H    OpenVMS オペレーティング・システムの削除

この付録では,OpenVMS オペレーティング・システムをディスクから削除する方法を説明します。

OpenVMS オペレーティング・システムは,次の 2 通りの方法でディスクから削除できます。

注意

Instant Capacity 機能をサポートしているシステムでは,ディスクからオペレーティング・システムを削除しても,CPU のステータス (利用可能なコアの数と,それらのコアが利用可能な状態にある時間) は影響を受けません。 その理由は,CPU のステータスが,Integrity サーバの NVRAM に格納されているからです。

OpenVMS オペレーティング・システムのファイルを削除するには,次の手順を実行します。

  1. システム・ディスクにシステム専用のルートが複数個存在する場合は,システムをブートした後 SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG.COM を実行して,そのブートに使用したルート以外のルートをすべて削除します。

  2. システムをシャットダウンして,配布メディア (または OpenVMS を削除しようとしているディスク以外のシステム・ディスク) からブートします。 続いて,次のどちらかの操作を行います。

  3. 次の各 DCL コマンドを実行します。

       $ DEFINE/NOLOG PCSI$SYSDEVICE target-disk
       $ DEFINE/NOLOG PCSI$SPECIFIC target-disk:[SYSx.]
       $ DEFINE/NOLOG PCSI$DESTINATION target-disk:[VMS$COMMON]
     
    

    説明

  4. ディスクに PCSI ユーティリティでインストールしたレイヤード・プロダクトが存在する場合は,それらも削除することをお勧めします。 レイヤード・プロダクトの削除は,必ず PRODUCT REMOVE VMS コマンドのに実行してください。

    次のコマンドを使用すると,すべてのレイヤード・プロダクトを一度に削除できます。 削除するプロダクトをメニューから選択します。

       $ PRODUCT REMOVE * /REMOTE
     
    

    レイヤード・プロダクトを 1 つずつ削除する場合は,次のコマンドを使用します。

       $ PRODUCT SHOW PRODUCT/REMOTE
       $ PRODUCT REMOVE product-name /REMOTE
     
    

  5. 次の DCL コマンドを実行します。

       $ PRODUCT REMOVE VMS /REMOTE
     
    

  6. PRODUCT REMOVE コマンドを実行しても,一部のファイルは削除されません。 ターゲット・ディスクの内容をチェックして,オペレーティング・システムのファイルが残っていれば,それを削除するか,移動するか,あるいはアーカイブするかを選択します。

    PRODUCT REMOVE コマンドでは削除できないファイルを次に示します。

    以上のファイルでも次の各ファイルについては,削除よりアーカイブを選択した方が適切な場合もあります。

    レイヤード・プロダクトを削除しても,それらのプロダクトによって作成されたファイルがあれば,それらも削除,移動,またはアーカイブの候補になります。

  7. OpenVMS オペレーティング・システムを削除したら,ターゲット・ディスクに残っている [VMS$COMMON...] ディレクトリと [SYSx...] ディレクトリの内容を調べます。 これらのディレクトリが不要であれば,削除してかまいません。

    どの [SYSx] にも [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルがありますが,それらはすべて [000000]VMS$COMMON.DIR ファイルの別名になっています。 これらの SYSCOMMON.DIR ファイルについては,直接削除しないで,次のように SET FILE /REMOVE コマンドを実行してください。

       $ SET FILE /REMOVE [SYS*]SYSCOMMON.DIR
     
    

    このコマンドを実行して [VMS$COMMON...] 内のファイルをすべて削除,移動,またはアーカイブすれば,[000000]VMS$COMMON.DIR を削除できます。 最後に,各 [SYSx] ディレクトリ内のファイルを削除,移動,またはアーカイブします。