この章では,OpenVMS Cluster 環境で行うアップグレードのための準備作業について説明します。
OpenVMS Cluster 環境ではなく,スタンドアロン・システムをアップグレードする場合は,第 6 章へ進んでください。
5.1 OpenVMS Cluster 環境で行うアップグレード前の作業
注意
OpenVMS Cluster システムをアップグレードする前に,第 4 章に説明されている前作業を,必ず実施してください。
表 5-1
に,OpenVMS の環境でシステムをアップグレードする前に実施すべき作業を示します。
このチェックリストを使用して,必要な作業をすべて確実に実施してください。
表 5-1: OpenVMS Cluster 環境で行うアップグレード前の作業チェックリスト
| 作業 | 説明箇所 | |
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OpenVMS オペレーティング・システムと OpenVMS Cluster の関連ドキュメントに目を通す。 | 5.2 節 |
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OpenVMS Cluster システムにおけるバージョンの混在 (複合バージョン),アーキテクチャの混在 (複合アーキテクチャ),および移行のそれぞれのサポートについて理解を深める。 | 5.3 節 |
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既存の OpenVMS Cluster に新しい OpenVMS コンピュータ・システムを追加する場合は,2 つのアップグレード方法からどちらかを選択する。 | 5.4 節 |
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次のどちらのアップグレードを実施するかに合わせて,必要な準備作業を実施する。
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アップグレードを開始する。 | 第 6 章 |
OpenVMS Cluster 環境でオペレーティング・システムをアップグレードする場合は,次のドキュメントを入手して,目を通してください。
OpenVMS V8.3 のドキュメント
配布キットに含まれている『Cover Letter for HP OpenVMS Version 8.3』,『日本語 OpenVMS V8.3 をご使用のお客様へ』,およびソフトウェア仕様書
『HP OpenVMS V8.3 リリース・ノート[翻訳版]』
『HP OpenVMS V8.3 新機能説明書』
OpenVMS V8.2 のドキュメント
次のドキュメントは改訂されていませんが,その内容は OpenVMS V8.3 にも適用されます。
『HP OpenVMS Cluster システム』
『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』
5.3 OpenVMS Cluster 環境での複合バージョンのサポート
OpenVMS Cluster システムでは,バージョンの異なるシステムが混在する構成 (複合バージョン) やアーキテクチャの異なるシステムが混在する構成 (複合アーキテクチャ) が,保証サポートと移行サポートという 2 つのレベルでサポートされています。
保証サポート ― OpenVMS Cluster で弊社の指定する 2 つのバージョンが混在することを正式に認定するとともに,その構成を使用している顧客から報告されたすべての問題に対応するサポート・レベルです。
移行サポート ― OpenVMS の新しいバージョンへ段階的に移行している過程で,特定バージョンの併用を認定するサポートです。 このサポート・レベルでもお客様から報告された問題に対応しますが,その解決策のひとつとして,保証構成への移行をお願いすることがあります (特別なケースは除きます)。 移行サポートは,保証されている OpenVMS Cluster から他の保証されている OpenVMS Cluster へ移行する際に役立ちます。
表 5-2
に,クラスタで保証サポートの対象となるバージョンの組み合わせを示します。
表 5-2: クラスタで保証サポートの対象となるバージョンの組み合わせ
| 使用しているシステム | 保証される組み合わせ |
OpenVMS Alpha V8.3 |
OpenVMS Alpha V8.3 と OpenVMS I64 V8.3 または次の組み合わせ OpenVMS Alpha V8.3 と OpenVMS VAX V7.3 |
OpenVMS I64 V8.3 |
OpenVMS I64 V8.3 と OpenVMS Alpha V8.3 |
注意
