library home hp.com home products and services support and drivers solutions
cd-rom home
End of Jump to page title
HP OpenVMS Systems
Documentation

Jump to content


日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS

日本語 HP DECwindows Motif
for OpenVMS
リリース・ノート


前へ 次へ 目次 索引


4.1.13 ループしたオブジェクト参照による UIL コンパイルの問題

V1.2

自分自身を含んでいるオブジェクトの階層構造が存在し,それぞれの名前付きオブジェクトは階層内の他のオブジェクトから内部的に参照されるだけである場合, UIL コンパイラは UID ファイルから一部のオブジェクトに関する情報を省略することがあります。少なくとも階層内の参照の 1 つは子関係以外である必要があります。

どのオブジェクトで情報が省略されているかを判断するには,コンパイル時に /LIST および /MACHINE_CODE 修飾子を使用します。生成されるリスト・ファイルには,情報が省略されているオブジェクトが示されます。

この問題を回避するには,階層内の名前なしオブジェクトの 1 つに名前を追加してください。

4.1.14 Fortranで記述したアプリケーションのコンパイル

V1.1

OpenVMS システムで, DECW$MOTIF.FORファイルなどの DECwindows Motif アプリケーションを Fortranで作成するために使用するインクルード・ファイルには,使用するコンパイラ・スイッチに応じてメモリ・レイアウトを変化させる構造体定義が含まれています。

次の処置のいずれかを行うことができます。

4.1.15 Cで作成したアプリケーションのコンパイル

V1.0

DEC C では, DECC$TEXT_LIBRARYの論理名を次のように定義すれば,ヘッダ・ファイルをテキスト・ライブラリから展開する必要はありません。


$ DEFINE DECC$TEXT_LIBRARY SYS$LIBRARY:DECC$RTLDEF.TLB 

4.2 アプリケーション・プログラミング

この節では, DECwindows Motif 環境用のアプリケーションの開発についての注意事項を説明します。

4.2.1 CDA ビューアのプログラミング

この項では,CDA アプリケーションおよびランタイム・サービスに関するプログラミング情報を説明します。

4.2.1.1 SYS$LIBRARY:DDIF$VIEWSHR.EXE のイメージ ident の修正 (Alpha のみ)

V1.3

DECwindows Motif V1.2--6 の SYS$LIBRARY:DDIF$VIEWSHR.EXE には,誤ったイメージ ident が含まれています。 V1.2--6 のイメージにリンクされているプログラムはロードできず, SHRIDMISMATCH エラーが報告されます。この問題が修正され,イメージ ident は元の値に戻されました。

DECwindows Motif のV1.2--6 のイメージをリンクしているアプリケーションは,修正後のイメージと再度リンクする必要があります。この事項は, DDIF (Notes for OpenVMS への DECwindows インタフェースなど) の V1.1--3 互換バージョンにリンクしているイメージにのみ影響し,現在の DDIF$VIEWSHR12 イメージを使用しているイメージには影響しません。

4.2.1.2 スタイル・ガイドのフォールバックのメッセージ

V1.2

ローカルのスタイル・ガイドが見つからない場合は,次のメッセージが表示されます。

STYGDEFBK, Fallback to nonlocale-specific style guide: file-spec

レベル: 通知
説明: ロケール固有のスタイル・ガイドが見つからなかったため,ロケール固有ではないバージョンのスタイル・ガイドが代わりに使用されます。

4.2.1.3 CONVERT コマンドでの論理名の使用

V1.2

ドキュメント変換中に,論理名を使用して1次ドキュメントのディレクトリを指定し,ドキュメント・ファイルの拡張子を省略すると,相対ファイル指定を含む外部参照によって変換が失敗します。

これは,フロントエンド・コンバータが入力ファイルをオープンするにもかかわらず,バックエンド・コンバータがコンバータ処理オプションを調べるために発生します。コンバータ・ソフトウェアは,フロントエンド・コンバータが適用する省略時のファイル拡張子を予測できないため, OpenVMS ファイル・サービスを使用して論理名を解決し,実際のファイル指定を見つける必要があります。こうすれば,ディレクトリのオペランド解析ができ,相対指定を展開することができます。

