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HP OpenVMS Systems
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日本語 HP OpenVMS

日本語 HP OpenVMS
DEC XTPU
リファレンス・マニュアル


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5.4 バッチ・ジョブからDEC XTPU を起動する場合

端末装置からではなく,バッチ・ジョブで編集操作を実行したい場合には,DCL の SUBMIT コマンドを使用してジョブをバッチ・キューに送ることができます。

たとえば,前の節と同じ編集をバッチ・モードで実行したい場合には,以下のコマンドを入力することができます。


$ SUBMIT invisible_tpu.COM/LOG=invisible_tpu.LOG/parameter=my_file.txt

このジョブはシステムの省略時のバッチ・キューに入力され,結果はバッチ・ジョブが作成する LOG ファイルに出力されます。

バッチのようなコマンド・プロシージャに適用される制約条件は,バッチ・ジョブにも適用されます。/NODISPLAY をコマンド・ラインで使用するときと,編集操作を含むファイルで EXIT 組込みプロシージャまたは QUIT 組込みプロシージャを使用するときの注意事項について,上記の節を参照してください。

5.5 DEC XTPU コマンド・ラインの修飾子

EDIT/XTPU コマンドに修飾子を指定することによって,DEC XTPU の属性を設定したり, DEC XTPU 上に構築されたアプリケーションの属性を設定したりすることができます。修飾子は次の2種類に分類できます。

表 5-1 は EDIT/XTPU コマンドの修飾子と,それらの省略時の値を定義する部分,それらの修飾子を解釈する部分を示しています。

表 5-1 EDIT/XTPU コマンドの修飾子
修飾子 省略時の値の定義 修飾子の扱い
/CODESET= keyword DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]COMMAND[= filespec] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]CREATE 両方 アプリケーション
/[NO]DEBUG[= filespec] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]DISPLAY[= keyword] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]INITIALIZATION[= filespec] 両方 アプリケーション
/INTERFACE[= keyword] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]JOURNAL[= filespec] 両方 アプリケーション
/[NO]KANJI_DICTIONARY[= filespec] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]MODIFY アプリケーション アプリケーション
/[NO]OUTPUT[= filespec] 両方 アプリケーション
/[NO]READ_ONLY 両方 アプリケーション
/[NO]RECOVER DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]SECTION[= filespec] DEC XTPU DEC XTPU
/START_POSITION[=( line,column)] DEC XTPU アプリケーション
/[NO]WORK[= filespec] DEC XTPU DEC XTPU
/[NO]WRITE 両方 アプリケーション

以降の節では,修飾子について詳しく説明します。以降の例の中では,修飾子は EDIT/XTPU コマンドのすぐ後,入力ファイル仕様の前に指定されていますが,修飾子は EDIT/XTPU コマンドの後なら,コマンド・ラインのどこに指定してもかまいません。以降の節は,インタフェースとして日本語 EVE 使用されていることを想定して書かれています。したがって,アプリケーションが扱いを指定できる修飾子も日本語 EVE をもとにして書かれています。日本語 EVE をベースにしないアプリケーションは,それらの修飾子を違った方法で使用できます。

5.5.1 /CODESET


     /CODESET=keyword
     /CODESET=ISO_LATIN1 ( 省略時設定 ) 

DEC XTPU の起動時のシステム・コードセットを指定します。システム・コードセットは新しくバッファを作る時に使用されますので,組込みプロシージャでシステム・コードセットを変更しなければ,作成されるバッファのコードセットおよび出力コードセットの初期値は /CODESET 修飾子で指定した値になります。

/CODESET 修飾子のパラメータに指定できるキーワードは以下の通りです。

表 5-2 /CODESET 修飾子のパラメータ
キーワード コードセット
DECKANJI DEC 漢字コードセット
SDECKANJI Super DEC 漢字コードセット
ISO_LATIN1 ISO Latin1 コードセット
DEC_MCS DEC MCSコードセット
ASCII_JISKANA ASCII (JIS ローマ字) + JIS カタカナコードセット
SJIS シフトJISコードセット
DECKANJI2000 DEC 漢字 2000 コードセット
ISO2022JP ISO-2022-JP コードセット
UCS2 UCS-2 コードセット
UTF8 UTF-8コードセット

