HP OpenVMS Systems Documentation |
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使い方に関する注意
共用イメージのインストール
イメージを特権付きでインストールすることは,そのイメージがシステムの一貫性とセキュリティの正確さを保持すると信頼されたイメージであることを宣言したものです。この信頼を維持するために,特権付きイメージから呼び出されるルーチンも,すべて同様に信頼されなければなりません。このため,特権付きイメージが使用するために起動される共用イメージは,すべてインストールされる必要があります。特権付きイメージで使用される共用イメージの場所を特定できるのは,信頼された論理名 (エグゼクティブ・モードおよびカーネル・モードで定義された論理名) だけです。
/PRIVILEGED と /AUTHPRIVILEGES の相互作用
新しいエントリを作成する際に,/AUTHPRIVILEGED 修飾子で具体的な認可済み特権を割り当てない場合,割り当てる特権は認可済み特権にも割り当てられます。
イメージを置き換えるときに, /PRIVILEGED 修飾子で割り当てられる特権は認可済み特権には 割り当てられません。また,/NOAUTHPRIVILEGES 修飾子を指定して REPLACE コマンドを使用した場合,認可済み特権は, /PRIVILEGED 修飾子で設定される省略時の特権と同じものになります。
指定できる特権の詳細については,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』の付録を参照してください (省略時の設定は ALL です)。
CREATE コマンドでの /PRIVILEGES 修飾子の使用例については,このコマンドの最後にある例を参照してください。
イメージは/SECTION_BINDING=(CODE,DATA)修飾子を使ってリンクする必要があります。常駐のコードまたはデータ付きでインストールされたイメージは,暗黙のうちにヘッダ常駐で,共用としてインストールされます。
/SHARED 修飾子で ADDRESS_DATA キーワードを使用する場合は, P1 スペース・アドレスは共用可能イメージのために割り当てられます。イメージが起動され,CPU と I/O タイムを減少しているときではなく,イメージがインストールされたときに,割り当てられたアドレスについて, INSTALL ユーティリティはアドレス・データ・セクションの内容を判断することができます。グローバル・セクションは,アドレス・データ・イメージ・セクションへの共用アクセスを許可するために作成されます。
GALAXY キーワードを /WRITABLE 修飾子とともに使用すると, Galaxy グローバル・セクションに共用イメージ・セクションを配置することができます。また,IDENT キーワードを GALAXY とともに使用すると, Galaxy システムでイメージの複数のバージョンを同時に使用できるように, Galaxy グローバル・セクションの名前にイメージ識別情報を入れることもできます。
| #1 |
|---|
INSTALL> CREATE/OPEN/SHARED WRKD$:[MAIN]STATSHR |
イメージ・ファイル STATSHR を,永久的にオープン状態の共用既知イメージとしてインストールしています。
| #2 |
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INSTALL> CREATE/OPEN/PRIVILEGED=(GROUP,GRPNAM) GRPCOMM |
イメージ・ファイル GRPCOMM を,永久的にオープン状態の GROUP 特権と GRPNAM 特権を持つ既知イメージとしてインストールしています。
GRPCOMM を実行している間,GRPCOMM を実行するプロセスにはすべて, GROUP 特権と GRPNAM 特権が許可されます。GRPCOMM のフルネームは, SYS$SYSTEM:GRPCOMM.EXE と仮定しています。
| #3 |
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INSTALL> CREATE/LOG GRPCOMM |
イメージ・ファイル GRPCOMM を既知イメージとしてインストールし,追加した既知ファイル・エントリを表示しています。
| #4 |
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INSTALL> CREATE/SHARED=ADDRESS_DATA WRKD$:[MAIN]INFOSHR |
INFOSHR ファイルを共用既知イメージとしてインストールし,コード・セクションと読み込み専用データ・セクションのために,共用グローバル・セクションを作成します。コマンドに ADDRESS_DATA キーワードが含まれているので,アドレス・データは共用グローバル・セクションとして作成されます。
| #5 |
|---|
INSTALL> CREATE STATSHR/PRIV |
特権をすべて付けて STATSHR イメージを作成しています。
| #6 |
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INSTALL> CREATE STATSHR/PRIV=(OPER,SYSPRV) |
OPER 特権と SYSPRV 特権を付けて STATSHR イメージを作成しています。
| #7 |
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INSTALL> CREATE STATSHR/PRIV=NOALL |
空の特権群を付けて STATSHR イメージを作成しています。
| #8 |
|---|
INSTALL> CREATE STATSHR/NOPRIV |
明示的に特権を何も付けないで STATSHR イメージを作成しています。
