HP OpenVMS Systems Documentation |
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ファイルのキャッシング属性は,アプリケーションが使用したいキャッシング・オプションを指定せずにファイルにアクセスしたときに,拡張ファイル・キャッシュが使用する省略時のキャッシング・オプションです。
キーワード は WRITETHROUGH または NO_CACHING です。キャッシングしたいファイルに対しては WRITETHROUGH を使用します。キャッシングしたくないファイルに対しては NO_CACHING を使用します。
拡張ファイル・キャッシュはディレクトリのキャッシングは行いません。ディレクトリのキャッシング属性は,そのディレクトリ内に作成された新しいファイルとサブディレクトリによってキャッシング属性がどのように継承されるかのみを制御します。
INITIALIZE コマンドを使って新しい Files-11 ボリュームを作成した場合,そのルート・ディレクトリ (000000.DIR;1) のキャッシング属性はライトスルーに設定されます。つまり,省略時の設定では,SET FILE /CACHING_ATTRIBUTE を使用しない限り,そのボリューム内に作成するすべてのファイルとディレクトリがライトスルーのキャッシング属性を継承します。
ディレクトリのキャッシング属性を変更しても,そのディレクトリの中の既存のファイルとサブディレクトリのキャッシング属性に影響は及びません。
ファイルのキャッシング属性を変更しても,現在そのファイルにアクセスしているアプリケーションが使用するキャッシングのタイプに影響は及びません。
| YES | NO | QUIT |
| TRUE | FALSE | Ctrl/Z |
| 1 | 0 | ALL |
| [Return] |
単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。また,単語による応答は,1 文字または複数の文字に短縮できます ( たとえば,TRUE は T,TR,または TRU に短縮できます )。肯定応答は YES,TRUE,1 です。否定応答は,NO,FALSE,0,Return です。 QUIT または Ctrl/Z は,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが,その後のプロンプトは表示されなくなります。上記に示されていない応答を入力すると,DCL はエラー・メッセージを出力し,同じプロンプトが再度表示されます。
通常,/ENTER を使用して,元のファイルが存在するディレクトリとは異なるディレクトリに別名またはハード・リンクを作成します。名前を別のディレクトリに作成しないと,だれかが削除操作またはパージ操作を行った時にデータが失われる可能性があります。元のファイル名と新しいファイル名が同一ディレクトリにあると, DELETE コマンドと PURGE コマンド,およびファイルのバージョン制限機能は,予期しない動作をする場合があります。
別名やハードリンクを削除するには,SET FILE /REMOVE コマンドを使用します。 DELETE コマンドと SET FILE /REMOVE コマンドを使用する際には,十分注意してください。正しく使用しないと,名前がないためにアクセスできないファイルができてしまったり,参照先のファイルがない名前ができてしまいます。このような問題を回避するには,次のガイドラインに従ってください。
これらのガイドラインに従わず問題が発生した場合は, ANALYZE/DISK/REPAIR コマンドを使用して,アクセスできないファイルを SYSLOST ディレクトリに移動させます。また,ファイルを参照しない名前は削除します。
指定したファイルに満了日を割り当てるかどうかを制御します。
『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプのトピック Date に説明されている規則に従って日付を指定します。絶対日付を示すキーワードを使用できます。日付として 0 を指定すると,今日の日付が使用されます。
詳細は,SET RMS_DEFAULT コマンドの /EXTEND_QUANTITY 修飾子の説明を参照してください。
/SHARE 修飾子を使用すると,現在アクセスされているファイルのグローバル・バッファを有効または無効にすることができます。ただし,グローバル・バッファの新しい設定は,そのファイルの新しいアクセサに対してのみ適用されます。そのファイルがすでにグローバル・バッファでオープンされている場合,グローバル・バッファの数を変更しても,そのファイルのすべてのアクセサがそのファイルをクローズするまで,新しい値は有効になりません。
OpenVMS V8.3 以降で,指定したファイルに対する, OpenVMS RMS のグローバル・バッファ数を指定します。同じコマンド文字列の中に指定できるグローバル・バッファ修飾子は, 1 種類だけです。
指定できるキーワードは,以下のとおりです。
以下の修飾子は,/SHARE 修飾子とともに使用することもできます。
ファイル作成時には,ファイルの移動は許可されています。 XQP を介さずに (直接論理I/O等を使って) アクセスするファイルに対しては移動を禁止にしてください。
重要なシステム・ファイルに対しては,最初からファイルの移動は禁止されています。これらのファイルには移動を許可しないでください。
ファイルのディレクトリ属性を削除します。この修飾子を使用すると,不正なディレクトリ・ファイルを削除することができます。この場合,削除するディレクトリ・ファイルに登録されていたファイルは,ロスト・ファイルとなります。
ロスト・ファイルを [SYSLOST] に登録するには, ANALYZE/DISK_STRUCTURE/REPAIR を使用します。この後,ロスト・ファイルを新しいディレクトリにコピーできます。この修飾子は,Files-11 ODS-2 (Files-11 On-Disk Structure Level 2) のファイルに対してだけ有効です。 ANALYZE/DISK_STRUCTURE ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
複数の名前を持つファイルに関して,ファイルは削除せずに, 1 つの名前だけを削除するように指定します。 SET FILE コマンドで /ENTER 修飾子を使用してファイルに別名をつけた場合には, /REMOVE 修飾子を使用すると,もとの名前または別名を削除できます。名前を削除しても,ファイルはそのまま残ります。このファイルは,まだ削除されていない方の名前によってアクセスできます。
しかし,名前を 1 つだけしか持たないファイルの名前を誤って削除すると,ほとんどの DCL コマンドでは,そのファイルをアクセスできなくなります。このようなファイルを検索するには, ANALYZE/DISK_STRUCTURE ユーティリティを使用します。
