HP OpenVMS Systems Documentation |
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ユーザ・データベース内のユーザ・エントリ情報にアクセスします。 passwd構造体へのポインタが返されます。
#include <pwd.h>関数バリアント getpwent関数には, __getpwent32および __getpwent64という名前のバリアントがあり,それぞれ 32 ビット・ポインタ・サイズおよび 64 ビット・ポインタ・サイズで使用されます。ポインタ・サイズ固有の関数の使い方の詳細については,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.10 節を参照してください。struct passwd *getpwent (void);
getpwent関数は,ユーザ・データベースのエントリから得た値がフィールドに格納された構造体へのポインタを返します。データベースのエントリは, getpwentによって順にアクセスされます。最初に呼び出されたとき, getpwentは,ユーザ・データベース内の 1 番目のエントリが格納された passwd構造体へのポインタを返します。その後の呼び出しでは,この関数は,ユーザ・データベース内の次のエントリが格納された passwd構造体へのポインタを返します。このため,連続して呼び出しを行うことで,ユーザ・データベース全体を検索できます。passwd構造体は, <pwd.h>ヘッダ・ファイルに次のように定義されています。
pw_name ユーザの名前 pw_uid ユーザの ID pw_gid ユーザの基本グループのグループ ID pw_dir ユーザのホーム・ディレクトリ pw_shell ユーザの初期プログラム
読み取り時に,ファイルの終端またはエラーが検出された場合, getpwentは NULL ポインタを返します。
getpwentはユーザ登録ファイル (SYSUAF) を直接アクセスするため,プロセスには適切な特権が必要です。特権がないと,この関数は失敗します。
注意
getpwent関数で生成される情報はすべて,スレッド単位の静的領域に格納され,関数の次の呼び出しで上書きされます。パスワート・ファイル・エントリが長すぎる場合は無視されます。
x 成功した場合, passwd 構造体へのポインタです。 NULL ファイルの終端またはエラーの発生を示します。この関数は, errno に以下のいずれかの値を設定します。
- EIO -- 入出力エラーの発生,またはユーザ登録ファイル (SYSUAF) にアクセスするための適切な特権がユーザにないことを示します。
- EMFILE -- 呼び出し元プロセス内で, OPEN_MAX 個のファイル記述子が現在オープンされています。
- ENFILE -- 許されている最大個数のファイルが,現在システム内でオープンされています。
getpwnam関数は,指定された name のユーザ・データベース・エントリについての情報を返します。getpwnam_r関数は, getpwnamのリエントラント・バージョンです。
#include <pwd.h>関数バリアント getpwnam関数と getpwnam_r関数には, __getpwnam32, _getpwnam_r32, __getpwnam64, _getpwnam_r64という名前のバリアントがあり,それぞれ 32 ビット・ポインタ・サイズおよび 64 ビット・ポインタ・サイズで使用されます。ポインタ・サイズ固有の関数の使い方の詳細については,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.10 節を参照してください。struct passwd *getpwnam (const char *name); (ISO POSIX-1)
struct passwd *getpwnam (const char *name, ...); (HP C Extension)
int getpwnam_r (const char *name, struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize, struct passwd **result); (ISO POSIX-1) , (Alpha, I64)
int getpwnam_r (const char *name, struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize, struct passwd **result, ...); (HP C Extension) , (Alpha, I64)
name
属性を読み込むユーザの名前。pwd
この関数が結果を格納する passwd構造体のアドレス。buffer
passwd構造体の最長のエントリを保持できる, result 引数用の作業バッファ。 passwd構造体から指す記憶域は, buffer引数のメモリ (長さは bufsize 文字) から割り当てられます。bufsize
buffer が指す文字配列の長さ。result
成功して戻った場合,pwd が設定されます。失敗して戻った場合,result には NULL が設定されます。...
