HP OpenVMS Systems Documentation |
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以下に示す手順に従って,プリント・サーバに接続されたプリンタのプリント・キューを設定するために,システム・スタートアップ・ファイルに記述すべきコマンドを決定してください。この手順を実行する場合は,パラメータ・テーブルの必要な情報を使用してください。
キューのスタートアップ情報は,キュー・スタートアップ・ファイルあるいはシステム・スタートアップ・ファイル (通常 SYS$MANAGER:SYSTARTUP_V5.COM,あるいは OpenVMS VAX バージョン6.0 以降および OpenVMS Alpha/I64 のすべてのバージョンではSYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM) のいずれかに置かれています。キューのスタートアップは,TELNET を起動した後に起動しなければなりません。
プリント・サーバ上での raw TCP 経由のプリンタの設定方法については,プリント・サーバのマニュアルを参照してください。OpenVMS 上での TELNET の設定方法については,TCP/IP Services for OpenVMS のマニュアルを参照してください。
3.3.4.1 キュー・スタートアップ情報の作成
この項では,ターミナル・サーバ・ベースのキューを構成するために,キュー・スタートアップ・ファイルあるいはシステム・スタートアップ・ファイルに記述するコマンドについて説明します。
$ DEFINE/FORM ESCJ_DEFAULT 1 -
/NOTRUNCATE/WIDTH=174/MARGIN=BOTTOM=0/STOCK=DEFAULT -
/DESCRIPTION="ESCP Trans default"
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この例では,ESCJ_DEFAULT はフォーム名で,1 はフォーム番号です。
形式:
$ DEFINE/FORM form-name form-number -
/WIDTH=174/MARGIN=BOTTOM=0/STOCK=DEFAULT -
/DESCRIPTION=string
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プリンタ・キューには,デフォルトのフォーム定義が必要です。 OpenVMS では,各フォームは名前と番号を持っています。フォーム番号を付ける簡便な方法は,使用可能な最も小さいフォーム番号を選ぶことです。
すでに使用しているフォーム番号を表示するには,次のコマンドを使用します。
$ SHOW QUEUE/FORM Form name Number Description --------- ------- ------------------------------------------ DEFAULT 0 System-defined default |
$ DEFINE /SYSTEM /EXEC ESCJ$TELNETSYM_RAW_TCP TRUE |
$ INITIALIZE/QUEUE ESCJPR3/START - /PROCESSOR=ESCJ$TELNETSYM - /FORM_MOUNTED=ESCJ_DEFAULT - /ON="SERVER:9100" |
この例では,
ESCJPR3 はキュー名です。
ESCJ_DEFAULT はフォーム名です。
SERVER はプリント・サーバの IP ノード名です。
9100 はプリンタが接続されたプリント・サーバの TCP/IP ポート番号です。
$ INITIALIZE/QUEUE queue-name/START -
/PROCESSOR=ESCJ$TELNETSYM -
/FORM_MOUNTED=form-name -
/ON="Server_ip_nodename:port_number"
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INITIALIZE/QUEUE コマンドは,キューがまだ存在していない場合はこれを作成し,名前をキューに付け,その他プロセッサ,マウント・フォーム,ポートなどの必要なものをキューに設定します。
$ SET QUEUE ESCJPR3 -
/DESCRIPTION="Gerry's Printer SERVER"
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形式:
$ SET QUEUE queue-name/DESCRIPTION=string |
SET QUEUE コマンドはキューの属性を変更します。/DESCRIPTION 修飾子には,キューについての情報を記述するための最大 255 文字までの文字列を指定します。
$ SET QUEUE ESCJPR3 -
/DEFAULT=(NOFEED,FORM=ESCJ_DEFAULT)
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この例では,ESCJPR3 はキュー名で,ESCJ_DEFAULT はフォーム名です。
形式:
$ SET QUEUE queue-name -
/DEFAULT=(option,NOFEED,FORM=form-name)
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これで,キュー名を PRINT コマンドで使用できるようになりました。たとえば,次のコマンドは ESCJPR3 にファイルを送信します。
