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HP OpenVMS Systems
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OpenVMS

OpenVMS
OpenVMS Cluster システム


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LANCP ユーティリティの詳細については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』と『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

4.5.6 DECnet の構成

DECnet ネットワークの構成には通常, 表 4-3 に示すように,複数の操作が必要です。DECnet の 2 つのバージョンを実行する OpenVMS Cluster では, DECnet for OpenVMS (フェーズ IV) のシステム・ディスクと, DECnet--Plus (フェーズ V) のシステム・ディスクが必要です。

注意: DECnet for OpenVMS では, DNA (Digital Network Architecture) フェーズ IV が実装されています。DECnet--Plus では,DNA フェーズ V が実装されています。この後の説明は, DECnet for OpenVMS 製品だけに適用されます。

関連項目: 対応する DECnet--Plus の構成情報については, DECnet--Plus のマニュアルを参照してください。

表 4-3 DECnet ネットワークの構成手順
ステップ 操作
1 システム管理者としてログインし, NETCONFIG.COM コマンド・プロシージャを実行する。ノードに関する情報が求められたら,適切な情報を入力する。 DECnet--Plus ノードは NET$CONFIGURE.COM コマンド・プロシージャを実行する。

関連項目: これらのプロシージャの例については,DECnet for OpenVMS または DECnet--Plus のマニュアルを参照。

2 ノードで同じ LAN に対して複数の LAN アダプタ接続が使用されており,通信用に DECnet も使用されている場合は, LAN デバイスの 1 つを除き,他のすべてのデバイスで DECnet の使用を無効にしなければならない。

無効にするには,NETCONFIG.COM プロシージャを実行した後,同じ LAN または拡張 LAN に接続されているアダプタに割り当てられた 1 つのラインおよびサーキットを除き,他のすべてを DECnet 構成データベースから削除する。

たとえば,以下のコマンドを実行して NCP を起動し, LAN デバイス XQB0 が DECnet を使用することを禁止する。

$ RUN SYS$SYSTEM:NCP

NCP> PURGE CIRCUIT QNA-1 ALL
NCP> DEFINE CIRCUIT QNA-1 STA OFF
NCP> EXIT

関連項目:

OpenVMS Cluster 構成で LAN セグメントに接続を分散する操作の詳細については,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照。

1 つの LAN アダプタを除き,他のすべてのアダプタに関連するルーティング・サーキットを削除する操作の詳細については, DECnet--Plus のマニュアルを参照 (DECnet--Plus ノードで拡張アドレッシングが使用されており,どのルーティング・サーキットでもフェーズ IV 互換アドレッシングが使用されていない場合は,LAN アダプタは問題にならない)。

3 リモート・ノード・データをクラスタ単位で使用可能にする。 NETCONFIG.COM は SYS$SPECIFIC:[SYSEXE] ディレクトリにパーマネント・リモート・ノード・データベース・ファイル NETNODE_REMOTE.DAT を作成する。このファイルには,リモート・ノード・データが格納される。このデータを OpenVMS Cluster 全体で使用できるようにするには,ファイルを SYS$COMMON:[SYSEXE] ディレクトリに移動する。

例: 以下のコマンドを入力して,DECnet 情報がクラスタ全体で使用できるようにする。

$ RENAME SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]NETNODE_REMOTE.DAT 
SYS$COMMON:[SYSEXE]NETNODE_REMOTE.DAT

構成で複数のシステム・ディスクを使用する場合は, SYLOGICALS.COM で以下のコマンドを使用することにより,共通の NETNODE_REMOTE.DAT ファイルを自動的に設定できる。

$ DEFINE/SYSTEM/EXE NETNODE_REMOTE
ddcu:[directory]NETNODE_REMOTE.DAT

注意: 同じ方法で,共通の NETOBJECT.DAT ファイルをクラスタ単位で設定することを推奨する。

DECdns は,ノード・データ (ネームスペース) の管理のために DECnet--Plus ノードで使用される。DECnet--Plus の場合,セッション・コントロール・アプリケーションがオブジェクトを置換する。

4 クラスタ・エイリアスの使用をサポートするために,ルータ・ノードを指定して有効にする。クラスタ・エイリアスに参加するノードのうち,少なくとも 1 つのノードをレベル 1 ルータとして構成しなければならない。

+VAX システムでは,NETCONFIG.COM を実行するときに,コンピュータをルータ・ノードとして指定できる (ステップ 1 を参照)。

++Alpha システムでは, NETCONFIG.COM プロシージャがルーティングに関する質問を出力しないため,レベル 1 ルーティングの指定は手動で行わなければならない。