変換が失敗するのは,外部参照が次のようなフォーマットになっている場合だけです。


sys$login:mydoc 

この場合参照は解決されません。次の例のように,これ以外の場合は,参照はすべて解決されます。


sys$login:mydoc.doc 
disk$:[smith]mydoc 
disk$:[smith]mydoc.doc 

4.2.2 DEClinks プログラミング

この項では,DEClinks アプリケーションおよびランタイム・サービスに関するプログラミングについて説明します。

4.2.2.1 DEClinks 共有ライブラリが提供されない (I64 のみ)

V1.5

DEClinks 共有ライブラリ (LWK$DXMSHR*.EXE) は OpenVMS I64 環境へ移植されていないため, DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.5 以降 OpenVMS I64 プラットフォームでは使用できません。

他のアプリケーションのリグレッションを避けるためにこれらの共有ライブラリは OpenVMS Alpha 環境で廃止されました。 OpenVMS I64 環境で必要であると判断されれば,将来のリリースで提供される可能性もあります。

4.2.3 漢字端末エミュレータ・プログラミング

この項では,漢字端末エミュレータ・アプリケーションと実行時サービスのプログラミングに関する情報を説明します。

4.2.3.1 DECCRA シーケンス

V1.2

漢字端末エミュレータでは, DECCRA (Copy Rectangular Area --- 方形領域複写) シーケンスに対するサポートには制限があります。ページ全体を一度に複写する必要があり,複写元のページも複写先のページも現在のページでなければなりません (たとえば,画面外のページを別のページに複写することはできません)。

4.2.3.2 DECLFKC シーケンス

V1.2

漢字端末エミュレータには F5 (Break) キーを再定義するためのユーザ・インタフェースがありません。したがって,変更するキーを選択するために "0" (all keys) を使用すると, DECLFKC (Local Function Key Control --- ローカル・ファンクション・キー制御) シーケンスで F5 キーが再定義されます。

4.3 OSF/Motif ツールキット (Xm)

この節では, OSF/Motif ツールキット (Xm) に関する制限事項および修正点について説明します。

4.3.1 OSF/Motif リリース 1.2.2 と X11R5 またはそれ以降の共有可能ライブラリ

V1.2

OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットと OSF/Motif リリース 1.1.3 ツールキットの間にはバイナリ互換性がありません。アプリケーションはどちらか別々のツールキットでリンクする必要があります。 OSF/Motif リリース 1.2.2のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.2.2 および X11 R5 をベースとする共有可能ライブラリしか使用できません。また,OSF/Motif リリース 1.1.3のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.1.3 および X11 R4 をベースにする共有可能ライブラリしか使用できません。

OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにする共有ライブラリと OSF/Motif リリース1.1.3 をベースにする共有可能ライブラリの両方のライブラリを提供するために,リリース 1.1.3をベースにするライブラリには DECwindows Motif バージョン 1.1と同じファイル名が,リリース1.2.2をベースにするライブラリには後ろに "R5"または "12"の付くファイル名が使用されています。

OSF/Motif リリース 1.1.3ツールキットまたは OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットとともに使用される共有可能ライブラリのファイル名には,接尾辞は付きません。このようなライブラリには,次のものがあります。

V1.2--6

Xt ツールキットのリリース 5 またはそれ以降とリンクされた共有可能ライブラリには, "R5"の接尾辞が付きます。 XUI ツールキットをベースにするライブラリには R5 に相当するライブラリがなく, X11R5,X11R6.6,または OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにしたリンカ・オプション・ファイルに含めることはできません。これらのファイル名については 表 4-1 を参照してください。

注意

DECW$XLIBSHR.EXE ファイルは Xlib の X11R5 バージョンであり, X11R4 バージョンの Xlib ではありません。

表 4-1 X11R5 またはそれ以降をベースにする共有可能ライブラリの名称
R4 準拠ファイル名 R5 またはそれ以降の準拠ファイル名
DECW$DWTLIBSHR.EXE (なし)
DECW$DWTSHR.EXE (なし)
DECW$XMULIBSHR.EXE DECW$XMULIBSHRR5.EXE
DECW$XTRAPLIBSHR.EXE DECW$XTRAPLIBSHRR5.EXE
DECW$XTSHR.EXE DECW$XTLIBSHRR5.EXE

