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HP OpenVMS Systems
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HP OpenVMS

HP OpenVMS
DCL ディクショナリ


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EXAMINE

仮想メモリの内容を表示します。

内容を確認する仮想メモリの記憶位置へのユーザ・モード読み取り(R)アクセス権が必要です。


形式

EXAMINE 記憶位置[:記憶位置]


パラメータ

記憶位置[:記憶位置]

内容を確認する仮想アドレスまたは仮想アドレスの範囲 ( 最初に小さいアドレスを, 2 番目に大きいアドレスを指定 ) を指定します。アドレスの範囲を指定する場合には,開始アドレスと終了アドレスをコロン (:) で区切ります。

記憶位置には算術演算子,論理演算子,または事前に割り当てられたシンボルを含む任意の有効な計算式を指定できます。基数修飾子を使用して,アドレスを解釈するための基数を決めます。省略時の設定は 16 進数です。シンボル名は常に,それらが定義されたときの基数で解釈されます。記憶位置の前には,基数演算子 %X,%D,または %O を付けることができます。 16 進数は,数字(または %X)で開始する必要があります。

DEPOSIT および EXAMINE コマンドは,現在のメモリ記憶位置のポインタを保持します。EXAMINE コマンドは,EXAMINE コマンドを指定したときに表示した最後の記憶位置にこのポインタを設定します。 EXAMINE または DEPOSIT コマンドにピリオド (.) を付けて実行すれば,この記憶位置を参照できます。


説明

EXAMINE コマンドは,仮想メモリの内容を表示します。アドレスは 16 進形式で表示され,内容は指定した基数で表示されます。次の例を参照してください。


address:  contents 

指定したアドレスにユーザ・モードでアクセスできない場合は,内容のフィールドに 4 つのアスタリスク (*) が表示されます。

基数修飾子: DEPOSIT または EXAMINE コマンドの基数の省略時の設定によって,コマンドによる数値リテラルの解釈方法が決まります。省略時の設定の基数は 16 進数値なので,コマンド行のすべての数値リテラルは, 16 進数値であると仮定されます。 EXAMINE コマンドに基数修飾子を指定した場合は,別の修飾子によって上書きされるまで,その基数が以降の EXAMINE コマンドおよび DEPOSIT コマンドの省略時の設定になります。次の例を参照してください。


$ EXAMINE/DECIMAL 900
00000384:  0554389621

EXAMINE コマンドは,記憶位置 900 を 10 進数として解釈し,その記憶位置の内容を 10 進数で表示します。以降のすべての DEPOSIT コマンドおよび EXAMINE コマンドでは,アドレスやデータに入力される数を 10 進数であると仮定します。 EXAMINE コマンドは常に,アドレス記憶位置を 16 進数で表示する点に注意してください。

= (代入文) コマンドによって定義されたシンボルは常に,それらが定義されたときの基数で解釈されます。

表示する記憶位置または格納するデータとして入力する 16 進数値は,数字 (0 〜 9) で始まらなければなりません。数字 (0 〜 9) 以外で始めるとコマンド・インタプリタは,シンボル名を入力したか,またはシンボルの置換を行うものと仮定します。

現在の省略時の設定を変更するには, EXAMINE コマンドを入力する時に基数演算子 %X,%D,または %O を使用します。次の例を参照してください。


$ EXAMINE/DECIMAL %X900
00000900:  321446536

このコマンドは,16 進数値の 900 として指定された記憶位置にあるデータを 10 進数形式で表示することを要求しています。

長さ修飾子: EXAMINE コマンドの省略時の設定の長さの単位はロングワードです。 EXAMINE コマンドは,各ロングワードの間にブランクを入れて,一度に 1 ロングワードずつデータを表示します。EXAMINE コマンドで長さ修飾子を使用した場合は,別の修飾子によって上書きされるまで,その長さが以降の EXAMINE コマンドおよび DEPOSIT コマンドでの,メモリ記憶位置の省略時の設定の長さになります。

修飾子の配置に関する制約: EXAMINE コマンドは,算術的に式を解釈します。そのため,コマンド名の直後に指定された場合のみ,修飾子は正しく解釈されます。


修飾子

/ASCII

指定した記憶位置のデータを ASCII 形式で表示します。

対応する ASCII コードがない 2 進値は,ピリオド(.) として表示されます。

/ASCII 修飾子を指定した場合,または ASCII モードが省略時の設定である場合は,コマンド行で指定される数値リテラルの省略時の設定の基数として, 16 進数が使用されます。

