -- DIRECTORY/FOLDER
現在存在するフォルダの一覧を表示することができます。フォルダが存在するということは,その中にメール・メッセージが入っていることを意味します。メール・メッセージの入っていない空のフォルダはありません。フォルダの一覧を表示するには,DIRECTORY/FOLDER サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> DIRECTORY/FOLDER
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メール・メッセージの入っているフォルダを選択するには, SELECT サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> SELECT フォルダ名
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メール・メッセージを削除するには,DELETE サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> DELETE [メール・メッセージ番号]
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メール・メッセージ番号は,削除したいメール・メッセージの番号です。複数のメール・メッセージ番号を指定することもできます。複数のメール・メッセージ番号を指定する場合,コンマで区切ります。
現在読んでいるメール・メッセージの番号は省略することもできます。
誤って削除したメール・メッセージの復元 -- SELECT WASTEBASKET
メール・メッセージを誤って削除した場合,JMAIL ユーティリティをまだ終了していなければ,そのメール・メッセージを復元することができます。
削除したメール・メッセージは,JMAIL ユーティリティを終了するまでは, WASTEBASKET フォルダに一時的に保存されます。これらのメール・メッセージは,JMAIL ユーティリティの終了時にまとめて実際に削除されます。メール・メッセージの復元は,WASTEBASKET フォルダからメール・メッセージを取り出すことにより行います。
次の手順で行います。
JMAIL> SELECT WASTEBASKET
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JMAIL> DIRECTORY
|
JMAIL> READ
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JMAIL> MOVE MEMO
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メール・メッセージをファイルにするには,EXTRACT サブコマンドを使用します。次のように入力します。
JMAIL> EXTRACT ファイル名
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ファイル名は,メール・メッセージをファイルにするときのファイルの名前です。
バージョン番号は省略できます。バージョン番号を省略したときにファイルが存在しない場合は,バージョンが 1 のファイルを新たに作成します。バージョン番号を省略したときにファイルが存在する場合は,最新のバージョンに 1 を加えたバージョンのファイルを作成します。
メール・メッセージを送る複数の相手の宛先をまとめて 1 つのファイルにしたものを,配布リストといいます。配布リストは,エディタを使用して作成します。配布リストのファイル名は任意です。ファイル・タイプには,なるべく DIS を指定してください。
配布リストを作成する際は,1 行に 1 ユーザ名のみを入力してください。( 感嘆符 (!) に続けてコメントを入力できます。)
配布リストの指定方法
配布リストを指定する場合,アットマーク(@)を付けて指定します。次のように指定します。
@[ディレクトリ]ファイル名.ファイル・タイプ;バージョン番号
(1) (2) (3) (4)
|
配布リストは,ユーザ名と同様に,宛先 (To:,CC:) に指定できます。たとえば,MEMBER.DIS という名前で配布リストを作成したとします。配布リストは,ユーザ名と同様に使用できるので,次のように入力することができます。
To: @MEMBER,OSAKA::TANAKA
CC:
Subj:
|
JMAIL ユーティリティでは,サブコマンドの使い方と働きを調べるためのオンライン・ヘルプが用意されています。ヘルプの使用方法は DCL コマンドの場合と同様です。JMAIL のヘルプを使用する場合は,次のように入力します。
JMAIL> HELP
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ヘルプが開始され,次のように表示されます。
サブコマンドの説明と "サブコマンド名 Subtopic?" が表示されます。
ヘルプを終了するには,次のいずれかの方法を使用します。