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HP OpenVMS Systems
Documentation

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HP OpenVMS

HP OpenVMS
デバッガ説明書


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10.4.5 ブレークポイントの無効化,有効化,取り消し

ブレークポイントを設定すると,無効化,有効化または 削除を行うことができます。

無効にしたブレークポイントは,プログラムの実行中はデバッガによって無視されます。しかし,そのブレークポイントはブレークポイント・ビューに表示されているので,あとで,たとえばプログラムの再実行時などに有効にできます ( 第 9.3 節 を参照 )。次の点に注意してください。

あるブレークポイントを有効にすれば,そのブレークポイントはプログラムの実行中有効になります。

あるブレークポイントを取り消すと,そのブレークポイントはブレークポイント・ビューに表示されなくなり,あとでビューを使用して有効にできなくなります。 第 10.4.1 項第 10.4.2 項 の説明に従ってブレークポイントを再設定する必要があります。次の点に注意してください。

10.4.6 条件付きブレークポイントの設定

条件付きブレークポイントで実行が中断されるのは,指定された式の評価が真のときだけです。たとえば,プログラム内のある変数の値が 4 のときにブレークポイントが有効になるように指定することができます。その変数の値が 4 でなければ,そのブレークポイントは無視されます。

プログラムの実行中にブレークポイントが検出されると,条件式が評価されます。

次の手順により,条件付きブレークポイントが設定されます。その場合,以前同じ場所にブレークポイントが設定されていたかどうかは関係ありません。

  1. 条件付きブレークポイントの設定先のソース行を表示する ( 第 10.1 節 を参照 )。

  2. 次のいずれかを実行する。

  3. ダイアログ・ボックスの「Condition:」フィールドに関係式を入力する。その関係式は,ソース言語で有効なものでなければならない。たとえば, a[3] == 0 は C 言語で有効な関係式である。

  4. 「OK」をクリックする。条件付きブレークポイントが設定される。ブレークポイントのボタンの形が四角からダイヤに変わり,ブレークポイントが条件付きであることが示される。

図 10-6 条件付きブレークポイントの設定


条件付きブレークポイントを変更するには,次の手順に従ってください。この手順で,既存の条件付きブレークポイントの位置や割り当てた条件を変更したり,無条件ブレークポイントを条件付きブレークポイントに変更することができます。

  1. メイン・ウィンドウまたはオプション・ビュー・ウィンドウの「Options」メニューで「Views...」を選択する。「Views」ダイアログ・ボックスが表示されたら,「Breakpoint View」をクリックしてブレークポイント・ビューを表示する。

  2. ブレークポイント・ビューで次のいずれかを実行する。

  3. 前の手順の 3 と 4 を実行し,適切な設定を行う。

10.4.7 アクション・ブレークポイントの設定

アクション・ブレークポイントが検出されると,実行は中断され,指定したコマンドの並びが実行されます。

アクション・ブレークポイントを設定するには,次の手順に従ってください。以前に同じ場所にブレークポイントが設定されていたかどうかは関係ありません。

  1. アクション・ブレークポイントの設定先のソース行を表示する ( 第 10.1 節 を参照 )。

  2. 次のいずれかを実行する。

  3. ダイアログ・ボックスの「Action:」フィールドに 1 つまたは複数のデバッガ・コマンドを入力する。たとえば,DEPOSIT x[j] = 3; STEP; EXAMINE a と入力する。

  4. 「OK」をクリックする。アクション・ブレークポイントが設定される ( 図 10-7 を参照 )。

図 10-7 アクション・ブレークポイントの設定


アクション・ブレークポイントを変更するには,次の手順に従ってください。この手順で,既存のアクション・ブレークポイントの位置や割り当てた条件を変更したり,無条件ブレークポイントをアクション・ブレークポイントに変更することができます。

  1. メイン・ウィンドウまたはオプション・ビュー・ウィンドウの「Options」メニューで「Views...」を選択し,「Views」ダイアログ・ボックスが表示されたら,「Breakpoint View」をクリックする。

  2. ブレークポイント・ビューで次のいずれかを実行する。

  3. 前の手順の 3 と 4 を実行し,適切な設定を行う。

10.5 変数の検査と操作

この節では,次の操作方法について説明します。

変数の操作全般については, 第 10.6 節 も参照してください。

10.5.1 ウィンドウでの変数名の選択

次の各項の操作では,次の方法でウィンドウから変数を選択します。例を 第 10.5.2 項 に示します。

名前を選択するときは,ソース・プログラミング言語の構文に従います。

ウィンドウ内の文字列は次のようにして選択します。

10.5.2 変数の現在値の表示

変数の現在値を表示するには,次の手順に従います。

  1. 第 10.5.1 項 の説明に従って,ウィンドウ内の変数名を検索し,選択する。

  2. プッシュ・ボタン・ビューの 「EX」ボタンをクリックする。コマンド・ビューに変数とその現在値が表示される。この値は現在の有効範囲内の変数の値であり,ユーザが変数を選択したソース記憶位置の値ではない。

図 10-8図 10-9 ,および 図 10-10 に整変数,配列集合体,および配列要素の表示方法をそれぞれ示します。

図 10-8 整変数の値の表示


図 10-9 配列集合体の値の表示


図 10-10 配列集合体の値の表示


現在値を別の型や基数で表示するには,次の手順に従ってください。

  1. 第 10.5.1 項 の説明に従って,ウィンドウ内で変数名を検索して選択する。

  2. メイン・ウィンドウの「Command」メニューで「Examine...」を選択する。「Examine」ダイアログ・ボックスが表示され,選択されている変数名が
    「Variable/Expression」フィールドに表示される。

