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MONITOR DLOCKコマンドを実行すると,DLOCK(分散型ロック管理)クラスの統計情報の監視が開始されます。
MONITOR DLOCK
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
DLOCK クラスは,クラスタ環境でロック管理サブシステムを監視する場合に便利です。DLOCK クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 New ENQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行する新しいロック (ENQ) 要求の割合 New ENQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行する新しいロック要求の割合 New ENQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行する新しいロック要求の割合 Converted ENQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行するロック (ENQ) 変換要求の割合 Converted ENQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するロック変換要求の割合 Converted ENQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するロック変換要求の割合 DEQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行するアンロック (DEQ) 要求の割合 DEQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するアンロック要求の割合 DEQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するアンロック要求の割合 Blocking AST Rate (Local) 対象システムが起動し実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合 Blocking AST Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合 Blocking AST Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合 Directory Function Rate (Incoming) 対象ノードが管理しているロックに対する要求の割合 Directory Function Rate (Outgoing) 他のノードが管理しているロックに対する要求の割合 Deadlock Message Rate デッドロック検出に要する発着メッセージの割合
MONITOR> MONITOR DLOCK
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現在のロック管理動作がローカル・ノードで発生していること,ただし,監視期間中のある時点で相当量の着信動作があったことを示しています。
MONITOR FCPコマンドを実行すると,統計情報のファイル制御プリミティブ・クラスの監視が開始され,ローカル・ノードのすべての Files-11補助制御プロセス (ACP)と拡張QIQプログラム (XQP)に関する情報が表示されます。
MONITOR FCP
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
FCP クラスのデータ項目は,次のとおりです。すべての項目について, 1 秒あたりの発生率が表示されます。
FCP Call Rate ファイル・システムが受信した QIO 要求の割合 Allocation Rate ディスク空間を割り付けた呼び出しの割合 Create Rate 新しいファイルの作成率 Disk Read Rate ファイル・システムによるディスクの読み込み動作率 Disk Write Rate ファイル・システムによるディスクの書き込み動作率 Volume Lock Wait Rate 送信権の争奪によってボリューム同期ロックが待ち状態となった割合。ファイルの作成,削除,拡張,切り捨て時に XQP が削除したボリューム同期ロック数が表示されます。 CPU Tick Rate ファイル・システムが使用した CPU 時間 (10 ミリ秒刻み) File System Page Fault Rate ファイル・システムにおけるページ・フォルト発生率 Window Turn Rate ファイル・マップ・ウィンドウ・ミス率 File Lookup Rate ファイル・ディレクトリにおけるファイル名検索動作率 File Open Rate ファイルをオープンした割合 Erase Rate ファイル・システムによる消去動作起動率
MONITOR> MONITOR /INTERVAL=10 FCP
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最後の収集間隔である 10 秒で,ファイルがオープンされた割合が 2.0 であることを示しています (総数は 20)。 MONITOR コマンド入力後の平均率は 3.54,最高率は 5.10,最低率は最後の 10 秒間の 2.0 です。
MONITOR FILE_SYSTEM_CACHEコマンドを実行すると,統計情報の FILE_SYSTEM_CACHEクラスの監視が開始されます。
MONITOR FILE_SYSTEM_CACHE
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
FILE_SYSTEM_CACHE クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 Directory FCB Hit% ディレクトリ・キャッシュにおけるディレクトリ・ファイル制御ブロック・ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
Directory FCB Attempt Rate ディレクトリ・キャッシュ内でディレクトリ・ファイル制御ブロックを検索しようとした割合 Directory Data Hit% ディレクトリ・キャッシュにおけるディレクトリ・データ・ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