1 または 0 となるオプションの引数。 1 を指定すると,ディレクトリ指定は,OpenVMS 形式で返されます。 0 を指定すると,ディレクトリ指定 (パス名) は,UNIX 形式で返されます。この引数を省略すると,この関数は現在のコマンド言語インタプリタに従って,ディレクトリ指定を返します。 UNIX 形式のディレクトリ指定についての詳細は,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.4.3 項を参照してください。
getpwnam関数は,ユーザ・データベース内で指定された name のエントリを検索します。この関数は,データベース内のユーザ・エントリのうち, passwd構造体の pw_nameメンバが name 引数と一致する最初のエントリを返します。passwd構造体は,次に示すように <pwd.h>ヘッダ・ファイルに定義されています。
pw_name ユーザのログイン名 pw_uid 数値ユーザ ID pw_gid 数値グループ ID pw_dir ユーザのホーム・ディレクトリ pw_shell ユーザの初期プログラム
注意
getpwnam関数で生成された情報はすべて,スレッドごとの静的領域に格納され,この関数の次の呼び出しで上書きされます。
getpwnam_r関数は, getpwnamのリエントラント・バージョンです。 getpwnam_r関数は, pwd が指す passwd構造体をアップデートし, result が指すメモリ位置にこの構造体へのポインタを格納します。この構造体には,指定された name と一致するユーザ・データベースのエントリが格納されます。この構造体から指す記憶域は, buffer 引数のメモリ (長さは bufsize 文字) から割り当てられます。このバッファに必要なサイズは, sysconf関数の _SC_GETPW_R_SIZE_MAX パラメータで調べることができます。エラーの場合,または要求されたエントリが見つからない場合は, result が指すメモリ位置に,NULL ポインタが返されます。
エラー状態をチェックするアプリケーションは, getpwnamを呼び出す前に, errnoに 0 を設定する必要があります。 getpwnamが NULL ポインタを返し, errnoがゼロでない場合,エラーが発生しています。
x 一致するエントリが見つかった場合, getpwnam は正しい passwd 構造体へのポインタを返します。 NULL エラーが発生した場合,または指定されたエントリが見つからなかった場合, getpwnam は NULL を返します。 errno には,エラーを示す値が設定されます。 getpwnam 関数は,以下の場合に失敗します。
- EIO -- 入出力エラーが発生しました。
- EINTR -- getpwnam の実行中にシグナルをキャッチしました。
- EMFILE -- 呼び出し元プロセス内で, OPEN_MAX 個のファイル記述子が現在オープンされています。
- ENFILE -- 許されている最大個数のファイルが,現在システム内でオープンされています。
0 成功した場合, getpwnam_r は 0 を返し, result が指すメモリ位置に,アップデートした passwd 構造体へのポインタを格納します。 0 失敗した場合 (エラー,または要求されたエントリが見つからない場合), getpwnam_r は 0 を返し, result が指すメモリ位置に,NULL ポインタを格納します。 getpwnam_r 関数は,次の場合に失敗します。
- ERANGE -- buffer と bufsize で指定された記憶域は,得られた passwd 構造体から指すデータを格納するには不十分です。
getpwuid関数は,指定された uid のユーザ・データベース・エントリについての情報を返します。getpwuid_r関数は, getpwuidのリエントラント・バージョンです。
#include <pwd.h>関数バリアント getpwuid関数と getpwuid_r関数には, __getpwuid32, _getpwuid_r32, __getpwuid64, _getpwuid_r64という名前のバリアントがあり,それぞれ 32 ビット・ポインタ・サイズおよび 64 ビット・ポインタ・サイズで使用されます。ポインタ・サイズ固有の関数の使い方の詳細については,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.10 節を参照してください。struct passwd *getpwuid (uid_t uid); (ISO POSIX-1)
struct passwd *getpwuid (uid_t uid, ...); (HP C Extension)
int getpwuid_r (uid_t uid, struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize, struct passwd **result); (ISO POSIX-1)
int getpwuid_r (uid_t uid, struct passwd *pwd, char *buffer, size_t bufsize, struct passwd **result, ...); (HP C Extension)
uid
属性を読み込むユーザ ID (UID)。pwd
取り出した passwd構造体を格納するメモリ位置。buffer
passwd構造体内のエントリを保持できる, result 引数用の作業バッファ。 passwd構造体から指す記憶域は, buffer引数のメモリ (長さは bufsize 文字) から割り当てられます。bufsize
buffer が指す文字配列の長さ。result
成功して戻った場合,result には pwd が設定されます。失敗して戻った場合,result には NULL が設定されます。...
