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MONITOR MSCP_SERVERコマンドを実行すると,大容量記憶制御プロトコル (MSCP)サーバ・クラスの監視が開始されます。
MONITOR MSCP_SERVER
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
MSCP サーバ・クラスのデータ項目は,MSCP サーバのチューニングに便利です。
データ項目 説明 Server I/O Request Rate リモート・プロセッサが入出力転送を要求する割合 Read Request Rate リモート・プロセッサが読み込み転送を要求する割合 Write Request Rate リモート・プロセッサが書き込み転送を要求する割合 Extra Fragment Rate サーバが追加フラグメントを供給する割合 バッファに制限があることから,1 つの入出力要求に対処するため MSCP サーバが複数の入出力を供給するとき,1 つ以上の追加フラグメントが作成されます。たとえば,64 ブロックの要求 1 つを 16 ブロックのフラグメント 4 つに分割する場合,MSCP サーバは 3 つの追加フラグメントを作成します。
Fragmented Request Rate フラグメンテーション要求発生率 フラグメンテーション要求は,バッファに制限があることから,サーバがフラグメンテーションする転送要求です。たとえば,36 ブロックの要求 1 つを 16 ブロックのフラグメント 2 つと 4 ブロックのフラグメント 1 つに分割する場合,サーバは 2 つの追加フラグメントを作成します。
Buffer Wait Rate サーバで「バッファ待ち」が発生する割合 バッファ待ちは,要求が MSCP バッファ・メモリに対して待ち状態となるときを指します。
Request Size Rates 各種ブロック・サイズにおける要求率を表示するヒストグラム
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR MSCP_SERVER
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GLOBBO というノードの MSCP 統計を作成しています。
MONITOR PAGEコマンドを実行すると,PAGEクラスの監視が開始されます。
MONITOR PAGE
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
取得できる統計情報(現在値,平均値,最小値,最大値)がすべて記載されたテーブルを,画面への出力と要約の出力に含めることを指定します。要約を出力する場合には,どのクラスでもこの修飾子が省略時の設定になります。それ以外の場合には,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES, SYSTEM,およびVECTORを除くすべてのクラスで,この修飾子が省略時の設定になります。/AVERAGE
画面への出力と要約の出力に,平均値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/CURRENT
画面への出力と要約の出力に,現在値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。 /CURRENT修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES,SYSTEM,およびVECTORの各クラスでは省略時の設定です。/MAXIMUM
画面への出力と要約の出力に,最大値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。/MINIMUM
画面への出力と要約の出力に,最小値の統計情報(棒グラフで表示)を含めることを指定します。
PAGE クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 Page Fault Rate すべてのワーキング・セットのページ・フォルト率 Page Read Rate ページ・フォルトの結果,ディスクから読み込まれるページ数 Page Read I/O Rate ページ・フォルトの結果,ディスクに対して実行される読み込み動作率 Page Write Rate ページ・ファイルに書き込まれたページ数 Page Write I/O Rate ページ・ファイルに対する書き込み動作率 Free List Fault Rate ページ・フォルトの結果,空きページ・リストから読み込まれたページ数 Modified List Fault Rate ページ・フォルトの結果,変更したページ・リストから読み込まれたページ数 Demand Zero Fault Rate ページ・フォルトの結果,0 を埋め込んだページを割り当てた割合 Global Valid Fault Rate プロセスのワーキング・セットではなく物理メモリに存在し,システム単位のグローバル・ページ・テーブルでは有効ページと定義されているページのページ・フォルト率 Writes In Progress Fault Rate フォルト発生時にディスクに書き込まれていた,読み込みページ数 System Fault Rate システム空間に存在するページのページ・フォルト率 Free List Size 空きページ・リストのページ数 Modified List Size 変更したページ・リストのページ数
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR PAGE
|
1 回の読み込み動作における読み込みページ数は,現在, 1 秒あたり約 3 ページであることを示しています (Page Read Rate を Page Read I/O Rate で割る)。ページ・フォルト率は現在最も高く,大半のページは,ディスクではなくメモリからフォルトしています。
MONITOR PROCESSESコマンドを実行すると,PROCESSESクラスの監視が開始され,システム内の全プロセスに関する情報が表示されます。マルチファイル要約を要求した場合には,CLUSTERとPROCESSESのクラスが無視されます。コマンド行でこれらのクラスしか指定しないと, MONITORはこれらのクラスを無視し,"no classes specified" というエラー・メッセージを表示します。
OpenVMS Version 8.3 から,4 つの新しい修飾子 (/TOPKERNEL, /TOPEXECUTIVE,/TOPSUPERVISOR,および /TOPUSER) を使用することで,プロセスの単位でモードの使用状況を監視できるようになりました。これらの修飾子は,さまざまな CPU モードについて使用頻度の高いプロセスを調べる際に役に立ちます。たとえば,MONITOR MODES コマンドによって,スーパバイザ・モードが大量に使用されていることが分かった場合,新しい MONITOR PROCESSES/TOPSUPERVISOR の表示によって,どのプロセス (すなわちどのユーザ) によるものかが分かります。
