library home hp.com home products and services support and drivers solutions
cd-rom home
End of Jump to page title
HP OpenVMS Systems
Documentation

Jump to content


日本語 Compaq OpenVMS

日本語 Compaq OpenVMS
日本語入力プロセス 利用者の手引き


前へ 次へ 目次 索引


4.2.8 文節間の移動に関する動作の指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.OUTRANGE.clauseNumber

変換対象となる文節を指定するとき,以下の場合における動作の指定をします。

  1. 現在の文節が最初の文節にあるときに「前文節」キーが押された場合

  2. 現在の文節が最後の文節にあるときに「次文節」キーが押された場合

値が "none" のときは,何も実行しません。"rotate" が指定されると, 1 の場合は,現在の文節は最後の文節に, 2 の場合は,現在の文節は最初の文節に移動します。 "done" のときは,現在の変換を終了して次の変換入力を待ちます ( 例 4-8 参照)。

例 4-8 PROFILE内での文節間の移動方法の指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.OUTRANGE.clauseNumber  :  rotate                 | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では, 1 の場合は「現在の文節は最後の文節に移動」し, 2 の場合は「現在の文節は最初の文節に移動」することを指定しています。

4.2.9 カーソル移動に関する指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.OUTRANGE.cursorPosition

ここでは,以下の場合における動作の指定をします。

  1. カーソルが最初の文字にあるときに「左移動」キーが押された場合

  2. カーソルが最後の文字にあるときに「右移動」キーが押された場合

値に "none" が指定されると,何も実行しません。"done" のときは,現在の変換を終了して次の変換入力を待ちます ( 例 4-9 参照)。

例 4-9 PROFILE内でのカーソル移動に関する指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.OUTRANGE.cursorPosition  :  done                 | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,1,2 の場合に「現在の変換を終了して,次の変換入力を待つ」ことを指定しています。

4.2.10 変換情報サーバの指定 (VAX のみ)

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.SERVER.name

FIP は,かな漢字変換を行う実体として "変換情報サーバ (CIserver)" というネットワーク上のサービスを使用します。このサーバを使用することによってネットワーク上のどのノードからアクセスしても,同じ変換機能をサービスすることができるものですが,かな漢字変換を行うサーバとしてどのノード上のサーバを使用するかを,プロファイルで指定しなければなりません( 例 4-10 参照)。

サーバ名は "IM$CISERVER_JP" を指定します。したがって,他のノード上の変換情報サーバあるいは個人辞書を使用する場合は,次のように指定します。


DEC-JAPANESE.SERVER.name : node-name::IM$CISERVER_JP 

この場合は,DECnetを使用してかな漢字変換が実行されることになります。また,ローカルのかな漢字変換サーバを用いる場合は,次のようになります。


DEC-JAPANESE.SERVER.name : 0:IM$CISERVER_JP 

変換情報サーバを使用する場合は,CIserverプロキシーの設定が必要です。


$ run SYS$SYSTEM:IM$CONTROL.EXE 
IMCP> create/proxy 
IMCP> set proxy [remote-user] [local-user] 

また,ローカルの変換情報サーバを使用する際も,ユーザの CIserver プロキシーの設定を行ってください。詳しくは 第 10 章IMCP の概要(VAX のみ) 」を参照してください。

もしサーバ名を PROFILE で指定しないと,かな漢字変換はネットワーク上のサービスを使用せず,ローカルの個人辞書を使用することになります。その場合は,個人の SYS$LOGIN ディレクトリの個人辞書 ( SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO ) があらかじめ準備されていなければなりません ( 例 4-10 参照)。

例 4-10 PROFILE内での変換情報サーバの指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.SERVER.name : VAXVAX::IM$CISERVER_JP             | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では「 "VAXVAX" と言う名のノード上にある,"IM$CISERVER_JP" というサーバから DECnet ("::") で変換サービスを利用する」ことを指定しています。

注意

日本語 Compaq OpenVMS VAX V6.0 システムの CIserver を使用する場合は, " IM$CISERVER_JP " の代りに " japanese_kk " を使用する必要があります。

4.2.11 警告ベル音の on/off 指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.FIP.warningBell

