HP OpenVMS Systems Documentation |
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省略時の設定は,ユーザの省略時の設定の保護です。 /GROUP,/SHARE,および /SYSTEM 修飾子を使用して,ディスク・ボリュームの保護を設定することもできます。
磁気テープの場合は,ボリューム・ラベルの OpenVMS 固有の部分に保護コードが書き込まれます。システムは,読み込み (R) と書き込み (W) のアクセス制約だけを適用します。作成 (C) および削除 (D) のアクセスを指定しても無効です。さらに,システムとオーナには,指定した保護コードにかかわらず,磁気テープに対する読み込み (R) と書き込み (W) のアクセスが与えられます。
保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。属性を指定しない場合は,現在の省略時の設定の保護が適用されます。
ディスク・ボリューム全体に対する保護コードでは, E (実行) は作成を意味します。
INITIALIZE コマンドで /SHADOW および /ERASE 修飾子を指定すると,以下の操作が実行されます。
/ERASE 修飾子の使用を強くお勧めします。 /ERASE 修飾子を使用することで,マージ操作がかなり削減されます。ただし,/ERASE の使用には 2 つの副作用があり,ボリューム・シャドウイングを行う際には十分な検討が必要です。具体的には,ERASE ボリューム属性の設定と, /ERASE を使用してボリュームを初期化するための所要時間です。
/ERASE とともに /SHADOW を指定すると,ディスクが順次に消去されるため,コマンドの実行にかかる時間が 2 倍または 3 倍程度かかります。ディスクのサイズが大きい場合には,複数のディスクに対して同時に INITIALIZE/ERASE コマンドを (/SHADOW を使用せずに) 実行してディスクを消去するようにしてください。これらのコマンドがすべて実行されたら, INITIALIZE/SHADOW コマンドを (/ERASE を使用せずに) 実行してください。
一度 /ERASE および /SHADOW を使用して装置を初期化すると,これらの装置を最大で 3 つ,新しいホスト・ベースのシャドウ・セットのメンバとしてマウントできるようになります。
既存のシャドウ・セットに追加するディスクを初期化するときは, INITIALIZE/SHADOW コマンドを使用しないでください。これを使用しても何の利点もないからです。
ボリューム・シャドウイングの詳細については,『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』を参照してください。
DECram ディスクの場合,/SIZE は,使用可能なメモリから割り当てられるディスク (装置タイプ DT$_RAM_DISK) のサイズを指定します。装置のサイズは,ディスクの初期化の際に設定されます。
領域の割り当てを解除するには,/SIZE=0 を指定します。 DECram ディスクのために割り当てられていたすべてのリソースは,システムに戻されます。
n は,VAX システムあるいは V2.3 よりも前のバージョンの DECram のいずれかでは, 524,280 ブロックを超えることができないことに注意してください。 Alpha システムで動作している DECram V2.3 では, 67,108,864 ブロック (32GB) までをサポートします。
構造レベル 1 では,修飾子 /DATA_CHECK および /CLUSTER_SIZE について互換性がありません。構造レベル 1 のディスクの省略時の設定の保護では,システム,オーナ,およびグループにはフル・アクセス,他のすべてのユーザには読み込み (R) アクセスを許可します。
Alpha システムは ODS-1 のディスクをサポートしていないため,Alpha システムで 1 を指定すると,エラーが発生します。VAX システムは ODS-5 のディスクをサポートしていないため,VAX システムで 5 を指定すると,エラーが発生します。
ODS-5 のディスクについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。
システム・ボリュームを定義します。所有者 UIC の省略時の設定は,[1,1]です。省略時の設定の保護では,システム・プロセスだけが最上位ディレクトリを作成できる点を除いて,すべての所有権カテゴリにフル・アクセスを許可します。
ODS-5 ボリューム上でのハードリンクおよびアクセス日の自動更新を,可能または不可能にします。
デルタ時間 の省略時の設定は 1 秒で, POSIX の st_atimeで必要とされる「EPOCH からの経過秒数」時間インタフェースに準拠するよう選択された値です。サイトでは,より値の大きいデルタ時間を選択して, 1 秒単位の粒度が不要になった場合にもオーバヘッドを削減できます。
