HP OpenVMS Systems Documentation |
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MONITOR TIMER コマンドは,TIMER 統計クラスの監視を起動します。 TIMER 統計クラスは,OpenVMS エグゼクティブが処理するタイマ・キュー・エントリ (TQE) の割合です。 TQE とはユーザまたはシステムが行うタイマ要求を表すデータ構造のことです。
MONITOR TIMER
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
TIMER クラスは,次のデータ項目から構成されます。これらのデータ項目は秒単位の割合として表示されます。
データ項目 説明 Total TQE Rate 1 秒間に処理された TQE の合計割合。この統計は,次の 3 種類の TQE 割合が組み合わされた合計である。 SYSUB TQE Rate 1 秒間に処理された SYSUB TQE の割合。これらのシステム・サブルーチン TQE は, OpenVMS オペレーティング・システムによるタイマ要求を表している。 Timer TQE Rate 1 秒間に処理されたタイマ TQE の割合。これらの TQE は, $SETIMR システム・サービスを介したユーザによるタイマ要求を表している。 Wakeup TQE Rate 1 秒間に処理されたウェイクアップ TQE の割合。これらの TQE は, $SCHDWK システム・サービスを介したユーザによるタイマ要求を表している。
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR TIMER
|
この例は,全体として比較的に低い TQE 処理を示しており,そのほとんどが OpenVMS によって要求されたものです。下の 3 つの割合を合計したものが,ほぼ先頭の割合になります。
MONITOR TRANSACTION コマンドは,TRANSACTION クラスの監視を起動します。 TRANSACTION クラスは,DECdtm サービスによるトランザクションの情報を表示します。
MONITOR TRANSACTION
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
TRANSACTION クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 Start Rate ローカル・ノードで新しいトランザクションを起動する割合。 Prepare Rate ローカル・ノードのトランザクションが DECdtmサービスによって準備状態に設定される割合。 One-Phase Commit Rate ローカル・ノードのトランザクションが 1フェーズ・コミット操作を使用して終了する割合。この操作は,使用するシステム資源がかなり少なく,1つの資源マネージャだけがドランザクションに関与する場合に使用される。 Total Commit Rate ローカル・ノードのトランザクションがコミットされる割合。この値は1フェーズ・コミット・トランザクションと 2フェーズ・コミット・トランザクションの合計値である。 Abort Rate ローカル・ノードのトランザクションが強制終了される割合。 End Rate ローカル・ノードで起動されたトランザクションがコミットされる割合。 Remote Start Rate トランザクション分岐がローカル・ノードで起動される割合。 Remote Add Rate トランザクション分岐がローカル・ノードで追加される割合。 Completion Rate トランザクションが終了する割合。 秒単位の所要時間別に分類されます。終了率の分類は,次のとおり。
Completion Rate 0--1 0 〜 1 秒 (1 秒未満) で終了したトランザクションの数 Completion Rate 1--2 1 〜 2 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 2--3 2 〜 3 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 3--4 3 〜 4 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 4--5 4 〜 5 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 5+ 5 秒より多い時間を終了に要したトランザクションの数
0.5 秒で終了したトランザクションは,Completion Rate 0-1 のカテゴリに該当する。
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR TRANSACTION/ALL
|
ノード SAMPLE のすべてのトランザクションの状態を表示しています。
| #2 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR TRANSACTION/MAXIMUM
|
ノード SAMPLE のすべてのトランザクションの最大統計値を表示しています。
VAXシステムで,MONITOR VBSコマンドを実行すると,仮想バランス・スロット(VBS)の処理に関する情報が表示されます。
MONITOR VBS
MONITOR VBS コマンドには,次のデータ項目があります。
データ項目 説明 RBS Fault Rate プロセスが仮想バランス・スロットから実バランス・スロット (RBS) にフォルトする割合。 CPU Utilization 仮想バランス・スロット機能をサポートするために,オペレーティング・システムが使用した CPU 時間 (1 秒間に 10 ミリ秒クロック・ティックの割合)
どのプロセスが最高の RBS フォルト率であるかを判断するには, MONITOR PROCESSES/TOPRBS コマンドを使用します。
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR VBS
|
この例は VBS を表形式で表示します。
MONITOR VECTORコマンドは,システムに現在構成されている各ベクタ・プロセッサについて,ベクタ使用先(1つまたは複数)がスケジューリングされた時間を, 1秒あたりのクロック・チック(10ミリ秒)回数で表示します。
MONITOR VECTOR
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
MONITOR VECTOR コマンドは,システム内で現在設定されている各ベクタ・プロセッサに対して 1 つ以上のベクタ消費者をスケジューリングするときに要した 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数を表示します。オペレーティング・システムがベクタ消費者をスケジューリングする対象は,"vector present" と定義されているプロセッサだけであるため,"vector absent" と定義されているプロセッサのベクタ CPU 時間を VECTOR クラスで表示されることはありません。ベクタ消費者は,ベクタが存在するプロセッサのベクタ CPU とスカラ CPU のいずれかまたは両方を使用できます。このため, VECTOR クラスで出力されるベクタ CPU 時間は,ベクタ CPU の実際の使用量ではなく,ベクタ消費者がベクタ CPU とスカラ CPU の両方を予約した期間を意味します。
VECTOR クラスのデータ項目は Vector Scheduled Rate です。ベクタが存在する CPU それぞれに対してベクタ消費者がスケジューリングされている 1 秒あたりの 10 ミリ秒単位クロック・ティック数が表示されます。
MONITOR> MONITOR VECTOR
|
CPU 0,CPU 4 という,ベクタが存在するプロセッサ 2 つが実装された多重処理システムの VECTOR クラス表示です。 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数が示されています。最後の収集間隔において,ベクタ消費者は,CPU 0 に 1 秒あたり平均 13 ティック分スケジューリングされており,CPU 4 には 1 秒あたり平均 58 ティック分スケジューリングされています。
SET DEFAULT コマンドは,MONITOR コマンドのためにコマンド修飾子,クラス名パラメータ,およびクラス名修飾子を省略時の設定にします。各 SET DEFAULT コマンドは,ユーザが指定したコマンド修飾子のみ設定します。ただし,クラス名パラメータおよびクラス名修飾子全体を置き換えます。すべての修飾子およびクラス名は,MONITOR コマンドの修飾子およびクラス名と同じです。
SET DEFAULT [/修飾子[,...]] クラス名[,...] [/修飾子[,...]]
クラス名[,...]
1つ以上のクラス名を指定します。
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/修飾子[,...]
1 つ以上のクラス名修飾子。
コマンド修飾子とクラス名修飾子は,MONITOR クラス名 コマンドの修飾子と同じです。
| #1 |
|---|
MONITOR> SET DEFAULT /INTERVAL=10 PAGE/AVERAGE+IO/MAXIMUM /NODE=(LARRY,MOE,CURLEY) |
MONITOR コマンドの省略時のクラスとして PAGE と IO を選択し,統計表示間隔として 10 秒を指定しています。 PAGE クラスには AVERAGE 統計を表示し,IO クラスには MAXIMUM 統計を表示することを指定しています。さらに,LARRY,MOE,CURLEY の各ノードでデータを収集することを指定しています。以上の省略時の値を定義すれば,修飾子やパラメータを指定せずに MONITOR コマンドを実行できます。
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