HP OpenVMS Systems Documentation |
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ユーザが指定したノード・リストは,キュー・データベースに格納されます。 START/QUEUE/MANAGER コマンドが入力されても, /NEW_VERSION 修飾子や /ON 修飾子が指定されない場合は,キュー・データベースに格納された /ON リストは変更されません。
可用性を高めるために,ノード・リストの最後にはアスタリスク(*) を指定してください。これにより,リストに指定されていない他のノードでも,任意の順序でキュー・マネージャを実行することができます。ノード・リストの最後にアスタリスク(*) を指定しない場合は,リストに指定したノードが使用可能な時のみ,キュー・マネージャはフェイルオーバできます。ただしキュー・マネージャを実行するノードを制限したい場合はアスタリスク(*) は使用できません。ノード名の一部に,アスタリスク(*) ワイルドカード文字を使用することはできません。
(/ON 修飾子の有無に関わらず)START/QUEUE/MANAGER コマンドを入力すると,ジョブ・コントローラは,現在または以前に /ON 修飾子でキュー・マネージャ・ノードが指定されたかどうかを確認します。ノードを指定していて,リストの最初のノード以外のノードでキュー・マネージャが実行されている場合は,キュー・マネージャ・プロセスは現在のノードから移動し,リストで最初の使用可能なノードで再起動されます。この間も,キューは停止しません。システムへのすべての要求(たとえば PRINT,SUBMIT,SHOW ENTRY 要求)は,正常に終了します。
| #1 |
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$ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION $ SHOW QUEUE %JBC-E-NOSUCHQUE, no such queue |
この例の START/QUEUE/MANAGER コマンドは,キュー・マネージャを起動し,省略時の位置 SYS$COMMON:[SYSEXE] にキュー・ファイルとジャーナル・ファイルを作成します。キュー・マネージャを実行できるノード・リストには,省略時の値であるアスタリスク(*) を使用しているので,キュー・マネージャはクラスタ内で使用可能な他のノードへフェイルオーバすることができます。
/NAME_OF_MANAGER 修飾子が指定されていないので,このコマンドは省略時のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER を起動します。
SYS$COMMON:[SYSEXE] の位置,および /ON 修飾子に指定したアスタリスクは,キュー・データベースに格納されます。新しく作成したキュー・データベースには,キューやジョブはありません。SHOW QUEUE コマンドは,このクラスタではキューが定義されていないことを示します。
| #2 |
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$ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION - _$ /ON=(SATURN,VENUS,NEPTUN,*) DUA5:[SYSQUE] |
この例の START/QUEUE/MANAGER コマンドは,クラスタ全体でアクセスできるディスク・ボリューム DUA5 上の,ディレクトリ SYSQUE にキュー・ファイルとジャーナル・ファイルを作成します。START/QUEUE/MANAGER コマンドを入力する前に,ディスクをマウントしておかなければなりません。
/ON 修飾子は,キュー・マネージャを最初にノード SATURN で実行することを指定しています。SATURN がクラスタからはずされた場合は,キュー・マネージャは VENUS にフェイルオーバしようとします。VENUS が使用できない場合は,キュー・マネージャは NEPTUN にフェイルオーバしようとします。 NEPTUN も使用できない場合は,キュー・マネージャはクラスタ内の使用可能な任意のノードにフェイルオーバします。
| #3 |
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$ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION - _$ /ON=(SATURN,VENUS,NEPTUN,*) DUA5:[SYSQUE]) . . . $ START/QUEUE/MANAGER |
この例の START/QUEUE/MANAGER コマンドは,前出の例で示すようにキュー・データベースを作成します。キュー・マネージャがノード SATURN で起動されたと仮定します。
SATURN がクラスタから削除されると,キュー・マネージャはノード VENUS にフェイルオーバします。 SATURN が再度クラスタに追加された場合は,この例の 2 番目の START/QUEUE/MANAGER コマンドを入力して,キュー・マネージャを SATURN に移動させます。
