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VAXシステムで,MONITOR VBSコマンドを実行すると,仮想バランス・スロット(VBS)の処理に関する情報が表示されます。
MONITOR VBS
MONITOR VBS コマンドには,次のデータ項目があります。
データ項目 説明 RBS Fault Rate プロセスが仮想バランス・スロットから実バランス・スロット (RBS) にフォルトする割合。 CPU Utilization 仮想バランス・スロット機能をサポートするために,オペレーティング・システムが使用した CPU 時間 (1 秒間に 10 ミリ秒クロック・ティックの割合)
どのプロセスが最高の RBS フォルト率であるかを判断するには, MONITOR PROCESSES/TOPRBS コマンドを使用します。
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR VBS
|
この例は VBS を表形式で表示します。
MONITOR VECTORコマンドは,システムに現在構成されている各ベクタ・プロセッサについて,ベクタ使用先(1つまたは複数)がスケジューリングされた時間を,1秒あたりのクロック・チック(10ミリ秒)回数で表示します。
MONITOR VECTOR
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
MONITOR VECTOR コマンドは,システム内で現在設定されている各ベクタ・プロセッサに対して 1 つ以上のベクタ消費者をスケジューリングするときに要した 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数を表示します。オペレーティング・システムがベクタ消費者をスケジューリングする対象は,"vector present" と定義されているプロセッサだけであるため,"vector absent" と定義されているプロセッサのベクタ CPU 時間を VECTOR クラスで表示されることはありません。ベクタ消費者は,ベクタが存在するプロセッサのベクタ CPU とスカラ CPU のいずれかまたは両方を使用できます。このため, VECTOR クラスで出力されるベクタ CPU 時間は,ベクタ CPU の実際の使用量ではなく,ベクタ消費者がベクタ CPU とスカラ CPU の両方を予約した期間を意味します。
VECTOR クラスのデータ項目は Vector Scheduled Rate です。ベクタが存在する CPU それぞれに対してベクタ消費者がスケジューリングされている 1 秒あたりの 10 ミリ秒単位クロック・ティック数が表示されます。
MONITOR> MONITOR VECTOR
|
CPU 0,CPU 4 という,ベクタが存在するプロセッサ 2 つが実装された多重処理システムの VECTOR クラス表示です。 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数が示されています。最後の収集間隔において,ベクタ消費者は,CPU 0 に 1 秒あたり平均 13 ティック分スケジューリングされており,CPU 4 には 1 秒あたり平均 58 ティック分スケジューリングされています。
SET DEFAULT コマンドは,MONITOR コマンドのためにコマンド修飾子,クラス名パラメータ,およびクラス名修飾子を省略時の設定にします。各 SET DEFAULT コマンドは,ユーザが指定したコマンド修飾子のみ設定します。ただし,クラス名パラメータおよびクラス名修飾子全体を置き換えます。すべての修飾子およびクラス名は,MONITOR コマンドの修飾子およびクラス名と同じです。
SET DEFAULT [/修飾子[,...]] クラス名[,...] [/修飾子[,...]]
クラス名[,...]
1つ以上のクラス名を指定します。
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/修飾子[,...]
1 つ以上のクラス名修飾子。
コマンド修飾子とクラス名修飾子は,MONITOR クラス名 コマンドの修飾子と同じです。
| #1 |
|---|
MONITOR> SET DEFAULT /INTERVAL=10 PAGE/AVERAGE+IO/MAXIMUM /NODE=(LARRY,MOE,CURLEY) |
MONITOR コマンドの省略時のクラスとして PAGE と IO を選択し,統計表示間隔として 10 秒を指定しています。 PAGE クラスには AVERAGE 統計を表示し,IO クラスには MAXIMUM 統計を表示することを指定しています。さらに,LARRY,MOE,CURLEY の各ノードでデータを収集することを指定しています。以上の省略時の値を定義すれば,修飾子やパラメータを指定せずに MONITOR コマンドを実行できます。
SHOW DEFAULT コマンドは,SET DEFAULT コマンドで設定した省略時の値を表示します。
SHOW DEFAULT
なし。
なし。
SHOW DEFAULT コマンドにより,SET DEFAULT コマンドで設定した省略時の値をチェックできます。
MONITOR> SHOW DEFAULT
|
SET DEFAULT コマンドで指定した省略時の値を表示しています。
16.1 PPPD について
Point-to-Point Protocol ユーティリティ (PPPD) は, OpenVMS Alpha または OpenVMS I64 ホスト・システムからポイント・ツー・ポイント・プロトコル (PPP) ネットワーク接続とそのリンク・パラメータを起動し,管理します。この章では,PPP 接続をサポートする PPPD コマンド,およびそのパラメータと修飾子を説明します。
PPP ドライバとそのプログラミング・インタフェースの詳細については, SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES.PPPD.DOC] にあるファイル PPP_INTERFACES.TXT と PPP_INTERFACES.PS を参照してください。
16.2 PPPD 使用法の要約
Point-to-Point Protocol ユーティリティ (PPPD) では, OpenVMS Alpha ホストまたは OpenVMS I64 ホストからポイント・ツー・ポイント・プロトコル (PPP) 準拠のネットワーク接続を起動し,制御して,その物理リンク・パラメータを定義できます。
具体的には,次の処理を実行できます。
$ PPPD
コマンドを入力すると,ユーティリティから次のプロンプトが表示されます。
PPPD> |
PPPD を起動した後,適切なコマンドを入力することで,PPPD 処理を実行できます。また,次のように,ユーティリティを起動するコマンドと同じ行に PPPD コマンドを 1 つ入力する方法もあります。
