HP OpenVMS Systems Documentation |
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ポリシー名は大文字と小文字を区別せず,1 〜 64 文字で指定する必要があります。英字,数字,ドル記号 ($),アンダースコア (_) だけが使用できます。
省略時のポリシーを作成する場合は,名前 DEFAULT を割り当てる必要があります。
ポリシー名の作成と使用の詳細は,『HP OpenVMS Version 8.2 新機能説明書』を参照してください。
HBMM は,/POLICY 修飾子に対してサポートされる唯一の値であり,必ず指定する必要があります。オプションで,DEFAULT を含めた名前付きポリシーを指定することができます。また,NODEFAULTを指定して,DEFAULT ポリシーを含め,このシャドウ・セットで HBMM を使用しないように指示することもできます。ポリシーの指定方法と,ポリシー名 DEFAULT および NODEFAULT の使用方法については,『HP OpenVMS Version 8.2 新機能説明書』を参照してください。
/POLICY を /DELETE とともに指定すると,指定した HBMM 名前付きポリシー,または特定のシャドウ・セットに対する HBMM ポリシーを削除します。 NODEFAULT ポリシーは削除できません。
/POLICY を /NAME とともに指定すると,クラスタ全体の名前付きポリシーが定義されます。 /NAME または /DELETE 以外に修飾子を指定しないと, /POLICY は特定のシャドウ・セットに対するポリシーを定義します。
ポリシーを定義する際に,3 つのキーワード (MASTER_LIST,COUNT,および RESET_THRESHOLD) を使用して,HBMM ビットマップの配置と管理を制御します。 HBMM ポリシーは,これらのキーワードのリストを括弧で囲んで指定します。必須のキーワードは MASTER_LIST だけです。 COUNT と RESET_THRESHOLD を省略すると,省略時の値が適用されます。
MASTER_LIST=NODE1 MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3) MASTER_LIST=* |
システム・リストが単一のシステム名またはワイルドカード文字からなる場合は,括弧はなくてもかまいません。
HBMM ポリシーは,少なくとも 1 つの MASTER_LIST を含んでいる必要があります。オプションで複数のマスタ・リストを指定することもできます。ポリシーに複数のマスタ・リストがある場合は,以下の例に示すように,ポリシー全体を括弧で囲み,それぞれのマスタ・リストをコンマで区切る必要があります。
(MASTER_LIST=(NODE1,NODE2), MASTER_LIST=(NODE3,NODE4)) |
マスタ・リスト内のシステム名の位置には特に意味はありません。
(MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3), COUNT=2) |
(MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3),COUNT=2),(COUNT=2,MASTER_LIST=(NODE4,NODE5,NODE6)) |
(MASTER_LIST=*, COUNT=4, RESET_THRESHOLD=100000) |
例:
以下の例のコマンドは,2 つのマスタ・リストを持つ, HBMM の名前付きポリシー POLICY_2 を定義します。マスタ・リストが複数あると,1 つ以上のサイトが停止した場合でも, HBMM ビットマップを持ったシステムが確実に少なくとも 1 つ残るようにポリシーを定義できるため,複数サイトの OpenVMS Cluster 構成で有用です。
$ SET SHADOW /POLICY=HBMM=( - _$ (MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3), COUNT=2), - _$ (MASTER_LIST=(NODE4,NODE5,NODE6), COUNT=2), - _$ RESET_THRESHOLD=150000) - _$ /NAME=POLICY_2 |
複数のマスタ・リストがあるポリシーでは,各システム名はいずれか 1 つのマスタ・リストにしか指定できません。
HBMM ポリシーを定義するために,シャドウ・セットをマウントする必要はありません。
ほかのいくつかの /POLICY の例については,SET SHADOW の例を参照してください。
複数のシャドウ・セットで回復操作 (すなわちマージまたはコピー) が必要な場合,シャドウ・セットは優先順位の高いものから低いものの順に回復されます。優先順位の設定はシステム固有です。したがって,あるシステム上で優先順位を変更しても,クラスタ全体には通知されません。また,システムをリブートするとクリアされます。