/CODESET 修飾子を指定しなかった場合には,以下のような順序でシステム・コードセットが決められます。

  1. 論理名 LANG の定義
    論理名 LANG に定義できるものは以下の通りです。大文字小文字の区別はありません。論理名 LANG はプロセスのコードセットの定義を行う場合に使用します。システム全体のコードセットの定義を行う時には論理名 XPG$DEFAULT_LANG を使用してください。

    表 5-3 論理名 LANG の定義
    コードセット
    ja_JP.deckanji DEC 漢字コードセット
    ja_JP.sdeckanji Super DEC 漢字コードセット
    en_US.ISO8859-1 ISO Latin1 コードセット
    ja_JP.sjis シフトJISコードセット
    ja_JP.deckanji2000 DEC 漢字 2000 コードセット
    ja_JP.UTF-8 UTF-8 コードセット

  2. 論理名 XPG$DEFAULT_LANG の定義
    論理名 XPG$DEFAULT_LANG に定義できるものは以下の通りです。大文字小文字の区別はありません。論理名XPG$DEFAULT_LANG はシステム全体のコードセットの定義を行う場合に使用します。プロセスごとにコードセットを定義するときには論理名 LANG を使用してください。

    表 5-4 論理名 XPG$DEFAULT_LANG の定義
    コードセット
    ja_JP.deckanji DEC 漢字コードセット
    ja_JP.sdeckanji Super DEC 漢字コードセット
    en_US.ISO8859-1 ISO Latin1 コードセット
    ja_JP.sjis シフトJISコードセット
    ja_JP.deckanji2000 DEC 漢字 2000 コードセット
    ja_JP.UTF-8 UTF-8 コードセット

  3. 省略値の使用
    上記の論理名が定義されていない時にはコードセットの省略値が使用されます。省略値は論理名 XTPU$TEXT_LANGUAGE の値によってきまります。XTPU$TEXT_LANGUAGE が "JAPANESE" と定義されているときは DEC 漢字コードセットがシステム・コードセットになります。それ以外のときには ISO Latin1 コードセットがシステム・コードセットになります。

日本語 OpenVMS では以下のようにシステム論理名が定義されていますので, /CODESET 修飾子を指定しなかった場合には通常 DEC 漢字コードセットがシステム・コードセットになります。

コマンド・ラインで指定されたコードセットの名前を知るには以下のようにしてください。変数 X にはコードセットを示すキーワードが戻ります。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "codeset"); 

次のコマンドを実行すると,DEC XTPU は起動時にシステム・コードセットを Super DEC 漢字コードセットに設定し,編集セッションのための入力ファイルとして letter.txt を使用します。


$ EDIT/XTPU/CODESET=sdeckanji letter.txt

5.5.2 /COMMAND


     /COMMAND[=filespec] 
     /NOCOMMAND 
     /COMMAND=XTPU$COMMAND ( 省略時設定 ) 

DEC XTPU が初期化のために,ユーザ作成コマンド・ファイルを読み取るかどうかを指定します。コマンド・ファイルは,DEC XTPU 上に作られたアプリケーションの拡張および変更や,新しいアプリケーションを作るために使用されます。 DEC XTPU コマンド・ファイルの省略時のファイル・タイプは .TPU です。ファイル指定にワイルド・カードを使うことはできません。特に指定しなかった場合,省略時の値によってDEC XTPU は,省略時のディレクトリの XTPU$COMMAND.TPU というコマンド・ファイルを読み取ろうとします。省略時のコマンド・ファイル以外のコマンド・ファイルを使用する場合には,/COMMAND 修飾子の後に完全なファイル仕様を指定するか,または XTPU$COMMAND という論理名を定義してください。

ユーザが DCL コマンド・ラインで /COMMAND を指定したかどうかは,アプリケーションの中で以下のようにして知ることができます。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "command"); 

