HP OpenVMS Systems Documentation |
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指定した文字列をソース・コードから検索し,その文字列を含んでいるソース行を表示します。
SEARCH [range] [string]
range
検索するプログラム領域を指定します。次のいずれかの書式を使用します。
mod-name 指定したモジュール内の行 0 からモジュールの最後までの間で検索します。 mod-name\line-num 指定されたモジュール内の指定された行番号からモジュールの最後までの間で検索します。 mod-name\line-num:line-num 指定されたモジュール内のコロンの左で指定した行番号からコロンの右で指定した行番号までの間で検索します。 line-num 現在の有効範囲を使用してモジュールを決定し,そのモジュール内の指定された行番号からモジュールの最後までの間で検索します。現在の有効範囲は,前の SET SCOPE コマンドで設定されています。 SET SCOPE コマンドを指定しなかった場合は PC 有効範囲です。 SET SCOPE コマンドで有効範囲検索リストを指定すると,デバッガは最初に指定された有効範囲に関連したモジュールだけを検索します。 line-num:line-num 現在の有効範囲を使用してモジュールを決定し,そのモジュール内のコロンの左の行番号からコロンの右の行番号までの間で検索します。現在の有効範囲は,前の SET SCOPE コマンドで設定されています。 SET SCOPE コマンドを指定しなかった場合は PC 有効範囲です。 SET SCOPE コマンドで有効範囲検索リストを指定すると,デバッガは最初に指定された有効範囲に関連したモジュールだけを検索します。 null (入力なし) 最後にソース行が表示された ( たとえば,コマンド TYPE,EXAMINE/SOURCE,または SEARCH を実行した結果 ) モジュールの中のその最後に表示された行の直後からそのモジュールの最後までの間で検索します。
string
検索するソース・コード文字を指定します。文字列を指定しない場合,最後に実行した SEARCH コマンドで文字列を指定していればその文字列が使用されます。次の場合は,文字列を二重引用符 (") または一重引用符 (') で囲まなければなりません。
- 文字列の前部か後部に,スペース文字かタブ文字が含まれている場合
- 文字列の中間にセミコロンが含まれている場合
- レンジ・パラメータが空の場合
文字列を二重引用符で囲む場合,文字列自体が二重引用符を含んでいればそれを示すために 2 つの二重引用符 ("") を並べて使用します。一重引用符で囲む場合は,2 つの一重引用符 ('') を並べて使用して,文字列内の一重引用符であることを示します。
/ALL
指定された範囲内の文字列をデバッガがすべて検索し,その文字列を含んでいる行ごとに表示することを指定します。/IDENTIFIER
指定された範囲内で文字列を検索すると,さらに,その文字列が現在の言語で識別子の一部を構成する文字によってどちらの側にもつながっていない文字列なら,それを表示することを指定します。/NEXT
省略時の設定。デバッガは指定された範囲内で文字列が次に出現するところを検索し,その文字列がある行だけ表示することを指定します。/STRING
省略時の設定。デバッガは指定された文字列を検索して,表示するように,さらに文字列の出現箇所のコンテキストは解釈しないよう指定します。後者の点は /IDENTIFIER の場合と異なります。
SEARCH コマンドは,指定された文字列を含んでいるソース・コード行を表示します。SEARCH コマンドでモジュール名を指定したら,そのモジュールは設定されていなければなりません。特定のモジュールが設定されているかどうか確認するには,SHOW MODULE コマンドを使用します。設定されていなければ SET MODULE コマンドを使用します。
SEARCH コマンドの修飾子は,デバッガが (1) その文字列のすべての出現を検索する (/ALL) かまたは次に出現するものを検索する (/NEXT) かを決定し,(2) 出現文字列をすべて (/STRING) 表示するか,現在の言語で識別子を構成する文字によってどちら側にもつながっていない文字列だけ (/IDENTIFIER) を表示するかを決定します。
修飾子が同じ SEARCH コマンドを複数個入力する場合,まず, SET SEARCH コマンドを使用して,新しい省略時の修飾子を設定します。たとえば,SET SEARCH ALL と指定すると,SEARCH コマンドは SEARCH/ALL と同じように動作します。この結果,SEARCHコマンドにこの修飾子を使用しないですみます。また SEARCH コマンドで省略時の設定とは異なる修飾子を指定すれば,そのSEARCH コマンドの実行中は,現在の省略時の修飾子を上書きできます。
関連コマンド
(SET,SHOW) LANGUAGE
(SET,SHOW) MODULE
(SET,SHOW) SCOPE
(SET,SHOW) SEARCH
| #1 |
|---|
DBG> SEARCH/STRING/ALL 40:50 D
module COBOLTEST
40: 02 D2N COMP-2 VALUE -234560000000.