PROFILE 内で,警告ベル音の on/off を設定することができます。 "on" を PROFILE 内で指定すると警告ベル音を発し, "off" を指定するとベル音を止めることができます ( 例 4-11 参照)。

例 4-11 PROFILE内での警告ベル音の on/off の指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.FIP.warningBell    :   on                        | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 

この例では,警告ベル音を鳴らすことを指定しています。

4.2.12 日本語変換スタート・キーの指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.FIP.conversionStartKey

通常,FIP を起動させると,端末から入力される文字はすべて日本語変換の対象になりますが,PROFILE 内で「日本語変換スタート・キー」を指定することにより,そのキー入力後のみ,日本語変換を行うように設定ができます。そして,一連の日本語変換が確定し,その行での入力が終了するとまた無変換状態に戻り,再び各ユーザが指定した「日本語変換スタート・キー」が入力されるまでは,日本語変換を実行できない状態にしておくことができます ( 例 4-12 参照)。

日本語変換の前編集領域を DCL のコマンド・ライン上に指定している場合は ( DEC-JAPANESE.DISP.preEditRow : current ),通常リターン・キーによってその行での入力が終了し,変換スタート・キーが無効となって無変換状態に戻ります。

前編集領域をステータス・ライン上に指定している場合は
( DEC-JAPANESE.DISP.preEditRow : status ),変換スタート・キーが入力されるまでは,DCL の現在のコマンド・ライン上で,通常 FIP を起動していない状態のキー入力ができますが,スタート・キーを入力した時点でステータス・ライン上にプロンプトが表示され,そのライン上で日本語変換が可能になります。変換後ステータス・ライン上でリターン・キーを入力すると,確定文字列が DCL コマンド・ラインに返ります。この時点で,変換スタート・キーが無効となって無変換状態に戻ります。再びスタート・キーを入力するまでは,ステータス・ラインは用いられず,入力はすべての DCL のコマンド・ラインに表示されます。

このような変換スタート・キーを必要としない場合は,PROFILE から,この INDEX ( DEC-JAPANESE.FIP.conversionStartKey ) を除いておきます。

例 4-12 PROFILE内での日本語変換スタート・キーの指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.FIP.conversionStartKey  :  CTRL_E                | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,日本語変換スタート・キーを,[Ctrl/E] で指定しています。すなわち,FIP を起動させた後でも,このスタート・キーを入力するまでは,入力文字列を日本語変換させることはできません。ある時点で,スタート・キーを入力して初めて,日本語変換を実行することができます。変換を確定し,その行での入力が終了すると,また日本語変換をしない状態に戻り,[Ctrl/E] を再び入力するまでは日本語変換できません。ユーザが DCL 上でコマンド入力する際,部分的にのみ日本語を入力したい場合などに用いられます。変換スタート・キーのキー名の指定方法については, 付録 A を参照してください。

4.2.13 ステータス・ラインを使用するときのプロンプトの指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.FIP.statusLinePrompt

FIP を用いて日本語変換を行うとき,端末のステータス・ラインを利用することができます。その際にステータス・ライン上に表示されるプロンプトの文字列をユーザが指定できます ( 例 4-13 参照)。プロンプトの文字列をユーザが指定しないときは,"変換>" という文字列がプロンプトとして,ステータス・ライン上に現れます。

例 4-13 PROFILE内でのステータス・ライン上のプロンプト文字列の指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.FIP.statusLinePrompt :  日本語変換 >             |
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,プロンプト文字列として,"日本語変換 >" を設定しています。

注意

ステータス・ラインを使用するときは,前編集領域の指定で
"DEC-JAPANESE.DISP.preEditRow"に"status"を指定します。

4.2.14 JIS かな code の指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.CHAR.jisKana

日本語変換を行うときに,JIS のかな code (半角かなコード) を使用するかどうかを指定します。JIS かな code を使用する場合,C1 制御文字コード (SS2) が送られますので,FIP を使用するアプリケーション側で,この制御コードを処理する必要があります ( 例 4-14 参照)。

