HP OpenVMS Systems Documentation |
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KCODE ユーティリティを使用してファイルのコード変換を行った場合,入力ファイルと出力ファイルの各レコードのバイト数は,変化しません。また,1バイト・コードと漢字コードが混在して使用されている場合,シフト・コードは挿入されませんので,1バイト・コードと漢字コードの区別がつかなくなります。したがって,逆変換を行っても,データはもとには戻りません。
2.14.2 KCONVERT
KCONVERT ユーティリティでは,/MODE 修飾子によって,変換フィールドの最初が漢字で始まるか,半角カタカナで始まるかを指定しますが, /FIELD 修飾子の指定が,漢字の 2 バイト目から始まるような指定になっている場合であっても,/FIELD で指定された位置から変換します。このような指定が行われた場合,変換結果は保証されません。
2.14.3 KANJIGEN
アプリケーション・キーパッドを使用するアプリケーションで KANJIGEN の設定を文字単位編集機能を有効にして使用する場合,端末の制御文字の設定を 7 ビットにしてください。
2.14.4 KANJITERM.COM
KANJITERM.COM は,端末装置の属性を設定するためのコマンド・プロシージャですので,バッチ・ジョブやネットワーク・ジョブで使用することはできません。 KANJITERM.COMは,その中でジョブのモードをチェックし, INTERACTIVEモードでない場合には何も実行せずに終了します。
KANJITERM.COM
は日本語 OpenVMS VAX ワークステーション・ソフトウェアと日本語 DECwindows のターミナル・エミュレータについてはサポートしていません。
2.14.5 JDICEDIT
JDICEDIT をバッチ・ジョブで使用した場合, illegal I/O function code のエラーでアボートします。
個人辞書にユーザ定義文字を登録した場合,EDIT サブコマンド使用時における画面上では正しく表示されません。ただし,登録されたユーザ定義漢字を,かな漢字変換に用いることには問題ありません。
個人辞書に追加登録できる単語の数は,最大約 100,000 語です。ただし,登録単語数が増加すると,かな漢字変換時の単語の検索に時間がかかるようになります。実用上の登録単語数の上限は,約 30,000 語と考えてください。
2.14.6 SNAPSHOT ファシリティ(VAX のみ)
日本語 OpenVMS VAX バージョン 7.3 で SNAPSHOT ファシリティを使用して再立ち上げを行う場合,次のような警告メッセージが表示されますが, システムの運用には差し支えありません。
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FIDRIVER is not certified for a snapshot
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FHDRIVER is not certified for a snapshot
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, ASDRIVER is not certified for a snapshot
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, SYS$COMMON:[SYS$LDR]JSY$RMS_EXTENSION.EXE is
not certified for a snapshot
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2.14.7 Hypersort (高性能 Sort/Merge)
Alpha V7.0
OpenVMS Alpha バージョン 7.0 から提供されるようになった, Hypersort は日本語文字列のソート,マージを行うことができません。日本語文字列のソート,マージを行うには従来のソート,マージ機能をご利用ください(特別な設定を行わない限り, SORT,MERGE コマンドでは従来のソート,マージ機能が呼び出されます)。
2.14.8 JLB$GET_INPUT
日本語ライブラリの漢字変換入力ルーチン,JLB$GET_INPUT では,入力した文字がエコーバックされるのは画面上の 1 行だけで,それを越える場合,次の行にラップされません。1 行に入り切れない分は画面にエコーバックされませんが,第 1 引数で指定した入力文字列の最大サイズまで書き込むことができます。このとき,プロンプト文字列にボールドや下線などのエスケープ・シーケンスが含まれていると,その分画面にエコーバックされる範囲が小さくなり,見かけ上入力できる文字数が少なくなりますが,実際には入力文字列のサイズ分の入力が可能です。
2.14.9 日本語環境設定ユーティリティ (JSY$CONTROL)
SET LOCALE コマンドで ja_JP.SJIS を設定してもロケールをサポートしていない日本語端末ドライバ,日本語メッセージ,および日本語ヘルプは正しく動作しませんので, SET LOCALE コマンドでは ja_JP.SJIS を設定しないようにしてください。
ユーザ・アプリケーションで Shift JIS ロケールを設定したい場合は, DCL の DEFINE LANG コマンドを使用してください。