2 番目の START/QUEUE/MANAGER コマンドでは,DUA5:[SYSQUE] パラメータや, /ON 修飾子でノード・リストを指定しません。これは,キュー・データベースには,以前に指定したこれらの情報が格納されているからです。キュー・マネージャは,データベースに格納されている位置のキュー・ファイルやジャーナル・ファイルを使用します。最初の START/QUEUE/MANAGER により格納された /ON リストは,変更されません。
| #4 |
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$ START/QUEUE/MANAGER DUA4:[SYSQUE] %JBC-E-QMANNOTSTARTED, queue manager could not be started $ SEARCH SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG /WINDOW=5 QUEUE_MANAGE,JOB_CONTROL %%%%%%%%%%% OPCOM 14-DEC-2001 18:55:18.23 %%%%%%%%%%% Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR %QMAN-E-OPENERR, error opening DUA4:[SYSQUE]SYS$QUEUE_MANAGER.QMAN$QUEUES; %%%%%%%%%%% OPCOM 14-DEC-2001 18:55:18.29 %%%%%%%%%%% Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR -RMS-F-DEV, error in device name or inappropriate device type for operation %%%%%%%%%%% OPCOM 14-DEC-2001 18:55:18.31 %%%%%%%%%%% Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR -SYSTEM-W-NOSUCHDEV, no such device available $ START/QUEUE/MANAGER DUA5:[SYSQUE] |
この例の最初の START/QUEUE/MANAGER コマンドは,キュー・ファイルおよびジャーナル・ファイルの位置として装置 DUA4 を指定します。キュー・マネージャが起動されないことを示すエラー・メッセージが表示されます。 SEARCH コマンドでメッセージを含むオペレータ・ログ・ファイルを検索し,装置 DUA4 は存在しないことが分かりました。 2 番目の START/QUEUE/MANAGER コマンドは,正しい装置名 DUA5 を指定しています。
実行中の VAXft システムにゾーンを追加します。 START/ZONE コマンドについての詳細は, VAXft システムのドキュメントを参照してください。VAXft システムに対してのみ適用されます。 CMKRNL(モードをカーネルに変更)特権が必要です。
START/ZONE
コマンド,イメージ,コマンド・プロシージャ,Ctrl/Y によって割り込まれたコマンド・プロシージャ,独立プロセス,または独立サブプロセスの実行を終了します。同じグループ内の他のプロセスを終了するには,GROUP 特権が必要です。グループ外のプロセスを終了するには,WORLD特権が必要です。
STOP [プロセス名]
プロセス名
削除したいプロセスと同じグループに属していなければなりません。削除するプロセス名を指定します。プロセス名には,1 〜 15 文字の英数字を指定します。プロセス名 にスペース文字や小文字が含まれている場合は,プロセス名全体を二重引用符 (" ") で囲みます。
指定した利用者識別コード (UIC) のグループ番号は,現在のプロセスと同じでなければなりません。プロセス名 パラメータを使用して,グループ外のプロセスを終了することはできません。グループ外のプロセスを終了するには, /IDENTIFICATION=pid 修飾子を使用する必要があります。
プロセス名は,/IDENTIFICATION 修飾子と同時に指定することはできません。 /IDENTIFICATION 修飾子を使用すると,プロセス名は無視されます。 STOP コマンドに,プロセス名 パラメータと /IDENTIFICATION 修飾子のどちらも指定しない場合は,現在のプロセスで実行しているイメージが終了します。
STOP コマンドを実行すると,現在実行中のイメージは異常終了します。イメージが,$DCLEXH システム・サービスへの呼び出しによってユーザモードの終了処理ルーチンイメージを宣言しても,省略時設定では,これらの終了処理ルーチンは起動されません。終了処理ルーチンの実行が必要な場合は,EXIT コマンドまたは STOP/EXIT コマンドを使用してイメージを終了すれば,モード固有の終了ハンドラが起動します。STOP コマンドが,( バッチ・ジョブなど ) 非会話型プロセスから実行された場合,そのプロセスは終了します。
Ctrl/Y 機能を使用してイメージに割り込み, DCL RUN コマンドや CLI ベースでない DCL を入力した場合,割り込まれたイメージは終了します。ただし,この場合は,終了処理ルーチンが実行された後に次のイメージが実行されます。プロセスおよびイメージのランダム処理についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』または『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。
