HP OpenVMS Systems Documentation |
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省略時の設定では,一致しないレコードの最大数は設定されていません ( 指定された入力ファイルに含まれるすべてのレコードが比較されます )。
省略時の n の値を変更する場合や,他のタイプの出力と相違点についての 2 つのレコードが記録されたリストを作成する場合には,/MERGED 修飾子を使用します。
省略時の設定では,DIFFERENCES は出力を ASCII モードで作成します。複数の基数モードを指定する場合には,出力リストには,指定した各基数で,ファイルの比較が示されます。複数の基数モードを指定する場合には,各モードをコンマで区切らなければなりません。
/PARALLEL 修飾子,または /SLP 修飾子を指定すると,それらの形式に対して, /MODE 修飾子は無視されます。
/OUTPUT を指定すると,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に説明されているような,出力ファイル指定に対して適用される,省略時の値を使用できます。省略時の出力ファイル・タイプは DIF です。
次のキーワードを指定できます。
| CLEAR_SCREEN | ページ・モードで表示(毎回画面を消去する) |
| SCROLL | スクロール・モードで表示(毎回画面を消去しない) |
| SAVE[= n] | n ページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能) |
/PAGE=SAVE 修飾子を使用すると,最大 5 画面 (最大 255 カラムまで) 分の履歴を保存できます。ページャ内では,次のキーを使って画面の移動などができます。
| キー・シーケンス | 意味 |
|---|---|
| Up arrow key, Ctrl/B | 1 行スクロール・アップ |
| Down arrow key | 1 行スクロール・ダウン |
| Left arrow key | 1 カラム左シフト |
| Right arrow key | 1 カラム右シフト |
| Find (E1) | 文字列検索を起動 |
| Insert Here (E2) | 半画面右シフト |
| Remove (E3) | 半画面左シフト |
| Select (E4) | 80/132 カラム切り替え |
| Prev Screen (E5) | 前ページに移動 |
| Next Screen (E6), Return, Enter, Space | 次ページに移動 |
| F10, Ctrl/Z | 終了(ユーティリティによっては異なることがあります)。 |
| Help (F15) | ヘルプ・テキストを表示 |
| Do (F16) | 最新(現在)の画面と(履歴内で)最古画面の切り替え |
| Ctrl/W | 再表示 |
/PAGE 修飾子は,/OUTPUT 修飾子と同時に指定できません。
省略時の設定では,DIFFERENCES コマンドは,一致しないレコードの各リストのあとに,一致したレコードを加えたリストを作成しません。また DIFFERENCES は,マージされた相違点のリストだけを作成します。
情報が表示されている時に Find(E1) キーを押すと,検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。
省略時の設定では,DIFFERENCES は,相違点のマージされたリストだけを作成します。
SLP 修飾子によって作成される出力ファイルは,第 1 入力ファイルを更新するために,SLP への入力として使用できます ( 第 1 入力ファイルを第 2 入力ファイルと一致するように変更できます )。
/SLP だけを指定し,/OUTPUT 修飾子を指定しない場合には,DIFFERENCES は,第 1 入力ファイルと同じファイル名でファイル・タイプが DIF であるファイルに,出力ファイルを書き込みます。
ターミナルの 1 行の幅を変更するには,SET TERMINAL コマンドを使用します。
ウインドゥ・サイズは,相違セクションの最小サイズであり,これは DIFFERENCES コマンドが 2 つの入力ファイル間の同期を失う原因となります。
/NOWRAP 修飾子を指定した場合は,はみだした部分は左右にスクロールしながら見ることができます。
| #1 |
|---|
$ DIFFERENCES EXAMPLE.TXT
************
File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
1 DEMONSTRATION
2 OF V7.3 DIFFERENCES
3 UTILITY
******
File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
1 DEMONSTRETION
2 OF VMS DIFFERENCES
3 UTILITY
************
Number of difference sections found: 1
Number of difference records found: 2
DIFFERENCES/ IGNORE=()/MERGED=1-
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2-
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
|
この DIFFERENCES コマンドは,現在の省略時のディレクトリの EXAMPLE.TXT というファイルの, 2 つの最新バージョンの内容を比較します。 DIFFERENCES は,各レコードのすべての文字を比較し,その結果をターミナルに表示します。
| #2 |
|---|
$ DIFFERENCES/PARALLEL/WIDTH=80/COMMENT_DELIMITER="V" EXAMPLE.TXT
-------------------------------------------------------------------------------
File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2 | File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
------------------- 1 ------------------------------------- 1 -----------------
DEMONSTRATION | DEMONSTRETION
