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HP OpenVMS Systems
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日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS

日本語 HP DECwindows Motif
for OpenVMS
リリース・ノート


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3.3.9 XINERAMA 拡張と SEC_XAG 拡張が存在すると非トラステッド接続で実行されるアプリケーションが動作しない問題

V1.3

生成されたクッキーを使用して非トラステッドで X サーバに接続されたアプリケーションは, XC-APPGROUP,SECURITY,および XINERAMA サーバ拡張がロードされている場合,動作しないことがあります。この問題は,サーバの起動時にこれらの 2 つの拡張が初期化される順序により発生します。

この問題を回避するには,XINERAMA と SEC_XAG (SECURITY と XC-APPGROUP を組み合わせたイメージ) の両方をロードする場合, DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM 内の DECW$SERVER_EXTENSIONS で,必ず XINERAMA を SEC_XAG より前に定義してください。

たとえば,次のように定義します。


$ decw$server_extensions == "XINERAMA,SEC_XAG" 

次の定義は使用しないでください。


$ decw$server_extensions == "SEC_XAG,XINERAMA" 

3.3.10 Kerberos および TCP/IP がノード名 0 を解釈できない問題

V1.3

TCP/IP で Kerberos を使用している場合,ローカル・ホストを意味するノード名 0 は正しく機能しません。この問題は,Kerberos がサーバの権限ファイルから初期化されている場合にのみ発生します。次の例を参照してください。


$ SET DISPLAY/TRANSPORT=TCPIP/NODE=0 
$ RUN DECW$EXAMPLES:ICO 
 
  Xlib: krb5_sname_to_principal failed: Hostname cannot be canonicalized 
  Cannot open display 
  : non-translatable vms error code: 0x182B2 
  %rms-e-rnf, record not found 

この問題を回避するには,ローカル・ホストの TCP/IP アドレスを指定してください。


$ SET DISPLAY/TRANSPORT=TCPIP/NODE=11.22.33.44 

3.3.11 サーバの X 権限ファイルから Kerberos の設定を初期化する際の DECwindows Motif ログインの使用禁止

V1.3

サーバの X 権限ファイルを使用して Kerberos の設定を初期化している場合, DECwindows Motif ログインは使用できません。これは,DECwindows ログインが特権付きイメージであり, Kerberos ランタイム・イメージはインストールされたイメージではないためです。さらに,ログインによって実行されたクライアントは, Kerberos の設定を操作します。このため,この構成ではセッション管理はサポートされません。

DECwindows ログイン・ボックスが表示されないようにするには,次に示すように, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM で DECW$MAINAPP を定義します。


$ DECW$MAINAPP == " " 

3.3.12 Kerberos ログイン・ボックスのヘルプの問題

V1.3

チケットの削除 (Revoke Ticket) に関するオンライン・ヘルプの説明は正しくありません。正しい説明は 『HP DECwindows Motif for OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。

3.3.13 デフォルトの X 権限ファイルへのクッキーの生成

V1.3

生成したクッキーをデフォルトの X 権限ファイルに書き込むと,現在のセッションのクッキーと干渉して問題が発生することがあります。生成したクッキーの値を広めたくない場合は,次のように /XAUTH 修飾子を使用して,デフォルト以外の X 権限ファイルに書き込むよう指定してください。


$ SET DISPLAY/GENERATE=NOTIMEOUT/XAUTH=DISK$:[DIR]MYAUTHORITY.DECW$XAUTH 

現在の DECwindows Motif セッション中に,生成したクッキーをデフォルトの X 権限ファイルに書き込んだ場合は,セッションを終了することで,通常のシステム操作を復元できます。

DECwindows Motif セッションの外部で,生成したクッキーをユーザのデフォルトの X 権限ファイルに書き込んだ場合は,ユーザがログインする前に X 権限ファイルを削除する必要があります。

3.4 デスクトップ管理

この節では,デスクトップ・アプリケーションの管理に関する重要な問題と考慮事項について説明します。

3.4.1 トラステッド・アンポーズ動作のサポート

V1.6

ACME サブシステムが,OpenVMS I64 環境で利用できるようになりました。これにより,トラステッド・アンポーズ機能が, OpenVMS Alpha システムと OpenVMS I64 システムの両方で利用できるようになりました。 ACME サブシステムについての詳細は,『HP OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。

3.4.2 DECwindows ログイン画面の色に関する問題点

V1.2

DECW$LOGIN.DAT ファイルをカスタマイズしているシステムでは, [セッション起動] ダイアログ・ボックスの色が褐色ではなく青になるという問題が発生する場合があります。この状態が発生した場合は, SYS$COMMON:[DECW$DEFAULTS.USER] ディレクトリからカスタマイズされた DECW$LOGIN.DAT ファイルを探し,これを SYS$MANAGER に移します。 SYS$COMMON:[DECW$DEFAULTS.USER] に DECW$LOGIN.DAT ファイルがある場合, "*background:" リソースが定義されず,省略時の設定である青となります。