Ctrl/Y を押してコマンド・プロシージャに割り込んだ後に STOP コマンドを実行するか,またはコマンド・プロシージャ内で STOP コマンドを実行した場合は,すべてのコマンド・レベルがスタック解除され,制御はコマンド・レベル 0 ($ プロンプトを表示する DCL レベル ) に戻ります。
プロセス名またはプロセス識別 (PID) コードを指定すると,STOP コマンドは,指定したプロセス内で現在実行中のイメージを終了し,そのプロセスを削除します。プロセスが非会話型の場合,削除は通知されず,そのジョブのログ・ファイルも出力されません。
/IDENTIFICATION=pid
システムによって割り当てられたプロセス識別 (PID) コードを指定します。 RUN コマンドを使用してプロセスを作成する場合に,RUN コマンドは,新しく作成したプロセスの PID コードを表示します。この /IDENTIFICATION 修飾子は,プロセス名パラメータの代わりに使用することもできます。PID コードを指定する場合に,先行の 0 は省略できます。
/IMAGE [/IDENTIFICATION=pid] [process-name]
$FORCEX システム・サービスを呼び出して,プロセス ID またはプロセス名で指定された実行中のターゲット・プロセスのイメージを終了します。ターゲット・プロセスは削除されません。/IDENTIFICATION 修飾子とプロセス名を省略した場合, STOP/IMAGE コマンドは STOP コマンドと同じです。
/EXIT[=アクセス・モード] (省略時の設定)
/NOEXIT
プロセスを削除する前に終了ハンドラを呼び出すときのオプションを指定します。アクセス・モード・オプションの意味は,次の表のとおりです。
モード 説明 EXECUTIVE_MODE エグゼクティブ以上の特権モード終了ハンドラを実行する(アクセス・モードを指定しなかった場合の省略時の設定)。 KERNEL_MODE カーネル・モード終了ハンドラを実行する。 SUPERVISOR_MODE スーパバイザ以上の特権モード終了ハンドラを実行する。 USER_MODE ユーザ以上の特権モード終了ハンドラを実行する。
| #1 |
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$ RUN MYPROG . . . [Ctrl/Y] Interrupt $ STOP |
この例で RUN コマンドは,MYPROG イメージの実行を開始します。次に,Ctrl/Y がこの実行に割り込みます。その後,STOP コマンドがこのイメージを終了させます。
| #2 |
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$ @TESTALL . . . [Ctrl/Y] Interrupt $ STOP |
この例で @( 実行プロシージャ ) コマンドは,コマンド・プロシージャ TESTALL.COM を実行します。次に,Ctrl/Y がこのプロシージャに割り込みます。その後,STOP コマンドが,DCL コマンド・インタプリタに制御を戻します。
| #3 |
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$ RUN/PROCESS_NAME=LIBRA LIBRA %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0013340D . . . $ STOP LIBRA |
この例で RUN コマンドは, LIBRA という名前のサブプロセスを作成して LIBRA.EXE イメージを実行します。その後,STOP コマンドがイメージを終了してプロセスを削除します。
| #4 |
|---|
$ ON ERROR THEN STOP . . . |
コマンド・プロシージャ内では,ON コマンドを使用して,コマンドまたはプログラムの実行中にエラーが発生した場合の省略時の動作を設定します。STOP コマンドは,コマンド・レベルをすべて終了します。この ON コマンドがあるコマンド・プロシージャ内で実行され,それが既に別のプロシージャの中からも実行されている場合,制御は,外側のプロシージャではなく DCL コマンド・レベル 0 に戻ります。
| #5 |
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$ STOP/EXIT |
プロセスを終了して,エグゼクティブ・モードで開始する終了ハンドラを実行します。
| #6 |
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$ STOP/IMAGE/ID=12345678 |
プロセス 12345678 によって実行されている現在のユーザ・イメージを終了します。
1 つまたは複数の指定された副プロセッサ (および対応するすべてのベクタ・プロセッサ) を終了します。/CPU 修飾子は必須です。OpenVMS マルチプロセシング・システムにだけ適用できます。 CMKRNL(カーネルのモード変更)特権が必要です。
STOP/CPU [cpu-id[,...]]
cpu-id[,...]