41: 02 D COMP-2 VALUE 222222.33.
42: 02 DN COMP-2 VALUE -222222.333333.
47: 02 DR0 COMP-2 VALUE 0.1.
48: 02 DR5 COMP-2 VALUE 0.000001.
49: 02 DR10 COMP-2 VALUE 0.00000000001.
50: 02 DR15 COMP-2 VALUE 0.0000000000000001.
DBG>
|
このコマンドは,現在の有効範囲にあるモジュール COBOLTEST の行 40 〜 50 で,文字 D をすべて検索します。
| #2 |
|---|
DBG> SEARCH/IDENTIFIER/ALL 40:50 D
module COBOLTEST
41: 02 D COMP-2 VALUE 222222.33.
DBG>
|
このコマンドは,COBOLTEST モジュールの行 40 〜 50 で文字 D をすべて検索します。デバッガは,現在の言語で識別子の一部を構成する文字によって文字 D( 検索文字列 ) のどちらの側にもつなっがていない行だけを表示します。
| #3 |
|---|
DBG> SEARCH/NEXT 40:50 D
module COBOLTEST
40: 02 D2N COMP-2 VALUE -234560000000.
DBG>
|
このコマンドは,COBOLTEST モジュールの行 40 〜 50 の間で次の文字 D を検索します。
| #4 |
|---|
DBG> SEARCH/NEXT
module COBOLTEST
41: 02 D COMP-2 VALUE 222222.33.
DBG>
|
このコマンドは,次の文字 D を検索します。 D が最後に入力したものであり,ほかに検索文字列を指定していないため,デバッガはこの D を検索文字列であるとみなします。
| #5 |
|---|
DBG> SEARCH 43 D
module COBOLTEST
47: 02 DR0 COMP-2 VALUE 0.1.
DBG>
|
このコマンドは,行 43 から,次の省略時の設定文字 D を検索します。
OpenVMS デバッガの中から,デバッガ・セッションを終了せずに,システム・ダンプ・アナライザ (SDA) を起動します。
SDA [sda-command]
sda-command
制御を OpenVMS デバッガに戻す前に実行される 1 つの SDA コマンド。
SDA コマンドを使用すると,デバッガの中から以下のタスクのためにシステム・ダンプ・アナライザ (SDA) を使用することができます。
- システム・コード・デバッガ (SCD) によるシステム・コードのデバッグ (Alpha および I64 のみ)
- システム・ダンプ・デバッガ (SDD) によるシステム・ダンプ解析 (Alpha および I64 のみ)
- システム・デバッグ・アナライザ (SDA) によるプロセス・ダンプ解析 (Alpha および I64 のみ)
これにより,デバッグ・セッションの中からすべての SDA コマンドにアクセスすることができます。SDA を終了すると,同じデバッグ・セッションに戻ります。 SDA セッションの中でデバッガ・コマンドにアクセスすることはできないことに注意してください。
注意
ユーザ・モード・プログラムのデバッグ中は, SDA コマンドは使用できません。
関連コマンド
ANALYZE/CRASH_DUMP
ANALYZE/PROCESS_DUMP
CONNECT %NODE
| #1 |
|---|
DBG> SDA OpenVMS (TM) Alpha process dump analyzer SDA> .. . . SDA> EXIT DBG> |
この例は,OpenVMS デバッガ内で SDA セッションをオープンし,何らかの解析を実行し,SDA セッションをクローズしてデバッガに制御を戻しています。
| #2 |
|---|
DBG> SDA SHOW PROCESS . . DBG> |
この例は,デバッガの中から 1 つの SDA コマンドを実行した後に,デバッガに制御を戻しています。