既知イメージを削除します。DELETEコマンドは REMOVEコマンドの同義語です。
DELETE ファイル指定
ファイル指定
既知イメージとしてインストールされているイメージのファイルを指定します。
なし。
DELETE コマンドは,既知イメージ・ファイル・リストからエントリを削除します。既知ファイル・リストに格納されているイメージのエントリが削除され,そのイメージのグローバル・セクションが作成されている場合はそれも削除されます。イメージ・ファイルには影響しません。書き込み可能なグローバル・セクションは,削除されると同時に,既知イメージとしてディスクに書き込まれます。DELETE コマンドを入力した時点でグローバル・セクションにアクセスしているプロセスがある場合,グローバル・セクションはそのプロセスが終了するまで削除されません。ただし,DELETE コマンドが入力されると同時にグローバル・セクションが削除対象としてマークされるため,DELETE コマンド入力後,他のプロセスは削除対象のグローバル・セクションにアクセスできません。
DELETE コマンドは,REMOVE コマンドと同じです。
INSTALL> DELETE WRKD$:[MAIN]STATSHR |
イメージ STATSHR のエントリを既知ファイル・リストから削除しています。
INSTALL を終了し,制御を DCL コマンド・レベルに戻します。 Ctrl/Z を押しても INSTALL を終了できます。
EXIT
INSTALL の使用方法に関する情報を表示します。
HELP [コマンド]
コマンド
ヘルプ情報を表示するコマンド名を指定します。コマンド名を省略すると,コマンド・リストが表示されます。プロンプトに対してコマンド名を入力できます。
| #1 |
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INSTALL> HELP |
INSTALL トピック・リストと Topic? プロンプトを表示しています。リスト内のトピックをプロンプトに入力できます。
| #2 | |
|---|---|
INSTALL> HELP LIST
|
LIST コマンドのヘルプ情報を表示しています。
指定した既知イメージの記述を表示します。ファイルを指定しない場合は,すべての既知イメージの記述が表示されます。
LIST [ファイル指定]
ファイル指定
既知イメージとしてインストールされているイメージのファイルを指定します。ファイルを指定しない場合,既知イメージがすべて表示されます。
LIST コマンドで /FULL 修飾子を使用すれば,既知イメージ・データベースの調整に便利な情報を表示できます。たとえば,エントリ・アクセス回数が多いイメージがある場合,そのイメージを /OPEN でインストールするとシステムの性能を改善できる可能性があります。また,/SHARED を使用してグローバル・セクションを利用しても,性能面の向上が図れるでしょう。 グローバル・セクションとグローバル・ページ,インストールするイメージのサイズの予測方法については,『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。
/FULL
指定した既知イメージについて,アクセス数,同時アクセス数,作成したグローバル・セクション数などの記述を複数行表示します。 /FULL 修飾子を /GLOBAL 修飾子と併用すると,グローバル・セクション情報以外に,現在の所有者と保護コード,アクセス制御エントリも表示されます。/GLOBAL
指定した共用イメージのグローバル・セクションをリストします。ファイルを指定しない場合には,すべてのグローバル・セクションをリストします。特定のイメージをサポートするために,グローバル・セクションが INSTALL によって作成される場合には,そのイメージも識別します。/RESIDENT
個々の常駐イメージの説明を表示します。/STRUCTURE
既知イメージのデータ構造のアドレスをリストします。/SUMMARY
/SUMMARY 修飾子を /GLOBAL 修飾子と併用すると,ローカル・メモリと共用メモリのグローバル・セクションについて,システムにおけるグローバル・セクションとグローバル・ページの使用状況を表示します。
| #1 |
|---|
INSTALL> LIST |
すべての既知イメージの記述を 1 行ずつ表示しています。内容は,既知イメージのファイル指定と属性です。
SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSEXE>.EXE ANALIMDMP;1 (1) Prv (2) AUTHORIZE;1 Prv CDU;1 Open Hdr Prv DCL;1 Open Hdr Shar Lnkbl FAL;1 Open Hdr Shar INSTALL;1 Prv LOGINOUT;1 Open Hdr Shar Prv MAIL;1 Open Hdr Shar MAIL_SERVER;1 Open Hdr Shar Prv REQUEST;1 Prv SET;1 Open Hdr Shar Prv SETAUDIT;1 Prv SETP0;1 Open Hdr Shar Prv SETRIGHTS;1 Prv SHOW;1 Open Hdr Shar Prv SHWCLSTR;1 Open Hdr Shar Prv SUBMIT;1 Open Hdr Shar Prv SYSMAN;1 Prv SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSLIB>.EXE ANALIMDMPSHR;1 Prv CONVSHR;1 DCLTABLES;1 Open Hdr Shar Lnkbl . . . LIBOTS;1 Open Hdr Shar Lnkbl Resid LIBRTL;1 Open Hdr Shar Lnkbl Resid MAILSHR;1 Open Hdr Shar Lnkbl . . .