OpenVMS マルチプロセシング・システムでのプロセッサの ID を表す値 (10 進数 ) を指定します。 VAX 6000 システムまたは Alpha 7000 システムでは,プロセッサのバックプレーンにあるスロット番号が CPU ID です。 CPU ID を指定しない場合,STOP/CPU コマンドは,現在アクティブなセットにあるプロセッサを 1 つ選択して終了します。
STOP/CPU コマンドは,OpenVMS マルチプロセシング・システムのアクティブなセットから副プロセッサを削除します。STOP/CPU コマンドを実行したときに副プロセッサがプロセスを実行していない場合,副プロセッサは STOPPED 状態になります。STOP/CPU コマンドを実行したときに,副プロセッサがプロセスを実行している場合,副プロセッサは現在のプロセスの実行を続けます。そして,次のプロセスがスケジュールされようとした時に,副プロセッサは STOPPED 状態になります。OpenVMS オペレーティング・システムは,STOP/CPU コマンドの対象として指定したプロセッサに対して一連のチェックを実行します。この結果,あるプロセッサがシステムの機能に不可欠であるために,プロセッサの終了が許可されない場合があります。このような場合は,通常,システムのプロセスに,終了しようとするプロセッサでしか実行できないものがあるはずです。これは,SHOW CPU/FULL コマンドを実行すれば判別できます。チェック・メカニズムをバイパスしたい特別な場合には, STOP/CPU コマンドで /OVERRIDE_CHECKS 修飾子を使用します。
STOP/CPU コマンドを実行したときに,このコマンドのオブジェクト・プロセッサがすでに STOPPED 状態にある場合,このコマンドは無効です。
/ALL
システムのアクティブなセットにある選択可能な副プロセッサをすべて終了します。/ASSIGN=オプション (Alpha/I64 のみ)
指定されたプロセッサが終了した後,それらをハード・パーティション・ノードに割り当てます。
オプション 説明 $$HARD_PARTITION 構成ツリーのハード・パーティション・ノード。このノードによって定義されるハード・パーティション内で動作するすべてのインスタンスは,このレベルで所有される CPU を認識でき,それらの CPU にアクセスできます。
パーティショニングをサポートする AlphaServer システム上でのみサポートされます。
/MIGRATE (Alpha/I64 のみ)
CPUの所有権を現在のインスタンスから別のソフト・パーティションへ移します。
オプション 説明 インスタンス名 現在のハード・パーティションで実行されている有効なインスタンスの名前。 パーティションID 現在のハード・パーティションにある (構成ツリーに反映された) 任意のパーティションの数値 ID。オペレーティング・システムのインスタンスが,この識別子を使用して実行されている必要はありません。
パーティショニングをサポートする AlphaServer システム上でのみサポートされます。
/OVERRIDE_CHECKS
指定されたプロセッサがアクティブ・セットから取り外し可能かどうかを調べる一連のチェックを回避するように STOP/CPU コマンドに指示します。これは無条件の操作ではありません。他の CPU ロードまたは構成の制約によって,指定されたプロセッサを終了できない場合があります。
/POWER=OFF (Alpha/I64 のみ)
アクティブ・セットから取り外した後,CPU の電源を切断します。 CPU の電源は切断されますが,割り当てを行うまでは,インスタンスによってそのまま所有されます。/POWER 修飾子は,/MIGRATE 修飾子とは併用できません。
AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。
| #1 |
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$ STOP/CPU |
この例で STOP/CPU コマンドは,プロセッサを1つ選択して,マルチプロセシング・システムのアクティブなセットから削除します。
| #2 |
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$ STOP/CPU 4,7 |
この例で STOP/CPU コマンドは,CPU ID 4 および 7 のプロセッサを選択し,マルチプロセシング・システムのアクティブなセットから削除します。
| #3 |
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$ STOP/CPU/OVERRIDE_CHECKS 8 |
この例で STOP/CPU/OVERRIDE_CHECKS コマンドは,通常は操作を妨げて CPU ID 8 のプロセッサを停止する,いくつかの OpenVMS スケジュリング・ステータスを上書きします。その後,このコマンドはマルチプロセシング・システムのアクティブなパーティションから削除されます。
| #4 |
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$ STOP/CPU/ALL |
この例で STOP/CPU/ALL コマンドは,アクティブなセットに含まれる適切な副プロセッサをすべて終了し,マルチプロセシング・システムから削除します。
| #5 |
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$ STOP/CPU/MIGRATE=WFGLXE 5 |
この例で STOP/CPU/MIGRATE コマンドは,現在のインスタンスのアクティブ・セットから,CPU 5 を削除し,現在のハード・パーティション内のインスタンス WFGLXE に所有権を移します。
| #6 |
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$ STOP/CPU/ASSIGN=$$HARD 6 |
この例で STOP/CPU/MIGRATE コマンドは,現在のインスタンスのアクティブ・セットから,CPU 6 を削除し,構成ツリー内のハード・パーティション・ノードに所有権を移します。 CPU はそのノードで定義されたハード・パーティション内の任意のインスタンスにすぐに割り当てられるようになります。
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