NOACCESS_DATES オプションが影響を与えるのは,コマンドを実行したノードだけです。その他のノードは,次にボリュームがマウントされるまでは,この変化の影響を受けません。
詳細は,『Guide to OpenVMS File Applications』を参照してください。
| #1 |
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$ INITIALIZE/USER_NAME=CPA $FLOPPY1 ACCOUNTS |
$FLOPPY1 のボリュームを初期化して,そのボリュームに ACCOUNT というラベルをつけ,さらに CPA というユーザ名を指定します。
| #2 |
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$ ALLOCATE DMA2: TEMP _DMA2: ALLOCATED $ INITIALIZE TEMP: BACK_UP_FILE $ MOUNT TEMP: BACK_UP_FILE %MOUNT-I-MOUNTED, BACK_UP_FILE mounted on _DMA2: $ CREATE/DIRECTORY TEMP:[GOLDSTEIN] |
この一連のコマンドは,RK06/RK07 ボリュームを初期化する方法を示します。まず装置が割り当てられて,他のユーザはアクセスできないようになります。次に,ボリュームが装置に物理的にマウントされ, INITIALIZE コマンドによって初期化されます。ボリュームが初期化された後, MOUNT コマンドによりファイル構造が使用できるようになります。ボリュームにファイルを配置するには,その前に CREATE/DIRECTORY コマンドを使用して,ディレクトリを作成しなければなりません。
| #3 |
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$ ALLOCATE MT: _MTB1: ALLOCATED $ INITIALIZE MTB1: SOURCE $ MOUNT MTB1: SOURCE %MOUNT-I-MOUNTED, SOURCE mounted on _MTB1: $ COPY *.FOR MTB1: $ DIRECTORY MTB1: . . . $ DISMOUNT MTB1: |
上記のコマンドは,磁気テープを初期化するのに必要な手順を示しています。ドライブを割り当てたら,そのドライブに磁気テープを挿入し, INITIALIZE コマンドを使用してそこにラベル SOURCE を書き込みます。次に,MOUNT コマンドで磁気テープをマウントして,ファイルの書き込みができるようにします。
| #4 |
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$ BACKUP filespec MUA0: ... /MEDIA_FORMAT=NOCOMPACTION- _$/REWIND |
この例では,圧縮とレコードのブロック化を禁止して, BACKUP テープを作成します。
| #5 |
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$ INITIALIZE/ERASE/SHADOW=($4$DKA1300, $4$DKA1301) NONVOLATILE $MOUN/SYS DSA42 /SHAD=( $4$DKA1300 , $4$DKA1301 ) NONVOLATILE %MOUNT-I-MOUNTED, NONVOLATILE MOUNTED ON _DSA42: %MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$4$DKA1300: (WILD3) IS NOW A VALID MEMBER OF THE SHADOW SET %MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$4$DKA1301: (WILD4) IS NOW A VALID MEMBER OF THE SHADOW SET $SHO DEV DSA42: DEVICE DEVICE ERROR VOLUME FREE TRANS MNT NAME STATUS COUNT LABEL BLOCKS COUNT CNT DSA42: MOUNTED 0 NONVOLATILE 5799600 1 1 $4$DKA1300: (WILD3) SHADOWSETMEMBER 0 (MEMBER OF DSA42:) $4$DKA1301: (WILD4) SHADOWSETMEMBER 0 (MEMBER OF DSA42:) |
この例は,INITIALIZE/ERASE/SHADOW コマンドの正しい使い方を示しています。同じ行で複数の装置を指定している点に注意してください。
キューの作成または初期化を行います。このコマンドを使用してキューを作成し,名前とオプションを割り当てます。バッチ・キューの作成には,/BATCH 修飾子が必要です。キューの作成には OPER ( オペレータ ) 特権,キューの変更には管理(M)アクセス権が必要です。