リリース 5 またはそれ以降では DECW$DWTLIBSHR.EXE または DECW$DWTSHR.EXEに相当するファイルは用意されていません。リリース 5 またはそれ以降用に作成されたアプリケーションは,これらのファイルとリンクすることはできません。

OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクされた共有可能ライブラリには, "12"の接尾辞が付きます。これらのファイルは X11R5 または X11R6.6 および OSF/Motif リリース 1.2.2 と互換性のあるライブラリだけにリンクされる必要があります。これらのファイル名については, 表 4-2 の一覧を参照してください。

表 4-2 OSF/Motif リリース 1.2.2準拠の共有可能ライブラリ名
リリース 1.1.3準拠ファイル名 リリース 1.2.2準拠ファイル名
DDIF$VIEWSHR.EXE DDIF$VIEWSHR12.EXE
DECW$BKRSHR.EXE DECW$BKRSHR12.EXE
DECW$DXMLIBSHR.EXE DECW$DXMLIBSHR12.EXE
DECW$MAILSHR.EXE DECW$MAILSHR12.EXE
(なし) DECW$MRMLIBSHR12.EXE
DECW$PRINTWGTSHR.EXE (なし)
DECW$TERMINALSHR.EXE DECW$TERMINALSHR12.EXE
DECW$XMLIBSHR.EXE DECW$XMLIBSHR12.EXE
DGIT$LIBSHR.EXE DGIT$LIBSHR12.EXE
IMG$SHRLIB.EXE IMG$SHRLIB12.EXE
LWK$DXMSHR.EXE LWK$DXMSHR12.EXE
XNL$SHR.EXE XNL$SHR12.EXE

DECW$PRINTWGTSHR12.EXE ファイルはありません。プリント・ウィジェットは DECW$DXMLIBSHR12.EXE ファイルの一部です。

DECW$MRMLIBSHR12.EXE ファイルは,以前にはDECW$XMLIBSHR.EXEの一部であった Motif Resource Manager (Mrm)ルーチンを含む新しいイメージです。 OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにして, .UIDファイルにアクセスするために Mrmルーチンを呼び出すプログラムはすべて,このライブラリとリンクする必要があります。

たとえば,OSF/Motifリリース 1.1.3をベースにする典型的なリンカ・オプション・ファイルは,次のようなものです。


SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$XTSHR/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$DWTLIBSHR/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR/SHARE 

このプログラムを OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクするには,リンカ・オプション・ファイルを次のように変更します。


SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$XTLIBSHRR5/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR12/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$MRMLIBSHR12/SHARE 
SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR12/SHARE 

このように変更することで,XUI ツールキット (DECW$DWTLIBSHR.EXE)を参照せず,また,Motif リソース・マネージャ(DECW$MRMLIBSHR12.EXE)とリンクします。

4.3.2 呼び出し可能 OSF/Motif UIL コンパイラ

V1.2--6

OSF/Motif リリース 1.2.2 Toolkit には,呼び出し可能 UIL (User Interface Language) コンパイラが含まれています。現在では,リンク・オプションに次の1 行を含めると,このイメージに対してリンクすることができます。


SYS$SHARE:DECW$UILSHR/SHARE 

呼び出し可能インタフェースについての詳細は, Prentice Hall から出版されている『OSF/Motif Programmer's Guide』を参照してください。

4.3.3 OSF/Motif リリース 1.1.3 プログラミング・サポートとXUI

V1.2--3

以下の項で, OpenVMS Alpha および OpenVMS I64 環境で OSF/Motif Release 1.1.3 アプリケーションをビルドする際の問題点について説明します。

4.3.3.1 OpenVMS Alpha 環境における Release 1.1.3 アプリケーションのビルド (Alpha のみ)

V1.2

DECwindows Motif Versions 1.2 以降で提供される X Window と OSF/Motif ライブラリは,以前のバージョンで提供されていたものとは互換性がありません。ランタイムの互換性は維持されていますが,プログラミング環境には下位互換性がありません。このため, DECwindows Motif の旧バージョンで提供されていた XUIあるいはMotif リリース 1.1.3のプログラミング環境は, DECwindows Motif Versions 1.2以降ではサポートされません。