OpenVMS Cluster 内で混在させることが可能なアーキテクチャは 2 つだけです (OpenVMS I64 と OpenVMS Alpha,または OpenVMS Alpha と OpenVMS VAX)。 OpenVMS I64 と OpenVMS VAX の組み合わせはサポートされていません。 同じ OpenVMS Cluster 内でサポートされているバージョンは,どのアーキテクチャでも 1 つだけです (OpenVMS Alpha と OpenVMS I64 は V8.3,OpenVMS VAX は V7.3)。
システム・ディスクは,アーキテクチャごとに固有です。そのため,システム・ディスクを共用できるのは,アーキテクチャが同じシステム間だけです。 Alpha システムと I64 システム,また Alpha システムと VAX システムは,同じシステム・ディスクからブートできません。 しかし,Alpha システムと VAX システムの間では,クロス・アーキテクチャのサテライト・ブートがサポートされています。 このクロス・アーキテクチャ・ブートが利用できるような OpenVMS Cluster を構成するときは,混在しているアーキテクチャごとに,インストール/アップグレードに使用できるディスクを備えたシステムを,少なくとも 1 台ずつ確保してください。 詳細は,『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』と『HP OpenVMS Cluster システム』を参照してください。
表 5-3
に,移行サポートの対象となるバージョンの組み合わせを示します。
表 5-3: 移行サポートの対象となるバージョンの組み合わせ
| 使用しているシステム | V8.3 へ移行するバージョンとして組み合わせ可能なもの |
OpenVMS Alpha V8.3 または OpenVMS I64 V8.3 |
OpenVMS Alpha V8.2 OpenVMS Alpha V7.3-2 OpenVMS I64 V8.2-1 OpenVMS I64 V8.2 |
有効なアップグレード・パスについての情報は,4.3.1 項を参照してください。
詳細は,次に示す OpenVMS テクニカル・ソフトウェア・サポート・サービスの Web サイトを参照してください。
http://www.hp.com/go/openvms/support
また,次の Web サイトにある OpenVMS オペレーティング・システムのサポート・チャートもご覧ください。
http://www.hp.com/go/openvms/supportchart
既存の OpenVMS Cluster に OpenVMS V8.3 システムを導入する場合は,その前に OpenVMS の旧バージョンが動作しているクラスタ・メンバへパッチ・キット (修正キット) をインストールしなければならないこともあります。 複合アーキテクチャ・クラスタでは,OpenVMS V7.3-2 Alpha の全メンバに,LMF パッチをインストールする必要があります。 必要なパッチ・キットは,『HP OpenVMS V8.3 リリース・ノート[翻訳版]』にすべて記載されています。
OpenVMS Cluster で Performance Data Collector 基本ソフトウェア (TDC_RT) をサポートする方法については,7.9.8.5 項を参照してください。
5.4 OpenVMS Cluster への新しいシステムの追加
既存の OpenVMS Cluster 構成に新しい OpenVMS V8.3 Alpha システムまたは OpenVMS V8.3 I64 システムを追加する場合は,クラスタ内のすべての既存 OpenVMS Alpha ノードで V7.3-2 以降の OpenVMS Alpha が動作していることと,すべての既存 OpenVMS I64 ノードで V8.2 以降の OpenVMS I64 が動作していることが必要です。 同じクラスタ内でこれらのバージョンより古い OpenVMS が動作しているノードはすべて,V8.3 ノードを追加する前に適切なバージョンへアップグレードする必要があります。 また,VAXcluster で V7.3 より古いバージョンの OpenVMS VAX が動作しているノードはすべて,OpenVMS Alpha V8.3 ノードを追加する前に OpenVMS VAX V7.3 へアップグレードする必要があります。
上記以外の方法としては,アップグレードの必要な OpenVMS Alpha ノードと OpenVMS I64 ノードを一時的にクラスタから外し,アップグレードした後でクラスタへ戻すという方法もあります。 この方法では,アップグレードしたノードをクラスタに戻すことでサポート対象のクラスタをただちに作成することができます。 なお,追加するノードの数によっては,ボート・メンバとなるノード数と,クォーラム・ディスクのボート数 (クォーラム・ディスクを使用している場合) に合わせて,EXPECTED_VOTES システム・パラメータの値を調整しなければならない場合もあります。 また,クラスタから外すノードについては,システムをシャットダウンするときに REMOVE_NODE オプションを指定して,残りのノードのクォーラムが正しく調整されるようにする必要があります。
