library home hp.com home products and services support and drivers solutions
cd-rom home
End of Jump to page title
HP OpenVMS Systems
Documentation

Jump to content


日本語 HP OpenVMS

日本語 HP OpenVMS
V8.2 リリース・ノート


前へ 次へ 目次 索引


A.8 日本語ターミナル・ドライバ

V7.3

A.8.1 漢字入力時のカラム位置

DCL のコマンドライン等で漢字を入力している時,全角文字の 1 バイト目と 2 バイト目の間に改行位置が来た場合,正しく改行処理されるようになりました。

なお,DCL コマンド行等で漢字を入力する場合は,あらかじめ以下のコマンドで日本語行編集機能を有効にしておく必要があります。


    $ RUN JSY$SYSTEM:KANJIGEN 
    KANJIGEN> SET /INPUT=KANJI /EDIT=ENABLE    

A.8.2 Telnet ログイン時の日本語行編集機能

PC の日本語端末エミュレータ等から Telnet を使用してログインしている場合でも, DCL コマンド行等での日本語行編集機能を有効にできるようになりました。

A.9 日本語メッセージの自動チェック

V7.3

以前のバージョンの日本語 OpenVMS では,標準版 OpenVMS の修正ファイル ( アップデートなど ) をインストールした場合などに,標準版のメッセージ・ファイルと日本語メッセージ・ファイルの整合性が取れなくなることがありました。整合性が取れない状態で日本語メッセージを使用すると,間違ったメッセージが表示されたり,メッセージが表示されずに番号が表示される等の問題が発生します。

バージョン 7.3 では,そのような整合性の不一致を自動的に検出する機能が追加されました。また不一致が起きた場合に,日本語メッセージ・ファイルを再構成して,不一致を解消する機能も追加されました。

A.9.1 システム起動時の自動チェック

バージョン 7.3 では,JSY$STARTUP.COM を実行するたびに,日本語メッセージ・ファイルの整合性チェックを自動的に行います。不一致を検出した場合,または不一致の可能性を検出した場合は,以下のメッセージが表示されます。


    ***************************<< WARNING >>***************************    
 
      Japanese version of CLIUTLMSG.EXE is incompatible with English 
      version of it. Please rebuild it by using JSY$MSGBUILD.COM, 
      then run JSY$STARTUP.COM and IVPs. 
 
    ******************************************************************* 

通常,標準版 OpenVMS の修正ファイルをインストールした場合は,システムの再起動が必要になるため,起動の途中で JSY$STARTUP.COM が実行され,整合性チェックが行われます。

A.9.2 手作業によるチェック

システム管理者が手作業によって日本語メッセージ・ファイルの整合性を確認するためには,以下のコマンドを入力します。


    $ @ JSY$SYSTEM:JSY$MSGBUILD.COM VERIFY 

パラメータの VERIFY は必ず必要です。不一致,または不一致の可能性を検出した場合は,以下のメッセージが表示されます。


    ***************************<< WARNING >>*************************** 
 
      Japanese version of CLIUTLMSG.EXE is incompatible with English 
      version of it. Please rebuild it by using JSY$MSGBUILD.COM, 
      then run JSY$STARTUP.COM and IVPs. 
 
    ******************************************************************* 

A.9.3 日本語メッセージ・ファイルの再構成

標準版のメッセージ・ファイルと日本語メッセージ・ファイルの整合性が取れなくなった場合は,日本語メッセージ・ファイルの再構成を行って,不一致を解消する必要があります。再構成を行うためには以下のコマンドを入力します。


    $ @ JSY$SYSTEM:JSY$MSGBUILD.COM REBUILD    

以下のファイルが新しく作成されます。古いバージョンのファイルは削除されません。


    SYS$COMMON:[SYSMSG.JA_JP]CLIUTLMSG.EXE    

作成された日本語メッセージ・ファイルをシステムにインストールするためには, JSY$STARTUP.COM を実行するか,または以下のコマンドを実行してください。


