HP OpenVMS Systems Documentation |
本書は,日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V8.2 をインストールする方法について説明します。インストールの前に,必ず本書をお読みください。
| 改訂/更新情報: | 新規マニュアルです。 |
| ソフトウェア・バージョン: | 日本語 OpenVMS I64 V8.2
日本語 OpenVMS Alpha V8.2 |
日本ヒューレット・パッカード株式会社
© 2005 Hewlett-Packard Development Company, L.P.
本書の著作権は Hewlett-Packard Development Company, L.P. が保有しており,本書中の解説および図,表は Hewlett-Packard Development Company, L.P. の文書による許可なしに,その全体または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複製することを禁じます。
また,本書に記載されている事項は,予告なく変更されることがありますので,あらかじめご承知おきください。万一,本書の記述に誤りがあった場合でも,日本ヒューレット・パッカードは一切その責任を負いかねます。
本書で解説するソフトウェア ( 対象ソフトウェア ) は,所定のライセンス契約が締結された場合に限り,その使用あるいは複製が許可されます。
日本ヒューレット・パッカードは,弊社または弊社の指定する会社から納入された機器以外の機器で対象ソフトウェアを使用した場合,その性能あるいは信頼性について一切責任を負いかねます。
| 次へ | 目次 | 索引 |
本書は,日本語 OpenVMS オペレーティング・システム V8.2 をインストールする方法について説明します。標準版 OpenVMS のインストールについては『HP OpenVMS Version 8.2 Upgrade and Installation Manual』を参照してください。
本書は,システム管理者を対象としています。日本語 OpenVMS V8.2 をインストールする前に,必ず本書をお読みください。
本書の構成は以下のとおりです。
| 第 1 章 | 日本語 OpenVMS V8.2 インストレーション・キットの構成,インストレーションに必要なリソースなど,日本語 OpenVMS V8.2 をインストールする前の準備について説明します。 |
| 第 2 章 | 日本語 OpenVMS V8.2 をインストールする手順について説明します。 |
| 第 3 章 | 日本語 OpenVMS V8.2 が正しくインストールされたかどうかを検証する方法 (IVP) について説明します。 |
| 第 4 章 | 日本語 OpenVMS V8.2 のインストレーション後に行う作業について説明します。 |
| 付録 A | 日本語 OpenVMS V8.2 のインストレーション例を示します。 |
| 付録 B | XPG4 ロケール・データ・ファイルのインストレーション例を示します。 |
| 付録 C | 日本語 OpenVMS V8.2 インストレーション検証プロシージャの出力例を示します。 |
| 付録 D | 日本語 OpenVMS V8.2 が提供するファイル一覧を示します。 |
本書では,日本語 OpenVMS I64 は日本語 OpenVMS I64 オペレーティング・システムを指します。また,日本語 OpenVMS Alpha は日本語 OpenVMS Alpha オペレーティング・システムを指します。単に日本語 OpenVMS と表記した場合は,日本語 OpenVMS I64 と日本語 OpenVMS Alpha の両方を指します。
日本語 DECwindows および日本語 DECwindows Motif はすべて日本語 DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアを意味します。
本書では,下記の表記法を使用します。
| 表記法 | 意味 |
|---|---|
| Ctrl/ x | Ctrl/ x という表記は,Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
| PF1 x | PF1 x という表記は,PF1 に定義されたキーを押してから,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
| [Return] | 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。
HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。 |
| ... | 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。
|
| .