弊社提供の DECW$LOGIN.DAT ファイルが, SYS$COMMON:[DECW$DEFAULTS.SYSTEM] ディレクトリに置かれています。このファイルをカスタマイズしたものは, SYS$MANAGER にだけ置くようにしてください。

3.5 フォントとキーマップの管理

この節は,フォントとキーマップのサポートに関するリリース・ノートです。

3.5.1 TrueType フォントのプロパティの問い合わせでディスプレイ・サーバがリセットされる問題の解決 (Alpha のみ)

V1.5

以前のバージョンでは,デスクトップ・アプリケーションや xlsfonts ユーティリティ (-l オプションを使用) で TrueType フォントのプロパティの問い合わせを行うと,ディスプレイ・サーバが部分的にリセットされハングしたようになる場合がありました。この問題は DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.5 で解決されています。

3.5.2 ユーロ通貨記号の制限

V1.3

DECwindows Motif と,そのユーロ通貨記号のサポートに関して,次の制限事項があります。

3.5.3 Mode_switch 修飾子が実装されているキーマップのリソース設定の調整

V1.3

Mode_switch修飾子が実装されている従来の DECwindows Motif キーマップを使用している場合,ウィンドウのグラブが可能なように,最初にデフォルトのウィンドウ・マネージャのリソース設定を調整する必要があります。この調整を行っておかないと,デスクトップでオープンされているウィンドウのハンドルをマウスでグラブできません。

たとえば,AUSTRIAN_GERMAN_LK401AG_TW キーマップでは, compose キーはワンショットのロックダウン修飾キーとして実装されています。このキーマップをロードした状態で初めて compose キーを押すと, Mode_switch modifierがオンになり,デスクトップで現在オープンされているアプリケーション・ウィンドウのハンドルをグラブできなくなります。

この問題を回避するには,次のようにデフォルトのウィンドウ・マネージャ・リソースを再定義し, DECwindows Motif セッションを再起動します。

3.6 プロキシ・サーバの管理

以降の項は,LBX (Low-Bandwidth X) プロキシ・サーバと,関連のプロキシ・アプリケーションの管理に関するリリース・ノートです。

3.6.1 LBX プロキシ・サーバがクライアントの接続要求を受け付けない問題の修正

V1.6

アプリケーションがハングアップし, CPU や I/O 時間を消費していないように見える状態で, LBX プロキシ・サーバがクライアントの接続要求を受け付けないという問題がありました。これは DECwindows Motif V1.5 ECO1 の変更で, LBX プロキシ・サーバが壊れたためです。

この問題は,DECWindows Motif for OpenVMS Version 1.6 で修正されています。

3.6.2 プロキシ・サーバで XC-QUERY-SECURITY-1 プロトコルがサポートされない問題

V1.3--1

LBX (Low-Bandwidth X) プロキシ・サーバ (およびその他の他社製プロキシ・サーバ) では, XC-QUERY-SECURITY-1 認証プロトコルの使用はサポートされません。この認証プロトコルは SECURITY サーバ拡張によって有効になるもので,一般に接続先のディスプレイ・サーバのセキュリティ構成の検証のために,ファイアウォール・サーバで使用されます。通常,ファイアウォール・サーバはプロキシ・サーバを経由せずに,ディスプレイ・サーバに直接接続されます。

XC-QUERY-SECURITY-1 プロトコルを使用しているディスプレイ・サーバに接続するために,クライアント・アプリケーションで他社製プロキシ・サーバを使っている場合,アプリケーションでループやブロック,クラッシュなどが発生することがあります。 LBX プロキシ・サーバは,プロトコルが使用されているかどうかを検出するように変更され,使用されている場合は,次のエラー・メッセージが出力されるようになりました。


Multi-pass authentication not supported by LBX 

プロキシ・サーバを使用して 1 つ以上の X ディスプレイ・サーバへの接続を処理する場合は,セキュリティ拡張 (SECURITY) が X サーバで有効になっていないことを確認してください。このことを確認するには,各サーバ・システムで DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルをスキャンし,パラメータ DECW$SERVER_EXTENSIONS の値が SEC_XAG でないことをチェックしてください。

3.6.3 プロキシ・マネージャ・プロセスが自動的に再起動しない問題

V1.3

DECwindows Motif がプロキシ・マネージャ・プロセスを自動的に再起動するように構成されていて, DECwindows Motif セッションが手動で再起動された場合,プロキシ・マネージャに関して次の問題が発生することがあります。

これらの問題は,通常のシステム・シャットダウン (リブート) の一環として DECwindows Motif が再起動された場合には発生しません。

プロキシ・マネージャを手動で再起動するには, DECwindows Motif を再起動する前に,アクティブなプロキシ・マネージャ・プロセスごとに次のコマンドを入力します。