INITIALIZE/QUEUE キュー名[:]
キュー名[:]
実行キューまたは汎用キューの名前を指定します。キュー名には,1 〜 31 の文字列を使用します。文字列には,大文字と小文字の英文字,数字,ドル記号 ($),アンダスコア (_) を使用できます。ただし,英文字を少なくとも 1 つ含めなければなりません。
キューを作成するか,または終了している既存のキューのオプションを変更するには, INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用します。システムまたは OpenVMS Cluster システムをセットアップするときに,必要な INITIALIZE/QUEUE コマンドを実行して,出力キューとバッチ・キューを作成します。後から,必要に応じて INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用して,キューを作成して追加することができます。 INITIALIZE/QUEUE コマンドでキューを作成すると,キューについての情報がキュー・データベースに格納されます。
キューの作成と起動を同時に行う場合は, INITIALIZE/QUEUE/START コマンドを使用します。キューの作成だけを行い,別の時にそれを起動する場合は, INITIALIZE/QUEUE コマンドだけを実行します。後から START/QUEUE コマンドを入力すると,キュー起動できます。
INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE,および SET QUEUE コマンドによってキュー・オプションを変更できます。キュー・オプションを変更すると,キュー・データベース内のキューに関する情報が更新されます。
INITIALIZE および START コマンドは,終了したキューに対してのみ使用できます。動作中のキューのオプションを変更するには,SET QUEUE コマンドを使用します。 SET QUEUE コマンドで変更できないキュー・オプションを変更するには,次の手順に従ってください。
- STOP/QUEUE/NEXT コマンドでキューを終了します。
- START/QUEUE または INITIALIZE/QUEUE/START コマンドを使用してキューを再起動し,必要なオプションに合わせて適切な修飾子を指定します。
指定しない修飾子はすべて,以前にキューの初期化,起動,または設定を行ったときのままです。
既存のキューを初期化しても,そのキューに登録されている現在処理中のジョブは削除されません。新しい INITIALIZE/QUEUE コマンドによって設定された新しいキューの設定はすべて,キューで待機中のすべてのジョブ,またはこれからキューに登録されるジョブに作用します。キューの終了時に,キューで実行中のジョブはすべて,古い設定で実行されます。
次の修飾子は,汎用キューと実行キューで使用できます。
/OWNER_UIC
/PROTECTION
/[NO]RETAIN
/[NO]START
/NAME_OF_MANAGER次の修飾子は,すべての実行キューで使用できます。
/AUTOSTART_ON
/BASE_PRIORITY
/[NO]CHARACTERISTICS
/[NO]ENABLE_GENERIC
/[NO]NO_INITIAL_FF
/ON
/WSDEFAULT
/WSEXTENT
/WSQUOTA次の修飾子は,バッチ実行キューにのみ使用できます。
/CPUDEFAULT
/CPUMAXIMUM
/[NO]DISABLE_SWAPPING
/JOB_LIMIT次の修飾子は,プリンタ,端末,またはサーバの各実行キューにのみ指定できます。
/[NO]BLOCK_LIMIT
/[NO]DEFAULT
/FORM_MOUNTED
/[NO]LIBRARY
/[NO]PROCESSOR
/[NO]RECORD_BLOCKING
/[NO]SEPARATEキューには,いくつかのタイプがあります。キューは,汎用キューと実行キューの 2 つに分類できます。実行キューにジョブが送られると,ジョブはそのキューで実行され,汎用キューでは実行されません。汎用キューは,実行キューで実行されるジョブを保留します。
次に,汎用キューのいくつかのタイプを示します。
- 汎用バッチ・キュー:バッチ実行キューで実行するバッチ・ジョブを保留します。
- 汎用出力キュー: 出力キューで実行するジョブを保留します。汎用出力キューには,次の 3 つのタイプがあります。
- 汎用プリント・キュー:出力実行キューでプリントするプリント・ジョブを保留します。
- 汎用サーバ・キュー:出力実行キューで処理するジョブを保留します。
- 汎用端末キュー:出力実行キューでプリントするプリント・ジョブを保留します。
/GENERIC 修飾子は,キューを汎用キューとして指定します。次のいずれかの方法で,汎用キューがジョブを登録する実行キューを設定します。
- /GENERIC 修飾子を使用してキューのリストを指定すると,汎用キューに割り当てた実行キューに明示的に名前を付けることができます。
