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HP OpenVMS Systems
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日本語 HP OpenVMS

日本語 HP OpenVMS
V8.3 リリース・ノート


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2.7.2 文節学習データについての注意

文節学習辞書に学習されたデータのうち,古い文節学習データは自動的に消えるように設計されていますが,短い読みで学習された文節が増えた場合,不適切な読みに一致して変換結果に悪影響を与えることがあるので注意してください。文節学習辞書ファイル (JSY$LEARN.DAT) を消すと,文節学習データは失われますが,変換できなくなることはありません。

2.8 日本語入力プロセス(FIP)

2.8.1 横スクロールの問題

表示エリアが 8 文字以下の場所に FIP で入力を行う場合,横スクロール機能が正しく動作しません。

2.8.2 入力バッファサイズ限界での問題

アプリケーションの QIO 入力バッファサイズと同じ長さのデータを FIP で入力した場合,最後の文字が次の入力バッファに再入力されてしまうことがあります。

2.8.3 1 バイトのバッファでの問題

アプリケーションの QIO 入力バッファサイズが1バイトの場合, FIP で入力すると入力文字列の表示が乱れることがあります。

2.8.4 JIS カナ使用の指定

ユーザ・キー定義 PROFILE 中で,JIS カナ(半角カナ)コードを使用しない設定の場合でも,半角カナ変換を実行すれば JIS カナの入力ができます。

2.9 漢字ターミナル・ドライバ

2.9.1 漢字ターミナル・ドライバの罫線変換機能

KANJIGENユーティリティ で,DEC 漢字 1978 年版に設定されている端末に対しては,漢字ターミナル・ドライバが 8 区の罫線を拡張漢字 94 区の罫線に変換して出力しますが,この変換処理には以下のような制限事項があります。

2.9.2 マルチ・セッション時のオンデマンド・ローディング

1 つの端末からターミナル・サーバ経由で,複数のセッションを使ってオンデマンド・ローディングを行う場合は次の制限事項があります。

2.10 PRINT

2.10.1 /WRAP と /WIDTH の組み合せ

PRINT で,/FORM 修飾子に指定されたフォームにおいて, /WIDTH と /WRAP が同時に指定されていた場合, /WIDTH で指定された印字数よりも長いラインを印刷すると,ラップされた部分が改行されず,重ねて印字されてしまいます。必ず /NOWRAP を指定したフォームを使用してください。

2.11 ヘルプの制限事項

日本語 OpenVMSでは,日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用のヘルプ・ライブラリとして,ディレクトリ JSY$HELPにJSYHELP.HLB を提供しています。日本語 OpenVMS 上で動作するアプリケーション・ソフトウェアの中には,そのソフトウェアのヘルプを,JSY$HELP に日本語で提供するものもあります。

これらのヘルプを,DCL のヘルプ・コマンドから簡単に参照できるように,日本語 OpenVMS では JSY$HELP:JSYHELP を論理名 HLP$LIBRARY に割り当てています。この論理名に割り当てられたヘルプ・ライブラリは, MAIL ユーティリティなどの HELP サブコマンドからも参照されるようになります。この結果,たとえば,MAILユーティリティの中で,HELP KCODE と入力すると日本語ヘルプの KCODE コマンドについての説明が表示されます。

JSY$SWITCH コマンド・プロシージャで JAPANESE に設定されている場合,日本語に翻訳された HELPLIB.HLB が最初に参照されるヘルプ・ライブラリになります。このヘルプには,通常よく参照されると思われるトピックの日本語版が入っていますが,すべてのトピックが日本語化されているわけではありません。日本語化されていないトピックについては,オリジナル(標準版)のヘルプが参照されるよう,オリジナルのヘルプ・ライブラリが論理名 HLP$LIBRARY に割り当てられます。この次に,前述の日本語 OpenVMS が提供するユーティリティ用の JSYHELP.HLB が割り当てられます。この場合もJSYHELPの場合と同様に,いくつかのユーティリティの HELPサブコマンドから,オリジナルのヘルプ・ライブラリが参照されます。


       $ MAIL 
       MAIL> HELP KINQUIRE                             
 
       KINQUIRE 
 
          ローマ字/かな・漢字変換型 INQUIRE コマンド 
 
          KINQUIRE は INQUIRE コマンドの「ローマ字/かな・漢字変換版」です。 
                                ・ 
                                ・ 
 
       $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH JAPANESE 
       $ MAIL 
       MAIL> HELP @HELPLIB SHOW 
 
       SHOW 
 
       Displays information about the current status of 
       the process, the system, or devices in the system. 
 