$ PPPD CONNECT TTAO:
PPPD ユーティリティを終了するには, PPPD> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。どちらの方法でも制御は DCL コマンド・レベルに戻ります。
PPPD ユーティリティの詳細については, PPPD> プロンプトで HELP コマンドを入力してください。
この項では,PPPD のコマンドについて,例を挙げて説明します。 PPP 設定のカスタマイズが必要なときのために,コマンド修飾子が用意されています。ただし,ほとんどのユーザは省略時の設定で満足するでしょう。
表 16-1 は PPPD コマンドの機能をまとめたものです。
| コマンド | 機能 |
|---|---|
| CONNECT | 現在の物理ポートまたは指定されたリモート・ポートを経由するネットワーク接続を確立する。 |
| DIAL_OUT | モデムでダイアルする,または外部デバイスにリンクするデバイスへのダイレクト・アクセスを許可する。 |
| DISCONNECT | ネットワーク接続を終了し,制御をターミナル・ドライバに戻す。 |
| EXIT | ユーティリティを終了し,DCL コマンド・プロンプト ($) に戻る。 |
| HELP | PPPD コマンドのヘルプ・テキストを表示する。 |
| SET | 指定されたターミナルのデバイスと回線属性を決定する。 |
| SHOW | 指定されたターミナルのデバイスと回線属性を表示する。 |
現在の物理ポートまたは指定されたリモート・ポートにあるデバイスへのネットワーク接続を確立します。
CONNECT デバイス名[:]
デバイス名[:]
省略可能。ネットワーク接続を中継するデバイスの名前を指定します。デバイス名の形式は ddcu であり,このうち,dd はデバイス・コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN デバイスは,ユニット 0 のデバイスの名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル・デバイスは TTA0,2 番目のデバイスは TTB0 になります。
なし。
CONNECT コマンドは,現在の物理ポートまたは特定のリモート・ポートにあるデバイスへのリンクまたは接続を作成します。このコマンドを入力すると,制御は PPP ドライバに渡り,一時的な着信ネットワーク・セッションが確立されます。セッションが切断されると,ホスト・デバイスの制御はターミナル・デバイス・ドライバに戻ります。
PPPD> CONNECT TTA1: %PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTA1: to a Point-to-Point connection |
シリアル・ポート TTA1 に一時的なネットワーク接続を作成します。ポートは,シリアル接続のもう一方の終端でホストが起動する PPP セットアップ・ネゴシエーションを受け取る準備ができます。
モデムにダイアルする,または外部デバイスにリンクする特定の物理デバイスへのアクセスを提供します。
DIAL_OUT デバイス名[:]
デバイス名[:]
ネットワーク接続を中継するデバイスの名前を指定します。デバイス名の形式は ddcu であり,このうち,dd はデバイス・コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN デバイスは,ユニット 0 のデバイスの名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル・デバイスは TTA0,2 番目のデバイスは TTB0 になります。
/BREAK=ブレーク文字
現在送信中のシグナルを中断するために使用できる文字シーケンスを指定します。シグナルを中断するには,Ctrl/ブレーク文字 を押します。ブレーク文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時のブレーク文字は ~ です。/DISCONNECT=切断文字
DIAL_OUT モードを終了させるために使用できる文字シーケンスを指定します。呼び出しを切断するには,Ctrl/切断文字 を押します。切断文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時の切断文字は \ です。/SWITCH=切り換え文字
回線を PPP モードに切り換えるために使用できる文字シーケンスを指定します。 PPP モードを有効にするには,Ctrl/切り換え文字 を押します。切り換え文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時の切り換え文字は @ です。CONNECT コマンドと同様,この修飾子は回線を PPP モードに切り換えます。パケット・ネゴシエーションが失敗した場合, PPPD は終了し,回線はターミナル・モードのままになります。回線が /MODEM および /NOHANGUP に設定されている場合,無関係なデータになる可能性があり,インターネット・プロトコル (IP) の ASCII 表記のパケットがオープンになった回線で送信されます。
DIAL_OUT コマンドは,特定の物理デバイスへのアクセスを,モデムへのダイアルまたは外部デバイスへのアクセスに指定します。
PPPD> DIAL_OUT TTA0:
Type control-~ to send a break,
control-\ to disconnect,
and control-@ to switch to a point-to-point connection.
UNIVRS - Unauthorized access is prohibited
Username: SEBASTIAN
Password:
Welcome to OpenVMS (TM) Alpha Operating System, Version 7.3-1 on node UNIVRS
Last interactive login on Tuesday, AUGUST 13, 2000 02:39 PM
Last non-interactive login on Monday, AUGUST 12, 2000 02:16 PM
$ PPPD CONNECT
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTB0: to a
Point-to-Point connection
Ctrl-@
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTA1: to a
Point-to-Point connection
|
この例では,ダイレクト・シリアル・リンクでの PPP の使用を示しています。
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