1 または 0 となるオプションの引数。 1 を指定すると,ディレクトリ指定は,OpenVMS 形式で返されます。 0 を指定すると,ディレクトリ指定 (パス名) は,UNIX 形式で返されます。この引数を省略すると,この関数は現在のコマンド言語インタプリタに従って,ディレクトリ指定を返します。 UNIX 形式のディレクトリ指定についての詳細は,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.4.3 項を参照してください。
getpwuid関数は,ユーザ・データベース内で,指定された uid のエントリを検索します。この関数は, passwd構造体の pw_uidメンバと uid 引数が一致する,データベース内の最初のユーザ・エントリを返します。passwd構造体は, <pwd.h>ヘッダ・ファイルに次のように定義されています。
pw_name ユーザのログイン名 pw_uid 数値ユーザ ID pw_gid 数値グループ ID pw_dir ユーザのホーム・ディレクトリ pw_shell ユーザの初期プログラム
注意
getpwuid関数で生成されたすべての情報は,スレッド単位の静的領域に格納され,この関数の次の呼び出しで上書きされます。
getpwuid_r関数は, getpwuidのリエントラント・バージョンです。 getpwuid_r関数は,pwd が指す passwd構造体をアップデートし,result が指すメモリ位置にこの構造体へのポインタを格納します。この構造体には, uid が一致するユーザ・データベースのエントリが格納されます。この構造体から指す記憶域は, buffer 引数のメモリ (サイズは bufsize 文字) から割り当てられます。このバッファに必要なサイズは, sysconf関数の _SC_GETGR_R_SIZE_MAX パラメータで調べることができます。エラーの場合,または要求されたエントリが見つからない場合は, result が指すメモリ位置に,NULL ポインタが返されます。
エラー状態をチェックするアプリケーションは, getpwuidを呼び出す前に, errnoに 0 を設定する必要があります。 getpwuidが NULL ポインタを返し, errnoがゼロでない場合,エラーが発生しています。
x 一致するエントリが見つかった場合, getpwuid は正しい passwd 構造体へのポインタを返します。 NULL エラーが発生した場合,または指定されたエントリが見つからなかった場合, getpwuid は NULL を返します。 errno には,エラーを示す値が設定されます。 getpwuid 関数は,以下の場合に失敗します。
- EIO -- 入出力エラーが発生しました。
- EINTR -- getpwuid の実行中にシグナルをキャッチしました。
- EMFILE -- 呼び出し元プロセス内で, OPEN_MAX 個のファイル記述子が現在オープンされています。
- ENFILE -- 許されている最大個数のファイルが,現在システム内でオープンされています。
0 成功した場合, getpwuid_r は 0 を返し, result が指すメモリ位置に,アップデートした passwd 構造体へのポインタを格納します。 0 失敗した場合 (エラー,または要求されたエントリが見つからない場合), getpwuid_r は 0 を返し, result が指すメモリ位置に,NULL ポインタを格納します。 getpwuid_r 関数は,次の場合に失敗します。
- ERANGE -- buffer と bufsize で指定された記憶域は,得られた passwd 構造体から指すデータを格納するには不十分です。
標準入力 ( stdin) から 1 行を読み込みます。
#include <stdio.h>関数バリアント gets関数には, _gets32および _gets64という名前のバリアントがあり,それぞれ 32 ビット・ポインタ・サイズおよび 64 ビット・ポインタ・サイズで使用されます。ポインタ・サイズ固有の関数の使い方の詳細については,『HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル(上巻)』第 1.10 節を参照してください。char *gets (char *str);
str
stdinから読み込んだ情報を格納できるだけの十分な大きさの文字列を指すポインタ。
行末の改行文字 (\n) は,この関数で ASCII のヌル文字 (\0) に置換されます。stdinがレコード・モードでオープンされている場合は, getsはレコードの終端を改行文字と同じように取り扱うので,読み込みは改行文字まで,またはレコードの終端まで行われます。
x str 引数を指すポインタ。 NULL エラーが発生したか,または改行文字が検出される前にファイルの終端 (EOF) が検出されたことを示します。読み込みエラーが発生した場合, str の内容は未定義です。
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