一度この修飾子をマウントされている仮想ユニットに適用すると,以降の DISMOUNT と MOUNT コマンドでもこの設定がそのまま有効になります。
指定されるコストの有効な範囲は,1 〜 65,535 単位です。
シャドウイング・ドライバは,個々のシャドウ・セット・メンバが最初にマウントされるときに,省略時の READ_COST の値を割り当てます。省略時の値は,装置のタイプと,それをマウントしているシステム内での構成によって異なります。次のリストでは,省略時の READ_COST の割り当てコストが小さい順に,装置のタイプを示します。
/READ_COST 修飾子が指定する値は,省略時の割り当てを無効にします。シャドウイング・ドライバは,シャドウ・セット・メンバの現在のキューの深さの値を READ_COST 値に加え,最も小さい値のメンバから読み込みを行います。
クラスタを構成するシステムは,各シャドウ・セット・メンバにそれぞれ異なるコストを割り当てることができます。
この修飾子でシャドウ・セット・メンバではなくシャドウ・セット (DSAn:) が指定されている場合, /READ_COST 修飾子は,すべてのシャドウ・セット・メンバの読み込みコスト設定を,シャドウイング・ソフトウェアによって自動的に決定されている省略時の読み込みコスト設定に戻します。指定されたシャドウ・セットは,コマンドを実行するシステムにマウントされていなければなりません。
/ALL を指定すると,現在マウントされているすべての仮想ユニットの,シャドウ・セット・メンバの読み込みコストが,省略時の値にリセットされます。シャドウ・セットまたは /ALL を指定する際には,/READ_COST に値を指定することはできません。
/SITE コマンド修飾子が指定されている場合,シャドウイング・ドライバは,省略時のREAD_COST 値を割り当てるときに,サイト値を考慮に入れます。ある装置が "リモート位置にある直接接続された装置" のカテゴリに分類されるかどうかをシャドウイング・ソフトウェアが判断するためには,シャドウ・セットおよび シャドウ・セット・メンバの両方に /SITE コマンド修飾子を適用する必要があることに注意してください。
サイト 1 にあるシステムのシャドウ・セットに対して要求された読み込みは,同じサイト 1 にあるシャドウ・セット・メンバに対して実行されます。サイト 2 にある同じシャドウ・セットに対して要求された読み込みは,サイト 2 にあるメンバから読み込むことができます。
複数のシステムにマウントされているシャドウ・セットでコピー操作またはマージ操作が必要な場合, OpenVMS Volume Shadowing は,全シャドウ・セット・メンバへのローカル接続を持つシステム上でこの作業を実行しようとします。各システムは,MSCP でサービスされる各シャドウ・セット・メンバに対して測定されたペナルティ (遅延時間) によって格付けされています。ローカル・メンバに対しては遅延が加算されないため, 1 つ以上のメンバが MSCP でサービスされているシステムよりも,すべてのシャドウ・セット・メンバにローカルにアクセスできるシステムのほうが,この作業を実行するのに適しています。
/ALL も指定されている場合,指定された遅延は現在マウントされているすべてのシャドウ・セットに適用されます。
詳細は,『HP OpenVMS Version 8.2 新機能説明書』を参照してください。
SHADOW_SITE_ID システム・パラメータは,シャドウ・セットの省略時のサイト位置を定義します。 /SITE 修飾子を使用して,シャドウ・セットの省略時の位置を無効にすることができます。
n で表現されるサイト位置の有効な範囲は1 〜 255 です。
/ALL を指定すると,すべての仮想ユニットに新しい値が割り当てられます。シャドウ・セットのメンバ・サイト値は変わりません。
この修飾子を適用すると,設定は SET SHADOW/SITE コマンドを使用して変更するまでそのままです。
この修飾子を使用すると,各シャドウ・セット・メンバとシャドウ・セットに /SITE 修飾子を指定している場合に,システムに物理的にローカルなメンバが読み込みの優先ディスクとなるので,読み込み性能が向上します。ファイバ・チャネル構成では,異なるサイトのシャドウ・セット・メンバが,システムに直接接続されます。ボリューム・シャドウイングおよび OpenVMS Cluster ソフトウェアでは,マルチサイトのファイバ・チャネル構成でのローカルとリモートの区別はありません。
| #1 |
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$ ! Command sequence used on system 1 at site 1: $ MOUNT/SYSTEM DSA0:/SHADOW=($1$DGA0:,$1$DGA1:) TEST $ SET SHADOW/SITE=1 DSA0: $ ! $ ! Command sequence used on system 2 at site 2: $ MOUNT/SYSTEM DSA0:/SHADOW=($1$DGA0:,$1$DGA1:) TEST $ SET SHADOW/SITE=2 DSA0: $ ! $ ! Commands used on both system 1 and system 2: $ SET SHADOW/SITE=1 $1$DGA0: $ SET SHADOW/SITE=2 $1$DGA1: |