構成に Alpha ノードだけしか含まれないのか,VAX ノードと Alpha ノードの組み合わせが含まれるのかに応じて,以下のいずれかの操作を実行する。

クラスタの構成 操作
Alpha ノードのみ 1 台の Alpha ノードでレベル 1 ルーティングを手動で有効にしなければならない (例を参照)。
Alpha ノードと VAX ノードの両方 VAX ノードがすでにルーティング・ノードに設定されている場合は,Alpha ノードでレベル 1 ルーティングを有効に設定する必要はない。
  VAX ノードがすでにルーティング・ノードとして設定されている場合は,Alpha ノードで DECnet 拡張機能ライセンス DVNETEXT を有効に設定する必要はない。

++例: Alpha ノードでレベル 1 ルーティングを有効に 設定しなければならない場合は,Alpha システムで NCP ユーティリティを起動して この操作を実行する。以下の例を参照。

$ RUN SYS$SYSTEM:NCP
NCP> DEFINE EXECUTOR TYPE ROUTING IV

++Alpha システムでは,クラスタ・エイリアス操作を有効にするためにだけ,レベル 1 ルーティングがサポートされる。

5 必要に応じて,クラスタ・エイリアスを定義する。クラスタ・エイリアスを定義する場合は,NCP ユーティリティを起動する。これらのコマンドを使用して指定した情報は, DECnet パーマネント・エグゼキュータ・データベースに登録され,ネットワークを起動するときに有効になる。

例: 以下の NCP コマンドは SOLAR をエイリアスとして設定する。

$ RUN SYS$SYSTEM:NCP

NCP> DEFINE NODE 2.1 NAME SOLAR
NCP> DEFINE EXECUTOR ALIAS NODE SOLAR
NCP> EXIT
$

関連項目: クラスタ・エイリアスについては, 第 4.5.8 項 を参照。他のコンピュータに対してエイリアス操作を有効にする方法については, 第 4.5.9 項 を参照。DECnet--Plus ノードでクラスタ・エイリアスを設定する方法については, DECnet--Plus のマニュアルを参照。

注意: DECnet for OpenVMS ノードと DECnet--Plus ノードでクラスタ・エイリアスを共用することはできない。


+VAX 固有
++Alpha 固有

4.5.7 DECnet の起動

DECnet--Plus を使用している場合は,ネットワークを起動するための手順を実行する必要はありません。 NET$CONFIGURE.COM プロシージャを使用してノードを構成した後,次回リブートするときに,DECnet--Plus が自動的に起動されます。

DECnet for OpenVMS を使用している場合は,システム・プロンプトに対して以下のコマンドを入力して,ネットワークを起動します。


$ @SYS$MANAGER:STARTNET.COM

OpenVMS Cluster コンピュータをブートするたびに,ネットワークが確実に起動されるようにするには,そのコマンド・ラインを適切なスタートアップ・コマンド・ファイルに追加します (スタートアップ・コマンド・ファイルについては, 第 5.6 節 を参照)。

4.5.8 クラスタ・エイリアスとは

クラスタ・エイリアスは,OpenVMS Cluster システムの 1 つのネットワーク・ノード識別子として機能します。クラスタ・エイリアスが有効に設定されている場合は,すべての OpenVMS Cluster ノードは,ネットワークの他の部分から 1 つのノードとして認識されます。

クラスタ内のコンピュータは,DECnet ネットワーク内の他のコンピュータとの通信でエイリアスを使用できます。たとえば,ネットワークに接続され,OpenVMS Cluster のサービスを利用するアプリケーションは,エイリアスを使用しなければなりません。エイリアスを使用すれば,少なくとも 1 つの OpenVMS Cluster メンバがクライアント・プログラムの要求を処理できるときに,リモート・アクセスが成功することが保証されます。

規則:

4.5.9 エイリアス操作の有効化

クラスタ・エイリアスを定義し, 第 4.5.6 項 の説明に従ってルーティングを有効にした後で,他のコンピュータを起動し,クラスタ内で稼動している状態にした後 ,それらのコンピュータに対してエイリアス操作を有効に設定できます。エイリアス操作を有効に設定するには (つまり,コンピュータが,エイリアスに対して送信された接続要求を受け付けることができるようにするには),以下の手順を実行します。

  1. システム管理者としてログインし, SYSMAN ユーティリティを起動します。以下の例を参照してください。


    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> 
    

  2. SYSMAN> プロンプトに対して,以下のコマンドを入力します。


    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment: 
            Clusterwide on local cluster 
            Username SYSTEM  will be used on nonlocal nodes
    SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=(OPER,SYSPRV)
    SYSMAN> DO MCR NCP SET EXECUTOR STATE OFF
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node X...
       .
       .
       .
    SYSMAN> DO MCR NCP DEFINE EXECUTOR ALIAS INCOMING ENABLED
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node X...
       .
       .
       .
    SYSMAN> DO @SYS$MANAGER:STARTNET.COM
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node X...
       .
       .
       .
    