  3. ダイアログ・ボックス内の「Typecast」メニューで「default」,「int」,「long」,「quad」,「short」,または「char*」のいずれかを選択する。

  4. ダイアログ・ボックス内の「Output Radix」メニューで「default」,「hex」,「octal」,「decimal」,または「binary」のいずれかを選択する。

  5. 「OK」をクリックする。

指定に応じて変更された値がコマンド・ビューに表示されます。

図 10-11 では,変数jがlongに型キャストされています。

図 10-11 変数値の型キャスト


10.5.3 変数の現在値の変更

変数の現在値を変更するには,次の手順に従ってください。

指定に応じた新しい値がコマンド・ビューに表示され,変数に代入されます。

図 10-12 では,変数safeの値を変更しています。

図 10-12 変数値の変更


10.5.4 変数のモニタ

変数をモニタする場合,デバッガはその値をモニタ・ビューに表示します。また,たとえば,ステップのあとやブレークポイントでプログラムからデバッガに制御が戻ると,表示されている値をチェックし,更新します。

注意

モニタできるのは,変数と,配列や構造体 (レコード) などの集合体だけです。複合式やメモリ・アドレスはモニタできません。

変数をモニタするには,次の手順に従ってください ( 図 10-13 を参照)。

  1. 第 10.5.1 項 の説明に従って,ウィンドウ内で変数名を検索し,選択する。

  2. プッシュ・ボタン・ビューの「MON」ボタンをクリックする。デバッガは次の表示を行う。

変数をモニタしているときに出力値を型キャストするには,「Monitor」メニューで「Typecast」を選択します。

モニタ中の変数の出力の基数は次の方法で変更できます。

モニタしている要素をモニタ・ビューから削除するには,「Monitor」メニューで「Remove」を選択します。

図 10-13 変数のモニタ


10.5.4.1 集合体 (配列または構造体) 変数のモニタ

配列や構造体 (レコード) などの集合体変数の名前を選択し,「MON」ボタンをクリックすると,モニタ・ビューの「Value/Deposit」欄に Aggregate という語が表示されます。集合体変数のすべての要素 (構成要素) の値を表示するには,「Monitor Expression」欄の変数名をダブル・クリックするか,または「Monitor」メニューで「Expand」を選択します。各要素の名前は,親の名前よりインデントされて表示されます ( 図 10-14 を参照)。ある要素が集合体の場合,その名前をダブル・クリックすればさらにその要素も表示されます。

図 10-14 モニタ・ビューに展開された集合体変数 (配列)


拡大された表示を元に戻して,集合体の親の名前だけをモニタ・ビューに表示するには,「Monitor Expression」欄の変数名をダブル・クリックするか,または「Monit or」メニューで「Collaspe」を選択します。

集合体変数の構成要素を選択した場合,その構成要素式自身が変数であれば,選択時にアクティブだった構成要素がモニタされます。たとえば,配列構成要素 arr[i] を選択した場合, i の現在値が 9 であれば,たとえ i の値があとで 10 に変わっても,arr[9] がモニタされます。

10.5.4.2 ポインタ (アクセス) 変数のモニタ

ポインタ (アクセス) 変数の名前を選択し「MON」ボタンをクリックすると,参照されたオブジェクトのアドレスがモニタ・ビューの「Value/Deposit」欄に表示されます ( 図 10-15 の最初のエントリを参照)。

参照されたオブジェクト値をモニタする (ポインタ変数を間接参照する) には,「Monitor Expression」欄のポインタ名をダブル・クリックします。この結果,モニタ・ビューではそのポインタ変数のエントリの下に,参照されたオブジェクトエントリがインデントされて表示されます ( 図 10-15 の一番下のエントリを参照)。参照されたオブジェクトが集合体の場合,その名前をダブル・クリックすればさらにその要素も表示されます。

図 10-15 モニタ・ビューでのポインタ変数と参照されたオブジェクト


10.5.5 変数のウォッチ

ウォッチされている変数の値がプログラムで変更されると,実行が中断しコマンド・ビューにその新旧の値が表示されます。

変数をウォッチする ( 変数へのウォッチポイントの設定 ) には,次の手順に従ってください。

図 10-16 モニタ・ビューでの変数のウォッチ


ウォッチポイントを無効にするには,モニタ・ビューの「Watched」ボタンをクリックしてクリアするか,または「Monitor」メニューで「Toggle Watchpoint」を選択します。ウォッチポイントを有効にするには,目的の「Watched」ボタンをクリックして塗りつぶすか,または「Monitor」メニューで「Toggle Watchpoint」を選択します。

静的変数と非静的 ( 自動 ) 変数,およびこれらの変数へのアクセス方法については, 第 10.6.1 項 を参照してください。変数の定義元ルーチンから実行の制御が移る ( 戻る ) と,非静的ウォッチポイントは無効になります。非静的変数がアクティブでなくなると,モニタ・ビューではそのエントリが薄く表示され,その「Watched」ボタンはクリアされます。

変数の定義元ルーチンに実行の制御が後で戻る場合,非静的ウォッチポイントが自動的に再び有効になることはありません。非静的ウォッチポイントは,ユーザが自分で明示的に,有効にしなければなりません。


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