HP OpenVMS Systems Documentation |
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ESC/P プリンタでは逆改行動作を行うコントロールコードを持っていません。このため以下の制御文字は無視されます。
| ・ CUU | Cursor up | |
| ・ PLU | Partial line up | |
| ・ RI | Reverse index |
日本語 ESCP トランスレータでサポートしている文字セットのうち以下の文字セットは ESC/P プリンタが持っていないため,日本語 ESCP トランスレータで用意されたフォント (以下内部フォント) を使用しています。このため ESC/P プリンタが持っているフォントと内部フォントのデザインが同一であることは保証されません。
また,ESC/P プリンタの英数カナ 15 CPI 文字セットは漢字に比べて文字の高さが低いデザインになっています (ESC/P プリンタの各機種に依存します)。この 15 CPI 文字セットは日本語 ESCP トランスレータが 12.86 CPI 以上の文字ピッチの場合に使用されます。
3.7.1.3 内部フォント
内部フォントには以下の制限があります。
アンダーラインには以下の制限があります。
二重アンダーラインは印刷できません。アンダーラインとして印刷されます。
3.7.1.6 反転文字
ESC/P プリンタでは反転文字を印字するためのコントロールコードを持っていません。日本語 ESCP トランスレータでは代用として反転文字を袋文字として印字します。
3.7.1.7 漢字罫線
漢字罫線は接続されません。
3.7.1.8 行間罫線
行間罫線はサポートされません。
3.7.1.9 プリローディング/オンデマンドローディング
1行中に GSM や DECDHL などを使って通常の文字と縦倍の文字を混在して印字した場合,LA88 と印字結果が異なる場合があります。また,行送りが通常よりも多く行われることがあります。
3.7.1.12 8.18 CPI 以下での印字
LA88 では 8.18 CPI 以下の文字ピッチでは倍幅の文字を使用して印字されますが,日本語 ESCP トランスレータではすべて通常の文字で印字されます。
3.7.1.13 その他
以下の制御文字,制御命令はサポートされません。無視されます。
| BEL | Bell | |
| CUU | Cursor up | |
| DA(1) | Primary Device attributes | |
| DA(2) | Secondary device attributes | |
| DECDEN | Select printing density | |
| DECDRLBR | Draw a ruled line between in pattern | |
| DECNVR | NVR save/restore | |
| DECRQUPSS | Request UPSS | |
| DECTST | Test | |
| DSR | Device status report | |
| PLU | Partial line up | |
| RI | Reverse index | |
| S7C1T | Select 7-bit C1 transmission | |
| S8C1T | Select 8-bit C1 transmission | |
| SGR | Select graphic rendition | |
| Faint | ||
| XOFF (transmit only) | ||
| XON (transmit only) | ||
3.7.2 TELNET プリント・シンビオントの既知の問題点と制限事項
反応していないプリンタに ESCJ$TELNETSYM がジョブのリンクを確立しようとしているときに DELETE/ENTRYコマンドを入力した場合,プリンタ・キューは ``ハング''します。キューをリセットするには,以下を入力します。
$ STOP /QUEUE /RESET |
ESC/P プリンタは ESC/P J84 に準拠していなければなりません。日本語ESCPトランスレータは EPSON VP--1800 シリアルプリンタをリファレンス機として採用し開発が行なわれています。
また,以下のプリンタは日本語 ESCP トランスレータの動作テストにおいて検証済みです。
EPSON VP--4100
EPSON VP--5100 +
EPSON VP--6000+
Fujitsu Printpartner 2400+
OKI MICROLINE 8350SE+
OKI MICROLINE 8370SE+
OKI MICROLINE 8580SE+
OKI MICROLINE 8720SE+
Fujitsu M3086V+
日立工機 KD45PC+
日立工機 KD20PC+
日立工機 KD50PC+
日立工機 KD28PC+
+ 第 3.9 節, ESC/P プリンタの既知の問題点と制限事項 を参照してください。 |
以下は動作検証された各プリンタ固有の問題点と制限事項です。
ここでは,文字集合とコードセットの用語について説明します。
4.1.1 文字集合(文字セット)
文字集合とは,一般的に,ある目的を満たす異なる文字の集合をいいます。日本語 OpenVMS では,標準で定められた以下の文字集合を使用します。
| 文字集合名称 | 規定する標準 |
|---|---|
| ASCII 文字集合 | ISO 646 |
