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TCPDUMP は,OpenVMS システムでも UNIX システムと同様に動作しますが,次の制限事項があります。
$ TCPDUMP -s 1500 -w filename |
3.13 チャネル割り当てからの TCP/IP デバイス名の判断
OpenVMS では,チャネル割り当てに基づいてデバイス名を判断する方法をいくつか提供しています。 SYS$GETDVI/SYS$GETDVIW システム・サービスを使用すると, DVI$_DEVNAM,DVI$_FULLDEVNAM,および DVI$_UNIT アイテムはすべて,デバイスに関する情報を返します。最初の 2 つのアイテムは完全なデバイス名を返しますが, DVI$_UNIT アイテムはデバイスのユニット番号だけを返します。完全なデバイス名を作成するには,プログラムでユニット番号の前に文字列としてデバイス名およびコントローラ情報を付加する必要があります。 TCP/IP デバイス名の場合は,文字列 BGまたは BGAを追加できます。たとえば, BG + 1234と指定すると,デバイス名は BG1234:になります。
TCP/IP のデバイス名は,将来のリリースで変更される可能性があります。プログラミングの際は,DVI$_DEVNAM または DVI$_FULLDEVNAM アイテムを使用して,完全なデバイス名の文字列を取得するようにしてください。このようなプログラムは,TCP/IP デバイス名が BGnnnn や BGAnnnn であるということを前提にしていないため, TCP/IP デバイス名の方針が今後変更されても,その影響を受けません。
3.14 TCP/IP 管理コマンドの制限事項
次の制限事項は,TCP/IP 管理コマンドに適用されます。
IP クラスタ・エイリアス・アドレスも含めて,インタフェースのアドレスを表示するには,次の TCP/IP 管理コマンドを使用します。
TCPIP> ifconfig -a |
クラスタ・エイリアス・アドレスをアクティブ・システムから削除するには,次のコマンドを使用します。
TCPIP> ifconfig ie0 -alias 10.10.10.1 |
次の TCP/IP 管理コマンドは今後もサポートされます。
TCP/IP Services 管理コマンドについての詳細は,『 HP TCP/IP Services for OpenVMS Management Command Reference 』を参照してください。
3.15 日本語機能についての制限事項および注意事項
この節では, TCP/IP Services を日本語環境で使用する場合の制限事項および注意事項について説明します。
3.15.1 日本語ファイル名のサポートについて (Alphaのみ)
本バージョンではFTPでのファイル転送でODS-5ディスクに対する Extended File Specifications (長いファイル名,深いディレクトリ階層,拡張文字セット)がサポートされています。しかし,日本語OpenVMS V7.2で提供される日本語ファイル名の使用はサポートされません。
3.15.2 漢字フィルタの互換性について
本バージョンでは既存の漢字フィルタに関して下位互換性を保ちます。以前のバージョン用に作成された漢字フィルタは,ファイル名や,指定する際の論理名を変更することなくそのまま使用することができます。
3.15.3 POPクライアントを日本語環境で使用する場合の注意事項
POPクライアントを日本語環境で使用する場合,以下の点に注意する必要があります。
3.15.5 SMTPにおける日本語に関する制限及び注意事項
3.15.6 IMAPクライアントを日本語環境で使用する場合の注意事項
IMAPクライアントを日本語環境で使用する場合,以下の点に注意する必要があります。
FTPクライアントのVIEWコマンドでは漢字フィルタを指定することはできません。
3.15.8 SSH での日本語機能の未サポート
SSH クライアントおよびサーバのセキュア・ログインおよびファイル転送では漢字フィルタを指定することはできません。
この章では,本バージョンの TCP/IP Services で修正された問題点について説明します。
4.1 アドバンスト・プログラミング環境に関して本リリースで修正された問題点
ここでは,本リリースで修正されたプログラミング関連の問題点について説明します。
4.1.1 TCPIP$LIB.OLB ライブラリにリンクすると,リンクの競合が発生する
問題点:
strdupまたは putenv関数への参照を含むプログラムを TCPIP$LIB.OLB ライブラリにリンクすると,リンクの競合が発生します。リンカは %LINK-W-MULDEF という警告メッセージを生成し,C RTL ライブラリ内の同じ名前の関数と競合することを示します。
修正結果:
以前のバージョンの TCP/IP Services では, TCPIP$LIB.OLB ライブラリは,より新しいバージョンの OpenVMS C RTL ライブラリに定義されている関数をインクルードしていました。これらの TCPIP$LIB.OLB ルーチンには DECC$ というプリフィックスが付加されており,新しいバージョンの C RTL ライブラリの同じ名前のルーチンと競合します。本リリースの TCP/IP Services では,このような競合が発生しないように, TCPIP$LIB.OLB ライブラリが変更されました。
4.2 本リリースで修正された BIND サーバの問題点
ここでは,本リリースで修正された BIND サーバの問題点について説明します。
4.2.1 BIND スレーブは通知要求を拒否する
問題点:
スレーブとしてコンフィギュレーションされている BIND サーバは,マスタ・サーバからの通知要求を拒否することがあります。スレーブの TCPIP$BIND_RUN.LOG に書き込まれるエラー・メッセージには, "refused notify from non-master" という文字列が含まれます。この問題は, TCPIP$BIND.CONF コンフィギュレーション・ファイルの options ステートメントに listen-on-v6ディレクティブを指定することで,IPv6 通信に対してマスタ・サーバを有効に設定したときに発生します。
修正結果:
この問題は本リリースで修正されました。
4.2.2 BIND バージョン 9 サーバ・プロセスは "Assertion Failure" エラーで終了する
問題点:
BIND サーバ・プロセスはエラーで終了し, TCPIP$BIND_RUN.LOG ファイルに次のいずれかのメッセージが記録されます。
REQUIRE((((task) != 0L) && (((const isc__magic_t*)(task))->magic
== ((('T')<< 24 | ('A') << 16 | ('S') << 8 | ('K')))))) failed
Sun 19 03:00:13 CRITICAL: exiting (due to assertion failure)
%SYSTEM-F-OPCCUS, opcode reserved to customer fault at
PC=FFFFFFFF80A6C924, PS=0000001B
REQUIRE(res->item_out == isc_boolean_true) failed
Fri 19 13:12:04 CRITICAL: exiting (due to assertion failure)
%SYSTEM-F-OPCCUS, opcode reserved to customer fault at
PC=FFFFFFFF80E6C924, PS=0000001B
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修正結果:
この問題は本リリースで修正されました。
4.3 本リリースで修正された failSAFE IP の問題点
ここでは,本リリースで修正された failSAFE IP の問題点について説明します。
4.3.1 failSAFE IP ファントム障害
問題点:
failSAFE IP が複数のインタフェース上で単一のインタフェース・アドレスによってコンフィギュレーションされているシステムでは,ファントム障害が発生することがあります。 LAN トラフィックの頻度が低い場合は,failSAFE IP は誤ったエラーを通知することがあります。
修正結果:
この問題は本リリースで修正されました。 failSAFE IP はデフォルトで MAC レベルのブロードキャスト・パケットを生成するようになりました。新しいコンフィギュレーション・パラメータ GENERATE_TRAFFIC を設定して, failSAFE IP が強制的に gratuitous ARP パケットを生成するようにすることができます。次の新しいコンフィギュレーション・パラメータを TCPIP$FAILSAFE.CONF ファイルに指定できます。
| GENERATE_TRAFFIC | failSAFE IP が定期的に MAC レベルのブロードキャストまたは無意味な ARP パケットを生成することを指定します。 failSAFE IP がトラフィック生成を行わないようにコンフィギュレーションすることもできます。
デフォルト:
mac
(MAC レベルのブロードキャスト)
次のコンフィギュレーション・ファイルの例は,無意味な ARP パケットを生成するようにパラメータを設定している行を示しています。
|
| MAC_PTY | MAC レベルのブロードキャスト・トラフィックが生成されている場合,このパラメータには MAC プロトコル・タイプ (6005 などの 2 バイトの 16 進数) を指定できます。
MAC_PTY を指定しないと,MAC ブロードキャストは,使用可能なプロトコル・タイプが見つかるまで,各プロトコル・タイプを試します。 次のコンフィギュレーション・ファイルの例は, MAC プロトコル・タイプを 6005 として設定する行を示しています。
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failSAFE IP のコンフィギュレーションについての詳細は,『 HP TCP/IP Services for OpenVMS Management 』を参照してください。
4.3.2 ユーザは failSAFE IP ログ・ファイルの場所を変更できない
問題点:
failSAFE IP ログ・ファイルの名前は常に次のように設定されます。
SYS$SYSDEVICE:[TCPIP$FSAFE]TCPIP$FAILSAFE_node-name.LOG
ユーザがシステム上の別の場所を指定することはできません。
修正結果:
この問題は本リリースで修正されました。新しいコンフィギュレーション・パラメータ LOGFILE を使用することで,ユーザはログ・ファイルの場所としてデフォルト以外の場所を指定できるようになりました。
| LOGFILE | failSAFE IP が作成するログ・ファイルのファイル指定を指定します。デフォルトは SYS$SYSDEVICE:[TCPIP$FSAFE]TCPIP$FAILSAFE_
node-name.log です。パラメータとファイルの場所は,次の例に示すように指定してください。
LOGFILE: DEV1:[STATS]FAILSAFE.LOG |
failSAFE IP のコンフィギュレーションについての詳細は,『 HP TCP/IP Services for OpenVMS Management 』を参照してください。
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