/BYTE

指定された記憶位置にあるデータを一度に 1 バイトずつ表示します。

/DECIMAL

指定された記憶位置の内容を 10 進形式で表示します。

/HEXADECIMAL

指定された記憶位置の内容を 16 進形式で表示します。

/LONGWORD

指定された記憶位置にあるデータを一度に 1 ロングワードずつ表示します。

/OCTAL

指定された記憶位置の内容を 10 進形式で表示します。

/WORD

指定された記憶位置にあるデータを一度に 1 ワードずつ表示します。

#1

$ RUN   MYPROG
[Ctrl/Y]
$ EXAMINE   2678
0002678:  1F4C5026
$ CONTINUE

この例で RUN コマンドは,イメージ MYPROG.EXE の実行を開始します。 MYPROG の実行中に Ctrl/Y を押して実行を中断します。EXAMINE コマンドによって,仮想メモリ記憶位置 2678(16 進値)の内容が表示されます。

#2

$ BASE = %X1C00
$ READBUF = BASE + %X50
$ ENDBUF = BASE + %XA0
$ RUN   TEST
[Ctrl/Y]
$ EXAMINE/ASCII READBUF:ENDBUF
00001C50:  BEGINNING OF FILE MAPPED TO GLOBAL SECTION
   .
   .
   .

この例では,プログラム TEST.EXE を実行する前に,プログラムの基底アドレスならびにラベル READBUF と ENDBUF のシンボリック名が定義されます。これらのシンボリック名は,すべて基数演算子 %X を使用して 16 進形式で表されます。READBUF および ENDBUF は,プログラムの基底アドレスからのオフセットを定義しています。

プログラムの実行中に Ctrl/Y を押してプログラムを中断します。 EXAMINE コマンドによって,指定されたメモリ記憶位置にあるすべてのデータが ASCII 形式で表示されます。


EXCHANGE

Exchange ユーティリティ (EXCHANGE) を起動します。このユーティリティは,オペレーティング・システムが通常認識できない形式で書き込まれた,大容量記憶ボリュームを操作します。

EXCHANGE を使用すると,次の操作を行うことができます。

RT-11 ディスクのようなブロック・アドレス指定可能な装置の場合, EXCHANGE は,ファイル名の変更やファイルの削除などの操作も実行できます。 EXCHANGE は,フォーリン・ボリュームのイメージである Files-11 ファイルも操作できます。これらのファイルは 仮想装置 と呼ばれます。

EXCHANGE についての詳細は,『OpenVMS Exchange Utility Manual』 ( ドキュメンテーション CD-ROM に用意されています ),またはオンライン・ヘルプを参照してください。


形式

EXCHANGE [サブコマンド] [ファイル指定] [ファイル指定]


EXCHANGE/NETWORK

このコマンドを使用すると,OpenVMS オペレーティング・システムと, OpenVMS のファイル編成をサポートしないオペレーティング・システムとの間でファイルを転送できるようになります。転送は,OpenVMS システムと OpenVMS 以外のオペレーティング・システムのノードを接続する DECnet ネットワーク通信リンク上で行われます。

DECnet サービスを使用すると, EXCHANGE/NETWORK コマンドで次の操作を行うことができます。


形式

EXCHANGE/NETWORK 入力ファイル指定[,...] 出力ファイル指定


パラメータ

入力ファイル指定[,...]

転送したい既存のファイル名を指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) が使用できます。 2 つ以上のファイルを指定する場合には,ファイル指定をコンマ (,) で区切ります。

出力ファイル指定

入力ファイルを転送する出力ファイル名を指定します。

出力ファイル指定には,フィールドを最低 1 つ指定しなければなりません。装置またはディレクトリを省略すると,現在の省略時の設定の装置およびディレクトリが使用されます。その他に不明なフィールド ( ファイル名,ファイル・タイプ,およびバージョン番号 ) がある場合は,EXCHANGE/NETWORK コマンドによって,入力ファイル指定の対応するフィールドに置き換えられます。

EXCHANGE/NETWORK コマンドは,指定した各入力ファイルにつき新しい出力ファイルを 1 つ作成します。

ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号の代わりに,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を使用できます。 EXCHANGE/NETWORK コマンドは,関連する入力ファイルの対応するフィールドを使用して,出力ファイルをに名前を付けます。また,出力ファイル指定でワイルドカード文字のアスタリスク (*) を使用すると,EXCHANGE/NETWORK で 2 つ以上の出力ファイルを作成するよう指定することができます。次の例を参照してください。