$ DEFINE LANG ja_JP.SJIS |
ここでは,日本語 OpenVMS V 8.2 で提供する日本語マニュアル・セットと各マニュアルの内容について説明します。
日本語 OpenVMS のマニュアルは,次の 3 種類の方法で提供されています。
http://www.hp.com/jp/openvms/ |
標準版 ( 英語版 ) OpenVMS のマニュアルについては『 OpenVMS V 8.2 新機能説明書』を参照してください。
3.1 日本語マニュアル一覧
日本語 OpenVMS で提供される日本語マニュアルの一覧です。
| タイトル | |
|---|---|
| 1. | 日本語 OpenVMS V 8.2 をご使用のお客様へ |
| 2. | 日本語 OpenVMS V 8.2 ソフトウェア仕様書(SPD) |
| 3. | 日本語 OpenVMS V 8.2 インストレーション・ガイド |
| 4. | 日本語 OpenVMS V 8.2 DVD/CD-ROM ユーザーズ・ガイド |
| 5. | 日本語 OpenVMS V 8.2 リリース・ノート |
| 6. | OpenVMS V 8.2 リリース・ノート[翻訳版] |
| 7. | OpenVMS V 8.2 新機能説明書 |
| 8. | 日本語 OpenVMS 概説書 |
| 9. | はじめよう! 日本語 OpenVMS |
| 10. | 64 ビット・アドレッシングおよびVLM 機能説明書 |
| 11. | パーティショニングおよび Galaxy ガイド |
| 12. | C 国際化ユーティリティ・リファレンス・マニュアル |
| 13. | DEC XTPU リファレンス・マニュアル |
| 14. | フォント管理ユーティリティ 利用者の手引き |
| 15. | IMLIB/VMSライブラリ・リファレンス・マニュアル |
| 16. | 日本語EVE かな漢字変換入門 |
| 17. | 日本語EVE リファレンス・マニュアル |
| 18. | 日本語EVE ユーザーズ・ガイド |
| 19. | 日本語画面管理ライブラリ 利用者の手引き |
| 20. | 日本語ライブラリ 利用者の手引き |
| 21. | 日本語入力プロセス 利用者の手引き |
| 22. | 日本語ユーティリティ 利用者の手引き |
| 23. | ユーザ・キー定義 利用者の手引き |
| 24. | OpenVMS Cluster 構成ガイド |
| 25. | OpenVMS Cluster システム |
| 26. | DCL ディクショナリ:A-M |
| 27. | DCL ディクショナリ:N-Z |
| 28. | デバッガ・コマンド・ディクショナリ |
| 29. | デバッガ説明書 |
| 30. | システム管理者マニュアル(上巻) |
| 31. | システム管理者マニュアル(下巻) |
| 32. | システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻) |
| 33. | システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(下巻) |
| 34. | C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻) |
| 35. | C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(下巻) |
| 36. | ユーザーズ・マニュアル |
| 38. | Volume Shadowing for OpenVMS 説明書 |
| 39. | システム・セキュリティ・ガイド |
| 40. | OpenVMS Alpha から OpenVMS I64 へのアプリケーション・ポーティング・ガイド |
各マニュアルの概要を以下に示します。
3.2.1 日本語 OpenVMS V 8.2 をご使用のお客様へ
すべてのユーザ
日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V 8.2 をご使用いただくにあたり,まず最初に必ずお読みいただきたい注意事項について記述しています。
3.2.2 日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V 8.2 ソフトウェア仕様書(SPD)
システム管理者,運用等に携わるユーザ
日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V 8.2 のソフトウェア機能仕様と,前バージョンから追加 / 拡張された日本語処理の機能について記述しています。また,日本語 OpenVMS V 8.2 のインストールおよび運用に必要な環境についても記述しています。
3.2.3 日本語 OpenVMS V 8.2 インストレーション・ガイド
システム管理者
日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V 8.2 をインストールするために必要な準備および環境インストールの手順,インストレーション後の作業について説明しています。また付録としてシステムが提供するファイルの一覧が添付されています。
3.2.4 日本語 OpenVMS V 8.2 DVD/CD-ROM ユーザーズ・ガイド
すべてのユーザ
日本語 OpenVMS オペレーティング・システムの配布メディア(DVD および CD-ROM) に含まれているソフトウェアおよびドキュメントの内容,ドライブへの装着方法,ディスクのマウントおよびアクセス,オンライン・ドキュメントの読み方などについて説明しています。
