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HP OpenVMS Systems
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OpenVMS

OpenVMS
ユーザーズ・マニュアル


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7.14.8 終了または制御の移行

Mail を終了したり,制御を移行するには,次のコマンドを使用します。

7.14.9 メール・ファイルの圧縮

メール・ファイルを圧縮するには,次のコマンドを使用します。

7.14.10 システム管理コマンド

次のコマンドはシステム管理のために使用します。

7.15 MIME ユーティリティ

MIME(多目的インターネット・メール拡張機能)は,テキスト以外のファイルをメール・メッセージに添付するために使用される標準規則です。MIME ユーティリティにより,MIME エンコードしたメール・メッセージを作成,あるいは読み込むことができます。MIME を使用すると,グラフィックスや音声ファイルなどのテキスト以外のファイルを,プレーン・テキストとしてエンコードして送信することができます。ただし,このテキストは読めません。MIME ユーティリティは,MIME ファイルを元の形式にデコードすることができ,また MIME エンコード・ファイルを作成できます。このファイルを OpenVMS Mail ユーティリティを使用してメール・メッセージとして送信することができます。

7.15.1 MIME ユーティリティの起動

MIME のためのフォーリン・コマンドは,システム管理者によって設定済みのはずですが,設定されていない場合は,LOGIN.COM: に次の行を追加することによって設定できます。


$ MIME :== $SYS$SYSTEM:MIME.EXE 

MIME では,MIME エンコード・テキスト・ファイルのみを開きます。まず Mail で MIME エンコード・メッセージをテキスト・ファイルに抽出する必要があります(詳細については 第 7.6.3 項 を参照)。

DCLプロンプトから MIME ユーティリティを起動するには,次のように入力します。


$ MIME ファイル名.TXT 

ファイル名修飾子はオプションです。指定したファイルが存在する場合,そのファイルは,READ_ONLY で開けられます。

MIME ユーティリティでは,To: フィールドや From: フィールドなどのヘッダ情報が作成されません。MIME ユーティリティでは MIME ヘッダとメッセージの本体テキストのみが作成され,後でテキストは Mail が送信するファイルに保存されます。指定したファイルに認識可能なヘッダまたは RFC822 ヘッダがあると,ファイルは開かれ,省略時ののアクセス許可は /READ_ONLY となります。

指定ファイルに認識可能なヘッダがない場合やそのファイル自体がない場合,OPEN FILE ERROR メッセージが表示されます。

MIME エンコード・メッセージを表示するシステム単位の省略時の設定は, MIME$MAILCAP.DAT と MIME$FILETYPES.DAT という 2 つのファイルを作成して定義できます。

MIME$MAILCAP.DAT には,それぞれローカル認識されるコンテンツ・タイプの MIME エンコード・ファイルを定義するアプリケーションが組み込まれています。MIME$FILETYPES.DAT では,それぞれのコンテンツ・タイプをファイル拡張子に関連付けます。ユーザは,SYS$LOGIN にこれらのファイルを作成して省略時の設定に上書きできます。

7.15.2 MIMEユーティリティの初期化

MIME ユーティリティを開始すると,初期化プロセスが以下のステップで行われます。

  1. ユーザの VMSmail プロファイルで,MIME ユーティリティは,MIME ユーティリティで使用するためのユーザのメール・ディレクトリと省略時のエディタを探します。

  2. MIME ユーティリティは,ファイル MIME$MAILCAP.DAT と MIME$FILETYPES.DAT を読み取ります。

  3. MIME ユーティリティは,以下の内部省略時の設定リストを参照します。

7.15.3 オプションのMIMEユーティリティ・ファイルの作成

表 7-1 に,システム上の MIME ユーティリティをカスタマイズするときに作成する可能性のあるファイル名と説明を示します。

表 7-1 MIMEユーティリティのオプション・ファイル
ファイル 目的
MIME$MAILCAP.DAT 入力メッセージの表示と構文解析用
MIME$FILETYPES.DAT 出力アタッチ・ファイルへのコンテンツ・タイプ割り当て用

以上のファイルはSYS$LOGINディレクトリに配置します。

7.15.3.1 MIME$MAILCAP.DATファイル処理

MIME$MAILCAP ファイル形式は,RFC 1524,1993 年 9 月発行の N. Borenstein 著,『A User Agent Configuration Mechanism for Multimedia Mail Format Information』に端を発します。MIME ユーティリティでは,このファイルの命令でメッセージとアタッチメントを解釈,表示します。これらの命令により,MIME ユーザ・エージェントは外部プログラムを呼び出して MIME メッセージであるコンテンツ・タイプを表示します。

MIME$MAILCAP.DAT ファイルをカスタマイズして,特定のコンテンツ・タイプの FDL(File Descriptor Language)を指定すれば,特定のコンテンツ・タイプでシステムのメッセージ・パーツを抽出できます。例 7-1 は,MIME$MAILCAP.DAT ファイルの例です。

注意

プログラム名の参照は,論理名か有効なファイル指定とします。

例 7-1 MIME$MAILCAP.DATファイル

# 
# MIME$MAILCAP.DAT 
# 
# Local customizations of content types and processing options 
# 
# Use xv.exe to display images 
image/*; xv %s 
# 
# Use Netscape for html attachments 
text/html; netscape %s 
# 

7.15.3.2 MlME$FILETYPES.DATファイルの処理

オプションの MlME$FILETYPES.DAT ファイルには,互いに関連付けられた OpenVMS ファイル拡張子と MIME コンテンツ・タイプのリストがおさめられています。ADD コマンドの処理では,構成するメッセージにアタッチする OpenVMS ファイルのコンテンツ・タイプを FILETYPE 構造で指定します。

