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HP OpenVMS Systems
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HP OpenVMS

HP OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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/CRC

出力セーブ・セット修飾子

/CRC を入力セーブ・セット修飾子として使用する場合は,別の説明を参照してください。

ソフトウェア巡回冗長チェック (CRC) を実行し,結果を出力セーブ・セットのデータ・ブロックに格納することを指定します。


形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定 /[NO]CRC


説明

省略時の値は,/CRC です。チェックを禁止するには,/NOCRC を指定します。 /NOCRC は処理時間を短縮しますが,データを消失する恐れが高くなります。


$ BACKUP/RECORD []/SINCE=BACKUP MTA2:988SAVE.BCK/NOCRC

現在の省略時のディレクトリに存在し,最後の BACKUP/RECORD 処理以降に作成または変更されたすべてのファイルを,セーブ・セット 988SAVE.BCK にセーブしています。出力セーブ・セット修飾子 /NOCRC は,巡回冗長チェックを禁止します。

/CREATED

入力ファイル選択修飾子

各ファイル・ヘッダ・レコードの作成日フィールドの値に従って,ファイルを選択します。


形式

入力指定子 /BEFORE=日時/CREATED出力指定子

入力指定子/SINCE= 日時/CREATED出力指定子


説明

/CREATED には,/BEFORE 修飾子または /SINCE 修飾子を併用してください。 /BEFORE または /SINCE で指定する日時により,処理するファイルが決まります。

/CREATED は,/BACKUP,/MODIFIED, /EXPIRED のいずれかの修飾子と併用することはできません。



$ BACKUP *.SDML/SINCE=YESTERDAY/CREATED DLA2:[SAVEDIR]/SAVE_SET

昨日 (昨夜午前 0 時より前の 24 時間) に作成され,ファイル・タイプが .SDML のすべてのファイルをセーブしています。

/DELETE

コマンド修飾子

BACKUP のセーブ操作またはコピー操作で,すべてのファイルを正しく処理した後,選択されたファイルを入力ボリュームから削除することを指定します。


形式

/DELETE ファイル指定 セーブ・セット指定


説明

/DELETE 修飾子を指定できるのは, BACKUP のセーブまたはコピー処理で使用した場合に限定されます。また,ファイルを削除するための特権が必要です。特権がない場合,削除保護ファイルは削除されません。コマンド修飾子 /VERIFY を /DELETE と併用した場合,チェックが失敗したファイルは削除されません。

/DELETE は,/PHYSICAL,/RECORD,/COMPARE のいずれのコマンド修飾子とも併用できません。


#1

$ BACKUP/DELETE BOP.DAT MTA0:BOP.BCK/LABEL=DANCE

セーブ・セット BOP.BCK を MTA0 上に作成した後,BOP.DAT ファイルを削除しています。

#2

$ BACKUP/VERIFY/DELETE RAY.DAT,JOE.DAT,ELLA.DAT MTA0:OSCAR.BCK/LABEL=FRIEND

選択したファイルのリストを MTA0 上の OSCAR.BCK にセーブして出力セーブ・セットを入力ファイルと比較した後,このファイル・リストを削除しています。出力セーブ・セットと入力ファイルの内容に違いがある場合,入力ファイルは削除されません。

/DENSITY

出力セーブ・セット修飾子

出力磁気テープの記録密度を指定します。磁気テープ・ドライブによってサポートされている値を指定してください。

/DENSITY 修飾子を指定しない場合,省略時の記録密度は磁気テープ・ドライブの現在の記録密度となります。 /DENSITY では,出力セーブ・セット修飾子 /REWIND を指定してください。