| JIS ローマ字文字集合 | JIS X0201 |
| JIS カタカナ文字集合 | JIS X0201 |
| JIS 漢字文字集合 | JIS X0208 - 1983,
JIS X0213 - 2000 (I64/Alpha のみ) |
| DEC 拡張漢字文字集合 | なし |
コードセットとは,文字集合の文字を一定の手順によって符号化し,各文字に対応する数値を割り振ったものです。符号化の規約はそれぞれのコードセットによって違うため,同一の文字が,異なるコードセットでは異なる数値に割り振られることがあります。また,コードセットによって表現できる文字集合が違います。日本語 OpenVMS では, DEC 漢字コードセットおよび Super DEC 漢字コードセットを使うことができます。
4.1.3 漢字コード表
DEC漢字コードセット,SuperDEC漢字コードセットで使用する日本語文字(JIS漢字)のコードは,日本語EUCの漢字コードです。一般の漢字コード表で日本語EUCのコードを参照してください。ドキュメントによっては EUCやGR(8-bit JIS) と表記している場合もあります。
JIS規格票にもコード,部首索引,音訓索引は載っています。 JIS規格票は,日本工業標準調査会(JISC)のサイト (http://www.jisc.go.jp/) のJIS検索 (JIS規格番号:X0208) で PDFファイルを閲覧することができます。日本規格協会のサイト (http://www.jsa.or.jp/) では購入することができます。また『JIS漢字字典 (増補改訂版)』(芝野耕司編著,日本規格協会発行,2002)は規格票のデータなどを漢字コード表としたのもので,規格票本文も含まれています。
4.2 日本語 OpenVMS で使う文字の種類
日本語 OpenVMS では,標準で規定された文字集合を再規定し,次のような文字の種類を使うことができます。
図 4-1 漢字文字集合の構成および関連
日本語 OpenVMS では, 第 4.1.1 項 で述べた文字集合にコード付けして,DEC 漢字コードセットと Super DEC 漢字コードセットを定義しています。
4.3.1 DEC 漢字コードセット
DEC 漢字コードセットは ASCII( または JIS ローマ字 ) と JIS X0208-1983 を組み合わせたコードセットです。このコードセットでは漢字と ASCII ( または JIS ローマ字 ) を,第 1 バイトの最上位ビット (8 ビット目 ) で識別することができます。
| 文字集合 | ビット表現 | 16 進表現 |
|---|---|---|
| ASCII/JIS X0201 LH | (0xxxxxxx) | 20 - 7F |
| JIS X0208 | (1xxxxxxx 1xxxxxxx) | A1A1 - FEFE |
| DEC 拡張漢字 | (1xxxxxxx 0xxxxxxx) | A121 - FE7E |
| C0 Control | (000xxxxx) | 00 - 1F |
| C1 Control | (100xxxxx) | 80 - 9F |
ユーザ定義領域として DEC 拡張漢字領域の 1 〜 31 区 (2914 文字位置 ) を使用します。32 区〜 94 区は DEC 確保領域となっています。
図 4-2 は,DEC 漢字コードセットの漢字コードが, 2 バイト・コード空間でどのように定義されているかを示しています。
図 4-2 DEC漢字コードセットの漢字の割り当て
Super DEC 漢字コードセットは, DEC 漢字コードセットを SS2 ( 16 進数で 8E ) と SS3 ( 16 進数で 8F ) を用いて拡張し,JIS カタカナと JIS 補助漢字を扱えるようにしたものです。 DEC 漢字コードセットとは異なり Super DEC 漢字コードセットは,スクリーン上での見かけの長さと実際に記憶領域に占める文字列の長さが違うので,プログラミング等の際には,十分な長さの領域を用意するように注意する必要があります。
| 文字集合 | ビット表現 | 16 進表現 |
|---|---|---|
| ASCII/JIS X0201 LH | (0xxxxxxx) | 20 - 7F |
| JIS X0208 | (1xxxxxxx 1xxxxxxx) | A1A1 - FEFE |
| DEC 拡張漢字 | (1xxxxxxx 0xxxxxxx) | A121 - FE7E |
| JIS X0201 RH | (SS2 1xxxxxxx) | 8EA1 - 8EDF |
| JIS X0212 (未サポート) | (SS3 1xxxxxxx 1xxxxxxx) | 8FA1A1 - 8FFEFE |
| C0 Control | (000xxxxx) | 00 - 1F |
| C1 Control | (100xxxxx) | 80 - 9F |
ユーザ定義領域として DEC 拡張漢字領域の 1 〜 31 区 (2914 文字位置 ) を使用します。32 区〜 94 区は DEC 確保領域となっています。
図 4-3 は,SuperDEC 漢字コードセットの漢字コードが,どのように定義されているかを示しています。
Super DEC 漢字コードセットの JIS 補助漢字領域 は,現在サポートされていません。 |
図 4-3 Super DEC 漢字コードセットの漢字コードの割り当て
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