    $ INSTALL REPLACE SYS$COMMON:[SYSMSG.JA_JP]CLIUTLMSG.EXE    

A.10 ファイル名の最大長の拡張

Alpha V7.2-1

日本語 OpenVMS は,V7.2 から日本語のファイル名を使用することができます。( 詳しくは 付録 A.11 節 を参照してください。)

日本語 OpenVMS V7.2-1 では,以下の日本語ユーティリティで,ファイル名の最大長が従来の 42 文字から 72 文字に拡張されました。

A.11 日本語ファイル名のサポート(Alpha のみ)

Alpha V7.2

日本語 OpenVMS では,標準版 OpenVMS の提供する Extended File Specifications の機能により,日本語のファイル名を使用することができます。

Extended File Specifications は,ファイル名に使える文字が Unicode に拡張され, OpenVMS の従来のバージョンに存在するさまざまなファイル名の制約を緩和するファイル処理環境です。Extended File Specifications は, Advanced Server を使用する環境において,OpenVMS システムと Windows NT システムの両方で,一貫性のあるファイル処理を可能します。

注意

日本語 OpenVMS と日本語 Compaq Advanced Server で扱える日本語ファイル名の最大長は 72 文字です。( 一部の機能を除く )

これらの最大長は将来のバージョンで拡張される予定です。

A.11.1 Super DEC 漢字コードセットによる日本語ファイル名

日本語 OpenVMS V7.2 から,ファイル名コンバータを有効にした場合,以下の場所で Super DEC 漢字コードセットを用いて,ファイル名に日本語を使うことができます。

A.11.2 新しいボリューム構造 ODS-5

日本語 OpenVMS の日本語ファイル名は,標準版 OpenVMS の提供する Extended File Specification の機能である, Unicode ファイル名を利用しています。Unicode ファイル名は,新しいボリューム構造である ODS-5 でのみサポートされているため,日本語ファイル名もまた ODS-5 ボリュームでのみサポートされます。

注意

ODS-5 ボリューム構造についての詳細は,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。

既存のボリュームを ODS-5 に変換するためには,ディスクを個人マウントした後,以下のコマンドを入力します。


 
    $ SET VOLUME /STRUCTURE_LEVEL=5 <device> 
 

注意

一度 ODS-5 に変換したボリュームを,従来の ODS-2 ボリューム構造に戻すことはできません。詳しくは,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。

A.11.3 RMS での日本語ファイル名

A.11.3.1 プロセス単位での日本語ファイル名の使用

ファイル名に Super DEC 漢字コードセットを使用するかしないかは,プロセス単位に設定できます。日本語 OpenVMS V7.2-1 では,標準版 OpenVMS と同様に,プロセス生成時には ISO Latin-1 コードセットを使用します。

ユーザは必要に応じてプロセスの使用するファイルを Super DEC 漢字コードセットに設定することができます。

A.11.3.2 RMS ファイル名コンバータ

ファイル名に Super DEC 漢字コードセットを使用するためには,以下のコマンドを入力して,Record Management System (RMS) の拡張機能であるファイル名コンバータを有効にします。


 
    $ JSY$CONTROL:==$SYS$SYSTEM:JSY$CONTROL.EXE 
    $ JSY$CONTROL SET RMS/FILENAME=SDECKANJI 
 

ファイル名コンバータを有効にすると,RMS を経由するファイル名はすべて Super DEC 漢字コードセットで入出力されます。

ファイル名コンバータを無効にするためには,以下のコマンドを入力します。


 
    $ JSY$CONTROL SET RMS/FILENAME=DEFAULT 
 

ファイル名コンバータを無効にすると,ファイル名に Super DEC 漢字コードセットを使用することはできません。

注意

JSY$CONTROL SET RMS/FILENAME=... コマンドを実行すると, DCL のファイル名解析スタイルも自動的に切り替わります。詳しくは,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。

A.11.3.3 16 進数表現による日本語ファイル名

ファイル名コンバータを無効にしている場合は,ファイル名の指定に Super DEC 漢字コードセットを使うことはできません。ファイル名コンバータを無効にしている場合で,日本語ファイル名を使用するには, 4 桁の 16 進数を用いて Unicode の文字コードを指定します。