- 既知イメージのファイル指定
- 次の既知イメージ属性
属性 意味 ACNT イメージ会計情報が許可されている (/ACCOUNTING) + CMODE イメージは,VAX--11 RSX リンカによって設定された互換性モードである HDR イメージ・ヘッダは,永久的に常駐する (/HEADER_RESIDENT) LNKBL イメージは実行可能ではなく,共用可能 (リンク可能) イメージである。OpenVMS リンカによる設定 NOPURG イメージは,PURGE 処理で削除できない。削除には,DELETE / REMOVE 処理を使用する (/NOPURGE) OPEN イメージは,永久的にオープンである (/OPEN) PROT イメージは,保護コードを持つ (/PROTECTED) PRV イメージは,特権を持つ (/PRIVILEGED) ++RESID イメージは,常駐する (/RESIDENT) SAFE イメージは,実行中のバージョンのOpenVMSとの互換性を持つものとして登録された特権イメージである。登録されたイメージの詳細については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照。 SHAR イメージは,共用される (/SHARED) WRT イメージは,書き込み可能である (/WRITABLE) XONLY イメージには,実行アクセスだけが許可されている (/EXECUTE_ONLY)
| #2 |
|---|
INSTALL> LIST/RESIDENT |
すべての常駐イメージの記述を 1 行ずつ表示する Alpha でのコマンド例です。内容は,イメージのメモリ記憶位置, コード・セクションのサイズ,およびセクションのタイプです。
System Resident Sections SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSLIB>.EXE CMA$TIS_SHR;1 Base VA End VA Length Type 80490000 80490A00 00000A00 Resident Code 7FC04000 7FC04A00 00000A00 Linkage 7FC14000 7FC14200 00000200 Writeable data 7FC34000 7FC34200 00000200 Writeable data DECC$SHR;1 Base VA End VA Length Type 80548000 805D1C00 00089C00 Resident Code 805D2000 805D2400 00000400 Resident Code 7FE34000 7FE4B800 00017800 Linkage 7FE54000 7FE59A00 00005A00 Writeable data 7FE64000 7FE64800 00000800 Read-only data 7FE84000 7FE84200 00000200 Writeable data 7FE94000 7FE94200 00000200 Demand-zero 7FEA4000 7FEA7000 00003000 Demand-zero 7FEB4000 7FEB5800 00001800 Writeable data DPML$SHR;1 Base VA End VA Length Type 80492000 80547600 000B5600 Resident Code 7FC44000 7FC6FA00 0002BA00 Read-only data 7FC74000 7FC88200 00014200 Linkage 7FC94000 7FC94400 00000400 Writeable data 7FCA4000 7FCCE600 0002A600 Read-only data 7FD94000 7FD95000 00001000 Writeable data LIBOTS;1 Base VA End VA Length Type 80482000 8048F600 0000D600 Resident Code 7FBC4000 7FBC6600 00002600 Read-only data 7FBD4000 7FBD5A00 00001A00 Linkage 7FBF4000 7FBF4200 00000200 Writeable data LIBRTL;1 Base VA End VA Length Type 80400000 80481A00 00081A00 Resident Code 7FB54000 7FB64800 00010800 Linkage 7FB74000 7FB75000 00001000 Writeable data 7FB84000 7FB8D600 00009600 Read-only data 7FB94000 7FB94200 00000200 Writeable data 7FBA4000 7FBA5000 00001000 Demand-zero 7FBB4000 7FBB5400 00001400 Writeable data
| #3 |
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INSTALL> LIST/FULL LOGINOUT |
既知イメージ LOGINOUT の記述を複数行表示しています。
SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSEXE>.EXE LOGINOUT;3 Open Hdr Shar Priv Entry access count = 44 (1) Current / Maximum shared = 3 / 5 (2) Global section count = 2 (3) Privileges = CMKRNL SYSNAM TMPMBX EXQUOTA SYSPRV (4)
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