SYSPRV 特権が必要です。
新しい設定を使用するのは,ファイルの新しいアクセサだけです。たとえば,ファイルがグローバル・バッファを指定せずにオープンされているときに, SET FILE/GLOBAL=n/SHARE コマンドが発行された場合,そのファイルの新しいアクセサのみがグローバル・バッファを使用します。アクティブ・ファイル上で /STATISTICS が有効になっている場合には,そのファイルの新しいアクセサによって実行される操作だけが測定されます。
そのファイルがすでにグローバル・バッファでオープンされている場合,グローバル・バッファの数を変更しても,そのファイルのすべてのアクセサがそのファイルをクローズするまで,新しい値は有効になりません。
/SHARE 修飾子は以下の修飾子のみで有効です。
時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプのトピック Date を参照してください。
/SHARE 修飾子は,現在アクセスされているファイルの統計情報を有効または無効にするために使用することができます。ただし,測定されるのは,そのファイルの新しいアクセサの統計情報に限られます。
この修飾子のキーワードは CONDENSED および EXPANDED です。意味は次の表のとおりです。
| キーワード | 説明 |
|---|---|
| CONDENSED
(省略時の設定) |
ファイル名を 255 文字長の文字列に適合するように表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形を含むことが可能です。 |
| EXPANDED | ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形は含みません。 |
キーワード CONDENSED と EXPANDED を同時に指定することはできません。この修飾子は,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。
EXPANDED キーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーは CONDENSED ファイル指定で表示されます。
詳細は『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
/SYMLINK 修飾子は,シンボリック・リンク自体に設定することを示します。
このコマンドは,RMS または分散ロック・マネージャを使ってロックされているファイルの状態には影響を及ぼしません。
ファイルの非アクセス・ロックの詳細については,『OpenVMS I/O User's Reference Manual』と ACP-QIO インタフェースのマニュアル,特に IO$_CREATE および IO$_ACCESS 関数の FIB$V_DLOCK オプションの項を参照してください。
SET FILE/UNLOCK コマンドは,次のエラー・メッセージの原因をクリアすることができます。
%SYSTEM-W-FILELOCKED, file is deaccess locked |
ただし,このコマンドは次のエラー・メッセージの原因を解決することはできません。
%RMS-W-FLK, file currently locked by another user |
| #1 |
|---|
$ SET FILE/EXPIRATION_DATE=19-DEC-2001:11:00 BATCH.COM;3 |
この例では,BATCH.COM;3 というファイルの満了日を, 2001 年 12 月 19 日の午前 11:00 に設定するように指示しています。
| #2 |
|---|
$ SET FILE/BEFORE=31-DEC/ERASE_ON_DELETE PERSONNEL*.SAL |
この例では,PERSONNEL*.SAL というファイル指定に一致するファイルの中で, 12 月 31 日以前のすべてのファイルを対象としています。この場合,DELETE コマンドや PURGE コマンドなどによってそのファイルの 1 つが削除されたときには,そのファイルが使用していたディスク領域の内容も,消去されることを指示しています。
| #3 |
|---|
$ SET FILE/OWNER_UIC=[360,020]/VERSION_LIMIT=100 MYFILE.DAT |
この例では,MYFILE.DAT というファイルの属性を変更します。ここでは,所有者の利用者識別コード (UIC) を変更し,ファイル・バージョン・リミットを 100 に設定しています。所有者の UIC を変更するには,システム特権 (SYSPRV) が必要です。
| #4 |
|---|
$ SET FILE/NOMOVE TEST.FDL $DIRECTORY/FULL TEST.FDL Directory SYS$SYSDEVICE:[BERGMANN] TEST.FDL;1 File ID: (10,8,0) . . . File attributes: Allocation: s, Extend: 0, Global buffer count: 0 No version limit, MoveFile disabled . . . |
ファイル TEST.FDL に対するファイル移動を禁止しています。ファイル TEST.FDL に対する DIRECTORY/FULL コマンドが,ファイル移動属性が禁止されていることを示しています。
| #5 |
|---|
$ SET FILE/ATTRIBUTES=ORG:SEQ - _$ TEST$:[DATA]SET_ATTRIBUTES.DATA_FILE/LOG %SET-I-MODIFIED, TEST$:[DATA]SET_ATTRIBUTES.DATA_FILE;1 MODIFIED |
SET FILE/ATTRIBUTES コマンドは,指定ファイルのファイル構造を変更しています。
| #6 |
|---|
$ SET FILE/PROTECTION=(S:RWE,O=RWE,G:RE,W:RE) TEMP.DIR $ DIRECTORY/PROTECTION TEMP.DIR Directory DKB0:[FULGHUM] TEMP.DIR;1 (RWE,RWE,RE,RE) |
この例では,SET FILE コマンドで TEMP.DIR の保護コードを設定し,次にDIRECTORY コマンドを使用して,ファイルの保護コードを表示しています。
| #7 |
|---|
$ SET FILE/SHARE/GLOBAL_BUFFER=5000/STATISTICS INVENTORY.IDX |
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