       Format: 
 
         SHOW option 
 
                               ・ 
                               ・ 

2.12 DEC XTPU

2.12.1 DEC XTPU のヘルプ表示の問題 (I64のみ)

V8.3 I64

日本語 EVE の中での最初のヘルプ表示,または XTPU の HELP_TEXT組み込みプロシージャの最初の呼び出しは,正しく処理されずにエラーが表示されます。この場合,再実行すると正しくヘルプが表示されます。

2.12.2 XTPU で ISO-2022-JP コードセットを使用する場合

VAX 版 DEC XTPU では,ISO-2022-JP コードセットに無い文字を ISO-2022-JP コードセットで強制的にファイルに出力しようとすると, Access Violation を起こして XTPU がクラッシュします。

ISO-2022-JP コードセットを使う場合は, JIS ローマ字 (ASCII) と漢字 (JIS X0208) のみを使用してください。

2.12.3 XTPU で UCS-2 コードセットを使用する場合

UCS-2 では文字が 2 バイトで表現されるため,OpenVMS では改行文字を正確に処理することができません。そのため Windows NT との間で UCS-2 テキストを交換すると,複数の行が1行に繋がってしまったり,行頭に不正な文字が追加される等の問題が発生する場合があります。

2.12.4 個人辞書の指定

DEC XTPU では,使用する個人辞書を /KANJI_DICTIONARY 修飾子で指定することができますが,個人辞書の論理名 JSY$KOJIN を使用して以下のような指定を行うことはできません。


        $ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=JSY$KOJIN 

この指定を行った場合,「%XTPU-E-OPENDIC,error opening the dictionary file」のエラー・メッセージが表示されます。

2.13 日本語画面管理ライブラリに関する制限事項

2.13.1 ルーチンの制限事項

日本語画面管理ライブラリ (日本語 SMG) では,次のルーチンに,以下に述べる制限事項があります。
SMG$READ_COMPOSED_LINE
SMG$READ_STRING
SMG$READ_VERIFY

2.13.2 英語版 SMG対応のアプリケーションで日本語SMG を使用する場合の制限事項

日本語 SMG は,英語版 SMG に対して,基本的に上位互換となっていますが,英語版 SMG を前提に作られているアプリケーションに対して日本語 SMG を使用することはできません。使用した場合,問題が発生することがあります。これは一部サポートされない機能,あるいは動作が異なる場合があるためです。具体的には,


         $ DEFINE SMGSHR JSY$SMGSHR 

と論理名を定義してある場合に,英語版のアプリケーションでも日本語の使用が一部可能となります。ただし,これらは結果としてそうなるだけで,サポートされている使用方法ではありません。上記のように論理名を定義してご使用中に,なんらかの問題が生じた場合には,SMGSHR の論理名を以下のように解除してください。


         $ DEASSIGN SMGSHR 

日本語 SMG を使用する場合は,日本語 SMG が提供する機能に応じて,アプリケーションを JSY$SMGSHR.EXE とリンクして使用してください。

2.13.3 VT500 端末サポートの制限

日本語 SMG では次のルーチンで VT500 端末をサポートしません。これらのルーチンで VT500 固有の属性を引き数で指定しても無視されます。

SMG$GET_KEYBOARD_ATTRIBUTES
SMG$GET_PASTEBOARD_ATTRIBUTES
SMG$SET_TERM_CHARACTERISTICS

2.14 その他の制限事項

2.14.1 KCODE

KCODE ユーティリティを使用してファイルのコード変換を行った場合,入力ファイルと出力ファイルの各レコードのバイト数は,変化しません。また,1バイト・コードと漢字コードが混在して使用されている場合,シフト・コードは挿入されませんので,1バイト・コードと漢字コードの区別がつかなくなります。したがって,逆変換を行っても,データはもとには戻りません。