$ PRINT/QUEUE=ESCJPR3 TEST_FILE.TXT |
PRINT コマンドおよびその修飾子についての詳細は, OpenVMS ドキュメントあるいはオンライン・ヘルプを参照してください。
3.4 PRINT コマンドの /PARAMETERS 修飾子
ここでは,日本語 ESCP トランスレータで使用する PRINT コマンドの /PARAMETERS 修飾子について説明します。
日本語 ESCP トランスレータは,OpenVMS オペレーティング・システムの PRINT コマンドのすべてのコマンド修飾子をサポートしています。このため,日本語 ESCP トランスレータを使用した環境でのユーザのプリント・オペレーションは,通常の OpenVMS 環境でサポートされているプリンタに印字する場合と同等のオペレーションでできます。
PRINT コマンドの使用例を示します。
$ PRINT/QUEUE=que-name file-name.txt
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また,日本語 ESCP トランスレータの固有な機能に関する設定を行うために,/PARAMETERS 修飾子に以下のパラメータが追加されています。
PRINT コマンドの /PARAMETERS 修飾子にパラメータを指定する方法は下記のようにかっこで囲い,各パラメータはコンマで区切ります。
パラメータを1つしか指定しない場合には,かっこを省略できます。
|
追加されたパラメータについての説明を以下に示します。
/PARAMETERS=ZEROFONT=NORMAL 零の字形に '0' を指定します。 /PARAMETERS=ZEROFONT=WITHSLASH 零の字形に 'φ' を指定します。 |
ZEROFONT パラメータが省略された場合,論理名 ESCJ$que-name_ZEROFONT で指定された値が使用されます。論理名 ESCJ$que-name_ZEROFONT が定義されていない場合, NORMAL が省略時の設定となります。
/PARAMETERS=FONTTYPE=NORMAL OCR-B フォントを使用しません。 /PARAMETERS=FONTTYPE=OCRB OCR-B フォントを使用します。 |
FONTTYPE パラメータが省略された場合,論理名 ESCJ$que-name_FONTTYPE で指定された値が使用されます。論理名 ESCJ$que-name_FONTTYPE が定義されていない場合, NORMAL が省略時の設定となります。
/PARAMETERS=DECKANJI=KANJI78 78 年版 DEC 漢字セット。 /PARAMETERS=DECKANJI=KANJI83 83 年版 DEC 漢字セット。 |
DECKANJI パラメータが省略された場合,論理名 ESCJ$que-name_DECKANJI で指定された値が使用されます。論理名 ESCJ$que-name_DECKANJI が定義されていない場合, KANJI83 が省略時の設定となります。
/PARAMETERS=KANJIPITCH=RELATIVE 漢字の文字間隔を相対にします。 /PARAMETERS=KANJIPITCH=FIXED 漢字の文字間隔を固定にします。 |
KANJIPITCH パラメータが省略された場合,論理名 ESCJ$que-name_KANJIPITCH で指定された値が使用されます。論理名 ESCJ$que-name_KANJIPITCH が定義されていない場合, RELATIVE が省略時の設定となります。
/PARAMETERS=PAGEWIDTH=value |
value は,ESC/P プリンタの英数カナ 10 CPI のときの印字桁数で 80 または 136 を指定できます。使用する ESC/P プリンタに合わせてください。
PAGEWIDTH パラメータが省略された場合,論理名 ESCJ$que-name_PAGEWIDTH で指定された値が使用されます。論理名 ESCJ$que-name_PAGEWIDTH が定義されていない場合, 136 が省略時の設定となります。
本章では,日本語 ESCP トランスレータを PRINT コマンドを使用しないで単体で使用する方法について説明します。これにより ESC/P に変換されたファイルを得ることができます。
シンボルの設定
日本語 ESCP トランスレータを単体で使用できるようにシンボル名を設定します。
$ ESCJ$TRANS == "$SYS$LIBRARY:ESCJ$TRANSSHR.EXE"
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使用方法
入力ファイル名および出力ファイル名とともに,日本語 ESCP トランスレータを実行します。出力ファイル名を省略した場合には SYS$OUTPUT に出力されます。
$ ESCJ$TRANS [OPTIONS] input-file [output-file]
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実行時には以下のオプションが指定できます。
| -k: | DEC漢字セットに78年版を使用します。 |
| -o: | 英数文字にOCR-Bフォントを使用します。 |
| -z: | 零の字形に 'φ' (0 にスラッシュ) を指定します。 |
| -f: | 漢字の文字間隔に固定を指定します。 |
| -8: | プリンタの用紙幅を10 CPI時80桁にします。 |
単体で使用する場合,論理名や /PARAMETER 修飾子による設定の影響は受けません。