注意: サテライト・ノードに対して,エイリアス操作を有効に設定することは推奨できません。

関連項目: DECnet for OpenVMS ネットワーキングおよびクラスタ・エイリアスの詳細については,『DECnet for OpenVMS Networking Manual』と『DECnet for OpenVMS Network Management Utilities』を参照してください。 DECnet--Plus に関する同様の情報については,DECnet--Plus のマニュアルを参照してください。


第 5 章
共用環境の準備

どの OpenVMS Cluster 環境でも,リソースはできるだけ共用することが最適です。リソースを共用すると,作業をクラスタ全体で分散できるため,簡単に作業負荷のバランスをとることができます。

5.1 共用可能なリソース

全部ではありませんが,大部分のリソースは OpenVMS Cluster のノード間で共用できます。以下の表は共用できるリソースを示しています。

共用可能なリソース 説明
システム・ディスク 同じアーキクテクチャ 1 のすべてのメンバは,1 つのシステム・ディスクを共用でき,各メンバが独自のシステム・ディスクを保有することもでき,メンバがこの 2 つの方法の組み合わせを利用することもできる。
データ・ディスク すべてのメンバはどのデータ・ディスクも共用できる。ローカル・ディスクの場合,MSCP サーバを使用してディスクをクラスタ全体でアクセス可能として設定しない限り,アクセスはローカル・ノードだけに制限される。
テープ・ドライブ すべてのメンバはテープ・ドライブを共用できる (ただし,すべてのメンバが同時にアクセスできるというわけではない)。ローカル・テープ・ドライブの場合,TMSCP サーバを使用して,テープをクラスタ全体からアクセス可能として設定しない限り,アクセスはローカル・ノードに制限される。DSA テープだけは,すべての OpenVMS Cluster メンバにサービスを提供できる。
バッチ・キューとプリント・キュー ジョブが実際に実行されているプロセッサとは無関係に,ユーザは, OpenVMS Cluster 内のどのキューにもバッチ・ジョブを登録できる。汎用キューは,使用可能なプロセッサ間で負荷のバランスをとることができる。
アプリケーション ほとんどのアプリケーションは,シングル・システムの場合と同様に,OpenVMS Cluster で動作できる。アプリケーション設計者は,OpenVMS Cluster の複数のノードで同時に動作し,ファイル内のデータを共用するアプリケーションを構築することもできる。
利用者登録ファイル すべてのノードは,すべてのシステムで,同じアクセスに対して共通の利用者登録ファイル (UAF) を使用することができ,複数の UAF を使用してノード固有のクォータを有効にすることもできる。共通の UAF を使用する場合,ユーザ・パスワード,ディレクトリ,上限,クォータ,特権はすべてのシステムで同一になる。


1システム・ディスクのデータは,Alpha プロセッサと VAX プロセッサの間で共用できる。しかし,VAX ノードを Alpha システム・ディスクからブートすることはできず, Alpha ノードを VAX システム・ディスクからブートすることもできない。

5.1.1 ローカル・リソース

以下の表は,ローカル・ノードだけからアクセスできるリソースを示しています。

共用できないリソース 説明
メモリ OpenVMS Cluster の各メンバは独自のメモリを管理しなければならない。
ユーザ・プロセス OpenVMS Cluster のメンバでユーザ・プロセスが生成される場合,プロセスはローカル・メモリを使用して,そのコンピュータで完了しなければならない。
プリンタ キューを通じて入力を受け付けないプリンタは,そのプリンタが直接接続されている OpenVMS Cluster メンバからだけ使用される。キューを通じて入力を受け付けるプリンタは,OpenVMS Cluster のどのメンバからもアクセス可能である。

5.1.2 構成例

図 5-1 は,Alpha システム・ディスクと VAX システム・ディスクの両方を保有し,Alpha システムと VAX システムの間で環境ファイルを共用できるように設定されているデュアル・ポート・ディスクを保有する OpenVMS Cluster システムの例を示しています。

図 5-1 リソース共用の構成例



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