現在のエラー・ディスプレイ,入力ディスプレイ,機械語命令ディスプレイ,出力ディスプレイ,プログラム・ディスプレイ,プロンプト・ディスプレイ,スクロール・ディスプレイ,またはソース・ディスプレイを画面ディスプレイとして選択します。
注意
このコマンドは,デバッガへの HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースでは使用できません。
SELECT [display-name]
display-name
選択するディスプレイを指定します。次のいずれかを指定できますが,修飾子の説明で述べるように制限事項があります。
- 定義済みディスプレイ
SRC
OUT
PROMPT
INST
REG
FREG (Alpha および I64 のみ)
IREG- A display previously
- DISPLAY コマンドで作成したディスプレイ
- ディスプレイの組み込みシンボル
%CURDISP
%CURSCROLL
%NEXTDISP
%NEXTINST
%NEXTOUTPUT
%NEXTSCROLL
%NEXTSOURCE
このパラメータを省略し,修飾子を指定しないと,現在のスクロール・ディスプレイの "選択を解除する" ことになります。ディスプレイのスクロール属性がなくなります。このパラメータを省略したのに修飾子 /INPUT,/SOURCE などを指定すると,その属性を持つ現在のディスプレイの選択が解除されます。修飾子の説明を参照してください。
/ERROR
指定されたディスプレイを 現在のエラー・ディスプレイ として選択します。この結果,すべてのデバッガ診断メッセージがそのディスプレイに送られます。指定するディスプレイは,出力ディスプレイか PROMPT ディスプレイのどちらかでなければなりません。ディスプレイを指定しないと,この修飾子は PROMPT 表示が現在のエラー・ディスプレイとして選択します。省略時には,PROMPT ディスプレイがエラー属性を持ちます。/INPUT
指定されたディスプレイを現在の入力ディスプレイとして選択します。この結果,このディスプレイにデバッガ入力 (PROMPT ディスプレイ内に表示されます ) がエコーバックされます。指定するディスプレイは出力ディスプレイでなければなりません。ディスプレイを指定しないと,現在の入力ディスプレイが選択解除され,デバッガ入力はどのディスプレイにもエコーバックされません。デバッガ入力は PROMPT ディスプレイにだけ表示されます。省略時には,どのディスプレイも入力属性を持ちません。
/INSTRUCTION
指定されたディスプレイを 現在の機械語命令ディスプレイ として選択します。この結果,すべての EXAMINE/INSTRUCTION コマンドの出力がそのディスプレイに送られます。指定されたディスプレイは,機械語命令ディスプレイでなければなりません。ディスプレイを指定しないと,現在の機械語命令ディスプレイが選択解除され,どのディスプレイも命令属性を持ちません。
省略時には, MACRO--32 を除くどの言語にも命令属性を持つディスプレイはありません。言語を MACRO--32 に設定すると,INST ディスプレイは省略時に命令属性を持ちます。
/OUTPUT
指定されたディスプレイを現在の出力ディスプレイとして選択します。この結果,デバッガは他のディスプレイに出力先が指定されていない出力をこのディスプレイに送ります。指定されたディスプレイは出力ディスプレイまたは PROMPT ディスプレイのどちらかでなければなりません。ディスプレイを指定しないと,PROMPT ディスプレイが現在の出力ディスプレイとして選択されます。省略時には,OUT ディスプレイが出力属性を持ちます。
/PROGRAM
指定されたディスプレイを 現在のプログラム・ディスプレイ として選択します。この結果,デバッガはプログラムの入出力をそのディスプレイに送り込もうとします。現在は,PROMPT ディスプレイだけを指定できます。ディスプレイを指定しないと,現在のプログラム・ディスプレイは選択解除され,プログラムの入出力は指定されたディスプレイには送られなくなります。
省略時には,PROMPT ディスプレイがプログラム属性を持ちます。ただし,ワークステーションでは,プログラム属性が選択解除されます。
/PROMPT