単体使用で出力されたファイルを日本語 ESCP トランスレータで設定されたプリンタ・キューに出力することはできません。トランスレータを2回通すことになり,正常な印字結果になりません。 |
ESCJ がサポートする制御文字/制御命令は以下のとおりです。各制御文字/制御命令の説明は『LA88 ユーザガイド』を参照してください。(サポートされていても LA88 と動作が異なるものがあります。詳しくは 第 3.7 節 を参照してください。)
| ニーモニック | 機能 | ||
|---|---|---|---|
| BS | Back space | ||
| CAN | Cancel | ||
| CR | Carriage return | ||
| DECAUPSS | Assign UPSS | ||
| DECAWM | Auto wrap mode | ||
| DECCRNLM | CR new line mode | ||
| DECDHLB | Double height line bottom | ||
| DECDHLT | Double height line top | ||
| DECDWL | Double width line | ||
| DECSHORP | Select horizontal pitch | ||
| DECSHTS | Set horizontal tab stop | ||
| DECSLPP | Set lines per page | ||
| DECSLRM | Set left and right margin | ||
| DECSTBM | Set top and bottom margin | ||
| DECSTR | Soft terminal reset | ||
| DECSWL | Single width line | ||
| DECVERP | Select vertical pitch | ||
| DEL | Delete | ||
| FF | Form feed | ||
| GSM | Graphic size modification | ||
| HT | Horizontal tab | ||
| HTS | Horizontal tab set | ||
| IND | Index | ||
| LF | Line Feed | ||
| LNM | LF new line mode | ||
| LS0 (SI) | Locking shift 0 (Shift in) | ||
| LS1 (SO) | Locking shift 1 (Shift out) | ||
| LS1R | Locking shift 1 right | ||
| LS2 | Locking shift 2 | ||
| LS2R | Locking shift 2 right | ||
| LS3 | Locking shift 3 | ||
| LS3R | Locking shift 3 right | ||
| NEL | Next line | ||
| NUL | Null | ||
| PLD | Partial line down | ||
| RIS | Reset to initial state | ||
| Sixel protocol | |||
| SGR | Select graphic rendition | ||
| Normal | |||
| Bold | |||
| Underline | |||
| Italic | |||
| Reverse | |||
| Vertical | |||
| Double under line | |||
| SP | Space | ||
| SS2 | Single shift 2 | ||
| SS3 | Single shift 3 | ||
| SUB | Substitute | ||
| TBC (0,2,3) | Tab clear | ||
| VT | Vertical tab | ||
LA88 ではサポートされているが ESCJ ではサポートされない制御文字/制御命令は以下のとおりです。
| ニーモニック | 機能 | ||
|---|---|---|---|
| BEL | Bell | ||
| CUU | Cursor up | ||
| DA(1) | Primary Device attributes | ||
| DA(2) | Secondary device attributes | ||
| DECDEN | Select printing density | ||
| DECDRLBR | Draw a ruled line between in pattern | ||
| DECNVR | NVR save/restore | ||
| DECRQUPSS | Request UPSS | ||
| DECTST | Test | ||
| DSR | Device status report | ||
| PLU | Partial line up | ||
| RI | Reverse index | ||
| S7C1T | Select 7-bit C1 transmission | ||
| S8C1T | Select 8-bit C1 transmission | ||
| SGR | Select graphic rendition | ||
| Faint | |||
| XOFF (transmit only) | |||
| XON (transmit only) | |||
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