形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定 /DENSITY=キーワード

以下の表は,テープでサポートされる記録密度の一覧です。

キーワード 意味
省略時の値 省略時の記録密度
800 NRZI 800 ビット/インチ (BPI)
1600 PE 1600 BPI
6250 GRC 6250 BPI
3480 IBM 3480 HPC 39872 BPI
3490E IBM 3480 圧縮
833 DLT TK50: 833 BPI
TK50 DLT TK50: 833 BPI
TK70 DLT TK70: 1250 BPI
6250 RV80 6250 BPI 相当
注意: 以上のシンボルのみが, OpenVMS Version 7.2 以前の TMSCP/TUDRIVER コードによって解釈される。この表の以下のシンボルは,Alpha システムと I64 システムでのみサポートされる。
TK85 DLT Tx85: 10625 BPI---Cmpt III - Alpha および I64 のみ
TK86 DLT Tx86: 10626 BPI---Cmpt III - Alpha および I64 のみ
TK87 DLT Tx87: 62500 BPI---Cmpt III - Alpha および I64 のみ
TK88 DLT Tx88: (Quantum 4000)---Cmpt IV - Alpha および I64 のみ
TK89 DLT Tx89: (Quantum 7000)---Cmpt IV - Alpha および I64 のみ
QIC すべての QIC ドライブは,ドライブ設定可能なもののみ - Alpha および I64 のみ
8200 Exa-Byte 8200 - Alpha および I64 のみ
8500 Exa-Byte 8500 - Alpha および I64 のみ
DDS1 Digital Data Storage 1---2G - Alpha および I64 のみ
DDS2 Digital Data Storage 2---4G - Alpha および I64 のみ
DDS3 Digital Data Storage 3---8-10G - Alpha および I64 のみ
DDS4 Digital Data Storage 4 - Alpha および I64 のみ
AIT1 Sony Advanced Intelligent Tape 1 - Alpha および I64 のみ
AIT2 Sony Advanced Intelligent Tape 2 - Alpha および I64 のみ
AIT3 Sony Advanced Intelligent Tape 3 - Alpha および I64 のみ
AIT4 Sony Advanced Intelligent Tape 4 - Alpha および I64 のみ
DLT8000 DLT 8000 - Alpha および I64 のみ
8900 Exabyte 8900 - Alpha および I64 のみ
SDLT SuperDLT1 - Alpha および I64 のみ
SDLT320 SuperDLT320 - Alpha および I64 のみ

記録密度のキーワードは省略できません。


説明

磁気テープ・ハードウェアがサポートしている値を指定してください。省略時の値は,出力テープ・ドライブの現在の密度です。

/DENSITY 修飾子は,出力セーブ・セット修飾子 /NOREWIND と互換性がありません。/DENSITY 修飾子を使用する場合は,出力セーブ・セット修飾子 /REWIND を指定して磁気テープを初期化する必要があります。/DENSITY/REWIND を指定すると,テープの先頭までテープが巻き戻されます。次に,新しい密度でテープが初期化され,テープに格納されていた以前のすべてのデータに対するアクセス権が取り消されます。



$ BACKUP *.PAS MTA2:SAVEPAS.BCK/DENSITY=1600/REWIND/LABEL=PASCAL

MTA2: ドライブ上の磁気テープを初期化しています。現在の省略時のディレクトリに存在しファイル・タイプが PAS のすべてのファイルを,セーブ・セット SAVEPAS.BCK にセーブします。/DENSITY 修飾子は,記録密度を 1,600 bpi に設定します。

/ENCRYPT

コマンド修飾子

暗号化されたセーブ・セットの作成およびリストアを行います。 /ENCRYPT 修飾子は,BACKUP コマンド行のどこに指定してもかまいません。

注意

スタンドアロン BACKUP は, OpenVMS オペレーティング・システムのサポートなしで動作する BACKUP ユーティリティであり, /ENCRYPT 修飾子はサポートされていません。


形式

/ENCRYPT=([キー] [,ALGORITHM=アルゴリズム])


説明

必要に応じて,キー名またはキー値を指定できますが,両方を指定することはできません。 DCL コマンド ENCRYPT/CREATE_KEY で定義済みのキー値がある場合は, /ENCRYPT=NAME=キー名 と指定して,キー格納テーブルに格納されている作成済みのキー名を指定することができます。

キー値を会話形式で定義するには, /ENCRYPT=VALUE=キー値を指定します。
ここで,キー値は以下のいずれかです。

注意

セキュリティを高めるためには,パラメータなしで /ENCRYPT 修飾子を指定し, Return キーを押します。キー値の入力が促されます。値を入力しても,入力内容は表示されず,確認ために値を再入力するように促すメッセージが表示されます。

ALGORITHM キーワード

必要に応じて,ALGORITHM=アルゴリズムを使用し, DES または AES アルゴリズムを指定することができます。

/ENCRYPT 修飾子と /SAVE_SET 修飾子の使用

BACKUP コマンドの修飾子 /SAVE_SET は,以下のように,入力セーブ・セット修飾子としても出力セーブ・セット修飾子としても使用できます。

ファイルのリストア

セーブ・セットを暗号化する際に,暗号化キーはセーブ・セット・ヘッダに格納されません。そのため,暗号化されたセーブ・セットを復号化するには, BACKUP がデータ暗号化制御レコードを検索できるように,リストア処理で /ENCRYPT を指定します。

暗号化されていないセーブ・セットをリストアする際に, /ENCRYPT を誤って指定すると,正しくない修飾子は無視されます。暗号化されたセーブ・セットを /ENCRYPT 修飾子またはキー名を指定せずにリストアしようとすると,次のエラー・メッセージが表示されます。


%BACKUP-F-ENCSAVSET, save set is encrypted, /ENCRYPT must be specified. 