$  EXCHANGE/NETWORK A.A,B.B  MYPC::*.C

この EXCHANGE/NETWORK コマンドは, OpenVMS 以外のターゲット・ノード MYPC にファイル A.C および B.C を作成します。

ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%),およびバージョン番号についての詳細は,次の「説明」を参照してください。


説明

EXCHANGE/NETWORK コマンドには,次の制限事項があります。

OpenVMS レコード管理サービス (RMS) を使用すると,オペレーティング・システムは OpenVMS RMS ファイルのレコードにアクセスできます。どちらも OpenVMS ノードである 2 つのノード間で OpenVMS RMS ファイルを転送するには,他の DCL コマンド (COPY,APPEND,CONVERT など) から適切なものを 1 つ使用します。これらのコマンドは,RMS ファイル編成を認識して,ファイルの転送時に RMS レコード構造を保持するように設計されています。

OpenVMS ノードと OpenVMS 以外のノード間でファイルを転送するには, EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用します。このコマンドを使用すると,ファイル編成の違いが原因で転送ができなかったり,予期しない結果になったりするのを防ぐことができます。 COPY コマンドを使用した場合でも,コピーされたファイルの内容や属性は確実に保持されますが,EXCHANGE/NETWORK コマンドにはそれ以上の利点があります。 EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用すると,ファイル転送時にレコード属性を明示的に制御でき,数種類のオペレーティング・システムでファイルを使用可能にすることができます。

EXCHANGE/NETWORK コマンドは,同じ DECnet ネットワークに接続された OpenVMS ノードと OpenVMS 以外のノード間でファイルを転送します。 OpenVMS 以外のシステムが OpenVMS ファイル編成をサポートしていない場合でも, EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用すれば,転送時にファイルおよびレコードの各属性を変更したり廃棄したりできます。ただし,ターゲット・システムが OpenVMS ノードである場合は,この節で後述するように,ファイル定義言語 (FDL) ファイルを使用すれば,出力ファイルのファイル属性およびレコード属性を変更することができます。 EXCHANGE/NETWORK コマンドには,多様な転送を正しく処理できるように,いくつかの省略時の設定が用意されています。ただし,転送の種類によっては,両方のノードのファイル形式またはレコード形式の必要条件を知っている必要もあります。

OpenVMSのファイル属性およびレコード属性

OpenVMS 環境のすべての RMS ファイルには,ファイル属性およびレコード属性を示す,ファイル属性およびレコード属性と呼ばれる情報が含まれています。ファイル属性には,ファイル編成,ファイルの保護,ファイル割り当て情報などの項目があります。レコード属性には,レコード形式,レコード・サイズ,索引編成ファイルのキー定義,キャリッジ制御情報などの項目があります。これらの属性が, OpenVMS RMS ファシリティが用いるデータ形式やアクセス方法を定義します。

OpenVMS ファイル編成をサポートしない OpenVMS 以外のオペレーティング・システムには,ファイルのファイル属性およびレコード属性を保存する機能がありません。ファイル属性およびレコード属性を保存または処理できない OpenVMS 以外のシステムに OpenVMS ファイルを転送すると,これらの情報の大部分が廃棄されてしまいます。これらの属性をファイルから削除すると, OpenVMS システムで再使用しなければならない場合に,そのファイルは元どおりの使い方はできません。

OpenVMSノードへのファイルの転送

OpenVMS 以外のシステムから OpenVMS システムにファイルを転送すると,ファイルは通常,省略時の設定のファイル属性およびレコード属性を持つと仮定されます。ただし,ファイル定義言語 (FDL) ファイルを使用して,ファイルの属性を指定することもできます。また,CDAドキュメントを転送する場合には, EXCHANGE/NETWORK コマンドの後に次のコマンドを入力します。


$  SET FILE/SEMANTICS=[ddif,dtif] ドキュメント名.doc

/FDL 修飾子で FDL ファイルを指定する場合には, FDL ファイルが出力ファイルの属性を決めます。 OpenVMS 以外のシステムから OpenVMS システムにファイルを転送し,互換性のあるファイル属性およびレコード属性を設定する時,この機能は便利です。ただし,FDL ファイルを使用する場合,必要な属性を決めるのはユーザです。

FDL ファイルについての詳細は,『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』を参照してください。

OpenVMS 以外のノードへのファイルの転送

EXCHANGE/NETWORK コマンドは,OpenVMS ファイル編成をサポートしない OpenVMS 以外のシステムへの転送を行う場合に, OpenVMS ファイルに対応するファイル属性およびレコード属性を廃棄します。転送時のファイル属性およびレコード属性の消失によって,ほとんどのアプリケーションで使用できない出力ファイルが作成される可能性があります。