注意
現時点で OpenVMS Clusters に混在させることができるアーキテクチャは 2 つです。 したがって,OpenVMS Cluster に Alpha ノードと VAX ノードが含まれている場合は,I64 ノードを追加することはできません。
クラスタのアップグレード方法には,同時アップグレードとローリング・アップグレードがあります。
使用するアップグレードの種類は,アップグレード中でもクラスタを使用できる状態に維持しておく必要があるかどうかと,システム・ディスクの数に左右されます。
この章に目を通した後で運用環境に適したアップグレード方法 (同時アップグレードまたはローリング・アップグレード) を決め,それに合った準備作業を実施してください。
5.5.1 同時アップグレード
この項では,次の内容について説明します。
同時アップグレードの仕組み
同時アップグレードの準備
同時アップグレードでは,アップグレードの途中でクラスタ全体をシャットダウンして,クラスタ内の各システム・ディスクをアップグレードする必要があります。 システム・ディスクのアップグレードがすべて完了して,すべてのマシンをリブートするまでは,どのユーザもクラスタを使用できません。 クラスタがリブートすると,各マシンで,アップグレードされた OpenVMS オペレーティングが動作し始めます。
OpenVMS Cluster 環境内のシステムを 1 つのシステム・ディスクからすべてブートする場合は,必ず同時アップグレードを選択してください。
5.5.1.2 同時アップグレードの準備
ローカル・マシンに SYSTEM アカウントでログインします。
システム・ディスクが複数個存在する場合は,アップグレードするすべてのシステム・ディスクでアップグレード前の作業が完了していることを確認します。 また,クラスタ内の他のノードにターゲット・ディスクがいっさいマウントされていないことも確認します。 この状態は,アップグレードが終わるまで維持する必要があります。 ターゲット・ディスクは,アップグレードを実行するシステムにだけマウントしてください (ディスクのマウントを解除する方法については,5.5.2.3 項を参照してください)。 第 6 章へ進んで,各システム・ディスクをアップグレードします。 システム・ディスクごとにオペレーティング・システムのメディアをリブートする必要はありません。 アップグレードのたびに,メニューからオプション 1 を選択するだけです。
各システムで次のコマンドを実行し,すべてのシステムをシャットダウンします (サテライト・ノードはブート・ノードより先にシャットダウンしてください)。
$
@SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
システムを自動的にリブートするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されたら,N (NO) と入力します。
CLUSTER_SHUTDOWN オプションを選択します。
すべてのノードをシャットダウンしたら,[Ctrl]/[P] または [Halt] ボタンを押して,各システムを停止します。 Integrity サーバの停止方法についての詳細は,B.7.1 項を参照してください。 Alpha マシンの停止方法についての詳細は,A.3.1 項を参照してください。
クラスタのシステム・ディスクが 1 台しかない場合は,第 6 章 へ進んでアップグレードを開始します。
アップグレードが完了すると,アップグレードの後処理を開始する前に OpenVMS Cluster 環境内のマシンをすべてリブートするように求めるメッセージが表示されます。
この項では,次の内容について説明します。
ローリング・アップグレードの仕組み
注意事項と制約
ローリング・アップグレードの準備
ローリング・アップグレードを使用すれば,複合バージョン・クラスタを作成することができます。
ローリング・アップグレードでは,クラスタ内の一部のマシンをアップグレードしながら,残りのマシンを継続的に動作させて,利用可能な状態に保つことができます (ただしシステム・ディスクが複数個必要です)。
この方法ではシステム・ディスクを 1 台ずつアップグレードするため,バージョンの古いオペレーティング・システムとバージョンの新しいオペレーティング・システムが同じクラスタ内で一緒に動作することになります。
5.5.2.2 注意事項と制約
ローリング・アップグレードには,以下の制約があります。 互換性と制約に関するその他の情報については,『HP OpenVMS V8.3 リリース・ノート[翻訳版]』を参照してください。