MONITOR PROCESSES
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/TOPBIO
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,入出力のバッファリング回数が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのバッファリングされた入出力回数で表されます。/TOPCPU
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,CPUの使用時間が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのクロック・チック(10ミリ秒)回数で表されます。バージョン 7.3 より前の OpenVMS では, MONITOR PROCESSES/TOPCPU 表示で 1 つの画面に最大 8 プロセスしか表示できませんでした。 OpenVMS バージョン 7.3 以降は,システムの CPU 数に応じて, 3 種類の画面から適切なものが表示されるようになりました。この項の例を参照してください。
/TOPDIO
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,直接入出力の回数が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりの直接入出力の回数で表されます。/TOPEXECUTIVE
標準の表示と要約の出力ではなく,エグゼクティブ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPFAULT
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,ページ・フォルトの回数が多いプロセスを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのページ・フォルト回数で表されます。/TOPKERNEL
標準の表示と要約の出力ではなく,カーネル・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPRBS (VAXのみ)
VAXシステムで,画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,バランス・スロットのフォルト回数が多いプロセスを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのバランス・スロットのフォルト回数で表されます。/TOPSUPERVISOR
標準の表示と要約の出力ではなく,スーパバイザ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPUSER
標準の表示と要約の出力ではなく,ユーザ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。
例にあるとおり,PROCESSES 表示と要約出力は,他のクラスと形式が異なり,次の情報が出力されます。
データ項目 説明 PID システムが設定した 16 進プロセス識別子 STATE プロセスのスケジューラ状態 (STATES コードについては, MONITOR STATES コマンドの項を参照) PRI 基本優先順位に相対する,プロセスの現在の優先順位 NAME プロセス名 PAGES 共用可能ページ数と,現在プロセスが使用している総ページ数 DIOCNT プロセス作成後にプロセスが実行した直接入出力動作数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
FAULTS プロセス作成後のページ・フォルト数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
CPU TIME プロセス作成後にプロセスが使用した CPU 時間 形式は, 時間 : 分 : 秒 です。プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
表示の上部左右には,システムを最後にブートした後のシステム内のプロセス数と,日付と時間が示されます。スワップ・アウトしたプロセスは,その旨記されます。
画面上に一度に表示できる数を超えるプロセスが存在する場合,複数の画面が使用されます。/VIEWING_TIME 修飾子で指定した時間間隔で,画面が切り替わります。5 種類の /TOP 棒グラフ表示には, 8 名のトップ・ユーザそれぞれについて,PID とプロセス名が表示されます。
他の棒グラフ表示と同様,トップ・ユーザの表示では,値が近似整数に丸められます。0 以外の値を持つプロセスが,最大 16 個表示されます。トップ・ユーザ・リストに入るためには,プロセスが表示間隔の始めと終わりに存在し,スワップ・インされていなければなりません。この資格条件は,要約出力のすべての対象期間の始めと終わりにも適用されます。
1 つの MONITOR 要求で選択できるのは,トップ・ユーザの中の 1 つまたは通常の PROCESSES 表示です。
| #1 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT/INTERVAL=6 PROCESSES
|
PROCS.DAT という入力ファイルで作成した PROCESSES 表示です。システム内の各プロセスにつき,1 行が表示されます。表示されるのは現在値だけであり,平均値,最小値,最大値は表示されません。スワップ・アウトされたプロセスの場合,右側の 3 つの項目は適用されないので,これらの項目に SWAPPED OUT と表示されます。プレイバックが要求されているので,MONITOR データが記録された時点のシステム使用可能時間が表示されています。
表示不能文字は,ピリオドで表されます。
| #2 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT PROCESSES/TOPDIO
|
最後の監視期間における直接入出力ユーザのトップは, 1 秒あたり 25 のプロセス SAMPLE091 であることを示しています。
| #3 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPCPU
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単一 CPU システムの MONITOR PROCESSES/TOPCPU 画面表示を示しています。
| #4 | |
|---|---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPCPU
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