暗号化されたセーブ・セットを復号化する際に, BACKUP は以下の処理を行います。

  1. 属性サブレコードに格納されている暗号化データを復号化します。

  2. 復号化されたデータ・キーの 32 ビット・チェックサムと,格納されている値を比較します。

  3. 一致した場合は,データ・キーが正しいと見なし,セーブ・セットをリストアします。

  4. 一致しない場合は,BACKUP コマンドで指定したデータ・キーまたはアルゴリズムが正しくない可能性が高いため,次のエラー・メッセージが表示されます。


%BACKUP-F-ENCKEYMAT, the supplied decryption key does not yield a readable 
save set 


#1

$ ENCRYPT/CREATE_KEY my_key "This is my private encryption key"/AES/LOG
%ENCRYPT-S-KEYDEF, key defined for key name = MY_KEY
$ BACKUP *.COM COMS.BCK/SAVE/ENCRYPT=(name=my_key,alg=AES_/LOG)

この例では,暗号化されたセーブ・セットを作成します。

#2

$ BACKUP *.COM COMS.BCK/SAVE/ENCRY=ALG=AES
Enter key value:
Verification:
$

この例では,BACKUP コマンド行にキー名もキー値もありません。そのため,暗号化キーの入力を促すメッセージが表示されます。

#3

$ BACKUP DKA100: DKA100.BCK/SAV/IMA/ENCRY=(VALUE="THIS IS MY 
ENCRYPTION KEY")

この例では,DKA100 のイメージのバックアップは,デフォルトの DESCBC アルゴリズムを使用するキー値で暗号化され,セーブ・セットに格納されます。

#4

$ BACKUP DKA100: DKA100.BCK/SAV/IMA/ENCRY=(VALUE="THIS IS MY 
ENCRYPTION KEY",ALGO=AESCFB192)

この例では,DKA100 のイメージのバックアップは, 192 ビットの暗号化キーを使用して AESCFB アルゴリズムで暗号化され,セーブ・セットに格納されます。

/EXACT_ORDER

出力セーブ・セット修飾子

コマンド行に指定された他の修飾子により, /EXACT_ORDER 修飾子で以下のことが可能になります。


形式

入力指定子出力セーブ・セット指定/EXACT_ORDER


説明

/EXACT_ORDER修飾子を使用すれば,次の操作が可能です。

/EXACT_ORDER出力修飾子を使用する場合には,次の制約があります。

省略時の設定は,/NOEXACT_ORDERです。


#1

$ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY/NOASSIST
_From: DKA100:
_To: MKB100:MAR11.SAV/LABEL=(TAPE1,TAPE2,TAPE3)/EXACT_ORDER

この例では,BACKUP操作の正確なレベルの順序を指定するために, /EXACT_ORDER修飾子を使用しています。 /ASSIST修飾子を指定した場合には, BACKUPはオペレータ・ターミナルにメッセージを表示し,次の操作を実行します。

  1. MKB100:のテープのボリューム・ラベルと,コマンド行に指定した最初のラベル(TAPE1)とを比較します。ラベルが正確に一致する場合には,セーブ操作を開始します。ラベルが一致しない場合や,テープにANSIラベルが記録されていない場合には,次のメッセージが表示されます。


    %BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on MKB100: was not mounted 
     because its label does not match the one requested 
    %BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed 
     because volume TAPE4 is out of order, Volume label 
     TAPE1 was expected. Specify option (QUIT, NEW tape, 
     OVERWRITE tape, USE loaded tape) 
    BACKUP> OVERWRITE 
    


    指定したオプションに応じて,バックアップ操作を終了するか(QUIT),古いテープをディスマウントして新しいテープをマウントするか(NEW),テープのラベルとデータを上書きするか(OVERWRITE),ロードされているテープのラベルを使用してテープにデータを書き込むか(USE)が可能です。

  2. 最初のテープが満杯になると,次のメッセージが表示されます。


    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 
    %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume TAPE2 on MKB100: 
     for writing. Respond with YES when ready: 
    

  3. 2番目のテープをロードし,YESと入力すると, 2番目のテープのラベルがコマンド行に指定した2番目のラベル(TAPE2)と比較されます。これはステップ1aで実行した処理と同じです。

  4. ボリューム・ラベルが一致する場合には,操作が終了するか,またはすべてのボリューム・ラベルが使用されてしまうまで,処理は継続されます。操作を終了するのに必要な数のラベルをコマンド行に指定しなかった場合には,次に示すように,ドライブ内のテープのラベルを入力するように要求するプロンプトが表示されます。


    %BACKUP-W-MOUNTERR, volume 4 on MKB100: was not mounted 
     because the label was not specified 
     Specify EXACT_ORDER label (up to 6 characters) 
    BACKUP> 
    


    この後,前に説明したように,テープに記録されているラベルと指定したラベルが比較されます。

#2

$ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY/NOASSIST
_From: DKA100:[TEST]
_To: MKB100:MAR11.SAV/EXACT_ORDER


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