. . |
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。 |
| ( ) | コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。 |
| [ ] | コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか 1 つを選択しても,あるいは 1 つも選択しなくても構いません。ただし, OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。 |
| [|] | コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。 |
| { } | コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか1のオプションを指定しなければなりません。 |
| 太字 | 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。 |
| italic text | イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ (たとえば内部エラー number),コマンド・ライン ( たとえば /PRODUCER= name),コマンド・パラメータ ( たとえば device-name) などの変数を示す場合にも使用されます。 |
| UPPERCASE TEXT | 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。 |
| Monospace type | モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。
C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。 |
| -- | コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。 |
| 数字 | 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10 進数です。10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数 ) は,その旨を明記してあります。 |
この章では,日本語 OpenVMS オペレーティング・システムのインストールを実行する前に理解しておきたい内容について説明します。
1.1 インストレーション・キット
日本語 OpenVMS のキットは, I64 版と Alpha 版で配布メディアが異なります。日本語 OpenVMS V8.2 のインストレーションに必要な各キットは, 表 1-1 および 表 1-2 に示すメディアに含まれています。
| キット | メディア |
|---|---|
| 標準版 OpenVMS I64 | 「HP OpenVMS Industry Standard 64 Version 8.2 Operating Environment」DVD |
| 日本語 OpenVMS I64 | 「HP OpenVMS Industry Standard 64 Operating Environment Update」DVD もしくは CD |
| VMSI18N キット | 「HP OpenVMS Industry Standard 64 Version 8.2 Operating Environment」DVD |
| キット | メディア |
|---|---|
| 標準版 OpenVMS Alpha | 「HP OpenVMS Alpha Version 8.2 Operating System」CD |
| 日本語 OpenVMS Alpha | 「日本語 HP OpenVMS Alpha Version 8.2 Operating System」CD |
| VMSI18N キット | 「日本語 HP OpenVMS Alpha Version 8.2 Operating System」CD |
日本語 OpenVMS のキットには,標準版 OpenVMS を日本語化するためのモジュールのみが含まれています。標準版 OpenVMS がインストールされているシステムに対して日本語 OpenVMS のキットをインストールすることにより, OpenVMS オペレーティング・システムで日本語機能を使用できるようになります。
日本語 OpenVMS V8.2 のキット名は以下のとおりです。
| I64 版: | HP-I64VMS-JVMS-V0802--1.PCSI$COMPRESSED |
| Alpha 版: | DEC-AXPVMS-JVMS-V0802--1.PCSI$COMPRESSED |
I64 版:
日本語 OpenVMS I64 V8.2 では, V8.0 や V8.1 などの評価版からのアップグレード・インストレーションはサポートしていません。
Alpha 版:
日本語 OpenVMS Alpha V8.2 では,日本語 OpenVMS Alpha V7.3-1 / V7.3-2 から日本語 OpenVMS Alpha V8.2 へのアップグレード・インストレーションをサポートしています。それより古いバージョンをご使用の場合は,まず V7.3-1 または V7.3-2 へアップグレードした後, V8.2 へのアップグレード・インストレーションを実行するか, V8.2 のイニシャル・インストレーションを実行してください。
1.3 日本語 OpenVMS のライセンス
1.3.1 日本語 OpenVMS I64 のライセンス
日本語 OpenVMS I64 V8.2 のライセンスは標準版 OpenVMS I64 V8.2 のライセンスと共通です。標準版 OpenVMS I64 のライセンスで日本語 OpenVMS I64 もご使用いただけます。
1.3.2 日本語 OpenVMS Alpha のライセンス