$ STOP DECW$PROXY

このコマンドは,アクティブなプロキシ・マネージャ・プロセスを停止するだけではなく,このプロセスが管理していたプロキシ・サーバ接続もすべて終了させます。

プロキシ・マネージャ・プロセスの所有者が確実に SYSTEM アカウントになるようにするには, DECwindows Motif を再起動するときには必ず SYSTEM でログインします。

3.6.4 プロキシ・マネージャ構成ファイルの制限事項

V1.3

プロキシ・マネージャでは,同じプロキシ・サービスに対して,管理対象または管理対象外のエントリを,構成ファイル内に複数指定することはサポートしていません。複数のエントリが存在する場合は,最初の 1 個だけが処理されます。

3.7 X ディスプレイ・サーバの管理

以降の項は, DECwindows X11 ディスプレイ・サーバの管理に関するリリース・ノートです。

3.7.1 Xinerama 構成でのダイアログ位置選択のサポート

V1.6

新しいデスクトップで使われる Xinerama 構成では,「Login Screen」,「Login Help」,「Set Password」,「Kerberos Login」,「Kerberos Help」など一部のヘルプ・ダイアログは,すべてのディスプレイに分割されて表示されるため,使用しにくくなっていました。このため,リソース・ファイル内の適切なリソースを使用してこれらの画面の位置を決めることができるようになりました。

リソース・ファイルと各ダイアログのリソースは,以下のとおりです。

  1. ログイン画面


    cde$user_defaults:[config.c]xresources.dat 
    Dtlogin*matte.x: <value> 
    Dtlogin*matte.y: <value> 
     
    Default Positon for Login Screen without resources in the resource 
    file is the screen center. 
    

  2. ログイン・ヘルプ


    cde$user_defaults:[config.c]xresources.dat 
    Dtlogin*help_message.defaultPosition: False 
    Dtlogin*help_message.x: <value> 
    Dtlogin*help_message.y: <value> 
     
    Default Position for Login Help without resources in the resource 
    file is the screen center. 
    

  3. [パスワード設定] ダイアログ


    cde$user_defaults:[config.c]xresources.dat 
    Dtlogin*help_message.defaultPosition: False 
    Dtlogin*help_message.x: <value> 
    Dtlogin*help_message.y: <value> 
     
    Default Position for Set Password without resources in the resource 
    file is the screen center. 
    

  4. [Kerberos ログイン] ダイアログ


    cde$user_defaults:[config.c]xresources.dat 
    Dtlogin*help_message.defaultPosition: False 
    Dtlogin*help_message.x: <value> 
    Dtlogin*help_message.y: <value> 
     
    Default Position for Kerberos Login Dialog without resources in the resource 
    file is the screen center. 
    

  5. [Kerberos ヘルプ] ダイアログ


    cde$user_defaults:[config.c]xresources.dat 
    Dtlogin*help_message.defaultPosition: False 
    Dtlogin*help_message.x: <value> 
    Dtlogin*help_message.y: <value> 
     
    Default Position for Kerberos Help Dialog without resources in the resource 
    file is the screen center. 
    

3.7.2 ATI RADEON グラフィックス・カード付きシステムでのピクセル深度の調整

V1.5

ATI RADEON グラフィックス・カードのデフォルト設定では,ピクセル深度はピクセル当たり 24 ビットで,ビジュアル・カラーは TrueColor です。これらの設定は, DECwindows Motif グラフィックス・アプリケーションあるいはユーティリティで特定のピクセル深度あるいはビジュアル・タイプ値を想定している場合,フェールの原因となる可能性があります。たとえば DECW$PAINT は,PseudoColor モードでピクセル深度 8 ビットを想定しています。

ATI RADEON カードを使用しているシステムで表示の問題が発生した場合は,『HP OpenVMS リリース・ノート[翻訳版]』の記述を参考に,システム論理名 DECW$SERVER_PIXEL_DEPTH あるいは DECW$SERVER_DEFAULT_VISUAL_CLASS を使用してデフォルト設定を調整してください。

3.7.3 XINERAMA マルチヘッド・システムでの性能の低下

V1.3

XINERAMA 拡張を使用するように構成されているマルチヘッド・システムでは,シングルヘッドあるいは XINERAMA を使用しない従来のマルチヘッド・システムよりも,性能が低い場合があります。システム性能の低下は,3 つ以上のグラフィックス・カードを使用し複数のアプリケーションが同時に集中的な要求の発行を行うようなマルチヘッド・システムでしばしば発生します。

これは予測範囲内の動作で,X.Org の XINERAMA の実装に内在するシステム性能の低下をもたらす次のような設計により発生するものです。

XINERAMA ベースのマルチヘッド・システムを構成しておりシステム性能の大幅な低下が発生した場合は,応答時間を改善するための以下のいずれかあるいは複数の対処を行うことをお勧めします。

システムのレスポンスに改善が見られない場合は XINERAMA 拡張を無効にし,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』で説明しているように従来のマルチヘッド・システムを構成します。


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