転送モードの選択

EXCHANGE/NETWORK コマンドには,AUTOMATIC,BLOCK,RECORD,および CONVERT の, 4 つの転送モード・オプションがあります。ほとんどのファイル転送には, AUTOMATIC が使用できます。AUTOMATIC 転送モード・オプションを使用すると,ブロック入出力またはレコード入出力のいずれかを使用して,ファイルを転送できます。入出力の選択は,入力ファイルのファイル編成とオペレーティング・システムによります。

BLOCK 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,ブロック入出力アクセス用に入力ファイルと出力ファイルの両方をオープンします。これによって,入力ファイルは,ブロック単位で出力ファイルに転送されます。実行可能なイメージを転送する場合には,この転送モードを使用します。また,このモードは,ファイル内容を正確に保持しなければならない場合に使用すると便利です。これは,別のシステムで一時的にファイルを保存する場合や,共同で動作するアプリケーションがシステムに存在する場合に必要となります。

RECORD 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,レコード入出力アクセス用に入力ファイルと出力ファイルの両方をオープンします。これによって,入力ファイルは,逐次アクセスで出力ファイルに転送されます。この転送モードは主に,テキスト・ファイルを転送する場合に使用します。

CONVERT 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは, RECORD アクセス用に入力ファイルをオープンし, BLOCK アクセス用に出力ファイルをオープンします。これによって,レコードは入力ファイルから読み込まれ,ブロックにパックされてから,出力ファイルに書き込まれます。この転送モードは主に,暗黙のキャリッジ制御なしでファイルを転送する場合に使用します。たとえば,DIGITAL Standard Runoff (DSR) で作成したファイルを DECnet DOS システムに転送するには, CONVERT 転送モード・オプションを使用しなければなりません。結果の出力ファイルを OpenVMS ノードに返送するには, AUTOMATIC 転送モード・オプションを使用します。

ワイルドカード文字

ファイル指定には,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) を使用できます。また,その動作内容は,OpenVMS ノードに対して他の OpenVMS システム・コマンドを使用した場合と同じです。

2 つ以上の入力ファイルが指定されて,出力ファイル指定にワイルドカード文字のアスタリスク (*) やパーセント記号 (%) が指定されていない場合には,最初の入力ファイルが出力ファイルにコピーされます。後続の各入力ファイルは転送された後,同じファイル名でバージョン番号が大きい出力ファイル名になります。複数の入力ファイルが,1 つの出力ファイルに連結されるわけではありません。また,バージョン番号をサポートしないフォーリン・システムにファイルを転送する場合には,最後に指定した入力ファイルに対応する出力ファイルが 1 つだけ作成されます。

複数の出力ファイルを作成するには,複数の入力ファイルを指定します。次のいずれかの方法を使用してください。

複数の出力ファイルを作成する場合,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,対応する入力ファイルのフィールドを使用して,出力ファイルを指定します。

複数の入力ファイルと出力ファイルを指定する場合には,/LOG 修飾子を使用すると,意図したとおりにファイルがコピーされていることを確かめることができます。

バージョン番号

ターゲット・ノードのファイル形式でバージョン番号が使用できる場合には,次のガイドラインを参照してください。

入力ファイル,および出力ファイルのバージョン番号が指定されていない場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは,出力ファイルに次のいずれかのバージョン番号を割り当てます (省略時の設定)。

出力ファイルのバージョン番号をワイルドカード文字のアスタリスク (*) で指定した場合,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,対応する入力ファイルのバージョン番号を,出力ファイルのバージョン番号として使用します。

出力ファイルのバージョン番号を明示的に指定した場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは通常,出力ファイル指定にそのバージョン番号を使用します。ただし,同じかまたはそれ以上のバージョンの出力ファイルが存在している場合には,警告メッセージが発行されずにファイルがコピーされて,バージョン番号は,現在ある最高のバージョン番号より 1 つ大きい値に設定されます。

ファイルの保護および作成日/更新日

出力ファイル名の一部が明示的に指定されている場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは,出力ファイルを新しいファイルとして処理します。出力ノードが OpenVMS システムである場合,新しいファイルの作成日は,現在の日時に設定されます。ただし,出力ファイル指定が,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) のみで構成されている場合,出力ファイルは新しいファイルとして処理されないため,出力ファイルの作成日は入力ファイルの作成日と同じになります。


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