- 実行キューの作成時に /ENABLE=GENERIC 修飾子を指定すると,明示的なターゲット・リストを指定しない汎用キューからジョブを受け取る実行キューを指定できます。
実行キューと異なり,汎用キューはシステムがシャットダウンしたりキュー・マネージャが終了しても,自動的に終了しません。したがって,通常は,システムをリブートするたびに汎用キューを再起動する必要はありません。
キューのもう 1 つのタイプは,論理キューです。論理キューは特別なタイプの汎用キューで, ASSIGN/QUEUE コマンドで指定した実行キューでだけ,ジョブを実行できます。実行キューと論理キューの関係は,DEASSIGN/QUEUE コマンドで割り当てを取り消すまで有効です。
次に,実行キューのいくつかのタイプを示します。
- バッチ実行キュー---バッチ・ジョブを実行します。
- 出力実行キュー---プリント出力ジョブを処理します。出力実行キューには,次の3タイプがあります。
- プリンタ実行キュー--- シンビオントを起動して,プリンタのプリント・ジョブを処理します。
- サーバ実行キュー--- ユーザが作成したシンビオントを起動して,ジョブを処理します。
- 端末実行キュー--- シンビオントを起動して,端末プリンタのプリント・ジョブを処理します。
バッチ実行キューは,バッチ・ジョブを実行します。バッチ・ジョブは,バッチ・プロセスで 1 つまたは複数のコマンド・プロシージャの実行を要求します。
出力実行キューは,プリント・ジョブを処理します。プリント・ジョブは,シンビオント・プロセスで実行する 1 つのシンビオントによって, 1 つまたは複数のファイルの処理を要求します。省略時の設定のシステム・シンビオントは,ハードコピー装置 ( プリンタまたは端末 ) でファイルをプリントするように設計されています。ユーザが作成するシンビオントは,プリントまたは他のファイル処理を実行するように設計できます。サーバ・キューは, /PROCESSOR 修飾子で指定したサーバ・シンビオントを使用してジョブを処理します。サーバ・キュー・シンビオントは,ユーザが作成します。
/AUTOSTART_ON 修飾子または /ON 修飾子は,キューを実行キューとして指定して,キューを実行する場所を指定します。
/ON 修飾子を使用すると,キューを起動できる 1 つのノード ( バッチ・キューの場合 ),またはノードと装置 ( 出力キューの場合 ) を指定できます。 /ON 修飾子で初期化したキューは,明示的にキューを指定したコマンドで起動する必要があります。
/AUTOSTART_ON 修飾子を使用すると,キューを起動できる 1 つまたは複数のノード ( あるいはノードと装置 ) を指定できます。キュー・マネージャによってキューのノードが自動起動を許可されている場合は,そのキュー・マネージャによって, /AUTOSTART_ON 修飾子を使用して初期化したキューが自動的に起動します。
実行キュー ( バッチまたは出力のいずれか ) は,自動起動キューとして指定できます。ノードにあるキュー・マネージャの自動起動キューのすべてが 1 つのコマンドによって起動できるため,自動起動キューでは,長いキューのスタートアップ・プロシージャは必要ありません。
OpenVMS Cluster では,自動起動キューをいくつかのノードのうちの 1 つのノードで実行するように設定できます。この方法で設定したキューを実行しているノードがクラスタからはずれると,そのキューは,別のノードにフェイルオーバし,クラスタ内でそのまま使用できます。
/AUTOSTART_ON 修飾子は,実行キューを自動起動キューとして指定します。
/AUTOSTART_ON=(ノード::[装置][,...])
キューを自動起動実行キューとして指定し,キューを置くことができるノードまたはノードと装置を指定します。バッチ・キューの場合は,ノードだけ指定できます。クラスタでは,ノードがキューを要求する順序で,キューが実行できる 2 つ以上のノード ( またはノードと装置 ) を指定できます。これによって,キューを実行しているノードがクラスタから離れると,別のノードにそのキューをフェイルオーバできます。
/AUTOSTART_ON 修飾子を使用して INITIALIZE/QUEUE コマンドを実行する場合には, INITIALIZE/QUEUE コマンドで /START 修飾子を指定するか,または START/QUEUE コマンドを実行して,最初にキューの自動起動を有効にしなければなりません。ただし,キューを実行するノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドが実行されるまで,キューはジョブの処理を開始しません。
この修飾子は,/ON または /GENERIC 修飾子と同時に使用できません。ただし,既存のキューを再初期化する場合は,/ON 修飾子を指定して作成または起動してあったキューに対しては,/AUTOSTART_ON 修飾子を指定できます。これを実行すると,/ON 修飾子を無効になり,キューは自動起動キューになります。
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