この例では,サイト 1 にあるシステムは,そのサイトにある $1$DGA0 から読み込みを実行します。これに対して,サイト 2 にあるシステムは,サイト 2 にある $1$DGA1 から読み込みを実行します。
| #2 |
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$ SET SHADOW DSA1: /POLICY=HBMM= - _$ (MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3), COUNT=2, - _$ RESET_THRESHOLD=75000) |
このコマンドは,シャドウ・セット DSA1: に対する HBMM ポリシーを定義します。ポリシーでは,3 台のシステムのうち 2 台まで HBMM マスタ・ビットマップを持つことができることを指定しています。 DSA1: で 75000 ブロックが変更されると,HBMM ビットマップはすべてゼロ・クリアされます。
| #3 |
|---|
$ SET SHADOW /POLICY=HBMM=(MASTER_LIST= - _$ (NODE1,NODE2,NODE3), RESET_THRESHOLD=75000, COUNT=2) - _$ /NAME=HONESTY_IS_BEST |
このコマンドは,名前付きポリシー HONESTY_IS_BEST を定義します。このポリシーは,すべてのクラスタ・メンバで利用できますが,特定のシャドウ・セットには適用されていません。
| #4 |
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$ SET SHADOW DSA1: /POLICY=HBMM=HONESTY_IS_BEST |
このコマンドは,名前付きポリシー HONESTY_IS_BEST をシャドウ・セット DSA1 に関連付けます。
| #5 |
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$ SET SHADOW /POLICY=HBMM=( - _$ (MASTER_LIST=(NODE1,NODE2,NODE3), COUNT=2), - _$ (MASTER_LIST=(NODE4,NODE5,NODE6), COUNT=2), - _$ RESET_THRESHOLD=150000) - _$ /NAME=POLICY_2 |
このコマンドは,2 つのマスタ・リストを持つ, HBMM の名前付きポリシー POLICY_2 を定義します。
| #6 |
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$ SET SHADOW DSA2: /POLICY=HBMM=POLICY_2 |
このコマンドは,名前付きポリシー POLICY_2 をシャドウ・セット DSA2 に関連付けます。
| #7 |
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$ SET SHADOW /POLICY=HBMM /DELETE /NAME=POLICY_2 |
このコマンドは,名前付きポリシー POLICY_2 を削除します。 SET SHADOW DSAn: /POLICY=HBMM=POLICY_2 コマンドを実行して POLICY_2 の属性を取得したシャドウ・セットには影響がない点に注意してください。名前付きポリシーに対して行った変更は,以前の版の名前付きポリシーの特性を割り当てたマウント済みのシャドウ・セットにさかのぼって影響することはありません。
| #8 |
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$ SET SHADOW DSA1: /POLICY=HBMM /DELETE |
このコマンドは,既存の HBMM ポリシーを DSA1: から削除します。この HBMM ポリシーが DSA1: で有効になっている場合は,まず以下のコマンドを実行して,削除の前にポリシーを無効にする必要があります。
$ SET SHADOW DSA1: /DISABLE=HBMM
| #9 |
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$ SET SHADOW /DEMAND_MERGE/CONFIRM Allow merge of _DSA721:? [N]:y Allow merge of _DSA850:? [N]: TRUE Allow merge of _DSA1010:? [N]:N $ |