ファイル形式の構文は,MIME$MAILCARDAT ファイルの構文に似ており,コメントは "#" 文字で表します。ファイルの各行には拡張子を 1 つ(前に'.'なし),続けてコンテンツ・タイプ,拡張子を使用するファイルに関連付けられたサブタイプを指定します。

オプションで,行には Content-Transfer-Encoding 文字列(7 ビット,8 ビット,Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列)を追加できます。これは,メッセージの伝送字にファイル・コンテンツをエンコードする文字列です。7 ビット,8 ビット,Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列は,標準 MIME エンコードであり,これ以外は使用できません。エンコードを指定しないと,MIME ユーティリティは7ビットが使用されます。

7.15.4 MIME ユーティリティを使用した MIME エンコード・ファイルの抽出

MIME ユーティリティを使用して MIME エンコード・ファイルを抽出するには,まずデコードしたいファイルをオープンします。ファイル名を指定して MIME ユーティリティを起動するか,または MIME ユーティリティでファイルをオープンするといういずれかの方法で,ファイルをオープンすることができます。EXTRACT コマンドは,ネイティブ・ファイル形式または /FDL 修飾子で指定した別の形式で指定アタッチメントを抽出します。

以下に示すのは,メッセージ・ファイルを開き,読み取り可能なテキストでメッセージを表示し,メッセージ属性をリストするための代表的な MIME ユーティリティ・コマンドです。


MIME> OPEN file-name
MIME> READ 
MIME> LIST 

アタッチメントを抽出するには,以下のコマンドを入力します。


MIME> EXTRACT /ATTACHMENT=n destination-file-name

アタッチメントを単独で指定するには,/ATTACHMENT=n 修飾子を追加します。これで,抽出するアタッチメント番号を指定します。また指定アタッチメントを出力ファイルに変換するときに使用する FDL(File Descriptor Language)定義ファイルを指定する /FDL= ファイル名も使用できます。各アタッチメントの番号は,LIST コマンドで表示します。

MIME ユーティリティで使用するコマンドの全リストは,第 7.15.6 項 を参照してください。

7.15.5 MIME ユーティリティを使用したファイルのエンコード

アタッチメントとして送信するファイルをエンコードするには,まず MIME ユーティリティを呼び出してNEWコマンドを指定して新しいファイルを作成します。ファイル名を指定しないと,NEW のプロンプトでファイル名が要求されます。


$ MIME NEW new-file-name

また,MIME ユーティリティでは OPEN コマンドでドラフト・メッセージ・ファイルを開くことができます。


MIME> OPEN/DRAFT file-name

以前のセッションで作成したファイルをオープンするには,コマンドに修飾子 /DRAFT を指定します。

ファイルに添付ファイルを追加するには,次のコマンドを入力します。


MIME> ADD ファイル名

このコマンドのオプションの修飾子の全リストは,第 7.15.6 項 を参照してください。

このファイルに現在の情報を書き込むには,SAVE コマンドを使用します。いったんセーブすると MIME エンコード・ファイルは,OpenVMS Mail ユーティリティを使用してファイルとして送信することができます。

MIME ユーティリティを終了するには,QUIT または EXIT コマンドを入力します。

MIME ユーティリティで使用できるコマンドの完全なリストについては,第 7.15.6 項 を参照してください。

7.15.6 MIME ユーティリティ・コマンド

以下のリストに,コマンド,パラメータ,MIME ユーティリティで使用できる修飾子について説明します。説明の後にそれぞれ例を示します。

ADD --- 新しい本体部分または添付ファイルを編集しているメッセージに追加します。ADDコマンドには,パラメータとして添付したいファイルの名前が必要です。オプションの修飾子は次のとおりです。


MIME> ADD ファイル名/TEXT 

CLOSE --- 現在のメッセージ・ファイルをクローズします。最新の変更内容を保存していない場合には,クローズする前に MIME ユーティリティがプロンプトで知らせます。ファイルが /READ_ONLY である場合は,ファイルは変更されません。


MIME> CLOSE 

EDIT --- 指定された添付ファイルに対するユーザの省略時設定のテキスト・エディタを起動します。


MIME> EDIT attachment-number

EXIT --- 処理中の作業を保存して,MIMEエディタを終了します。


MIME> EXIT 

EXTRACT - ネイティブ・ファイル形式でファイルに指定アタッチメントを抽出します。


MIME> EXTRACT ファイル名/ATTACHMENT=n 

HELP --- MIME ユーティリティのヘルプ・ファイルを表示します。


MIME> HELP 

LIST --- 本体部分およびアタッチメント番号のような属性のリストを含む現在のメッセージに関する情報を表示します。


MIME>  LIST 

NEW --- 新しいメッセージを作成します。


MIME>  NEW ファイル名 

OPEN --- 指定されたファイル名を持つメッセージをオープンします。使用できる修飾子は次のとおりです。


MIME> OPEN ファイル名/NEW 

QUIT --- 現在のメッセージを保存せずに,現在の MIME 編集セッションを強制終了します。


MIME> QUIT 

READ --- 読み取り可能なテキストで現在のメッセージを表示します。必要に応じてアタッチメントを表示します。


MIME> READ 

REMOVE --- 現在のメッセージから指定された添付ファイルを削除します。


MIME> REMOVE 1 

SHOW --- 指定したオプションにもとづいて,MIME 環境に関する情報を表示します。使用できるオプションは,CONTENT_TYPE,FILE_TYPES,VERSION です。


MIME> SHOW option 

SAVE --- 現在のメッセージをファイルに書き込みます。ファイル名が指定されている場合は,それを使用します。


MIME> SAVE ファイル名


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