-------------------------------------------------------------------------------
Number of difference sections found: 1
Number of difference records found: 1
DIFFERENCES/IGNORE=(COMMENTS)/COMMENT_DELIMITER=("V")/WIDTH=80/PARALLEL-
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2-
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
|
上記の例と同様にファイルを比較します。ただし,行の最初に "V" のつくすべての文字列は無視されます。また,違いのパラレル・リストを 80 桁で表示します。
| #3 |
|---|
$ DIFFERENCES/WIDTH=80/MODE=(HEX,ASCII) EXAMPLE.TXT/CHANGE_BAR
************
File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
1 ! DEMONSTRATION
2 ! OF V7.3 DIFFERENCES
3 UTILITY
************
************
File DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2
RECORD NUMBER 1 (00000001) LENGTH 14 (0000000E) ***CHANGE***
204E 4F495441 5254534E 4F4D4544 DEMONSTRATION .. 000000
RECORD NUMBER 2 (00000002) LENGTH 19 (00000013) ***CHANGE***
4E455245 46464944 20302E33 5620464F OF V7.3 DIFFEREN 000000
534543 CES............. 000010
RECORD NUMBER 3 (00000003) LENGTH 7 (00000007)
595449 4C495455 UTILITY......... 000000
************
Number of difference sections found: 1
Number of difference records found: 2
DIFFERENCES /WIDTH=80/MODE=(HEX,ASCII)
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;2/CHANGE_BAR-
DISK1:[CHRIS.TEXT]EXAMPLE.TXT;1
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例 1 と同様にファイルを比較します。ただし,違いを 16 進形式と ASCII 形式でリストします。また,省略時の設定の変更バーを出力で使用するよう指定しています。 16 進形式での省略時の設定の変更バーは,***CHANGE*** です。 ASCII 形式での省略時の設定の変更バーは,感嘆符です。
| #4 |
|---|
$ DIFFERENCES/OUTPUT BOSTON::DISK2:TEST.DAT OMAHA::DISK1:[PGM]TEST.DAT |
この DIFFERENCES コマンドは,リモート・ノードにある 2 つのファイルを比較し違いを表示します。第 1 ファイルは,リモート・ノード BOSTON にある TEST.DAT です。第 2 ファイルは,リモート・ノード OMAHA にある TEST.DAT です。出力ファイルは DISK1:[PGM]TEST.DIF です。
ファイルのリスト,またはファイルやファイル・グループに関する情報を表示します。ファイル名が既知のファイルを見るには,ファイルに対する実行 (E) アクセス権が必要です。ファイルを読んだり,ファイルのリストを表示したり,ファイル名にワイルドカード文字を使用する場合には,ファイルに対する読み込み (R) アクセス権が必要です。
DIRECTORY [ファイル指定[,...]]DIRECTORY/FTP ディレクトリ指定
ファイル指定[,...]
表示する 1 つまたは複数のファイルを指定します。ファイル指定の構文によって,どのファイルが表示されるかが,次のように決定されます。
- ファイル指定を入力しない場合には,DIRECTORY コマンドは,現在の省略時のディレクトリに含まれるファイルの,すべてのバージョンのリストを表示します。
- 装置名だけを指定する場合には,DIRECTORY コマンドは,省略時のディレクトリ指定を使用します。
- ファイル指定にファイル名,ファイル・タイプ,バージョン番号が含まれない場合には常に,指定したディレクトリに含まれる,すべてのファイルのすべてのバージョンのリストが表示されます。
- ファイル指定にファイル名またはファイル・タイプの少なくともどちらかが含まれ,バージョン番号が含まれない場合には, DIRECTORY コマンドはすべてのバージョンのリストを表示します。
- ファイル指定にファイル名だけが含まれる場合には,DIRECTORY コマンドは,ファイル・タイプやバージョン番号とは無関係に,現在の省略時のディレクトリの中で,その名前を持つすべてのファイルのリストを表示します。
- ファイル指定にファイル・タイプだけが含まれる場合には, DIRECTORYコマンドは,ファイル名やバージョン番号と無関係に,現在の省略時のディレクトリの中で,そのファイル・タイプを持つ,すべてのファイルのリストを表示します。
ファイル指定のディレクトリ,ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号には,アスタリスク (*) およびパーセント記号 (%) のワイルドカード文字が使用できます。この時には,条件を満たすすべてのファイルが表示されます。複数のファイルを指定する場合には,各ファイルをコンマ (,) またはプラス記号 (+) で区切ります。
ディレクトリ指定
標準の DECnet リモート・ファイル指定を行います。UNIX システムのように大文字と小文字の区別をつける場合や外部文字情報を保存するには,また, 装置あるいはディレクトリ指定は,二重引用符で囲まれたファイル指定を行ってください。詳細は,/FTP 修飾子の説明を参照してください。
DIRECTORY コマンドは,ディレクトリに入っているファイルをリストします。修飾子を使用すると,ファイル名とともに追加情報が表示されます。DIRECTORY コマンドの出力は,特定の書式修飾子とその省略時の設定に依存します。修飾子には,/COLUMNS,/DATE,/FULL,/OWNER,/PROTECTION,および /SIZE があります。ただし,ファイルは常にアルファベット順にリストされ,最高バージョンが最初にリストされます。