/COMMAND が指定された時には1,指定されなかった時には0が返されます。コマンド・ラインで指定されたコマンド・ファイルの名前を知るには以下のようにしてください。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "command_file"); 

以下のコマンドを実行すると,DEC XTPU は sys$login:my_tpu$command.TPU という名前のコマンド・ファイルを読み取り,編集セッションのための入力ファイルとして,letter.rno を使用します。


$ EDIT/XTPU/COMMAND=sys$login:my_tpu$command.TPU letter.rno

DEC XTPU がコマンド・ファイルを処理しないようにするには,/NOCOMMAND 修飾子を使用します。コマンド・ファイルを使用せずにDEC XTPU を起動することが多いときには,以下のようなシンボルを定義しておくと良いでしょう。


$ JEVE == "EDIT/XTPU/NOCOMMAND" 

/NOCOMMAND 修飾子を使用してコマンド・ファイルを使用しないと,コマンド・ファイルの探索が不要になるので,始動時間を短縮することができます。

指定したコマンド・ファイルが存在しないときには,編集を継続せずに DCL に戻ります。

5.5.3 /CREATE


     /CREATE ( 省略時設定 ) 
     /NOCREATE 

指定された入力ファイルが存在しないときに,DEC XTPU が新しいファイルを作成するかどうかを指定します。/CREATE と /NOCREATE が両方とも指定されなかったときには,DEC XTPUは /CREATE と解釈しますが,ファイル名は指定されません。

DEC XTPU の上にレイヤ構造となっているインタフェースが,この修飾子を処理します。インタフェースは以下に示す GET_INFO 組込みプロシージャを使用することによって,DEC XTPU の起動時にこの修飾子が指定されていたかどうかを知ることができます。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "create") 

この値が1のときは,/CREATE が指定されていたことを,0のときは /NOCREATE が指定されていたことを示します。

日本語 EVE は,省略時には入力ファイルが存在しないときにファイルを作成します。 /NOCREATE を指定して,入力ファイルに存在しないファイルを指定すると,編集を中断して,DCL コマンド・レベルに戻ります。

たとえば,現在のデバイスとディレクトリが DISK$:[USER] のときに NEWFILE.DAT という存在しない入力ファイルを指定したときには,DEC XTPU インタフェースはエラー・メッセージをプリントし,下記のように DCL コマンド・レベルに戻ります。


$ EDIT/XTPU/NOCREATE newfile.dat
入力ファイルがありません: NEWFILE.DAT 
$ 

5.5.4 /DEBUG


     /DEBUG[=filespec] 
     /NODEBUG ( 省略時設定 ) 

修飾子 /DEBUG は,DEC XTPU デバッガを実装するファイルを実行するかどうかを指定します。/DEBUG が指定されると,XTPU は XTPU$INIT_PROCEDURE プロシージャやコマンド・ファイルを実行する前に,デバッガ・ファイルの内容を読み込んでコンパイルし,実行します。

省略時の設定では,デバッガ・ファイルは読み込まれません。デバッガ・ファイルを指定せずに /DEBUG を指定すると,SYS$SHARE:XTPU$DEBUG.TPU が読み込まれます。

省略時のデバッガ・ファイルの代わりに別のデバッガ・ファイルを使用するには, /DEBUG 修飾子にそんデバッガ・ファイルのファイル指定を与えます。装置名およびディレクトリを省略すると,SYS$SHARE が仮定されます。論理名 XTPU$DEBUG を定義した場合,ファイルを指定せずに /DEBUG を指定すれば,その論理名に指定されているファイルが読み込まれます。

5.5.5 /DISPLAY


     /DISPLAY=CHARACTER_CELL ( 省略時設定 ) 
     /DISPLAY=DECWINDOWS 
     /NODISPLAY 

DECwindows 版と文字セル版のDEC XTPU を選択するには,DEC XTPU を起動するときに DCL コマンド・ラインの /DISPLAY 修飾子で行います。 /DISPLAY コマンド修飾子はオプションです。省略時には,DEC XTPU をワークステーション上で使うか端末上で使うかに関わらず,/DISPLAY=CHARACTER_CELL が使われます。/DISPLAY=CHARACTER_CELL を指定したときには,DEC XTPU は文字セル端末用のスクリーン・マネージャを使用します。文字セル端末用のスクリーン・マネージャは日本語DECterm 端末エミュレータあるいはハードウェア端末上で動作します。