3.2.5 日本語 OpenVMS V 8.2 リリース・ノート
すべてのユーザ
日本語 OpenVMS V 8.2 の問題点,オペレーティング・システムの制限事項,追加された機能等について記述しています。
3.2.6 OpenVMS V 8.2 リリース・ノート[翻訳版]
すべてのユーザ
標準版マニュアル『OpenVMS Version 8.2 Release Notes』の翻訳です。
標準版 OpenVMS V 8.2 の問題点,オペレーティング・システムの制限事項,ドキュメントの注意事項等について記述しています。
3.2.7 OpenVMS V 8.2 新機能説明書
すべてのユーザ
標準版マニュアル『 OpenVMS Version 8.2 New Features and Documentation Overview』の翻訳です。
OpenVMS Alpha V 8.2 の新しい機能および強化されたコンポーネントについて説明しています。また,標準版 OpenVMS のドキュメントについても説明しています。
3.2.8 日本語 OpenVMS 概説書
すべてのユーザ
日本語 OpenVMS オペレーティング・システムの主な日本語機能の特徴とその概要を記述しています。
日本語ファイル名のサポート,漢字ターミナルの設定,文字セットと文字コード,日本語入力の方法,日本語 OpenVMS で行う主な操作について,また,I64 システム,VAX システム,Alpha システムの相違点についても説明しています。
3.2.9 はじめよう! 日本語 OpenVMS
すべてのユーザ(初めて OpenVMS を使用されるユーザ)
OpenVMS についての概要と,日本語 OpenVMS の基本的な操作方法について説明します。
ログイン / ログアウト操作,DCL コマンドの使用方法,ファイルの指定,保護,印刷方法などの基本操作やヘルプとシステムメッセージについて,関連アプリケーションなどについての説明が記載されており,巻末には「Linux または UNIX,MS-DOS,日本語 OpenVMS コマンド対象表」や「日本語 OpenVMS クイック・リファレンス」もあります。
また,パーソナル・コンピュータ (PC) でのターミナル操作についても説明しています。キーの配列やキーの割り当ては,使用するキーボードやソフトウェア (ターミナル・エミュレータ) によって異なるため,日本語 OpenVMS を使用する際に弊社のワークステーションの標準的なキーボード,パーソナル・コンピュータの標準的なキーボードでのキーの役割,割り当てについても説明します。
3.2.10 64 ビット・アドレッシングおよび VLM 機能説明書
システム・プログラマおよびアプリケーション・プログラマ
標準版マニュアル『OpenVMS Alpha Guide to 64-bit Addressing and VLM Features』の翻訳です。
OpenVMS Alpha システムで実現された 64 ビット仮想アドレッシングおよび VLM(Very Large Memory) 機能について説明します。また,64 ビット仮想アドレッシングをサポートするためにアプリケーションを拡張させる方法や,効果的に VLM を利用する方法についても説明します。
3.2.11 パーティショニングおよび Galaxy ガイド
システム管理者,アプリケーション・プログラマ,技術コンサルタント,データ・センター管理者をはじめ,OpenVMS Galaxy ソフトウェア・アーキテクチャに関する知識を必要とする方
標準版マニュアル『OpenVMS Alpha Partitioning and Galaxy Guide』の翻訳です。
OpenVMS Galaxy は,OpenVMS の複数のインスタンスを 1 台のコンピュータで協調動作させながら実行することができる機能です。これにより作業負荷を的確に管理することができます。このマニュアルでは,OpenVMS Alpha で提供される OpenVMS Glaxy コンピューティング環境の構築,管理,使用方法について説明します。
3.2.12 C 国際化ユーティリティ・リファレンス・マニュアル
各国対応のソフトウェア・アプリケーション開発者
標準版マニュアル『 C Run-Time Library Utilities Reference Manual 』の翻訳です。
原典にはありませんが,付録として日本語ロケールについての説明を添付しています。
各国対応のソフトウェア・アプリケーションのローカライゼーションとタイム・ゾーン・データ管理のための XPG4 に準拠した DEC C ランタイム・ライブラリ・ユーティリティについて説明します。
3.2.13 DEC XTPU リファレンス・マニュアル
一般的な DECTPU の機能を理解しているユーザ。また,一部の高度な機能は OpenVMS システムの概念を十分理解した経験豊富なシステム・プログラマを対象読者としています。
DEC XTPU (DEC eXtended Text Processing Utility) とは標準版 ( 英語版 ) の DECTPU (DEC Text Processing Utility) を拡張した,プログラミング可能なテキスト処理ユーティリティです。本書では,このDEC XTPU言語のデータ・タイプ,レキシカル関数,組み込みプロシージャ,呼び出し,コール可能なインターフェイスなどについて解説しています。
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