2.14.2 KCONVERT

KCONVERT ユーティリティでは,/MODE 修飾子によって,変換フィールドの最初が漢字で始まるか,半角カタカナで始まるかを指定しますが, /FIELD 修飾子の指定が,漢字の 2 バイト目から始まるような指定になっている場合であっても,/FIELD で指定された位置から変換します。このような指定が行われた場合,変換結果は保証されません。

2.14.3 KANJIGEN

アプリケーション・キーパッドを使用するアプリケーションで KANJIGEN の設定を文字単位編集機能を有効にして使用する場合,端末の制御文字の設定を 7 ビットにしてください。

2.14.4 KANJITERM.COM

KANJITERM.COM は,端末装置の属性を設定するためのコマンド・プロシージャですので,バッチ・ジョブやネットワーク・ジョブで使用することはできません。 KANJITERM.COMは,その中でジョブのモードをチェックし, INTERACTIVEモードでない場合には何も実行せずに終了します。

KANJITERM.COM は日本語 OpenVMS VAX ワークステーション・ソフトウェアと日本語 DECwindows のターミナル・エミュレータについてはサポートしていません。

2.14.5 JDICEDIT

JDICEDIT をバッチ・ジョブで使用した場合, illegal I/O function code のエラーでアボートします。

個人辞書にユーザ定義文字を登録した場合,EDIT サブコマンド使用時における画面上では正しく表示されません。ただし,登録されたユーザ定義漢字を,かな漢字変換に用いることには問題ありません。

個人辞書に追加登録できる単語の数は,最大約 100,000 語です。ただし,登録単語数が増加すると,かな漢字変換時の単語の検索に時間がかかるようになります。実用上の登録単語数の上限は,約 30,000 語と考えてください。

2.14.6 SNAPSHOT ファシリティ(VAX のみ)

日本語 OpenVMS VAX V7.3 で SNAPSHOT ファシリティを使用して再立ち上げを行う場合,次のような警告メッセージが表示されますが, システムの運用には差し支えありません。


 
    %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FIDRIVER is not certified for a snapshot 
    %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FHDRIVER is not certified for a snapshot 
    %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, ASDRIVER is not certified for a snapshot 
    %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, SYS$COMMON:[SYS$LDR]JSY$RMS_EXTENSION.EXE is    
    not certified for a snapshot 
 

2.14.7 Hypersort (高性能 Sort/Merge)

Alpha V7.0

OpenVMS Alpha V7.0 から提供されるようになった, Hypersort は日本語文字列のソート,マージを行うことができません。日本語文字列のソート,マージを行うには従来のソート,マージ機能をご利用ください(特別な設定を行わない限り, SORT,MERGE コマンドでは従来のソート,マージ機能が呼び出されます)。

2.14.8 JLB$GET_INPUT

日本語ライブラリの漢字変換入力ルーチン,JLB$GET_INPUT では,入力した文字がエコーバックされるのは画面上の 1 行だけで,それを越える場合,次の行にラップされません。1 行に入り切れない分は画面にエコーバックされませんが,第 1 引数で指定した入力文字列の最大サイズまで書き込むことができます。このとき,プロンプト文字列にボールドや下線などのエスケープ・シーケンスが含まれていると,その分画面にエコーバックされる範囲が小さくなり,見かけ上入力できる文字数が少なくなりますが,実際には入力文字列のサイズ分の入力が可能です。

2.14.9 日本語環境設定ユーティリティ (JSY$CONTROL)

SET LOCALE コマンドで ja_JP.SJIS を設定してもロケールをサポートしていない日本語端末ドライバ,日本語メッセージ,および日本語ヘルプは正しく動作しませんので, SET LOCALE コマンドでは ja_JP.SJIS を設定しないようにしてください。

ユーザ・アプリケーションで Shift JIS ロケールを設定したい場合は, DCL の DEFINE LANG コマンドを使用してください。


$ DEFINE LANG ja_JP.SJIS 


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