この例では,DSA721: と DSA850: でマージ操作を開始しますが, DSA1010: では開始しません。
コマンド・プロシージャ内で,ローカル・シンボルあるいはグローバル・シンボルへのアクセスを制御します。
SET SYMBOL
SET SYMBOL コマンドは,シンボルを未定義と見なして,コマンド・プロシージャでのローカル・シンボルとグローバル・シンボルのアクセスを制御します。外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのグローバル・シンボルとローカル・シンボルは,内部のプロシージャ・レベルでアクセスできるため,通常,これらのシンボルを削除しないでマスクする必要があります。SET SYMBOL コマンドは,DCL がコマンド行を処理する前に,動詞文字列 (コマンド行上の最初のトークン) をシンボルとして変換するかどうかも制御します。省略時の設定では,変換が試みられます。この動作を変更すると,コマンドを起動したときに,コマンド・プロシージャが外側のプロシージャ・レベル環境から影響されないという利点があります。
シンボルの有効範囲コンテキストは,ローカル・シンボルとグローバル・シンボルとで異なります。ローカル・シンボルは,プロシージャ・レベルで独立です。外側のサブルーチン・レベルで定義されたローカル・シンボルは,内側のどのサブルーチン・レベルでも読み込めますが,書き込めません。外側のサブルーチン・レベルでローカル・シンボルに値を割り当てると,現在のサブルーチン・レベルで新しいシンボルが作成されます。ただし,外部のプロシージャ・レベルのシンボルは,変更されません。
つまり,SET SYMBOL/SCOPE=NOLOCAL コマンドは,外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのローカル・シンボルを,現在のプロシージャ・レベル,および任意の内側のレベルからアクセスできないようにします。たとえば,SET SYMBOL/SCOPE=NOLOCAL コマンドをプロシージャ・レベル 2 および 4 で指定すると,プロシージャ・レベル 2 では,レベル 2 のローカル・シンボルだけを読み込むことができます ( 書き込みはできません )。レベル 3 では,レベル 2 のローカル・シンボルを読み込むことができ ( 書き込みはできません ),レベル 3 のローカル・シンボルを読み込み / 書き込みできます。レベル 4 では,レベル4のローカル・シンボルだけを読み込み / 書き込みできます。
グローバル・シンボルは,プロシージャ・レベルで独立しています。現在のグローバル・シンボルの有効範囲コンテキストは,以後すべてのプロシージャ・レベルに適用されます。/SCOPE=NOGLOBAL 修飾子を指定すると, /SCOPE=GLOBAL 修飾子を指定するか,プロシージャが終了してグローバル・シンボルをアクセスできる前のレベルに戻るまで,すべてのグローバル・シンボルは以後のすべてのコマンドからアクセスできなくなります。また,/SCOPE=NOGLOBAL 修飾子を指定すると, /SCOPE=GLOBAL 修飾子を指定するまで,新しいグローバル・シンボルを作成できなくなります。
あるプロシージャ・レベルを終了して前のプロシージャに戻ると,ローカル・シンボルとグローバル・シンボルの両方に対して,前のレベルからの有効範囲コンテキストが回復されます。
現在のシンボルの有効範囲状態を表示するには,レキシカル関数 F$ENVIRONMENT("SYMBOL_SCOPE") を使用します。
/ALL (省略時の設定)
/SCOPE 修飾子で指定した値が,コマンド行の最初のトークンの変換と,シンボル置換全般に適用されます。/ALL 修飾子は,/GENERAL や /VERB 修飾子と同時に指定できません。
/GENERAL
/SCOPE 修飾子で指定した値が,コマンド行の最初のトークンの展開を除いたシンボル置換全般に適用されます。/GENERAL 修飾子は,/ALL や /VERB 修飾子と同時に指定できません。
/SCOPE=(キーワード,...)
ローカルおよびグローバル・シンボルへのアクセスを制御します。未定義のシンボルとして扱います。指定できるキーワードを次に示します。
NOLOCAL 外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのローカル・シンボルが,現在のプロシージャと内側のすべてのプロシージャ・レベルで未定義であるものとして扱われます。 LOCAL 現在のプロシージャ・レベルで設定された任意のシンボル変換制限を解除します。 NOGLOBAL 変更されるまで,すべてのグローバル・シンボルが,現在のプロシージャ・レベルと内側のすべてのプロシージャ・レベルでアクセスできないようにします。 GLOBAL すべてのグローバル・シンボルへのアクセスを元に戻します。
/VERB
/SCOPE 修飾子で指定した値が,コマンド行の最初のトークンの変換にのみ適用されることを指定します。シンボル置換全般には適用されません。
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