修飾子とその機能を学習する際には,組み合わせて動作する修飾子と,一方が他方を上書きする修飾子に注意してください。たとえば,/FULL 修飾子を指定すると,システムは複数のカラムにすべての情報を表示できません。したがって,/COLUMNS 修飾子と /FULL 修飾子を同時に指定すると,要求したカラム数は無視されます。
また,実行時ライブラリに提供されている国際日時書式ルーチンを使用して,システムに定義されている他の言語と書式を選択することもできます。『OpenVMS RTL Library (LIB$) Manual』を参照してください。
/ACL
各ファイルのアクセス制御リスト (ACL) が,表示されるかどうかを制御します。指定がなければ,DIRECTORY コマンドはファイルごとに ACL を表示しません。隠しオプションを付けて作成されたアクセス制御エントリ (ACE) は, SECURITY 特権が有効になっている場合にのみ表示されます。 /ACL 修飾子は,/COLUMNS 修飾子に優先します。詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。
/BACKUP
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新のバックアップの日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/CREATED,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/BEFORE[=時刻]
指定された時刻以前の時刻属性を持つファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプのトピック Date を参照してください。
/BRIEF (省略時の設定)
各ファイルのファイル名,タイプおよびバージョン番号だけを出力することを指定します。この簡略形式では,ファイルは各行の左から右に,アルファベット順でバージョン番号の大きい順に出力されます。 /ACL,/DATE,/FILE_ID,/FULL,/NOHEADING,/OWNER,/PROTECTION,/SECURITY,および /SIZE 修飾子を使用して,簡略形式の表示を拡張することができます。/BY_OWNER[=uic]
ファイル所有者の利用者識別コード (UIC) が,指定した所有者 UIC と一致するファイルだけを選択します。 /BY_OWNER 修飾子だけを指定し UIC を省略すると,現在のプロセスの UIC が省略時の値として使用されます。UIC は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に説明されている標準的な UIC 形式で指定します。
詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。
/CACHING_ATTRIBUTE
選択したファイルのキャッシング属性を表示します。/COLUMNS=n
簡略表示のカラム数を指定します。省略時の設定では,カラム数は 4 です。必要な数だけカラムを要求できますが,/WIDTH 修飾子の値によって制限されます。 /COLUMNS 修飾子は,/ACL 修飾子や /FULL 修飾子, /SECURITY 修飾子とともに使用することはできません。実際に表示されるカラム数は,各カラムに対して指定した情報の量と /WIDTH 修飾子で指定した表示値により決定されます。システムは,/COLUMNS 修飾子に対して指定したカラム数とは無関係に,省略時の値の範囲内または指定された表示幅の範囲内で表示できるだけのカラムを表示します。
複数のカラムを指定し,各カラムに追加情報を表示することを要求した場合にだけ, DIRECTORY コマンドは長いファイル名を途中で切り捨てます。省略時のファイル名サイズは 19 文字です。この省略時の値を変更するためには, /WIDTH 修飾子を使用します。ファイル名が途中で切り捨てられる場合には,システムはファイル名フィールド・サイズより 1 文字だけ少ない文字数でファイル名を表示し,最後の位置に縦線を挿入します。たとえば,ファイル名が SHOW_QUEUE_CHARACTERISTICS であり,各カラムにファイル名とサイズの両方を表示することを DIRECTORY コマンドに対して要求した場合には,そのファイルは "SHOW_QUEUE_CHARACT| 120" として表示されます。
/CREATED (省略時の設定)
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,作成日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/DATE[=オプション]
/NODATE (省略時の設定)
指定したファイルごとに,作成日,最終変更日,満了日,バックアップ日,有効日,あるいは記録日を表示することを指定します。この修飾子を省略すると,/NODATE 修飾子が使用されます。 /DATE 修飾子だけを指定し,オプションを省略すると,作成日が表示されます。次のオプションが指定できます。
オプション 説明 ACCESSED 最終アクセス日を表示する。 詳細は『Guide to OpenVMS File Applications』を参照。
ALL CREATED(作成日),MODIFIED(最終変更日),EXPIRED(満了日), BACKUP(バックアップ日),EFFECTIVE(有効日),RECORDING(記録日)という順序で,すべての日付を表示する。 ATTRIBUTES 属性の最終変更日を表示する。 詳細は『Guide to OpenVMS File Applications』を参照。
BACKUP 各ファイルの最新のバックアップ日を表示する。 CREATED 各ファイルの作成日を表示する。 DATA_MODIFIED データの最終変更日を表示する。 詳細は『Guide to OpenVMS File Applications』を参照。
EFFECTIVE ファイルの内容が正しい有効日を表示する (ISO 9660)。 EXPIRED 各ファイルの満了日を表示する。 MODIFIED ファイルが最後に変更された日を表示する。 RECORDING 記憶媒体上の記録日を表示する (ISO 9660)。
/EXACT
/PAGE=SAVE および /SEARCH 修飾子とともに使用し,大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。
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