Directory Data Attempt Rate ディレクトリ・キャッシュ内でディレクトリ・データを検索しようとした割合 File Header Hit% ファイル・ヘッダ・キャッシュにおけるファイル・ヘッダ・ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
File Header Attempt Rate ファイル・ヘッダ・キャッシュ内でファイル・ヘッダを検索しようとした割合 File ID Hit% ファイル識別子キャッシュにおけるファイル識別子ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
File ID Cache Attempt Rate ファイル識別子キャッシュ内でファイル識別子を検索しようとした割合 Extent Cache Hit% 拡張キャッシュにおける該当サイズ拡張ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
Extent Cache Attempt Rate 拡張キャッシュ内で該当サイズ拡張を検索しようとした割合 Quota Cache Hit% クォータ・キャッシュにおけるクォータ・エントリ・ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
Quota Cache Attempt Rate クォータ・キャッシュ内でエントリを検索しようとした割合 Bitmap Cache Hit% ビットマップ・キャッシュにおけるエントリ・ヒット率 ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。
Bitmap Cache Attempt Rate ビットマップ・キャッシュ内でエントリを検索しようとした割合
FILE_SYSTEM_CACHE のデータ項目は,Dir FCB を除き,すべて XQP だけに適用されます。Dir FCB 項目は,XQP と ODS-1 ACP の両方に適用されます。
MONITOR> MONITOR FILE_SYSTEM_CACHE
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キャッシュのヒットとミスは,ファイル・システムのキャッシングの効率を反映しています。通常,キャッシュのサイズがヒット率に影響します。Attempt Rate は,ヒットとミスの合計であり,Hit% は,正常終了した試みの比率です。
平均ヒット率は,他の MONITOR データ項目とは異なり,以前のヒット率ではなく,監視開始後のヒット総数と試み数をもとに計算されます。したがって,より正確な平均値が出力されます。
ディレクトリ FCB キャッシュは,ディレクトリ検索を行うたびにチェックされます。ディレクトリ検索は,ファイルをオープン,作成,削除,拡張,切り捨てしたときに実行できます。ディレクトリに対応するファイル制御ブロックがキャッシュに存在する場合,ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ディレクトリ・データ・キャッシュは,ファイル検索を行うたびにチェックされます。ディレクトリ・ルックアップは,ファイルをオープン,作成,削除,拡張,切り捨てしたときに実行できます。アクセスされているファイルのエントリがディレクトリ・データ・キャッシュに存在する場合,ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ファイル・ヘッダ・キャッシュは,ファイルをオープン,クローズ,作成,削除,拡張,切り捨てしたときにチェックされます。アクセスされているファイルのファイル・ヘッダがファイル・ヘッダ・キャッシュに存在する場合,ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ファイル識別子キャッシュは,ファイル作成時に削除され,ファイルの削除時に戻されるファイル識別子のリストです。ファイル識別子ヒットは,ファイル識別子キャッシュからの削除またはファイル識別子キャッシュへの戻しが正常終了したファイル番号です。異常終了した場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
拡張キャッシュは,ファイルを作成,削除,拡張,切り捨てしたときにチェックされます。ファイルの作成または拡張時に,拡張キャッシュの空間が割り当てられます。ファイル作成時に充分なサイズが存在する場合,ヒットが記録されます。充分なサイズが存在しない場合やエントリを分割しなければならない場合,試みが記録されます。ファイル削除時にブロックを戻した結果,拡張キャッシュが大きくなりすぎなかった場合,ヒットが記録されます。大きくなりすぎた場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
クォータ・チェックが許可されている場合,ファイルを作成,削除,拡張,切り捨てしたときに クォータ・キャッシュがチェックされます。希望するエントリ (要求元の識別子と一致する識別子) がクォータ・キャッシュに存在する場合,ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ビットマップ・キャッシュは,記憶ビットマップ・ファイルから取り出したブロックを格納します。拡張キャッシュがディスク空間要求に対応できなかった場合に,アクセスされます。値が高い場合,ボリュームがフラグメンテーションされていることを示します。
FILE_SYSTEM_CACHE のデータ項目は,次のとおり, SYSGEN ACP/XQP パラメータと対応します。
| FILE_SYSTEM_CACHE 項目 | ACP/XQP パラメータ |
|---|---|
| Dir FCB | ACP_SYSACC |
| ACP_DINDXCACHE | |
| Dir Data | ACP_DIRCACHE |
| File Hdr | ACP_HDRCACHE |
| File ID | ACP_FIDCACHE |
| Extent | ACP_EXTCACHE |
| ACP_EXTLIMIT | |
| Quota | ACP_QUOCACHE |
| Bitmap | ACP_MAPCACHE |
ACP/XQPキャッシュ・パラメータを変更する場合には,システムをリブートしなければ,変更結果は有効になりません。これらのパラメータについての詳しい説明は, 付録 K を参照してください。
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