Motif Release 1.1.3 でビルドされた古いアプリケーションがある場合は, DECwindows Motif のインストレーション時に Release 1.1.3 のプログラミング環境を保管しておくことができます。

インストレーション・プロシージャは,すでにシステムに存在するプログラミング・ファイルを保管するためのオプションをユーザに提供します。これらのファイルを保管するためのオプションを選択すると,プログラミングの際にアクセスできるようそれらのファイルがサブディレクトリに移されます。つまり,インストレーションの過程で, 表 4-3 に記載された各ディレクトリに [.DECW$113]というサブディレクトリが作成され,既存のファイルがこの新しいサブディレクトリに移動されます。

既存のプログラミング・ファイルの保管についての詳細は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS インストレーション・ガイド』を参照してください。

表 4-3 XUI,Motif 旧バージョンのプログラミング環境用ディレクトリ
ディレクトリ 内容 新しい位置
DECW$INCLUDE C ヘッダ・ファイル SYS$SYSROOT:[DECW$INCLUDE.DECW$113]
SYS$SYSTEM UIL コンパイラ SYS$SYSROOT:[SYSEXE.DECW$113]
SYS$LIBRARY 非 C 言語バインディング SYS$SYSROOT:[SYSLIB.DECW$113]

これらのファイルを使用してプログラミングを行うには,新しい[.DECW$113]サブディレクトリを各論理名の検索パスに含めます。次の例を参照してください。

今回のリリースで更新されたファイルには, [.DECW$113]サブディレクトリに移されたファイルと同じ名前を持っているものも多くあります。したがって,まず検索リストに新しいサブディレクトリ[.DECW$113]を入れます。これによって[.DECW$113]の中のファイルをソフトウェア開発用に使用することができます。

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMのコマンド・プロシージャで DECW$INCLUDE が再定義された場合は,それに従って上記の指示を変更してください。

XUI または OSF/Motif リリース 1.1.3 で UIL コンパイラを使用するには,次のようにします。

  1. SYS$SYSROOT:[SYSEXE.DECW$113]DECW$UILCOMPILER.CLDというファイル名で,次のテキストを含むファイルを作成します。


    define type trace_keywords 
     keyword tokens 
     keyword symbols 
     
    define type warning_keywords 
     keyword nowarnings 
     keyword noinformationals 
     
    define type version_keywords 
     keyword V1, syntax=xui_uil 
     keyword V2, syntax=xui_uil, default 
     keyword MOTIF11, syntax=motif_uil 
     
    define syntax xui_uil 
     image decw$uilcompiler 
     
    define syntax motif_uil 
     image decw$uilmotif 
     
    define verb uil 
     image decw$uilcompiler 
     parameter p1, label=source_file, 
      prompt="File", value(required,noconcatenate,type=$infile) 
     qualifier trace, label=trace_qual, 
      value(list,noconcatenate,type=trace_keywords), nonnegatable 
     qualifier warnings, label=warnings_qual, 
      value(list,noconcatenate,type=warning_keywords) 
     qualifier list, label=listing_file, 
      batch, value(type=$outfile) 
     qualifier machine, label=machine_qual, 
     qualifier output, label=resource_file, 
      default, value(type=$outfile) 
     qualifier version, label=version_qual, default, 
      value(type=version_keywords), 
      nonnegatable 
     qualifier XUI, default, nonnegatable, syntax=xui_uil 
     qualifier MOTIF, nonnegatable, syntax=motif_uil 
     
     qualifier widget_meta_description, label=widget_qual, 
      value(required, noconcatenate, type=$infile) 
     
     disallow XUI and MOTIF 
    

  2. 次のように,DCL コマンド・テーブルを XUI UIL コンパイラ用に設定します。


    $ SET COMMAND SYS$SYSROOT:[SYSEXE.DECW$113]DECW$UILCOMPILER.CLD
    

注意

UIL コマンドの定義を前の状態に戻すには,次のコマンドを実行します。


$ SET COMMAND SYS$LIBRARY:DECW$UILCOMPILER.CLD


前へ 次へ 目次 索引