注意

ファイル名コンバータを無効にしている状態で,ファイル名に Super DEC 漢字コードを入力すると,RMS はそれを ISO Latin-1 コードとみなして,ファイルにアクセスしようとします。その結果,エラーが発生したり,または正常動作しているように見えても実際には日本語ではないファイル名が作成されたりする場合があります。

【例】

ファイル名 ファイル名コンバータ有効 ファイル名コンバータ無効
漢字.TXT 漢字.TXT ^U6F22^U5B57.TXT

ファイル名の 16 進数表現の詳細は,下記マニュアルを参照してください。

A.11.3.4 RMS で日本語ファイル名に使用できる文字

日本語 OpenVMS では,ファイル名コンバータを有効にしている場合, RMS API で以下の文字をファイル名として使用できます。

ファイル名コンバータを無効にしている場合は,日本語のファイル名は 16 進数表現を用いる必要があります。 16 進数表現の詳細は,下記マニュアルを参照してください。

A.11.3.5 ファイル名変換規則

ファイル名コンバータを有効にすると, RMS では入出力されるファイル名を Super DEC 漢字コードとみなし,内部コードである Unicode に変換します。変換規則は以下のとおりです。

  1. 半角文字 (JIS Roman 文字)
    上位 8 bit にゼロを追加し,Unicode の 0x0020〜0x007E に変換されます。ファイル名がこれらの文字だけから成る場合は,日本語ファイル名とはみなされないため,Unicode ではなく ASCII に変換されます。

  2. JIS 第一水準および第二水準文字
    つぎの例外を除き,Unicode の対応する文字に変換されます。
    b-1. ISO Latin-1 に変換される文字
    以下の文字は ISO Latin-1 文字とみなされるため,ファイル名にこれらの文字が含まれる場合は,ファイル名が正しく日本語に変換されません。

    文字 SDK Unicode
    ´ A1AD 00B4
    ¨ A1AF 00A8
    ± A1DE 00B1
    × A1DF 00D7
    ÷ A1E0 00F7
    ° A1EB 00B0
    § A1F8 00A7
    A2F9 00B6

    注意

    これらの文字は,日本語ファイル名ではサポートされません。



    b-2. 半角文字と重複する全角文字
    全角アルファベットなど半角文字にも同じ文字があるものは, Unicode では 0xFF01〜0xFF9F に変換されます。一部の文字は例外的に 0xFFxx 以外に変換されます。

    文字 SDK Unicode
    A1C9 201D
    A1C7 2019

  3. 半角カナ
    半角カナは Unicode の 0xFF61〜0xFF9F に変換されます。

  4. ユーザ定義文字
    日本語 OpenVMS V7.2 および V7.2-1 ではサポートしていません。ファイル名にユーザ定義文字を使用した場合の動作は不定です。

  5. JIS 補助漢字
    日本語 OpenVMS V7.2 および V7.2-1 ではサポートしていません。ファイル名に JIS 補助漢字を使用した場合の動作は不定です。

  6. IBM 選定文字,NEC 選定文字
    日本語 OpenVMS V7.2 および V7.2-1 ではサポートしていません。ファイル名にこれらの文字を使用した場合の動作は不定です。

A.11.3.6 日本語ファイル名の最大長

日本語 OpenVMS では,日本語ファイル名の最大長は,使用する API やファイル指定に使用する文字の種類によって変化します。ファイル指定にはデバイス名とディレクトリ指定,ピリオド,セミコロンとバージョン番号が含まれます。

ファイル名に Super DEC 漢字コードを使用する場合,ファイル指定に含めることのできる全角文字は以下のとおりです。

詳細は,『日本語 OpenVMS 概説書』および『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。

注意

これらの文字数よりも長いファイル指定をしても,RMS はエラーを発せせずに動作を継続しようとしますが,結果は保証されません。


前へ 次へ 目次 索引