日本語 OpenVMS Alpha V8.2 を使用するユーザは,必ずソフトウェア・ライセンスを登録しなければなりません。ライセンスの登録は,日本語 OpenVMS Alpha のインストール時に行ってください。ライセンスを登録するための情報は,日本語 OpenVMS Alpha と一緒に出荷される,プロダクト・オーソライゼーション・キー (PAK) に含まれています。PAK はライセンス情報が記載されている用紙です。
日本語 OpenVMS Alpha のライセンスは,インストレーションの前でも後でも登録できますが,インストレーションの前に行うことをお勧めします。日本語 OpenVMS Alpha ではインストレーション中に,ライセンスを登録しキーをロードしたかどうかを確認するようになっています。ライセンスの登録とキーのロードを行っていない場合は,インストレーションを行うことはできますが,日本語 OpenVMS Alpha を使用したり, IVP を実行したりすることはできません。ライセンスを登録し,キーをロードして初めて,日本語 OpenVMS Alpha を使用したり, IVP を実行したりすることができます。
ライセンスを登録する方法には,次の 2 つがあります。
詳細は『 OpenVMS License Management Utility Manual 』を参照してください。
1.4 必要なソフトウェア
日本語 OpenVMS V8.2 のインストールには,次のソフトウェアが必要になります。
日本語 OpenVMS V8.2 をインストールするためには,システムに標準版 OpenVMS V8.2 がインストールされていることが必要です。標準版のインストレーション手順については『 OpenVMS Version 8.2 Upgrade and Installation Manual 』を参照してください。
1.4.2 XPG4 ロケール・データ・ファイル
標準版 OpenVMS V8.2 のインストール後,日本語 OpenVMS V8.2 をインストールする前に, XPG4 ロケール・データ・ファイル・キット (VMSI18N キット) のインストールが必要です。ロケール・データ・ファイルは,標準版 OpenVMS Alpha V6.2 以降でサポートされている XPG4 ランタイム・ライブラリおよびユーテリティで使用されるもので,独立したキット (VMSI18N キット) で提供されています。
VMSI18N キットのキット名は以下のとおりです。
| I64 版: | HP-I64VMS-VMSI18N-V0802--1.PCSI |
| 「HP OpenVMS Industry Standard 64 Version 8.2 Operating Environment」DVD に含まれています。 | |
| Alpha 版: | DEC-AXPVMS-VMSI18N-V0802--1.PCSI |
| 「日本語 HP OpenVMS Alpha Version 8.2 Operating System」CD に含まれています。 |
ここでは,日本語 OpenVMS V8.2 でサポートする主なレイヤード・ソフトウェアのバージョンについて説明します。
1.4.3.1 日本語 DECwindows Motif for OpenVMS
日本語 OpenVMS V8.2 でサポートされる日本語 DECwindows Motif のバージョンは V1.5 以上です。
1.4.3.2 TCP/IP Services for OpenVMS
OpenVMS V8.2 がサポートする TCP/IP Services のバージョンは V5.5 以上です。
日本語 TCP/IP Services は Alpha 版のみが提供されます。日本語 OpenVMS I64 用の日本語 TCP/IP Services は提供されませんので,標準版の TCP/IP Services をご使用ください。
1.5 インストレーションに必要な特権
日本語 OpenVMS V8.2 をインストールするために必要なディスクの空きブロックは,約 100,000 ブロックです。ディスクの空きブロックが十分でないときは,不必要なファイルを消すなどの処置をとってください。
なお,現在のディスクの空きブロックは,次のようにして調べることができます。
$ SHOW DEVICE device-name
|
日本語 OpenVMS I64 V8.2 のインストールには,グローバル・ページの空きが 18000 ページ,グローバル・セクションの空きが 103 セクション必要です。
日本語 OpenVMS Alpha V8.2 のインストールには,グローバル・ページの空きが 11000 ページ,グローバル・セクションの空きが 64 セクション必要です。
日本語 OpenVMS V8.2 のインストレーション・プロシージャは,グローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きを調べ,その値が上記の数字に満たない場合はインストレーションを中断します。
現在のシステムのグローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きは,次のようにして調べることができます。
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
|
グローバル・ページ, およびグローバル・セクション の値は次のようにして変更することができます。
GBLPAGES=<グローバル・ページの値(ページレット)>
GBLSECTIONS=<グローバル・セクションの値>
|
あるいは,次のような行でもかまいません。
ADD_GBLPAGES=<追加するグローバル・ページの値(ページレット)>
ADD_GBLSECTIONS=<追加するグローバル・セクションの値>
|
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK
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システムがシャット・ダウンされリブートされます。グローバル・ページとグローバル・セクションの値は, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に書かれた値に変更されます。
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