指定されたディスプレイを現在のプロンプト・ディスプレイとして選択します。デバッガは,ここに入力を促すプロンプトをディスプレイします。現在のところ,PROMPT ディスプレイだけ指定できます。また,PROMPT ディスプレイの選択解除はできません (PROMPT ディスプレイは常にプロンプト属性を持っています )。/SCROLL
省略時の設定。指定されたディスプレイが 現在のスクロール・ディスプレイ として選択されます。これは,コマンド SCROLL,MOVE,EXPAND 用の省略時のディスプレイです。どのディスプレイもスクロール属性を持つことができますが, PROMPT ディスプレイで使用できるのは, MOVE コマンドと EXPAND コマンドだけです (SCROLL コマンドは使用できません)。ディスプレイを指定しないと,現在のスクロール・ディスプレイは選択解除され,どのディスプレイもスクロール属性を持たなくなります。
省略時には, MACRO--32 を除くどの言語の場合にも, SRC ディスプレイがスクロール属性を持ちます。言語が MACRO--32 に設定されると, INST ディスプレイが省略時設定としてスクロール属性を持ちます。
/SOURCE
指定されたディスプレイを現在のソース・ディスプレイとして選択します。この結果,すべての TYPE コマンドと EXAMINE/SOURCE コマンドの出力がそのディスプレイに送られます。指定されたディスプレイはソース・ディスプレイでなければなりません。ディスプレイを指定しないと,現在のソース・ディスプレイが選択解除され,どのディスプレイもソース属性を持たないことになります。
省略時には, MACRO--32 を除くどの言語の場合にも,SRC ディスプレイがソース属性を持ちます。言語が MACRO--32 に設定されると,どのディスプレイも省略時設定としては,ソース属性を持ちません。
属性は,現在のスクロール・ディスプレイを選択し,各種のデバッガ出力を特定のディスプレイに出力することを指定するのに使用します。これにより,デバッガ入力,デバッガ出力,デバッガ診断メッセージなどの種類の異なる情報をスクロール可能なディスプレイ内に混ぜて示したり,別のディスプレイに示したりできます。SELECT コマンドに 1 つまたは複数の修飾子 (/ERROR,/SOURCE など ) を指定すると,1 つのディスプレイに相当する属性を 1 つまたは複数個割り当てることができます。修飾子を指定しないと,省略時の値として /SCROLL が指定されているものとみなされます。
ディスプレイ名を指定しないで SELECT コマンドを使用すると,修飾子が示している属性割り当ては取り消されます ( 選択解除されます )。表示属性を再割り当てするには,もう一度 SELECT コマンドを実行しなければなりません。詳しい説明は,各修飾子を参照してください。
SELECT コマンドに関連したキー定義は,ヘルプ・トピック Keypad_Definitions_CI を参照してください。また,現在のキー定義を調べるには,SHOW KEY コマンドを使用してください。
関連コマンド
DISPLAY
EXPAND
MOVE
SCROLL
SHOW SELECT
| #1 |
|---|
DBG> SELECT/SOURCE/SCROLL SRC2 |
このコマンドは,SRC2 ディスプレイを現在のソース・ディスプレイおよびスクロール・ディスプレイとして選択します。
| #2 |
|---|
DBG> SELECT/INPUT/ERROR OUT |
このコマンドは,OUT ディスプレイを現在の入力ディスプレイおよびエラー・ディスプレイとして選択します。この結果,デバッガ入力,デバッガ出力 (OUT を現在の出力ディスプレイとみなして ),デバッガ診断メッセージが OUT ディスプレイ内に正しい順に記録されます。
| #3 |
|---|
DBG> SELECT/SOURCE |
このコマンドは,現在選択されているソース・ディスプレイを選択解除 ( 現在選択されているソース・ディスプレイからソース属性を削除 ) します。TYPE コマンドまたは EXAMINE/SOURCE コマンドの出力は,現在選択されている出力ディスプレイに送られます。
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