/DISPLAY=DECWINDOWS を指定し,DECwindows の環境を使うことができるときには, DEC XTPU は DECwindows 用のスクリーン・マネージャを使用して,DEC XTPU のために DECwindows のウィンドウを作成します。/DISPLAY=DECWINDOWS を指定したときに,DECwindows の環境を使うことができない場合には,DEC XTPU は文字セル端末用のスクリーン・マネージャを使用します。

/NODISPLAY 修飾子を使用すると,DEC XTPU は端末装置のスクリーン表示機能やキーボード機能を使用せずに動作します。次の場合には,/NODISPLAY 修飾子を使用しなければなりません。

/NODISPLAY を使用する場合には,DEC XTPU のウィンドウ操作コマンドやスクリーン操作コマンドを実行するとエラーが発生します。また /NODISPLAY が指定されているときでも,スクリーン操作コマンド(ADJUST_WINDOW,CREATE_WINDOW, MAP)およびキー定義を含む初期化ファイルは実行することができます。これらのコマンドは意味のないもので,バッチ・ログ・ファイルまたはスクリーンにエラー・メッセージが通知されることもあります。したがって,/NODISPLAY 修飾子を使用するセッションでは,特殊な初期化ファイル(セクション・ファイルまたはコマンド・ファイル)を使用してください。このファイルにはスクリーン操作コマンド (READ_LINE,MESSAGE,および LAST_KEY は除きます。これらはいくつかの制限はありますが正しく機能します)やキー定義を含んでいけません。さらにファイルは,完全なDEC XTPU セッションである必要があります。つまり,EXIT コマンドまたは QUIT コマンドで終了していなければなりません。

以下のコマンドを実行すると,DEC XTPU は端末装置を使用せずに my_batch_file.rno というファイルを編集します。


$ EDIT/XTPU/NODISPLAY my_batch_file.rno

5.5.6 /INITIALIZATION


     /INITIALIZATION[=filespec] ( 省略時設定 ) 
     /NOINITIALIZATION 

DEC XTPU を使用して書かれたアプリケーションがイニシャライゼーション・ファイルを実行するかどうかを指定します。この修飾子の使い方は,アプリケーションによって異なります。

アプリケーションは,次のようにしてユーザが DCL コマンド・ラインで /INITIALIZATION を指定したかどうかを調べます。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "initialization"); 

この値が1のときは,/INITIALIZATION が指定されていたことを, 0 のときには,指定されていなかったことを示します。コマンド・ラインで指定されたファイル名を知るためには次のようにします。


x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "initialization_file"); 

詳しくは,『Guide to the DEC Text Processing Utility』を参照してください。

DCL コマンド・ラインで /[NO]INITIALIZATION を指定しなかったときには, DEC XTPU は /INITIALIZATION が指定されていたものとして処理を行います。ただし,省略時のファイル名はありません。省略時のファイル名は,アプリケーションによって指定されます。ユーザがアプリケーションを書くときには,次のようなフォーマットのファイルを省略時のファイルとすることをお勧めします。


facility$init.facility 

日本語 EVE の省略時のイニシャライゼーション・ファイルは, JEVE$INIT_V3.EVE です。

日本語 EVE においてデバイスやディレクトリを指定しなかったときには,日本語 EVE はまず最初に現在のディレクトリを捜します。指定された(またはデフォルトの)イニシャライゼーション・ファイルがそこにないときには,日本語 EVE は SYS$LOGIN を捜します。イニシャライゼーション・ファイルが見つかれば,日本語 EVE はそのファイル中のコマンドを実行します。

日本語 EVE でのイニシャライゼーション・ファイルの使い方について,詳しくは,『日本語EVE リファレンス・マニュアル』の"日本語EVEのカスタマイズ"を参照してください。


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