アップグレードされているシステムが,OpenVMS Cluster 内の他のシステムからアクセスされているディスクにアクセスすることはできません。
OpenVMS Cluster 内の他のシステムが,アップグレードされているシステムのターゲット・ディスクにアクセスすることはできません。
アップグレードされているターゲット・ディスクは,アップグレードを実行しているシステムにローカルに接続されているため,OpenVMS Cluster 内の他のシステムからはアクセスできません (オペレーティング・システムのメディアからブートした OpenVMS システムは,ローカル・ディスクの MSCP サーバとして機能しません)。 アップグレードは,可能な限りローカル・ディスクを対象にして実行するか,または同時アップグレードを実行することをお勧めします。
アップグレード中に選択するターゲット・ディスクと,DCL のメニュー・オプションからアクセスするディスクはすべて,ローカル・ディスクか,または OpenVMS Cluster の他のメンバからアクセスされていないディスクであることを確認してください。 また,クラスタ内の他のノードにターゲット・ディスクがいっさいマウントされていないことも確認してください。 この状態は,アップグレードが終わるまで維持する必要があります。 ターゲット・ディスクは,アップグレードを実行するシステムにだけマウントしてください (ディスクのマウントを解除する方法については,5.5.2.3 項を参照してください)。
注意
ターゲット・ディスクに OpenVMS Cluster の他のメンバからアクセスを試みると,ターゲット・ディスクの内容が壊れてしまいます。 ターゲット・システム・ディスクをマウントしている他のクラスタ・メンバが 1 つしかなくて,しかもファイルへアクセスしていない場合でも,ターゲット・ディスクの内容はほぼ確実に破損します。 このような理由で内容が破損したディスクを復元する方法としては,破損したディスクのバックアップ・コピーしかサポートされていません。
同じクラスタ内のすべての Alpha マシンで使用している OpenVMS Alpha オペレーティング・システムは,同じバージョン (最新バージョンが望ましい) で揃えることをお勧めします。 同様に,同じクラスタ内のすべての Integrity サーバで使用している OpenVMS I64 オペレーティング・システムも同じバージョンで揃えることをお勧めします。 また,複合アーキテクチャ・クラスタでは,OpenVMS V7.3-2 Alpha の全メンバに,LMF パッチをインストールする必要があります。
1 つのシステム・ディスクからすべてのシステムをブートする場合は,ローリング・アップグレードを使用できません。 代わりに同時アップグレードを使用してください。
アップグレードに関連して,キューイング・システムに次のような影響があります。
アップグレードしているシステムではキューイング・システムが無効になっています。 START/QUEUE/MANAGER コマンドは実行しないでください。
オペレーティング・システム CD/DVD には,キュー・データベースを作成できません (書き込み不可です)。
クラスタ内の他のノードで動作しているキュー・マネージャ・プロセスは,キュー・データベースの存在するディスクがアップグレード対象のディスクでない限り,アップグレード中でも動作し続けることができます。
ターゲット・ディスクをデータ・ディスクとしてだけマウントしているいずれかのノードにログインします (そのターゲット・ディスクに対して,第 4 章 に説明してあるアップグレード前の作業がすでに実行されている必要があります)。
ボートをチェックして調整し,アップグレード中でもクラスタの運用を続けられるように,適切なクォーラムを維持します (詳しい手順については,『HP OpenVMS Cluster システム』を参照してください)。
DCL の DISMOUNT/CLUSTER コマンドを使用して,データ・ディスクのマウントを解除します (この操作は SYSMAN ユーティリティでも実行できます)。
指定したデータ・ディスクをシステム・ディスクとして使用しているノードからメッセージが出されても,無視してかまいません。
次のコマンドを実行して,データ・ディスクのマウントが正しく解除されたことを確認します。
$
MCR SYSMAN
SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
SYSMAN> DO SHOW DEVICE disk-name