注意

通常のアプリケーションは,(SS2 + JISかな) を 1 文字として取り扱っていません。したがって,アプリケーションが上記コードを明示的にサポートしている場合以外は, 'off ' で使用することをお勧めします。

ユーザが C1 制御文字コード (SS2) を端末から入力する場合は, FIP を起動する前に,端末属性の設定を行わなければなりません。端末属性の設定は,KANJIGEN ユーティリティを用います。


 
$ RUN JSY$SYSTEM : KANJIGEN 
KANJIGEN> SET/EDIT=ENABLE 
KANJIGEN> EXIT 
 

これで,端末が multi-byte editing 状態となり,"SS2 + JIS かな" が入力可能になります。

例 4-14 PROFILE内でのJIS かな code の指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.CHAR.jisKana : off                               | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,日本語変換時に JIS のかな code を使用しません。

4.2.15 文字コードセットの指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.CHAR.codeSet

FIP を用いて日本語変換を行うときに使用する文字のコードセットを指定します。ただし,FIP は通常 Super DEC 漢字のコードセットを扱っていますので, Super DEC 漢字のコードセットで特に問題ない場合は,ユーザがこの INDEX を PROFILE に追加する必要はありません ( 例 4-15 を参照)。

例 4-15 PROFILE内での文字コードセットの指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.CHAR.codeSet : sdeckanji                         | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,文字コードセットとして Super DEC 漢字を指定します。

4.2.16 ローマ字かな変換テーブル・ファイルの指定

PROFILE 内の該当する INDEX 名
DEC-JAPANESE.ECHO.romkanaDB

FIP を用いてローマ字文字列をかな文字列に変換するときの "ローマ字−かな" の対応を,ユーザがカスタマイズする事ができます。

ユーザがカスタマイズしたい場合は,テンプレート・ファイルに記述されたテーブルの書式に合わせて変更してください。カスタマイズしたファイルに対しては,ファイル名,ファイルタイプ名に特に制限はありません。

ローマ字かな変換のテンプレート・ファイルは,
JSY$EXAMPLES:IM$ROMKANA_DB.TEMPLATE です( 例 4-16 を参照)。

例 4-16 PROFILE内でのローマ字かな変換テーブル・ファイルの指定例

 
        im$profile.dat 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        |                       ・                                      | 
        | DEC-JAPANESE.ECHO.romkanaDB : USER$:[TMP]ROMKANA.DAT          | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        |                       ・                                      | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

この例では,ローマ字かな変換テーブル・ファイルとして
USER$:[TMP]ROMKANA.DAT を指定します。

4.3 PROFILEの例

例 4-17 PROFILEの例

 
        MYDIR:MY_PROFILE.DAT 
        +---------------------------------------------------------------+ 
        | DEC-JAPANESE.KEY.keybind : IM$KEY_JVMS_LEVEL2                 | 
        | DEC-JAPANESE.KEY.keybind_1 : IM$KEY_JVMS                      | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.preEditRow : current                        | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.preEditColumn : current                     | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.inputRendition : bold                       | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.kanaRendition : bold                        | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.currentClauseRendition : reverse            | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.leadingClauseRendition : none               | 
        | DEC-JAPANESE.DISP.trailingClauseRendition : none              | 
        | DEC-JAPANESE.CHAR.jisKana : off                               | 
        | DEC-JAPANESE.ECHO.kana : hiragana                             | 
        | DEC-JAPANESE.ECHO.ascii : hankaku                             | 
        | DEC-JAPANESE.ECHO.autoRomanKana : off                         | 
        | DEC-JAPANESE.OUTRANGE.clauseSize : none                       | 
        | DEC-JAPANESE.OUTRANGE.clauseNumber : rotate                   | 
        | DEC-JAPANESE.OUTRANGE.cursorPosition : done                   | 
        +---------------------------------------------------------------+ 
 

PROFILEを特に変更しない場合は, 例 4-17 のPROFILEの INDEX情報が,FIP を起動するときに参照されます。このPROFILEの初期設定では,変換サーバや変換スタート・キーなどは含まれていないことになります。また,このPROFILEに含まれているINDEXを省略しても, 例 4-17 に示された値が標準値として設定されます。


前へ 次へ 目次 索引