コマンドの出力を調べて,指定したディスクがどのノードにもデータ・ディスクとしてマウントされていないことを確認します。 Trans Count フィールドの値を見れば,簡単に判断できます。 値が 50 未満の場合は,そのディスクがシステム・ディスクとしてではなく,データ・ディスクとしてマウントされていることを示しています。 逆に値がかなり大きな場合 (300 など) は,そのディスクがシステム・ディスクである可能性がきわめて高いことを示しています。
ディスクをまだデータ・ディスクとしてマウントしているノードがあれば,SYSMAN ユーティリティを使用してそのディスクのマウントを解除します。 そのようなノードが存在しなければ,SYSMAN ユーティリティを終了します。
アップグレードするシステム・ディスクからブートしたすべてのノードを,次のコマンドでシャットダウンします (サテライト・ノードを先にシャットダウンしてください)。
$
@SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
アップグレードの途中で適切なクォーラムを維持できなくなると,シャットダウン・プロシージャによってクラスタがハングさせられます。 シャットダウン中にクラスタがハングした場合は,IPC (Interrupt Priority C) ファシリティを使用してください。 クラスタ・メンバとして残っているいずれかのシステムでシステム・コンソールからクォーラムを調整することができます。
OpenVMS Alpha (または OpenVMS VAX) のクラスタ・メンバからクォーラムを調整する場合は,[Ctrl]/[P] を押します。 IPC ファシリティから,IPC コマンドのヘルプ情報が表示されます。 コンソールで,次のようにコマンドを入力します。
$
Ctrl/P
>>> D SIRR C
>>> C
Interrupt Priority C
Commands:
C device Cancel Mount Verification
Q Adjust Quorum
CTRL-Z Exit IPC
CTRL-P Prompt for Crash
IPC> Q
IPC> Ctrl/Z
OpenVMS I64 のクラスタ・メンバからクォーラムを調整する場合は,[Ctrl]/[P] を押します。 システムが IPC ファシリティに直接移行して,IPC コマンドのヘルプ情報が表示されます。 クォーラムを調整するには,次の例に示すコマンドを入力します。 ただし,XDELTA を有効にしてブートした OpenVMS I64 システムでは,[Ctrl]/[P] を押すと,システムが XDELTA に移行します。 その場合は,IPC を使用できません。
$
Ctrl/P
Interrupt Priority C
Commands:
C device Cancel Mount Verification
Q Adjust Quorum
CTRL-Z Exit IPC
CTRL-P Prompt for Crash
IPC> Q
IPC> Ctrl/Z
クォーラムは Availability Manager や DECamds でも調整できます。 これらの方法は,コンソールを使用する必要がない点を除けば IPC と同等ですが,Data Analyzer が OpenVMS Cluster 以外のシステムで動作していることが前提です。 Data Analyzer は OpenVMS Cluster 以外で動作させることをお勧めします。 詳細は,『Availability Manager User's Guide』または『DECamds User's Guide』の「Adjust Quorum」を参照してください。 『Availability Manager User's Guide』は,次の Web ページから入手できます。
http://www.hp.com/products/openvms/availabilitymanager
すべてのノードでシャットダウン・プロシージャが終了したら,第 6 章 へ進んでアップグレードを開始します。
注意
これは非常に重要なことですが,アップグレードを進めている間は,ターゲット・システム・ディスクにアクセスできるノードを,アップグレードを実行しているノードだけに限定してください。 ターゲット・ディスクが,HSC デバイスや HSJ デバイスなどを経由してクラスタ内の他のノードからアクセスできる場合には,アクセスを行わないように徹底する必要があります。 ファイルへアクセスしなくても,他のノードにマウントされているだけでターゲット・ディスクが破損する可能性があります。
ディスクをマウントしている可能性があるユーザには,必ず,アップグレードしているシステム・ディスクにアクセスしてはならない旨を周知させてください。 また,アップグレードが終了するまでは,ターゲット・ディスクをマウントする可能性があるプロシージャをいっさい実行しないようにしてください。 定期的にディスクをチェックして再マウントするようなプロシージャがあれば,アップグレードが終了するまでそれらを無効にしておくことをお勧めします。